Otter.aiがAIによる新しい会議サマリー機能とコラボツールの提供を開始

AIを活用した音声採録サービスOtter.ai(オッターエーアイ)は、コラボレーションを促進するための会議に特化した新機能群をリリースすると、米国時間3月29日に発表した。最も注目すべきは、Otter独自のAIを利用して会議の概要を自動的に作成する「Automatic Outline(自動アウトライン)」機能を新たに追加することだ。この新機能は、録音を聞いたり、議事録全体を読んだりすることなく、会議中に同僚が何を話したかを把握できるようにすることを目的としている。新しい会議サマリーは、プラットフォーム上の「Outline(アウトライン)」パネルに表示される。

また、Otter.aiは、会議のアクションアイテム、決定事項、重要な瞬間を記録するための新しい「Meeting Gems(ミーティング・ジェム)」パネルも導入している。このパネルを使って、項目の割り当て、コメントの追加、質問などを行うことができる。ユーザーは、ノート内の断片をハイライトすることで、ミーティングから直接Meeting Gemsを生成することができる。

また、Otter Assistant(オッター・アシスタント)を使って、バーチャルミーティング中に提示されたミーティングスライドやその他の画像をOtterノートに直接追加することもできるようになった。また、ホームフィードでは、会議と会議後の行動を優先的に表示するようになった。再設計されたホームフィードを使用して、共有された会話、ハイライトとコメント、タグ付けされたアクションアイテムにアクセスすることができる。最後に、Google(グーグル)やMicrosoft Outlook(マイクロソフト・アウトルック)のカレンダーをOtterに接続しているユーザーは、カレンダーパネルから直接ミーティングに参加できるようになった。

「私たちは、会議であまりにも多くの時間を費やしており、私は会議をより生産的にするためのAIの力に本当に興奮しています」と、Otter.aiの共同創設者兼CEOであるSam Liang(サム・リャン)氏は、声明の中で述べている。「新しいOtterは、会議のコラボレーションをより簡単かつ迅速にします。今日のハイブリッド、対面、バーチャル会議でのコミュニケーションを改善したいビジネスチームにとって、必須のツールになります」。

この新機能は、2021年8月に同サービスが発表した「Otter Assistant」機能をベースにしており、カレンダー上の会議に自動的に参加し、会話を書き起こし、そのメモを他の参加者と共有することができる。このアシスタント機能は、会議の開始時に有効にしたり、終了時に無効にしたりすることを常に覚えておく必要がないように設計されており、また、会議の進行中に参加者が質問や写真の共有など、コラボレーションを行う場所としても機能する。

アシスタントは、まずZoomで開始され、その後Microsoft Teams(マイクロソフト・チーム)、Google Meet(グーグル・ミート)、Cisco Webex(シスコ・ウェベックス)に拡大された。このツールを使用するには、ユーザーは自分のカレンダーを同サービスと同期させる必要がある。その後、アシスタントは自動的に今後のすべての会議に参加し、透明性を高めるために、別の参加者として会議に表示されるようになる。

画像クレジット:Otter.ai

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

何かと忙しい会議をスマート化、行動につなげやすくするAvomaが13.7億円調達

Avomaの共同創業者。左からアルバート・ライ氏、ディベンドラ・ロールカー氏、アディチャ・コタディア氏(画像クレジット:Avoma)

会議中にメモをとるのは、聞きながら入力し、その2つをしながら次にいう気の利いたことを考えるマルチタスクが求められる芸術的な技だ。アプリを3つか4つ準備して使い、会議後の行動につなげなくてはならない。

パロアルトを拠点とするAvomaは、会議中にやることや使うアプリが多すぎて抜けてしまうことがあるはずだと考えた。同社は会議のワークフローを自動化し、話し合いを行動につなげやすくするソフトウェアを開発した。

米国時間12月22日、AvomaはシリーズAで1200万ドル(約13億7000万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはHeadlineで、Storm Ventures、Global Founder Capital、Zoom Apps Fund、Operator Partners、Industry Venturesが参加した。これまでに投資していたK9 Ventures、Dragon Capital、Twin Venturesも参加した。Avomaのこれまでの調達金額は1500万ドル(約17億1000万円)になった。

2017年にAditya Kothadiya(アディチャ・コタディア)氏、Devendra Laulkar(ディベンドラ・ロールカー)氏、Albert Lai(アルバート・ライ)氏が創業したAvomaは、AIを活用した会議アシスタントを開発した。このアシスタントは議題のテンプレート、メモとビデオの記録、リアルタイムの文字起こし、メモの要約、参加者に対する行動喚起の機能を備えている。

CEOのコタディア氏が以前に創業したShopalizeが2013年に顧客獲得およびエンゲージメントのソフトウェアとサービスを提供する[24]7.aiに買収され、同氏は[24]7.aiに在籍した。同氏は、Avomaを使うと週に数時間を節約でき、会議の成果は平均 30%向上するという。

同氏は次のように語る。「私はプロダクトリーダーとしてしょっちゅう会議に出席し、メモを取るのに時間を費やしていました。新しいプロダクトはお客様やプロダクトマーケティングチームの手に渡りますが、会議中はメモを取るのに忙しくてどうなっているかを聞いていませんでした。これを解決するためにテクノロジーを使って何も取りこぼさないようにしたいと思ったのです」。

Avomaの会話メモ(画像クレジット:Avoma)

生産性向上ツールは新しいものではなく、世界的なコロナ禍でみんなが在宅勤務をするようになって注目を集め、採用されている。しかしコタディア氏は、Avomaは会議管理、AIアシスタント、会話インテリジェンスを1つのツールにまとめたところが他との違いで、いくつものツールを購入し続けることがなくなると考えている。

企業のCRMと統合して情報を追加したり、会議中にいつ、誰が主に話したかを見ることもできる。さらにキーワードで検索し、その時点から録音を聞く機能もある。

コタディア氏は「AIが最初の下書きをして、その後はメモを振り返って重要なところを見つけ、必要に応じてさらに補足できます」と説明した。

Avomaは新たに得た資金をAI、ユーザーインターフェイス、ワークフロー統合の3つの柱に使う計画だ。機械学習と自然言語理解機能の改善を続けて、メモを取る機能などの利用ケースを会議のライフサイクル全般にわたって自動化していく。

プロダクト開発にも投資して、フリクションの少ない優れたユーザーエクスペリエンスを提供していく。さらにAIアシスタントや企業の既存システムとの統合についても開発を続ける。

今回はAvomaが順調に成長しているタイミングでの新たな資金調達となった。同社の売上は過去3年間で毎年400%以上成長しており、顧客数は300社を超える。

同社はこの成長を小規模なチームで実現してきた。現在の従業員数は15人で2020年12月と比べると倍増しているが、コタディア氏は今回の資金により、今後1年間で北米とインドのさまざまなポジションで従業員数を4倍にするとしている。

HeadlineのパートナーであるJett Fein(ジェット・ファイン)氏は「夢中になっている顧客」を持つプロダクトに特に関心があるという。同氏はGopuffやAvomaをそうしたプロダクトと見ており、Avomaは中堅企業に選ばれ、新しいリモートの世界でセールスのプロセスをまとめる接着剤になるだろうと考えている。実際、Headlineは社内で投資としてAvomaを使い始め「たいへん気に入りました」という。

ファイン氏は次のように述べた。「Avomaによって我々のプロセスが改善されました。我々が話をしたAvomaのお客様は夢中になっていて、多くの人がこれなしではやっていけないと言っています。お客様はAvomaを使うことで仕事の効率が大幅にアップしたと言います。そうした声を頻繁に聞いて、我々の興味は大いにかきたてられました」。

原文へ

(文:Christine Hall、翻訳:Kaori Koyama)