マネーフォワードがチュート徳井起用のテレビCM、非IT層に家計簿アプリ訴求

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ゲーム、ニュース、フリマ……スタートアップがテレビCMを放映するのは珍しくなくなったが、今度は家計簿アプリだ。「マネーフォワード」がお笑い芸人の徳井義実さんを起用したテレビCMを開始する。6月20日から大阪と名古屋限定で先行スタートし、非IT層のユーザー獲得を図る。

テレビCMでは「マネーフォワードする人」として徳井さんが登場。入出金情報を自動入力する点、レシートを撮影するだけで読み取れる点、家計簿を入力するだけで節約できる点など、非ITの利用者を意識したメッセージを発信する。歌に乗せて利用シーンや特徴を紹介するパターンもあり、合計で8パターンのCMを用意した。

マネーフォワードの辻庸介社長は昨年12月に15億円の資金調達を発表した際、テレビCMについては「砂に水を撒く感じになりそう」と否定的な見方を示していた。このタイミングでテレビCMに乗り出したのは、「どんなジャンルでもアプリは1つか2つしか残らないので、今が加速する時だと判断した」と理由を語る。

家計簿アプリとしては、広告費を使わずに400万ダウンロードを突破した「Zaim」のほか、280万ダウンロードの「おカネレコ」、入出金情報の自動入力やレシートの読み取りに対応する「Dr.Wallet」などがある。マネーフォワードのユーザー数は200万人。都心に暮らすIT系企業に勤務しているユーザーが中心だが、テレビCMでは主婦をはじめとする非IT層にリーチし、数十万ユーザーを獲得したいという。

「お金は万人にとっての課題なのに、管理している人が少なすぎるんですよね。お金について考える文化を作って、将来的には検索をググるって言うように、お金の管理のことを『マネフォする』って言われるようになれば。」

マネーフォワードの辻庸介社長

マネーフォワードの辻庸介社長

マネーフォワードは複数の口座情報を一括管理し、入出金情報を自動で入力してくれる家計簿・資産管理サービス。銀行や証券、クレジットカードなどのサイトにログインするIDとパスワードを登録するだけで、自動的に入出金情報を入力。入出金情報は「食費」「日用品」「交通費」といった項目に自動で分類してくれる。

6月にはiPhone版とAndroid版のアプリをリニューアルし、スマホのカメラでレシートを撮影するだけで、商品名や店舗名、金額を自動で読み込む機能を無償で公開。これまでは月額500円のプレミアム会員のみが利用できた機能を、無料ユーザーにも開放した。

マネーフォワードは法人向けにクラウド会計サービス「MFクラウド会計」を提供している。月額料金は個人事業主は800円、法人が1800円で、2月には3万5000ユーザーに到達したことを明かしている。辻氏によれば、家計簿アプリとクラウド会計サービスは同等の収益が出ているといい、今後も双方の事業に注力していくそうだ。

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