世界のベンチャーキャピタルで寡占化が進んでいる――1億ドル以上の超巨大ファンドが主力に

【編集部】この記事はJason Rowleyが寄稿した。JasonはCrunchbase News記者でテクノロジー投資をカバーしている。

2018年のベンチャーキャピタル業界はスーパージャイアントが主役だった。Crunchbaseが記録した昨年のベンチャー投資は件数、金額ともにドットコムバブルの絶頂期さえ上回った。

詳しくはCrunchbase Newsの グローバルVCレポート:Q4と各国の情勢を見ていただきたいが、1年間に投資件数は32%、 額(推計)も55%アップしている。 2018にCrunchbaseが記録した投資額のトータルは3000億ドルだった。実施されたラウンドはエンジェル段階から株式上場を視野に入れた後期までスタートアップのライフサイクルのあらゆる段階をカバーしている。これには2018中に実行されたと推定されるものの公表されていない案件、Crunchbaseには今後記録される予定の案件などが含まれている(上記Crunchbaseレポートの末尾にデータが添付してある)。

2018年のマーケットの拡大は巨大テクノロジー・スタートアップが数十億ドル級の大型ラウンドを実施たことによる上げ潮はなのか、同じ比喩を使うなら、逆に上げ潮ではすべての船が浮かぶという現象なのか? そこで案件ごとの投資額、対象企業の規模を検討することが重要になる。

世界のVC資金の流れは明らかに1億ドル以上の投資案件に向かっている。下のグラフは総投資額に占めるスーパージャイアント案件と1億ドル未満の案件の比率を経年で示したものだ。

 

昨年は総投資額の56%以上がスーパージャイアント・ラウンドに向かっていた。時間とともに集中の傾向は強まり、金額の61%は第4四半期に集中ししている。.

ビッグマネーの存在感が拡大

暦年の2018年は大型投資への集中がもっとも高まった年だった。下のグラフは世界のベンチャー投資市場における小規模(1億ドル未満)の案件が占める金額の割合を示したものだ。上のグラフの下側部分と同じデータだが、こちらは過去10年間の推移を示している。

2018年はこの10年で(おそらくは史上)初めて1億ドル以上のスーパージャイアント投資ラウンドが全投資額の半分以上を占めたことが分かる。

ある意味これは予想されたことだ。Ant Financialが史上最大のベンチャーラウンド シリーズCで140億ドルという天文学的金額のファンドを組成したことでも分かる。巨大ファンドは巨大投資を生む。昨年は100億ドル級ファンドの年だった。SoftBank他テクノロジー投資家、スタートアップCEOの資産も(少なくとも紙の上では)スーパージャイアント級になった。これは小型ファンドや小型のラウンドを必要とする起業家にとって良いことなのか?

2018年に、シード投資、初期段階のスタートアップへの投資は金額ベースでも件数ベースでも増加している。繰り返しになるが、これは上げ潮ですべてが上に動く現象の一例だろう。本当の質問は、ベンチャー投資バブルが破裂したとき、スーパージャイアントと普通サイズのどちらがより深刻な被害を受けるだろうか、という点だ。この点については答えが出ていない。

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滑川海彦@Facebook Google+

人びとのより良い暮らしのために長期投資を行うInciteファンドが発足

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wati MylavarapuとMatt Rogersは、間違いなくシリコンバレーのパワーカップルだ。Rogersは陽気で多弁な技術者であり、Nest Labsの共同創業者である。Swatiは、頭の切れるビジョナリーで、伝説的な投資ファームであるKleiner Perkins Caufield&Byers(KPCB)にパートナーとして参加する前には、4年間Squareに勤務していた。

そして今、彼らの第2幕の準備が整ったようだ。

このカップルは、新しい投資プラットフォーム、 Incite(「駆り立てる」という意味の動詞)を立ち上げたばかりだが、シリコンバレーの中ではおよそ耳にすることのない長さのタイムラインで、未来を模索しようとしている。つまり?MattとSwatiは、たとえ投資回収にどれほど長い時間がかかろうとも、世界を変革するスタートアップに投資したいと考えているのだ。

Mattは2010年に、Tony FadellとNestを共同創業し、それを2014年1月にGoogleに32億ドルで売却している。彼は、その売却でどの位の金を手にしたかに関しては口が重いが、少なくともエグジット後に島を買ったりするような、バカ騒ぎはしなかったと請け合った。

「MattがNestを売却したことで、私たちは信じられないような先行投資を行う機会、そして私たちが手にした資本を使って、世界をより良い場所にするための素晴らしい機会を得たのです」とSwatiは私に語る。「それがやるべきことのように思えたのです。とは言え、まず私たちは、どうすればそのことを成し遂げられるのかを学ぶために、時間を使おうと考えました。そんな時に(Kleiner Perkinsから)最高のVCたちや、Randy KomisarやJohn Doerrといった創造的資本家たちから学ぶことのできる、由緒正しいポジションのオファーを受けたのです」。

SwatiはKPCBのパートナーとして、2017年末まで2年間働いた。彼女は、偉大な投資家たちは、何よりもまず起業家たちを支えるために働いていること、しかし同時にファンド投資家たちのためにも働いていることを学んで、ファームを去ったと語った。基本的に、偉大な起業家たちは伝道師であると同時にチェンジメーカーなのだ、と彼女は言う。彼らがそれに取り組むのは世界を変えたいからで、単に短期間に得られる金が動機ではないのだ。

「サポートするだけでなく、実際に手を動かしてくれる初期投資家がいて、動機、ガイド、そしてリソースを与えてくれること――それこそがゲームチェンジング(世界を変えること)なのです」とSwatiは語る。

投資家を見つけることができなかった、ミッション指向企業を率いる創業者たちを、このカップルは常に探してきた。その過程で彼らは、大きな問題を解決することに挑みながら、資金調達の問題に突き当たっているスタートアップたちのカテゴリを発見した。そここそが、Inciteが投資を行いたい場所だ。

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nciteは異色の投資ファンドだとSwatiとMattは語る。ベンチャーファンドの機能は持つものの、それ以上のものがあるのだ。彼らが説明するように、この先20年間リターンを見ないかもしれない企業やアイデアに、資金を提供できる財団も持っている。そしてもし、ある企業がInciteのベンチャーファンドや財団の基準に適していない場合でも、2人はスタートアップを支援するための個人ファンドを使うことが可能だ。

Inciteには3つの投資手段があり、このため2人はより長期間投資回収を待つことが可能となる。1つ目はミッション指向企業を対象とするとLLC投資ファンド、2つめは補助金やプログラムに関連する投資を慈善目的で行うことができる501(c)(3)非営利組織、そして3つめはSwatiとMattが、政治団体と候補者たちを、組織し支援するために個人的に関わる、Incite Politicsという名前の政治部門だ。

同社は、基礎科学や実現が困難な技術が悩むことが多い、資金調達ギャップにアプローチすることを狙っている。MattとSwatiは、この分野がこれまでのベンチャーキャピタルからはほぼ無視されて来たと感じている。なぜならば投資の回収を行うまでに、とても長い時間が必要とされるからだ。

TechCrunchによる何度かのインタビューの中で、彼らは「私たちには忍耐力があります」と答えている。そしてこの言葉はいくつかの初期投資によって証明されている。彼らは、それまでに行った投資の中には世界を変革する可能性を秘めたものもあり、それ故に成熟には長い時間が必要だと感じているのだ。そのために、SwatiとMattは、創業者たちに最良の条件で、長期資金を提供するためにInciteを設立したのだ。

「私たちは、それまでに誰もやったことのないことを行おうとしている人たちに出会うことを、熱望しているのです」と彼らは語る。「そうした人たちとは、重要な変革に踏み出すための、大切だが脆弱な最初の一歩を踏み出そうとしている、聡明で決意の固い人たちです。もし私たちが違いを生み出すことが可能で、そうした人たちが必要とする最初のひと押しを与えることができるなら、私たちはその火花を燃え立たせることになります」。

Inciteにはリミテッドパートナー(LP:いわゆるファンドにおける投資家)がいない。Mattは明らかに、LPのいないことが起業家たちにとってのメリットとなると見ている。

「起業家たちは、長期的に支援してくれる投資家を探しています」とMattは言う。「私たちはLPに対する説明責任を持たず、その上世界へのインパクトを見ることにより興味があるので、より辛抱強い資本を提供することができるのです。また、自分自身が起業家でしたから、彼らが日常的に晒されている日々のストレスについても本当に共感することができるのです。私はしばしば、投資先の起業家たちから電話を受けるのですが、彼らは自分自身の挑戦について語り、一度はそれを通り抜けた人からのコメントを聞きたいと思っているだけなのです」。

Inciteは、助言や指導のために人びとをつなぎながら、資金提供と資金調達を通して目的を達成しようとしている。しかしこうした売り文句は、Incite特有のものではない。実際これは、ほとんどのベンチャーキャピタル企業が使用しているものと同じだ。それらが多くの投資を支え、多くの投資家たちが自分たちのネットワークを活用して、自分たちのキャッシュが正しく利用され、多くの利益を得ることができるようにしている。ベンチャーの世界で、Inciteを他から区別するのは、それとは異なるファンドの存在だ。

上で述べた3つの投資手段がなければ、Inciteは他のベンチャーファンドと似通ったものになるが、たとえそれがあったとしても、彼らが公言する忍耐という信念の存在が欠かせない。彼らはMattとSwatiの個人資金とは別に資金を調達している。Incite Venturesの資金はカップルのファミリーオフィスから提供される。Incite Labsは、彼らが毎年寄付を行っている個人財団であり、彼らの政治活動は直接個人的に、彼らの個人資産から提供される。

これまでのところ2人のパートナーは、24のプロジェクトに資金を提供している。Inciteは異なるタイプの投資を異なるラウンドで行う予定だ。複合的な資産クラスは、MattとSwatiに柔軟性を与え、そのことで投資のリスク構造も変化する。

Wright Electric Airplanesのような投資は、投資の回収に長い時間がかかると思われたために、個人財団を通して行われた。

さらには、政治的行動主義を組織することを支援するThe Arenaのようなプロジェクトもある(コミュニティの構築や四半期ごとのトレーニングサミットの開催を行っている)。これは2人が投資し、Swatiが運営を手伝っているプロジェクトだ。

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attとSwatiはInciteの2人きりの投資パートナーであり、MattはNestでの仕事を続けている。InciteはNestからの卒業ではない、と彼は語る。私がこの質問を何度かしたために、彼は笑い出して、いいえと答えた。彼はNestを辞めないし、彼にとってInciteは夜と週末に行われるプロジェクトで、Swatiが大部分の作業を行うと述べた。

私はTechCrunch Disrupt SF 2017で初めてSwatiに会った。彼女は、Disruptのファイアサイドトークに登壇するためにやってきたMattに付き添ってやって来ていた。Nestは長年にわたって噂されていたセキュリティソリューションを立ち上げたところだった。しかし、彼女と会った瞬間に、TechCrunchの私たちが間違いを犯していたことは明らかになった。SwatiはMattと共にステージの上に居るべき人物だったのだ。彼女はビジョナリーであり、このカップルは、当日Mattが壇上で述べたものと同じ情熱を共有しているからだ。

SwatiはMattと似たような境遇で育ったと語る。勤勉な移民のである両親の元に生まれ、彼女を含む姉妹に、米国で機会を得ることのできる幸運について気付かせてくれた親たちだったのだ。彼女はハーバード大学を首席で卒業し、オックスフォード大学院にローズ奨学生として進学した。彼女は、当初医者になりたいと思って大学に入り、やがて経済学を学ぶようになり、そして偉大な技術が、人びとがより良い生活を営むために、どれほど変革を促しインパクトを持つかに気が付いたのだ。

「私たちの世界が変化するにつれ、形は変わってきましたが、私の目標は常に同じままです――人びとがよりよく暮らし、より多くのチャンスに出会って掴めるようにすることです」とSwatiは語る。

このミッションは、彼らの初期の投資の1つによって明らかだ。Nimaは、食品中のアレルゲンや成分を検出するガジェットのメーカーだ。彼らの最初の製品は、食品中にグルテンがあるか否かを検出するものだった。TechCrunchが、Nimaに初めて会ったのは、彼らが2016年1月にCESのHardware Battlefieldを受賞したときのことだった。MattとSwatiは既に投資家であり、Nimaのシードラウンドにも既に投資を行っていた。そして2016年には同社のシリーズAラウンドにも参加している。

ニマの共同創業者であるShireen Yatesも、2人に関して素晴らしいことを語っている。

「Swatiは数年前にNimaのことを知ると、私たちに連絡して来ました」とYetesは言う。「食物アレルギーが家族の中で実際に問題になっていたために、私たちが和らげようとしている苦痛が何かという点を、彼らはすぐに理解してくれました。彼らは私たちのシードラウンドに投資し、それ以来信じられないほど活動的に関わっていてくれます」。

Yatesは、彼らはパートナーとして登場し、また自らを彼女の会社のチームの延長としてみなしているのだと語った。彼女は、彼らがNimaのインパクトを最大化するための、大いなる手助けとなっていると言う。

Nimaの考えは、Matt、Swati、そしてInciteの掲げる目標と一致しており、2人がこのプロジェクトを最後まで見届けるつもりであることは間違いない。長いタイムラインや、様々な投資手段、そして他のパートナーの不在により、2人がInciteをプレミア投資組織として位置づけるために、多大な労力を注ぎ込んでいることは間違いない。しかし、これは始まりに過ぎない。

MattとSwatiは大きな使命を持っているが、例えシリコンバレーのパワープレイヤーたちであったとしても、それを自分たちだけで成し遂げることはできないだろう。私たちが彼らと話したときには、彼らは決してそれを口にすることはなかったが、彼らはやがて助力を必要とするようになる筈だ。

米国には900を超えるベンチャー企業があり、多くはMattとSwatiと同じタイプの起業家を目指している。創業と投資の経験があったとしても、2人はさらに競争の激しいVCの世界で、投資と助言の技を磨く必要がある。それには時間がかかるだろう、そしてまあ、もし2人が信じられる人たちならば、時間はある筈だ。

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(翻訳:sako)

顧客の株式収益をフリーランスに分配するGigsterの深謀遠慮

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401K?、ストックオプション?フリーランサーには、何もありません。私たちは、Gigsterのために働いてくれるフリーランスの人たちを、スタートアップ企業で働いているような状態に近づけたいと思っているのです」こう語るのは創業者でCEOのRoger Dickeyだ。彼のスタートアップであるGigsterは、フリーランスのプロダクトマネージャー、エンジニア、そしてデザイナーをコーディネートすることによって、顧客のアイデアを本格的なアプリに仕上げる会社だ。そして、同社は今日、その最高のフリーランス契約者たちを引き留め、インセンティブを調整し、顧客のためにさらに熱心に働いて貰う、革新的な方法をスタートした。

GigsterがローンチするのはGigster Fundである。リミテッドパートナーとしてのBloomberg、Felicis、China’s CSCからの70万ドル、そしてこれにGigster自身の資本の1パーセントが加えられて構成されている。同ファンドはGigsterのトップ顧客の1つに、企業評価額500万ドルに対しその1パーセントの5万ドルをキャッシュで毎月投資する。Gigsterは顧客に対して、アドバイス、コネクション、ファンドレイジンクの支援、トップフリーランサーへのアクセスと自社への雇用の機会も提供する。

gigster-fundDickeyは、Gigster Fundによるアレンジに対するスタートアップへのチャージは、ブートキャンププログラムは提供しないものの、1ドルあたりY Combinatorに比べて3分の1、500 Startupsに比べて2.5分の1の資本で済むことを強調した。これまでに対象となったポートフォリオ企業のいくつかには、スタンフォード出身者による医療機器会社、Techstars出資で元Google従業員がスタッフとして勤めるスタートアップAdHawk、ある公開企業ならびにIshqr for Muslimsという名の出会い系アプリの創業者による開発ツールなどが含まれている。

しかしここで特別なのは、Gigsterはファンドの潜在的利益の全ては保持し続けないということだ。投資収益の最初の70万ドルは投資家たちに戻されるが、その後は、投資家たちとGigsterは余剰利益を分割し、Gigsterはフリーランサーたちにシェアを与える。

毎月、Gigster Fundから得られるGigsterの収益の一部が、その月のアクティブフリーランサーの間で均等に分配される。よって、もしファンドが1年運用され、Gigsterが最終的に(投資家の取り分を除いて)1200万ドルの収益を挙げたならば、毎月の収益は100万ドルということになり、よってもし100人のフリーランサーがアクティブならば、それぞれが月に1万ドルを受け取ることになる。

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基本的に、Gigsterのフリーランサーたちは、もし顧客が成功して、かつ自身もしばしGigsterでの活動を続けたならば、おそらくDickeyが言うところの「退職金の一部」を受け取ることができるだろう。「成功した会社は皆、株式を通してその従業員に報いています」とDickeyは説明する。SECはGigsterがフリーランサーたちに株式を直接渡すことを許さない、そこで「そうしたたやりかたを真似る一番の方法は、彼らが仕事をしている顧客の株式を介して報酬を与える方法なのです」。

もちろん、これはすべて、Gigsterとその顧客が成功することに依存している。Gigsterは正しい方向に進んでいる。2015年7月にGigsterは、大企業や起業家たちに、個々のフリーランサーを自分で管理する必要がなく、アプリケーション全体の開発プロセスをアウトソースできるサービスをローンチした。最初の2週間には100万ドルを売り上げ、そのわずか4ヶ月後にはGigsterはアンドリーセン・ホロウィッツ率いるシリーズAで1000万ドルを調達した。今では、マスターカード、IBM、そしてペプシコといった顧客と契約しながら、企業向けの売り上げは前の四半期に比べて9倍に伸びている。

Gigsterの共同創業者たち:(左から)Roger DickeyとDebo Olaosebikan

Gigsterの共同創業者たち:(左から)Roger DickeyとDebo Olaosebikan

その急速な成長は何らかの混乱を引き起こす可能性がある。私はGigsterがプロジェクトコストを過小に見積ったために、追加予算が必要となって腹を立てている顧客の話を聞いたことがある。また、顧客は自分のアプリの保守と更新を継続するためには、Gigsterとのやりとりを繰り返さなければならない。こうしたプロセスが、あまりにもでこぼこ道(too bumpy)であることが判明したときには、将来のGigsterの顧客を落胆させてしまう可能性がある。

しかし、ソフトウェアが世界を食い、全ての企業がテックカンパニーを目指している現在、需要は屋根を突き抜けるほど積み上がっている。アプリを必要とはするものの、どうやってそれらを開発すればよいかわからない企業たちは、そのよく吟味されたタレントと、苦労の少ないソリューションに惹かれて、Gigsterを選んでいる。

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Gigsterで構築。

顧客、フリーランサー、そしてGigsterの潜在的な利益を超えて、ファンドはまた、他の企業が契約労働者を支援するために何ができるかについてについて語ることもできるかも知れない。「多くのスタートアップがこれに踏み切ることを怖れています、なぜなら『働きに応じて支払われる』クラス分け問題に突き当たることを怖れているからなのです。従業員の処遇に対してのアプローチを考えることほど、スタートアップを疲弊させるものはありませんからね」とDickey。

Uberのような、オンデマンドギグ(gig:一時的な仕事)エコノミー世界のスタートアップたちは、「1099」独立契約者(米国では個人請負業者のためにForm 1099という申請用紙が用意されている)を、よりコストのかかるフルタイム従業員として扱うようにさせようとする訴訟と、戦ったり回避の努力をしたりしている。Gigsterのフリーランサーたちは、ホワイトカラーの知識労働者であるため、Dickeyは、この特典を提供すれば訴訟を回避できると考えている。そのリスクにもかかわらず、Dickeyは「私たちは、私たちが思う正しいことをやるのだ、という重い決断を下しました」と言う。

もしこのスキームが上手く行った場合には、Gigsterは、株式収益を通じて、フリーランスの独立性と柔軟性という利点と、フルタイム雇用者の潜在的な利点をうまく組み合わせることができることになる。このことは、優れたプロジェクトマネジャーたちや、開発者たち、そしてデザイナーたちに9時から5時の拘束から抜け出して、Gigsterとギグを行う決意を促すことにもなるだろう(ギグには「一時的な仕事」」という意味の他に「音楽ライブ」という意味もある)。そして、自分自身ではそれほど良いチームを集めることのできない顧客の前に、その才能をぶら下げることができるようになるのだ。

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(翻訳:Sako)

元NBA選手のコービー・ブライアントが1億ドル規模の投資ファンドを設立

Washington Wizards v/s Los Angeles Lakers December 14, 2010

Kobe Bryant:NBAの殿堂入りを果たし、、ベンチャーキャピタリストになる

バスケットボール選手とベンチャーキャピタリストとの間には共通点は少ない。しかし、それがバスケットボール選手としてのキャリアを終えたBryantが選んだ道だ。

Wall Street Journalが報じたところによれば、Bryantは投資家のJeff Stibelとタッグを組んで1億ドル規模の投資ファンドを設立したようだ。テック企業が主な投資対象となる。BryantとStibelはこれまでにも非公式で共同出資を行うなど親密な仲ではあったが(2013年以降に出資した企業は15社にもなる)、今回「Bryant Stibel」という投資ファンドをロサンゼルスに設立し、公式にVC業界の仲間入りすることになったのだ。

Wall Street Journalの記事によれば、2人の投資ファンドの主要投資対象はテック、メディア、データ企業であり、「今後数年間は」投資活動を続けていく予定だという。また、この投資ファンドはBryantとStibel本人から拠出された資金で運営されており、「外部の投資家をメンバーに加えることは、今のところ考えていない」と報じられている。

ソーシャルメディアを通じてダイレクトにファンと交流する姿が印象的なBryantは、Wall Street Journalとのインタビューの中で、自分には将来有望な起業家を嗅ぎわける才能があると思うと語っている。

ファンドの名前はさておくとして、この投資ファンドはKobe Bryantの名前を冠した「ショー」ではないとStibelは説明する。

「かの有名なKobeの名前をスタートアップの”推薦人”として利用するような投資ビジネスをするつもりはありません。それでは面白くない。重要なのは本物のバリューを企業に加えることなのです」と、過去にはWeb.comなどを設立した経歴をもつStibelは語る。

過去にスポーツ選手が立ち上げたファンドのなかでも、ひときわ注目が集まるのがBryantの投資ファンドだろう。しかし、スポーツ選手が投資ファンドを立ち上げた例はこれが初めてではない。スタートアップへの出資やマネージメントに関わるアスリートには、Shaquille O’Neal、現役で活躍するCarmelo Anthony、Steph Curryなどがいる。

Carmelo AnthonyはNew York Knicksに所属するスター選手としての顔を持つかたわら、Melo7 Tech Partnersという投資ファンドの創立者としての顔も持つ。彼には昨年開催されたTechCrunch Disruptにも参加してもらっている。一方で、Steph Curryはコンテンツ・マネージャーとして画像検索のSlyceに参画しており、来月に開かれるDisrupt San Franciscoでは彼にSlyceでのプロジェクトについて語ってもらう予定だ

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook