経済産業省は、官民一体の取り組みとしてロボットフレンドリーな環境の構築を目指し、惣菜工場への惣菜盛り付けロボットの配備を開始したと発表しました。
経産省のリリースによると「人手不足やコロナ禍の影響により、今後の日本社会における自動化、無人化、非接触へのニーズはますます高まって」いることを背景に、2019年より「ロボットを導入しやすい“ロボットフレンドリーな環境”の実現に向けた取組」を進めてきたとのこと。
とくに食品製造の分野ではいまだ人手のかかる作業が多くを占めており、なかでも惣菜の製造現場、特にパックなどへの盛り付けの工程における人手が多く必要とされているため、これをいかに自動化するかが課題となっています。
今回の発表ではロボット実装モデル構築推進タスクフォース(TF)のメンバーである一般社団法人日本惣菜協会が指揮をとり、マックスバリュ東海、イチビキ、ヒライ、藤本食品、グルメデリカ、デリカスイト、ニッセーデリカの7社に惣菜盛付ロボットやシフト計算最適化システムなどを開発導入したことが報告されました。
Japan Ready-made Meal Association
なかでも絵面的に興味が引かれるのは、イチビキ、ヒライ、藤本食品に導入された(株)アールティの惣菜盛り付けロボット「Foodly」で、本体ボックスの上に人の上半身が生えたような、まるでケンタウロスのような風体が非常にわかりやすい未来的デザイン。この形状は単にステレオタイプなロボットを作ったからではなく、比較的小柄な人型とすることで生身の従業員が立つ製造ラインに並んで配備することができ、人と人の間に配置すればソーシャルディスタンスの目安としても有効です。
さらに人用の作業着を着せられるため本体の汚れを最小限に抑えられ、清掃の手間を省略できます。両手は複数種類のトングを付け替えて使用でき、まるで人間のように惣菜をつまんではトレイに乗せていくことが可能。髪の毛もなく喋ることもないので、惣菜への異物混入の可能性も大きく減らせるとメーカーは説明しています。
その他の盛り付けロボットやシフト管理システムの導入も、惣菜製造現場の煩雑な作業の軽減、人手不足の解消に役立つことが期待されるもので、経済産業省はこのような成果を他のTF関係者にも共有し、中小企業を含めた多くの惣菜製造現場にも導入可能な低価格な盛付ロボットの開発を進めていくと述べています。
(Source:METI(経済産業省)、Japan Ready-made Meal Association。Coverage:RT Corporation。Engadget日本版より転載)