iRobotが芝刈りロボット「Terra」の発売を無期延期

iRobot(アイロボット)は米国時間4月28日の四半期決算報告で、同社の芝刈りロボット「Terra」の発売を無期延期したことを発表した。Roomba(ルンバ)のメーカーでもある同社は、待望のホームロボットの2020年の発売を断念した。

当然のように同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響による不確実性を理由に挙げている。具体的には「市場の現状」だという。同社広報がTechCrunchに送った声明は以下のものとなる。

他の多くの消費者向けテクノロジー会社と同様、iRobotも新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、市場開拓と製品開発の優先順位を再考しなければならなかった。市場の現状を踏まえ、iRobotはロボット芝刈り機 Terraの2020年発売を中止し、中核事業やその他の戦略への取り組みを優先する必要に迫られた。iRobotは今でも芝刈りロボットの大きな可能性を信じており、Terraの発売は中止するものの、時期が来たときには発売の可能性を再評価するつもりだ。この決定は、iRobotがこの景気停滞を乗り越え、消費者向けロボットのリーダーとして、継続的に利益を生む会社として成長することを確かにするものだ。

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無期延期の理由が、どれほど世界のサプライチェーン問題によるもので、どれほど単なる需要不足のためなのかはわからない。人と人との接触を減らして感染リスクを回避するロボットやAIの発達によって、新型コロナウイルスはオートメーションへの関心を高めた。しかし、多くの人々が自宅で過ごす時間が増えたことで、1000ドル(約10万7000円)近い商品は消費者が景気刺激策に投じる対象でなくなる可能性が高い。

この「優先順位の変更」は、ビデオ会議ロボットのAvaを数年前にスピンオフされた会社として興味深い洞察だ。新型コロナ危機は、長い目でみればリモート学習の現実性を認識した人々の役に立つ製品開発を探求する理由になるかもしれない。

iRobotは今後について具体的なことは言及していないが、このような無期限の延期は、同社の次期看板製品にとってよい兆候とはいえない。例え究極の理由がパンデミックだとしてもだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook