mintとデライト・ベンチャーズが社会人向け起業支援プログラムのエントリー募集開始、1社あたり最大1億円の出資枠用意

mintデライト・ベンチャーズは12月27日、社会人向け起業支援プログラム「Springboard 2022」(スプリングボード 2022)のエントリー開始を発表した。応募期間は2022年1月13日まで。応募は、概要ページより行える。2020年より開始しているプログラムで、第3回を迎える今回から1社あたり最大1億円の出資枠も用意している。

対象者

    • 3カ月以内の起業を決めており、具体的に準備を進めている社会人
    • 半年以内に本気で起業する覚悟を持つ社会人
    • 事業案が固まっていない・起業する際の共同創業者が決まっていない方でも参加可能

プログラムスケジュール

  • 応募期間:2022年1月13日まで
  • 面談期間:2022年1月11日〜1月25日
  • 参加決定通知:2022年1月28日
  • 初回キックオフ:2022年2月9日
  • プログラム期間:2022年2月〜4月
  • 最終デモデイ:2022年4月25日
  • プログラム期間中、企業に在籍中の方は平日夜や週末をメインに活動してもらう。また、平日に行われる上記キックオフやコンテンツなども夕方以降の開催を予定

参加者に提供する主なサポート

  • 事業のブラッシュアップ:3カ月間、平日夜や週末を使いVC6名がメンターとして事業領域の選定や事業のブラッシュアップ、投資家に向けた発表準備を伴走する
  • コミュニティ:期間中、定期で勉強会・交流会を実施し、スタートアップコミュニティとのアクセスを提供する。勉強会では、先輩起業家やVCからフィードバックを受けられる
  • 会社設立支援:スタートアップ支援に強いバックオフィスの専門家の紹介など、会社設立および資本政策立案の支援を実施
  • 資金調達の機会:3カ月間のプログラム後には、デライト・ベンチャーズの南場智子氏や著名VCのパートナーが参加するデモデイを開催し、資金調達を交渉する機会を提供(プログラム採択時に、mintまたはデライト・ベンチャーズからの出資受け入れ義務はない)

Springboardは、本気で起業を考えている社会人を3カ月間支援するプログラム。著名起業家やベンチャーキャピタル(VC)のメンタリングを受けながら、プログラムが終わる4月には起業することを目指す。「起業のハードルをとことん下げ、起業することを当たり前のキャリアパスにしたい」という思いを掲げるデライト・ベンチャーズと、「大手企業や事業会社からスピンアウトしてスタートアップする起業家を積極的に応援したい」と考えるmintが共同開催している。過去2回のプログラムでは、14チームを採択し11社がプログラム終了後に起業し(2021年12月時点)、6社が資金調達を完了している。今回は過去の運営実績から1社あたり最大1億円の出資枠を用意している。

3カ月間のプログラム期間中に提供されるサポートは、メンターによる事業のブラッシュアップ、先輩起業家やVCなどのスタートアップコミュニティへのアクセス手段の提供、会社設立に向けた各専門家とのネットワーク提供などを行う。これらにより起業までのサポートと起業後のスタートダッシュを応援する。また、3カ月の期間終了時にはデライト・ベンチャーズの南場智子氏や著名起業家、VCに対してのデモデイを実施し、資金調達機会の提供もする。

対象となるのは、「3ヶ月以内の起業を決めており、具体的に準備を進めている社会人」もしくは「半年以内に本気で起業する覚悟を持つ社会人」に当てはまる者。事業案が固まっていない、起業する際の共同創業者が決まっていなくても参加できる。

mintはプレシード・シード期に特化した独立系VC。創業準備中もしくは創業期の起業家へ向けたオフィス支援プログラム「FLAP」、投資家起業が入居可能なコワーキング・オフィス「GUILD SHIBUYA」「HATCH」、創業期のCTOやリードエンジニアが集まるコミュニテイ「PROP」を運営している。

デライト・ベンチャーズは、日本における起業のハードルを下げ、起業家が世界で活躍するよう全力で支援するというVC。起業を当たり前のキャリアパスとし、成功者も失敗者も次々とチャレンジし続けられる社会を目指している。起業家や投資家、企業とのパートナーシップを通じ、日本のイノベーションエコシステムの世界的競争力向上に貢献したいという。

世界最大の在庫品目を誇る電子部品通販サイト「Digi-key」がスタートアップ支援サイトを開設

世界最大の在庫品目を誇る電子部品通販サイト「Digi-key」がスタートアップ支援サイトを開設

世界最大の在庫品目を有し、世界各地で事業を展開する電子部品通販サイトDigi-Key Electronics(ディジキー・エレクトロニクス)は、6月7日、スタートアップ企業の成功を支援するマイクロサイト開設と、アメリカのスタートアップ専門誌「STARTUP Magazine」とのパートナーシップで制作された「Startups Survival Guide, 2nd Edition」(スタートアップ企業サバイバルガイド」マニュアル第2版)の公開を発表した(英語での提供)。

Digi-key自身が、もともとアマチュア無線用部品を生産するスタートアップ企業だったことから、その経験と、さらにこれまでに数千社のスタートアップ企業を支援してきた中で蓄積されたリソース、ツール、知識を活用して、コンセプト段階から、試作、製造、サポートに至るまで10のステップに沿ってスタートアップ企業を支えようという活動だ。「その夢の実現を可能にするDigi-keyのコミットメントと献身」を強固にするためだとDigi-keyは話している。

このマイクロサイトは、スタートアップ企業が成功するまでの10ステップ(コンセプト、研究、評価、デザイン、プロトタイピング、資金調達、マーケティング、生産、流通、サポート)を示す「Startup Roadmap」(スタートアップ企業ロードマップ)を中心に構成されている。各ステップでは、アメリカのオープンソース・ハードウェア・メーカーの草分けAdafruit Industries(エイダフルーツ・インダストリーズ)の創設者であり、2018年のForbes誌「テック業界のアメリカ人女性トップ50」にも選ばれたLimor “Ladyada” Fried(リモア・レディーエイダ・フリード)氏が語るスタートアップ体験談の動画も視聴できる。

また、ロードマップの各ステップの完了をサポートするインタラクティブなツール「Roadmap Dashboard」(ロードマップ・ダッシュボード)も用意されている。ここでは、各ステップで有用となるツールやリソースが紹介され、「革新的なトラッキングシステム」も利用できる。たとえば、短時間でコンセプトをまとめることができるツール「Scheme-it」、プリント基板の設計から発注まで行えるツール「PCB Builder」と「DK RED」、そのほか部品表管理ツールや技術フォーラム、さらにDigi-keyを通じて販売が行えるマーケットプレイスなどが用意されている。

Digi-Keyテクニカルマーケティング担当ディレクターのDavid Sandys(デイビッド・サンディス)氏は「Digi-Keyはこれまで数万社のスタートアップ企業と関わってきており、スタートアップ企業の願望や目標実現の妨げとなる一般的な落とし穴や、見えにくい落とし穴をいかに回避するかを学んできました。新しいマイクロサイトとガイドは、こうした障害を克服するための最も優れたリソースのひとつです」と語っている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:IoT(用語)Adafruit Industries(企業)オープンソース / Open Source(用語)Digi-Key Electronics(企業・サービス)電子工作(用語)メディア(用語)

Amazonがラストマイル配送ビジネスの起業支援プログラムを開始

Amazonはこれまで、そのクラウドソーシングによる「ラストマイル」配送ドライバーたちが直面する問題に対して、多くの苦情を受けてきた。しかし、このたびそうしたドライバーたちに対して、より多くの起業家的野心を満たすオプションの提供を始めた。ギグワーク(一時雇い仕事)に応募する代わりに、ドライバーたちは自身の配送ビジネスの起業をAmazonが支援してくれる、新しいプログラムを選ぶことができる。

Amazonによれば、このプログラムには、Amazonの配送技術へのアクセス、ハンズオントレーニング、自動車リースや保険といった、資産とサービスに関する割引が含まれているという。

これは、Amazon Flexとして知られるクラウドソーシング配送プログラムとは違い、ドライバーは自分の車を使う必要がないことを意味する。これにより、荷物を整理するためのスペースが増え、配送車両用の駐車スペースを利用できるようになり、固定用ストラップや台車も持ち運ぶことができるようになる。

Amazonによれば、仮に40台の車両を運用する場合、成功したオーナーの年間利益は30万ドルに達する可能性があると言う。同社は、時間が経つに連れて、数百もの中小企業オーナーが、数万人以上の配送ドライバーを米国内で雇用してくれると予想していると語る。

言い換えれば、Amazonは、UberではなくAmazonのために運転したい人に向けて、車のリース、トレーニング、そしてリソースを提供することで、UPS(米国の宅配サービス)の競合相手を立ち上げたということだ。

Amazonによれば、わずか1万ドルの資金で、Amazon配送ビジネスを開始することができるという。退役軍人ならその1万ドルの払い戻しを受けることができる。Amazonが、そうした人たちのスタートアップ費用を賄うためのプログラムに100万ドルを投資しているからだ。

ビジネスオーナーたちには(流通業の経験は不要とAmazonは指摘している)、Amazonが事前交渉済の、カスタム配送車両、ブランドユニフォーム、ガソリン、そして包括的な保険などの割引が提供される。

これは、ギグワークであるFlexのドライバーたちが直面していた問題のいくつかにもアプローチしている。例えば、ガソリン代がしばしば利益を大きく損なうこと、保険がないこと、そして無印の小さい車両を使って荷物を配送することに伴う様々な困難などがこれまで問題になっていた。

「私たちは従来の配送業者の中にも偉大なパートナーを抱えていますが、流通産業の発展が続くことをとても楽しみにしています」とプログラムの発表声明の中で語るのは、AmazonのシニアバイスプレジデントであるDave Clarkだ。「顧客の皆さまからの需要はこれまで以上に高く、私たちは運送能力を増やす必要に迫られています。成長を支える方法を検討した結果、私たちはルーツに戻って、中小企業のみなさまとチャンスを分け合うことにしたのです。私たちは、電子商取引におけるパッケージ配送の成長する機会を活用するために、新しい小規模ビジネスの立ち上げの支援を強化するつもりです」。

この変化はそもそも、Amazonによる米国郵政公社へ​​の財政的影響についての議論が行われたときに、種がまかれたものだ。この新しいプログラムの中では、その規模が拡大するにつれて、Amazonは特定の外部パートナーへの依存を減らすことができる。

とはいえAmazonは、暫くの間は、郵政公社やより小規模のラストマイルパートナーたちに加えて、UPSやFedExを含む既存のパートナーたちとの協業を続けていくことになるだろう。Amazonのビジネスが成長し続ける中、顧客に荷物を届けるにはそうしたパートナーたちの協力が必要なのだ。リースされたPrime車両の一群だけではとても全てをまかなうことはできないからだ。

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(翻訳:sako)