超音速旅客機の商用化を目指すBoom Supersonicがデモ機XB-1を披露

Boom Supersonicは、商用の超音速旅客機を国際舞台に復帰させるという目標の実現に最も近い位置にいるスタートアップだ。このコロラド州を拠点とする同社は、そのデモ用航空機XB-1の最終設計を米国時間10月7日に披露した。これは完全に機能するプロトタイプの飛行機で、飛行能力とシステムの実機試験を進め、最終的には超音速商用旅客機Overtureの生産に入る。

XB-1は実際のOvertureの縮小バージョンで、商用旅客にビジネスクラスのようなアメニティを提供する予定の客室がない。2021年からBoomの設計を手助けするテストパイロットのためのコックピットは用意されており、その長さは71フィート(約22m)。推進力は3基のGE(ゼネラル・エレクトリック)製J 85-15エンジンで、1万2000ポンドの推力を提供する。

なお、標準的なコックピットウィンドウも備わっているが、空気力学に必要な機首の角度が極端なため、HDビデオカメラとコックピットディスプレイが搭載し、パイロットは飛行機の前方を仮想的に見ることで最大の視界が得られるようになっている。

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XB-1のフレームは炭素複合材で作られていて、軽量だが非常に高い引張強度と剛性がある。高空なので摩擦は少ないが、超音速飛行で発生する高温にも耐える。BoomはXB-1の製造に際してパイロットの快適性にも配慮し、数百時間にもおよぶユーザーテストにより経済性の最適化も図った。

同社はXB-1を、カリフォルニア州モハーベのモハーベ航空宇宙港でテストする計画だ。テストは来年を予定しているが、地上テストは直ちに始める。同時並行でOvertureの開発も続け、風洞試験や航空機のその他の要素の検証を進めて、2025年に商用機を飛ばすという目標を目指す。

米国時間10月7日の昼に同社は本社でバーチャルの発表会イベントを開催し、創業者でCEOのBlake Scholl(ブレイク・スクール)氏が質問に答えた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Boom Supersonic、超音速旅客機

画像クレジット: Boom

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国拠点の超音速旅客機スタートアップのBoomがロールスロイスと提携、NY〜ロンドン片道3.5時間目指す

米国コロラドに拠点を置く航空機製作のスタートアップであるBoom Supersonicはコンコルドの遺産を継承して大きく進歩させた超音速旅客機の開発に長年取り組んでいる。BoomはOverture超音速旅客のエンジンを入手するためにロールスロイスと契約を結んだ(PR NewsWire記事)。BoomはテストモデルのXB-1を実際に飛行にさせる寸前まで来ている。XB-1はOvertureで使用を予定しているさまざまなテクノロジーを実験、実証するための縮小モデル機だ。

ロールスロイスがBoomに協力するのはこれが初めてではない。Boomの発表によれば、両社はこれまでにもさまざまな面で共同作業を行ってきたという。ロールスロイスは第二次世界大戦以前にさかのぼる航空機用エンジン開発の歴史を持ち、現在も世界で二番目に大きい航空機エンジンメーカーだ。

これに対してBooomは航空機メーカーとしては新しいスタートアップだ。長い伝統のあるロールスロイスが推進システムを受け持つことになったのは大きなメリットだろう。コンコルドの推進システムに採用されたOlymppus 593ターボジェットエンジンはロールスロイスが開発・製作したものだ。

Boomが開発しているOvertureは世界最高速の旅客機を目指している。飛行時間はニューヨークからロンドンまでが3時間半など、現在のジェット旅客機の機の半分となるはずだ。Boomは、頻繁に空路で出張する旅行者を対象にビジネスクラス専用機としてOvertureをデザインしており、今後5年から10年の間に実用化することを計画している。

XB-1デモンストレーターのロールアウトは今年の10月7日に設定された。Boomが飛行に必要な機能をすべて備えた実機を公開するのはこれが初めてとなる。

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滑川海彦@Facebook

超音速旅客機開発のBoom SupersonicがFlight Researchと提携、XB-1実現に前進

超音速旅客機を開発しているスタートアップ、BoomについてはTechCrunchでもファウンダーへのインタビューを含め、詳しく紹介している。超音速旅客機の開発計画はいくつもあるがもっとも影響が大きいのはJALとバージン航空が出資するBoomだろう。デンバーを本拠とするこのスタートアップはこのほど試験飛行、型式取得、パイロットの訓練などを専門とする企業、Flight Research, Inc.と提携したことを発表した。

Flight Research, Inc.はBoomが開発中のXB-1超音速デモンストレーターの試験飛行をモハーベ砂漠の上空での実施を計画しており、提携の一環として、Boomはモハーヴェ空港および宇宙港(Mojave Air and Space Port)に所在するFlight Researchの格納庫が利用できる。テスト飛行の発着にはこの空港が用いられる。また、ノースロップT-38超音速練習機も利用可能。T-38はパイロットの訓練とXB-1のテスト飛行を追尾してモニターするために用いられる。

Boomが開発中のXB-1は、最終目的である商用旅客機Overtureの設計の前段階にあたる。BoomによればXB-1はこの商用機のスケールダウン版であり、テスト飛行によって得た情報をフィードバックしてOvertureの開発に生かすのだという。XB-1の操縦系とエンジンは開発を完了しており、現在はコクピットの細部を詰めているとのことだ。胴体の半分と翼の3分の1は今後開発される。最初のテスト飛行は2020年後半の予定だ。

動画は2017年4月取材のものとなる。

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滑川海彦@Facebook