Redditのライブオーディオプロダクト「Reddit Talk」にウェブ版が登場

2021年4月にClubhouseによく似たReddit Talkを公開したReddit(レディット)が、この機能にエンゲージメントの強化を狙う新機能を追加する。新機能にはウェブ互換、過去のセッションの録音、トーク中のライブコメントがある。また、ホームフィードの上部にライブチャットがどこで開催されているかを表す、Twitter(ツイッター)に似たライブバーも追加される。

Redditは同社ブログに「この3カ月間でReddit Talkのデイリーアクティブリスナーは250%以上増えています」と記している。さらに、r/cryptocurrencyで開催された投資家のKevin O’Leary(ケビン・オレアリー)氏のトークや、r/moviesで開催されたテレビ番組「Jackass」(ジャッカス)のスタントマンとのセッションなど、1000を超えるサブレディットでライブオーディオチャットが開催されたことも紹介している。

画像クレジット:Reddit

Redditでのライブオーディオルームは、第一印象としてはあまり直感的ではないと感じられるかもしれない。Reddit利用者の多くは匿名でこのプラットフォームに集まっているからだ。しかしライブ中にコメントしたり絵文字を送ったりする機能があれば、シャイな(あるいは匿名のままでいたい)ユーザーはこれまでより簡単に話に参加できるようになるだろう。これまでは、リスナーは(画面上で)挙手して発言するしかなかった。また、ウェブ互換、ライブバー、非同期の聴取といったライブオーディオの発見につながる機能により、Redditのこの新しいコンテンツに関わりやすくなる。

トークを作成できるのはRedditのiOSとAndroidのアプリだけだが、2月中にはデスクトップからも開始できるようになるとRedditは述べている

現在、ライブのトークを開始できるのはRedditのモデレーター(サブレディットの秩序を守る活動をするボランティア)だけだ。モデレーターはGoogle(グーグル)フォームからトークを実施するための申請をすることができる。TwitterスペースClubhouse(クラブハウス)などのプラットフォームが直面するコンテンツモデレーションの問題を考えれば、このやりかたは今のところ、Redditが制御する上では良い方法だろう。

Redditの広報はTechCrunchに対し「ライブオーディオ機能をモデレーター以外のRedditユーザーに拡張する計画はありません」と述べた。

画像クレジット:Reddit

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Twitterスペース、ポッドキャストのようなオーディオ録音シェア機能のテストを継続

Twitter(ツイッター)は、ホストが過去に録音したスペースの音声をツイートで共有できる機能「Spaces Recordings」に取り組んでいる。これにより、ホストがオーディオ録音を共有すると、何人のリスナーがライブで参加したか、また何人が後から録音を再生したかを確認することができるようになった。

Twitterの広報担当者によると、同社が長い間ちらつかせてきたこの機能は、もうしばらくクローズドテストにとどまるとのことだが、開始以来、テストグループを何度か拡大しているという。Twitterは、この機能を将来的にはより広く展開する予定だ。

Twitterスペースが録音されている場合、ライブでスペースに参加しているユーザーには、赤い点が付いた「Rec」ボタンが表示される。ホストが後で録音を共有する際には、開始時間を編集することができる。これにより、スペースがすぐに開始されなかった場合でも、将来のリスナーが数分間のデッドエアを聞く必要がなくなる。録音されたスペースを聞くとき、ユーザーはライブのスペースと同じように、誰が話しているのか、誰がオーディオルームにいたのかを確認することができる。

これらの機能は、リスナーにとっては、聴き逃したお気に入りホストのコンテンツに非同期的に参加することができるので便利だ。また、ホスト自身にとっても、このリプレイ機能を利用することで、視聴者を増やしやすくなる。Clubhouse(クラブハウス)では、2021年11月に「リプレイ」という同様の機能を追加した。この機能では、ユーザーが音声をダウンロードして編集し、必要に応じてポッドキャストとして共有することもできる。Twitterでは2021年6月から、ユーザーが過去30日間のスペースのオーディオファイルをダウンロードできるようになった。

スペースはTwitterの主要な機能として推されており、モバイルアプリでも中央のタブを占めている。しかし、このライブオーディオ機能の成長にはつまづきもあった。最近ではTwitterスペースのユーザーが、人種差別的なタイトルのスペースなど、明らかに有害なコンテンツを配信されたことを通報した後も当該スペースがフィードに残っていたことが報告されている。Clubhouseのような他のライブオーディオアプリも、有害なコンテンツの管理に苦労している。Twitterは、スペースのモデレーションが既存の報告機能を超えて拡張されるかどうか、あるいはどのように拡張されるかについて、まだ詳細を明らかにしていない。

Twitterの広報担当者は、TechCrunchに対しこう述べている。​​「当社はより積極的な検知方法を模索し、新しいモデレーションのオプションを評価・開発することに取り組んでいます。スペースは反復開発中の製品であり、より多くの人々が利用するにつれて、我々は学び続け、注意深く耳を傾け、フィードバックに基づいて改善していきます」。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

Clubhouseがライブルームを録音して共有できる新機能「Replay」を導入

Clubhouse(クラブハウス)のホストとモデレーターは、米国時間11月8日から新しいツールを手に入れる。Clubhouseは、クリエイターがオーディオルームを録音し、ライブを逃した人が後にチェックできるようにする新機能をiOSとAndroidのアプリで公開した。同社は9月末にこの機能を発表していた

「Replay」と呼ばれるこの機能では、公開ルームをその場で録音し、クラブやユーザーのプロフィールに保存することができる。Replayはダウンロード可能なので、ルームをホストしている誰もが「ポッドキャスト、YouTubeのクリップ、Instagramのストーリー、TikTokのビデオ、その他」としてClubhouse外で共有することができる。

Replayはまた、Clubhouseが以前導入した機能で、モデレーターがルームの上部に関連リンクを表示できるリンクのピンにも対応する。加えて、録音されたルームを聴く人は、次のスピーカーにスキップしたり、1.5倍または2倍のスピードで聴いたり、一時停止したり、30秒のクリップを作成したりすることができる。

クリエイターは、ライブルームが終了した後、誰がルームのReplayを聴いているかを確認することができ、これによりリアルタイムで体験を聴いていない他のユーザーとつながることが可能だ。Replayは来週以降、検索を含むClubhouseの既存のディスカバリー機能にポップアップ表示される。また「トータル・ルーム・カウント」機能を導入し、特定のルームを累計何人が聴いたか、より有益な分析結果をホストが得られるようにしている。

画像クレジット:Clubhouse

オーディオルームの再生機能は、ライブオーディオイベントをあまり聴かない人にとって、Clubhouseの魅力を大幅に拡大するもので、誰もがポッドキャスト発見エンジンのようにClubhouseを使うことができる。また、クリエーターにとっても、ライブイベント終了後に、自分が作った最高のコンテンツをより多くの人の耳に届けられる機会を得るというのはうれしいはずだ。

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが「スペース」の録音機能をiOSで限定提供、近々世界展開へ

Twitter(ツイッター)は2021年9月、Twitterスペースのホストがライブオーディオセッションを録音し、再生できるようにする機能を近く導入すると発表した。当時同社は、この機能を「数カ月」以内にリリースするといっていたが、最近の開発の加速ぶりを踏まえると、米国時間10月28日から最初のバージョンが公開されたのも驚きではない。

当初、Spaces Recording(スペース・レコーディング)オプションは、iOSのTwitterスペースホストの一部に提供される。再生はiOS、Androidの全世界リスナーが利用できる。最初に利用できるのは初期のSpaces Betaに参加していた人たちだとTwitteはいう。その後、数週間をかけて残る全Twitterユーザーに展開されるとのことだ。

新機能を使うために、ホストは自分のスペースにタイトルをつけ、内容を表すタグを最大3つ付けていつものようにライブオーディオルームを作成する。次に、新しい設定項目の「Record Space」をオンにしてから、「Start a Space」ボタンをタップしてライブオーディオセッションを開始する。

スペースが録音されていると、参加者は画面のトップに「Rec」ボタンが赤いドットとともに表示されて録音中であることが示される。

画像クレジット:Twitter

ホストはスペースを終了する準備できたら右上の「End」ボタンをいつものようにタップすると、ポップアップが現れて、スペースの中止と録音の停止の両方を確認する。

終了すると録音されたスペースはTwitter上でシェアすることが可能になり、リスナーは好きな時に再生したりシェアしたりできる。オーディオをエクスポートするオプションはまだないとTechCrunchは聞いている。代わりに、ユーザーが録音を直接アクセスするためには自分のデータのダウンロードを要求しなければならない。

ライブオーディオは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックが起こる中、自宅に閉じ込められたユーザーのために何かを提供してくれることで人気を博した。しかし、新型コロナによる制限が解除され、人々が思い切って行動するようになるにつれ、そのアピールはやや停滞した。例えば人気ライブ・オーディオ・アプリのClubhouse(クラブハウス)は2021年6月にインストール数が減少したが、Android版の公開とともに再浮上した。しかしClubhouseはインドのような一部の新興国市場で、クリエイタープログラムが苦戦している。

画像クレジット:Twitter

最近Clubhouseは機能拡張を行い、非同期リスニング、クリップ、再生、オーディエクスポートなどのオプションを提供して、アプリを単なるライブオーディオネットワークではなく、ポッドキャストのクリエイティングプラットフォームに近いツールにした(実際、なぜAppleがSpotifyのポッドキャスト配信プラットフォーム、Anchorのライバル品をさっさと出さないのか不思議だ)。

Twitterスペースの他のライバルでは、FacebookのライブオーディオルームFireside(ファイアサイド)、Callin(コーリン)などの新しいスタートアップがオーディオ録音をサポートしている。

数多くのライブオーディオプラットフォームが録音機能を有する中、Twitterは追いつく必要があった。

このリリースの前にTwitter Spaceはいくつかのアップデート受けており、先のSpacesのテストでAndroidユーザーは専用スペースタブを手に入れた他、DMの招待を簡単にするアップデートもあった。さらにTwitterは、iOS版のExplore(もっと探す) / Trending(トレンド)タブに人気の高いスペースを表示して見つけやすくした。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ミュージシャンが自分たちのために作ったiPhone用音楽録音アプリ「Tape It」登場

2021年3月にAppleは、ミュージシャンがすぐに音を録り新曲のアイデアを育てることのできるiPhoneアプリ「Music Memos」の新規ダウンロードを正式に停止した。そして現在、「Tape It」という新しいスタートアップがオーディオの録音を便利にするアプリの空白地帯を埋めようと参入している。このアプリは優れた音質と楽器の自動検出、そしてマーカーやメモ、画像のサポートなどの機能を備えている。

Tape Itのアイデアはミュージシャンである友人同士の2人、Thomas Walther(トーマス・ワルサー)氏とJan Nash(ジャン・ナッシュ)氏から生まれた。

ワルサー氏は自身が共同で創業したオーディオ検出スタートアップのSonalyticが2017年にSpotifyに買収された後、3年半Spotifyに在籍した。もう1人のナッシュ氏はクラシックの教育を受けたオペラ歌手で、ベースを演奏しエンジニアでもある。

この2人に、デザイナーでミュージシャンのChristian Crusius(クリスチャン・クルシウス)氏が加わった。クルシウス氏はAccentureに買収されたデザインコンサルティング会社のFjordに在籍していた。

長年ともにバンド活動をしていた創業者チームが自分たちの欲しいものからTape Itの開発を思いついたとワルサー氏はいう。同氏はSpotifyの新しい部署であるSoundtrap(これも2017年にSpotifyが買収したオンラインミュージックスタートアップ)での勤務を終えた後、音楽制作に関わる仕事にもっと取り組みたいと考えるようになった。Soundtrapは一部の人には役に立ったが、同氏やバンド仲間が求めるようなものではなかった。同氏らが求めていたのは、スマートフォンで音楽を録音できるシンプルなツールだった。ミュージシャンが現在Appleのボイスメモアプリでよくやっているように、そしてダウンロード停止となるまでの短い間はMusic Memosアプリでやっていたように。

画像クレジット:Tape It

ワルター氏は「アマチュアであってもプロのツアーミュージシャンであっても、自分のスマートフォンでアイデアを録音するでしょう。スマートフォンはいつも持ち歩いているからです。カメラとまったく同じです。最高のカメラはいつも持っているカメラです。そして最高のオーディオ録音ツールはいつも持っているツールです」と説明する。

つまり録音をしたいときの最も簡単な方法は、ノートPCを開いて何本もケーブルを接続し、それからスタジオソフトウェアを起動することではない。iPhoneで録音ボタンをタップすることだ。

Tape Itアプリはまさにその通りに使えるが、iPhone標準のボイスメモアプリより優位な機能も備えている。

録音する際に、Tape ItはAIを活用して自動で楽器を検出し、カラフルなアイコンを付けて録音データを見つけやすくする。録音のファイルに自分でマーカーを付けたり、詳細を忘れないようにメモや写真を追加したりすることもできる。これは後で録音を確認する際に便利でしょう、とワルサー氏はいう。

画像クレジット:Tape It

同氏は「かっこいいギターのサウンドが録れたら、アンプのセッティングを写真に撮って追加できます。これはミュージシャンがよくやっていることです。サウンドを再現する最も簡単な方法です」と説明する。

シンプルでありながら斬新な機能としては、文章の段落を区切るかのように長い録音データを複数の行に分割できる。同社はこれを「タイム・パラグラフ」と呼んでいる。デフォルトでは水平方向にスクロールする1つの録音データになっているのが一般的だが、分割することで長いセッションを聴きやすくなると同社は考えている。

画像クレジット:Tape It

スマートな波形とオプションのマーカーや写真のおかげで、録音の目的の箇所に戻りやすい。録音をお気に入りに追加すれば、最高のアイデアやサウンドの一覧をすぐに表示できる。iOSのメディアセンターと統合されているので、いつでも時間があるときに音楽を再生できる。

Tape Itの際立った特徴は「Stereo HD」の音質をサポートしていることだ。iPhone XSやiPhone XRといった新しめのモデルに内蔵されている2つのマイクを利用し、社内で開発したAIテクノロジーやノイズ低減技術などを使って音質を向上している。この機能は年額2200円のサブスクで利用できる。

今後Tape ItはAIなどのテクノロジーを開発してさらに幅広く活用し、音質を向上させる予定だ。コラボレーション機能、録音データの読み込みやプロ用スタジオソフトウェアへの書き出しのサポートも計画している。こうなっていくと最終的にTape Itは、SoundCloudがコンシューマ向けサービスにシフトする前に目指していたのと同じ市場に参入していくことになるだろう。

しかし共有機能を追加する前に、まずはシングルユーザーのワークフローを確立したいとTape Itは考えている。

ワルサー氏は「自分専用の便利なものを作るのが重要であると判断しました。コラボレーション機能があったとしても、使うのが好きでないものは使われなくなるでしょう」という。

Tape Itの3人はストックホルムとベルリンに拠点を置いている。現在はブートストラップの段階だ。

iOS版アプリは無料でダウンロードできる。MacとWindowsで使えるデスクトップ版は後日リリースされる。Android版は計画されていない。

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画像クレジット:Tape It

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)