最近のGoogleの変動はペイデイローンアップデート2.0とパンダアップデート4.0の2本立てが原因??その内容と対策

先週末くらいから、確かに検索結果で不安定な動きが見られ、SEO関係者の「Google動いてる…?」的なツイートもその時期から多く見られました。

そんな中、先日GoogleのMatt Cutts氏がこのようなツイートをしていました。

“Googleは本日パンダ・アップデート4.0を実施しましたよ(5/21)”

 

“先週末、Googleは”とってもスパミーな検索クエリ”に向けたアップデートを実施しましたよ(5/21)”

 

このことから、”パンダ・アップデート4.0″と”ペイデイローン・アップデート2.0″という比較的規模の大きな変更が、先週末~今週末にかけてほぼ同時期に実施されていたことが分かりました。

パンダはまだしも、ペイデイローンについては、「ぺイデイローン?何それ?言いにくい!ダサい!」と思われる方や、「それって1996年に公開された、突如現れたUFOに地球が襲撃される系のウィル・スミス主演の映画のタイトル?」などと思われる方も相当数いると思われます。

既にクライアント様からも次々と質問をされていますので、解説を入れておきます。

「この変更に伴いどんな対策をすべき?」について

具体的なアルゴリズム解説は後にして最初に結論を言っておきますと、これらの変更は「大半のサイト運営者にとってはさほど影響のない話」であって、更にちょっと乱暴に言えば、今回は仮に影響があったとしても、基本的なSEOの取り組み方針としてやるべきことは特に変わらないです。

それはつまり、ユーザーが欲しがる情報を用意しておきましょうとか、薄いコンテンツを減らして中身の詰まったサイトにしましょうとか、不正なリンクを取り除いて正当なリンクを集めましょうとか、スパム的なことをするのはダメです、とか技術的に問題が発生しそうな実装があるのであれば最適化しましょう、というようないつも言われていることになるのですね。

変更に伴うランキングの調整の方法を探すのではなく、変更の背景や意図を理解し、SEOの取り組みに反映させる

パンダ、ペンギン、今回の”ペイデイローン”にしても然り、こういう比較的大き目の変更があったとして、それに都度「今回はこう!」「次はこう!」「そんでもって次は、、こう!」みたいな感じで何かを対応していくというスタンスは、正直いえばなかなか不毛な場合も多いです。

何故ならば、Googleが定期的に行う”変更”の大半は技術的な刷新や変更、あるいは追加であって、「検索サービスとしての方向転換」では決してないのですよね。つまり基本的にはどういう検索結果にしたいかという方向はだいたい固まっていて変わらなくて、それを実現するために、次々に新しい技術や仕組みを取り入れているというようなイメージです。

それにもう一つ理由を言うのであれば、あからさまな問題点とあからさまなタイミングの一致がある場合を除き、最近では原因を特定することももちろん難しい場合が大半です。

アルゴリズムの変更はいちいち公表されるものではそもそもありませんし、日常的に様々な変更を加えられ、かつ以前のアルゴリズムよりもかなり多面的な評価がされているということも考慮すると、ほとんどの場合は「考えても分からないものを考える前に、目の前に山積みになっている課題を一つ一つクリアしていきましょう」ということになるわけです。

もちろん、内容によっては「やるべきこと、考えるべきことが変わる(≒増える)」場合ももちろんあります。ですが本質的に大事なのは、「この変更を経て、今ランクを調整するためにどういう対応をすべきか」ではなく、「この変更はなぜ行われたのか、そしてその上で、自分たちがやることを追加、変更する必要はあるか」という考え方が良いのではないかなと思います。

※参考:Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割

そういう意味では、今回はなにか大きく慌てるようなことがあるかというと、まだ不明な点もありますが、基本的には従来の仕組みの延長線上で行われている変更ですので、特にないかなと(ただしもちろんこういう不安定な時は自サイトや競合他社のランキングの観測はきちんとやっておきましょう)。

ということで、ここから先は各々についてまとめていきます(主に初心者向けに書きますのでそこまで厳密な解説はしません)。

ペイデイローン・アップデート

ペイデイローン(Payday Loan)とは、「次回振り込まれる給料を担保にした少額のローン(貸金)」のことみたいです。確かに日本だと馴染みはないですね。

アルゴリズムとの関連性の文脈としては、なんのこっちゃ良く分かりません。

ペイデイローン・アップデートの内容

ローンとSEOと何の関係があるの?と言えば、「こういう系のキーワードは(上位表示されると売上に直結しやすいため)スパムに汚染されやすい」という特徴があります。これは日本でも同じことが言えますね。

その「不正に順位操作されたサイトで検索結果がいっぱいになってしまいがちな残念な検索キーワード」の代表例として”ペイデイローン”という言葉が使われ、一般的なこのアップデートの呼称となっているわけです(Google公式の名称ではなく、通称。)。

このアップデートは、そういう残念なことになっている検索結果をきれいにしますよ(スパムをやってるサイトを排除しますよ)、という意図の更新です。

ペイデイローン・アップデートの対策は?

このアップデートの趣旨として、繰り返しになりますが「一部のスパムに汚染されまくったキーワード」を対象に、そうしたスパムサイトを排除するようなアップデートです。

例えば、日本国内で言えばギャンブル系キーワード、アダルト系キーワード、金融系キーワードなどは全体的にそういう傾向が昔から根強いですね。もちろんジャンルどうこうではなく、あくまで「スパムされやすい検索キーワード全般」ということなのですが。

どのキーワードが、とはもちろん明言されていません。ただし一般的に「激戦」と言われていたキーワードではガラッと検索結果が変わりました(変なサイトがゴッソリいなくなったり)。

ということで、これを気にする必要がある可能性がある人は、

  • 検索結果上位がスパムサイトで埋まってしまうようなテーマのサイトを運営していて、
  • 自身もスパムな手法を使ってSEOを行っていて、
  • ここ最近になって急激に順位が下落したように見える

のようなごく一部の方であって、ほとんどの方は影響のないアップデートと言えます。

※ここでいうスパム、はリンク購入に限らず、順位操作系のスパム全般を指しています。

ペイデイローン・アップデートまとめ

特定の手法や状態に対して評価を下げる、というよりも一部の特定のキーワードでの検索結果を、その中でスパムな手法を使って順位操作しようとしているサイトを排除することによってキレイにする、というような主旨のアルゴリズムであるとご理解下さい。

したがって、ほとんどのWeb担当者の方には影響ないものと思います。

パンダ・アップデート

もう英語圏で最初に導入されてから3年以上もたつのですね。SEO担当者の方であればほとんど全員が知っている内容なのでしょうが、最近はいちいちアップデートの公表もされなくなっていたので、耳慣れない方のために改めて解説を入れておきます。

パンダ・アップデートの内容

色々調べれば出てくると思いますので、ものすごくざっくりとした解説をしておきます。

  • 低品質なコンテンツが上位に出てきにくくするために実施されています。
  • 低品質とは例えば、単純に中身がスカスカだったり、
  • どこにでも書いてあるような薄っぺらいことしか書いてなかったり、
  • 他のサイトと共通のコンテンツしか載せてなかったり(独自性がない)、
  • 全体的に信頼できなさそうなサイトだったりが該当して、
  • 全体的にそういうコンテンツを多く抱えているサイトが検索にヒットしにくくなります

ざっくり言えばこういう感じです。こういうアルゴリズムを考慮した上で何をすべきかという点については、めちゃくちゃイメージで言えば、薄っぺらーく広がったサイトよりも、筋肉質で密度の濃いサイトを目指しましょう、というようなイメージです。

※具体的な対策はこちらの記事を:Google パンダアップデート 業界・タイプ別 傾向と対策

パンダ・アップデート4.0の特徴

まず、”4.0″とか”2.0″とかってというのは、アルゴリズムのアップデートのバージョンの話です(同じアルゴリズムの中でも、仕組み自体が刷新されたり、その仕組みの中で処理されるデータが更新されたりされます)。

パンダ・アップデート4.0では、以前(下のツイート参照)から言われていた“Next generation Panda(次世代パンダアップデート)”なのか?というのが少し関係者の中での関心事項になっています。まだ公式なアナウンスはありません。

“GoogleのMatt Cutts氏は(SMX Westというイベント内で)、新しいパンダアップデートは、小規模な事業者(サイト)にポジティブな影響を与えるだろう、と話していた(2014/03/14)”

 

まだ、これが具体的にどういう仕組みなのかは詳しくは分かっていないのと、今回のアップデートがこれにあたるのか?というのは何とも言えない状況ではあります(個人的には、おそらく今回で実装されたかなという気がしていますが)。

小規模なサイトが優遇される、というよりも、コンテンツ規模の大きなサイトを優遇せず、小規模サイトも大規模サイトも公平に評価できるようにする(規模の大きなサイトが、規模が大きいというだけで相対的に優遇されないようにする)的な文脈なのかな?と思うのですがどうなんでしょうか。公式なアナウンスを待ちます。

そしてまた先ほどと同じ議論なのですが、だからこの変更に際して何かを変える必要があるかといえば、特に大きなものは思いつかないです。規模が大きいから、という理由だけで恩恵を受けていたサイトがあって、こういう変更によりランクが落とされたとしたのであれば、もう少し、一つ一つのコンテンツに磨きをかけていく必要がありますね、という具合でしょう。

以上となります。ちょっと長くなってしまいましたがお伝えしたいところは中盤で書いてしまいましたのでこのあたりで。

ヴォラーレ株式会社 土居

被リンクから”オーサーランク”へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる

先日公開されたマット・カッツ氏の動画が様々な憶測を呼びWeb界隈を賑わせつつ、なかなかカオスな感じになっておりましたので、話のネタとしてきちんと釣られておこうと思います。今回はコンサルティング部門のグループマネージャー實川がお届けします。

ここでマット・カッツ氏の「被リンクの重要性が薄れる」という発言が、被リンクによる評価が今後使われなくなり、その代わりに「オーサーランク」なるものが非常に重要なファクターになるのではないかといった解釈を誘発しているようです。

違います

まずはこの動画をきちんと和訳をしてくれている方がいらっしゃるので、こちらの訳を参照していただくと分かりやすいかと思います。

被リンクは死ぬのか?マット・カッツの話を和訳してみた

これをもとに、今回マット・カッツ氏が言っていることを噛み砕いてみると、

  • ユーザーに役立つページをより正確に見つけるため、自然言語を理解してそれを評価軸にできるよう今頑張っていますよ
  • もし自然言語をきっちり理解できるようになれば、被リンクにばかり頼らなくてもある程度正確な解釈ができるようになるので被リンクの重要性は相対的に薄れていきますよ
  • ただし、ページの基本的な評価のために被リンクの評価は役立つので今後も使っていきますよ

といった内容であると読めます。「オーサーランク」などという言葉はそもそも言及されていませんね。

元々検索エンジンは「ユーザーの求める情報を素早く適切に提供することでユーザーを増やし、広告手数料で収益を上げる」というビジネスモデルなので、検索ユーザーにいかに有益な情報を提供できるか、そしてユーザー数・ユーザーあたり利用頻度を上げていくことができるかというところが収益を上げるための重要なファクターになります。

この有益な情報を発見するためのシグナルとして、これまでは主にリンクがどのくらい集まっているか(=どのくらい他のサイトから支持を受けているのか)をベースにしたものでありました。

それが、実際にそのページにどういうことが書かれているんだろうか、それは信憑性のある内容なのか、などのことが今よりもっと的確に理解できるようにしたいんですよ、そのために、今よりももっと多角的な評価方法を取り入れていきたいんですよ、というお話ですね。

その中の要素として、ダニー・サリバン氏の例に上がっているように「誰が書いたの」という情報が理解できるようになればそれもコンテンツの信頼度を測る上での1つの重要なシグナルとして活用できますよね、ということです。

マット・カッツ氏が今回述べているのは以上のようなシンプルな内容なのですが、ちょっと界隈で「オーサーランク」の話題も上がっていたのでこちらについてちょっと解説します。

著者の権威性(オーサーランク)

上で書いたように今回マット・カッツ氏が話しているのは自然言語理解の技術が重要性を増してくるというところが趣旨なのですが、その発言の中で「専門家の書いた記事を読解しようとしている」旨の話があり、ここのところがオーサーランクの話を想起させているようです。

「オーサーランク」という言葉はGoogleが公式で発表しているものではなく、SEO関係者が慣習的に用いている言葉です。オーサーランクは、検索における評価づけをコンテンツ単位ではなくそのコンテンツの著者(Author)に対して行う試みのことで、特定分野において信頼できる著者を見つけることである程度安定的に良質な情報を提供できるようになるはずだ、という仮説に基づいています。

同じサッカーを習うのでも、町内会で大人気の近所のおじさんに教わるよりもサッカー日本代表の本田選手に教わったほうが良いに違いないですよね、ということで、沢山リンクを受けているだけで実際その分野には詳しくない人が書いた記事とその道の専門家が書いた記事であれば当然後者を信頼すべきだということを検索結果にも反映しようという試みですね。

この”人物の権威性”という要素は現在のところGoogleの検索結果のなかでもごくごく一部にのみ使用されていることが明らかになっているだけで、現状で大きな影響を及ぼすものではありませんが、取り組みとしては合理的であり、将来的にはもう少し影響力を持つであろうと予測されています。

参考:
Google、人物の権威性に基づいて検索順位を決定していることを明らかに Author Rank::SEM R
Author Rank (オーサーランク)はまだランキング要因になっていないが、使われている場面がある | 海外SEO情報ブログ

再度言っておくと今回のマット・カッツ氏の発言は「自然言語理解の上で専門家の書いた記事を理解することでどういった記述がその分野で価値のある情報なのかということを理解しやすくなる」という文脈で、オーサーランクが被リンクにとって代わります、ということではありません。

従って、(リンクはしませんが)

【速報】Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!?
href=”http://netgeek.biz/archives/11937

↑こういった誤った解釈を多分に含むような情報は本来あまり多くの人に見つけられるべき情報ではありませんが、今の時代こうした記事であっても被リンクを集めやすくなっているので被リンク評価だけでこうした記事であっても上位表示してしまいます(事実、5月15日現在「オーサーランク」で検索すれば上記記事がかなり上位に来てしまいます)。

この話題について調べた人がこのような記事に辿りついてしまって誤った情報を取り込んでしまうことは、ユーザーにとっては決して有益ではありませんね。(この話題に関わらず、被リンク販売のみを行ってきたSEO事業者のシノギが苦しくなってきているのは今に始まったことではありませんし、、)

しかしそれが現在のGoogleの評価であって、今後はもっと内容として信憑性があり確かな(本来の意味で有益な)情報が優先してユーザーの目に触れるようにトライしています、という主旨の話題なのです。

Googleの目的と今後のサイト評価の展望

上でも書いたように、検索エンジンはこのビジネスモデルであり続ける限り半永久的に「ユーザーの役に立つか否か」という価値基準でコンテンツを判断したいのです。

自然言語が理解できようができまいが、Googleとしてはその時点での技術に合わせて最適なアルゴリズムを充てていかなければなりません。

リンクよりも精度の高い評価基準が見つかればそちらを重視しようとするし、その他に信頼できる評価基準があるのであれば、それも積極的に取り入れていくでしょう。

このあたりの、評価の重要性の移り変わりについてはSEMリサーチさんの喩え話で

被リンクという評価手法から、何か別のものに移行する、置き換えられるという話ではありませんのでご注意ください。技術発達により、従来はできなかった評価方法を用いることが可能になれば、その他の評価方法の相対的な重要性は低下していくものです。例えば、ある大学の入学試験が英語(100点満点)、国語(100点満点)の2教科だったものが、英語+国語+数学+小論文(各100点満点)の4教科に変更されたら、国語と英語の相対的な重要性は低下しますよね、それと同じです。自然言語処理が進化し、(従来不可能だった)モノゴトの真の意味の理解が可能になれば、従来の評価指標は重要性が下がります。

と書かれていましたがこれが一番しっくりくるのではないかと思います。
引用元:[UPDATE] Google「バックリンクの重要性は薄れる」今後は著者オーソリティやコンテンツ分析へ::SEM R

基本的にはGoogleの本来の目的というところをしっかり押さえていれば検索技術の展開をどのようにしていくかというのはある程度正しく想像できるようになるため、あまり間違った解釈もしなくなると思います。迷ったら検索エンジンって何がしたいんだっけ?ということに立ち返っていただくのが良いと思います。

※こちらも参考に。

「SEOはGoogleとのイタチごっこ」というのは本当なの?

もちろん本当ではありません。ただし、これは全くの間違いですかと言えばそうではなく、何かものすごく偏った、というかごく一部の側面だけを切り出した視点からの表現と言えます。具体的には、

・SEOとは、Googleの意図と関係なくランキングを操作する手法である
・Googleは、そうした手法を駆逐するために日々アルゴリズム変更を実施している
・SEOとGoolgeは、そうした意味で対立関係にあるものである

こうした偏った観点でのSEOとGoogleの考え方である、と言って良いと思います。
実際には、そもそもSEOの意図はそういうところではありませんし、Googleの変更は不正な手法の排除だけでは決してありませんし(スパム対策は検索結果の品質改善の取り組みのうちの一部でしかない)、SEOとGoogleは本来は先ほどお伝えしたように補完関係にあるはずのものです。
もともと、ちょっとしたサイトのチューニングと、人為的にリンクを増やして上位表示する、ということがSEOとして普及してきていたので、そういう視点で見るのであれば、逆にこういう表現がシックリ来るのは間違いないと思いますが。

引用元:Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割

ヴォラーレ株式会社 實川節朗

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス

少し前に個人ブログでこんな記事 (「ホワイトハットSEO」という言葉に感じる何とも言えない違和感とか気持ち悪さとか) を書いていながらちょっと気持ち悪いですがこの記事では便宜的に使わせてください。

リンクを使わないSEO(≠ホワイトハットSEO)なるものをしているけど上手くいかない、という相談が最近特に多いのですが、そういう方と話していると結構考え方に共通点あるなと感じています。

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人によく見られる特徴

いろいろあると思いますけど大半の場合、これらに当てはまるかなと思います。

  • 「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
  • コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
  • SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている

これにどれも当てはまらない、という方であれば有料リンクに頼らないSEOというのはごく自然なものなのでしょうし、そういう取り組みの中で何を成果目標とするか、どういうスパンで物事を考えるべきか、などもサイト毎にある程度定めやすいと思います。

一方、ここに2つないし3つが当てはまるような感覚であれば、本来的な意味での「ホワイトなSEO」というのは非常に遠回りな施策になりがちです(目指しているものと得られるものが極めて一致しにくい)。

そしてこういう人が目標とプロセスのミスマッチを認識しないまま「ホワイトって所詮は理想論だよね」って言ってるのを見るとそれはさすがにちょっと違うなあと思うんですね。見据える目標によっては「ホワイトが限りなく理想論」であるということもあるのは事実ですが、今の時代は決してそうではないことも多いのです。

さて、ひとつずつ解説を。

「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている

間違っても「ホワイトハットSEO=リンクを使わずに上位表示する方法」なんていう意味ではないんですよね。

たとえばですが、順位を上げるためにサイトにとって価値のないコンテンツをガツガツ投下してるならそれは普通にガイドラインに抵触する行為です。でもその認識がない人も多いようです。

ちなみにそういう方に特徴的なこととして、ページの情報量を「文字数」で表したり、サイトの情報量を「ページ数」で表したり、コンテンツの品質を「オリジナルテキストかどうか」などで判断したりする傾向があるなあと感じます。

少なくとも、ユーザーが何を求めてサイトをどう利用するのか、どんな態度変容やアクションを求めるか、みたいな視点があれば、もうちょっと有機的な捉え方が出来るようになると思いますが。

話を戻すと、あくまでもガイドラインに抵触しない範疇でサイトを展開し、総合的に検索エンジンからの評価を高めていくための一連の取り組みをホワイトハットSEOとかって呼ぶわけですので、「リンクを買わない」とかっていうのはその前提条件のひとつでしかないわけです。

リンク買ってないのに順位が下がったとかいう話もありますけどリンクを買った買ってないとかその事実自体は割とランクには関係ないことです。そのキーワードに関してサイトやページを上位に掲載するに値すると算出されるかどうか、検索結果を決めるのは結局それだけです。

コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている

これも多いんじゃないかなと思います。簡単に言えば「リンク買うんじゃなくてページ増やそう」的な発想ですね。結論としてはコンテンツを増やすことはリンクを増やすことの代替ではありません。それはそれ、これはこれ、です。

コンテンツを増やすことにはもちろん意味があります。サイトの情報量を増やすという意味でも情報の鮮度を保つという意味でもSEOとしての価値もあります。ただ、それ自体はSEOというよりもコンテンツを作って公開するという普通のことですよね。

それなりのキーワードで上位にランクさせたいなら少なくとも今のGoogleではサイトにリンクを集めることは必須です。リンクを買ったり自分で貼ったり交換したりしないから正しい、のではなく、買ったりしないのであれば正当なアプローチでリンクを集めていかないとダメなのです。

継続的に新しいコンテンツを公開することはトラフィックや自然リンク獲得の起点となりますし、リピート訪問の動機にもなります。そういうことの積み重ねによって、検索エンジンからの評価が次第に高くなり検索結果上での露出が増えていく、結果として更にトラフィックやリンク獲得機会が増える、そういうサイクルに乗せなければいけないのです。

SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている

結構、ここが根本的で根深い問題だと思っていまして。上位表示ビジネスとしてSEO市場が出来あがっていて、それがロクに修正されずにここまで来ているのでなかなか「SEO=上位表示」の感覚って市場全体から抜け切らないと思うんですよね。

ホワイトなSEOを行っていく上では、人気のキーワードで上位表示される、というのは色々やった上で「結果的に」出てくる成果だったりするんですよね。

少なくともそれ「だけ」をターゲットとして施策を打とうとすると、技術的なことも、マーケティング的なことも、コンテンツにしても、本来とても重要な色々な項目があまりSEO的に価値のないものに見えてしまうわけです。なぜなら「上がったか?上がってないか?」の判断基準しかないためですね。

参考までに2012年8月に公開したApplivという自社メディアのデータを一部公開します。綺麗なSEOと言い切れる自信は全くありませんが、少なくともこのサイトに自分たちでリンク作ったりとかそういうことはやっていませんので、都合良く解釈すれば「ホワイトなサイト」と言えると思います。

たとえば「iphoneアプリ」「ipadアプリ」みたいなキーワードのサイト公開時からの推移はこんな感じです。

applivのランキング推移「ipadアプリ」「iphone」アプリ 1年半かけて徐々に上昇、上位にランクしてからは半年間安定

まともに上位にくるのはリリースしてから1年くらいかかっていますね。ただ上がったのちは安定です。

これは「ホワイトハットだから」とかそういうことでは全然なくて、特に大きくランクを下げるような爆弾を抱えているわけではないですし、このワードで追随してくる競合サイトがそこまで多くない、ブラックハットに支配された検索市場ではない、などの理由からです。

じゃあ上がるまでの1年間どうするんですかという話でいえば、別に検索は他でもたくさんされていますし検索以外の流入経路もありますのでちゃんとサイトを運営していればトラフィックは増えていきます。(実際に上にあげたようなワードでの流入の影響って2つ合わせても検索トラフィック全体の1%にも満たない僅かなものです)

徐々に伸びる検索トラフィック

参考1:当社事例:SEOを集客の軸とした自社メディア「Appliv」でリリースから1年強で月間1000万PVを達成
参考2:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します | Find Job ! Startup

で、蛇足なのですがこういう話をすると「やっぱり大事なのはロングテールキーワードなんですか?」ということを思われる方も多いとは思います。

でも、ロングテールからの流入が増えるってのもやっぱり必要なことを色々やった上での結果そうなりますよ、という話でしかなくて、何とかしてロングテールの流入を増やそう!とか思ってやるようなことでは本来はないと思うんですよ。それがゴールになることはないですし。

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス

もし、「目標とする成果」と「結果として得られるであろう成果」がマッチしないのであれば、それは何かを見直すべきです。失敗しているケースの多くがここに起因すると感じます。

具体的には、そのアプローチで得られるであろう妥当な目標設定に変えるか、やり方を改善するか、あるいはアプローチの方法自体を変えるか、そういうシフトが必要になると思います。

また少なくとも「短期間で特定のワードで上位表示を実現する」という点だけで言えば、誤解を恐れずに言ってしまえば、(検索連動型広告の出稿以外では)巧妙なブラックハットSEOほど目標に直結するものは現時点ではないと思います。

ただし、その成功率や、どれほど維持することが期待できるか、とか本当にそこだけでビジネスが完結するのか、という視点を取り入れたときに、特に企業サイトにおいてはやはりブラックハット依存の手法は非常に推奨しづらい、または推奨し得ない場合が多いものなのです。

ここまでお伝えしてきたことをまとめます。

  • コンテンツの投下をリンク購入の代わりにしようとしても上手くいきません。
  • リンクを買わなければOKではなく、リンクは継続的に獲得していかなければいけません。
  • ホワイトなSEOで特定ワードの上位表示だけを重要指標にすると大抵失敗します。

こうした点がボトルネックになって、なかなか上手いこと望んでいた成果にたどりつけていなかったりするのではないでしょうか、というお話でした。

じゃあどうすれば良いの?という点についてはここから書き始めるとまたエライことになりますが、割とこういう感じの話を勉強会形式のセミナーなんかでも話したりしていますので個別にご相談などあればぜひお越しいただければと。

ちなみに最後の項目については、競合性の高い特定ワードの上位表示がビジネスに対してどの程度インパクトを与えるものなのか?によって優先度に線引きをする必要があると思います。

それにこだわる必要がないようなインパクトであれば、そこだけに固執することは単に集客の可能性とWeb上の視野を狭めることにもつながりますのでお勧めしません。

また、そこにこだわる必要があるようなインパクトがあったとしても、今のリンク中心の上位表示対策は以前に増してギャンブル性が高いものと言えますので、少なくともそれに全てを依存する、ということはやはりお勧めしません。その他の集客チャネルも視野に入れながら、短期~長期に渡りバランスよく施策を割り振るのが妥当と思います。

何にせよ、特定の手法それ自体が何かの目的になることはありませんので、皆様その点ご注意ください。

ヴォラーレ株式会社 土居

【保存版】2013年のSEO周辺事情の振り返り、2014年に向けて改めて読んでおきたいSEO情報×50記事

2013年度も終わりにさしかかり、今年のSEOを振り返る記事も既に多数出ていますが、それにやや乗り遅れて便乗する形で今年の主要な話題を一気に振り返るためのSEO総集編をお届けします。

目次

  1. アルゴリズム/検索技術も色々と変わってきています
  2. 「コンテンツマーケティング」の考え方はSEOにも必須です
  3. 不自然リンク/ペナルティ対応等の事情もどんどん変わっています
  4. スマートフォン/モバイルのSEOに関わる大きな変更がありました
  5. 国内、国外で行われたサーチ系イベントレポートも充実
  6. その他SEO情報、SEOの方法論など
  7. まとめ

このようなラインナップで、筆者のtwitterアカウント当サイトのFacebookページなどで言及した記事の中からピックアップしてお届けします。情報出典元が偏っていますが、重要な情報を、正確に、かつ下手な誤解を生まないよう配慮されて書かれている情報元は限られていると認識していますのでご了承下さい。

アルゴリズム/検索技術も色々と変わってきています

パンダアップデート、ペンギンアップデートと今では随分聞きなれたアルゴリズムに加え、新しく「ハミングバード」なるものも新しく導入され、心地良い感じに世間では勘違いされた情報がビュンビュンと出回ってきていますので、改めて、それぞれの意味やその対策などについて見直してみましょう。

パンダアップデートが通常アルゴリズムと統合されました

2011年の初回導入から早3年近く(驚き)、何かと世間を騒がせることの多い「パンダアップデート」ですが、これまでは通常のランキングアルゴリズムとは独立してデータ更新や「パンダ」アルゴリズムの刷新が行われていましたが、今ではその他のアルゴリズムに組み込まれる形で定期的に更新されるようになりました。

ペンギンアップデート×2回、大きな影響は出ず

「次のアップデートではかなり大きな変動が起こるだろう」と言われていて戦々恐々としていた2013年のペンギンアップデートですが、蓋を開けてみると「あれ?そうでもなくない?」といった反応が多かったように思います。今年は2回の更新でした。

(勘違いしてる人の多い)ハミングバード、「会話型検索」への対応強化

何故かはわかりませんが、一部のブロガーさん(?)等を筆頭に、「ハミングバードによってリンクの重要度が下がる」「コンテンツイズキングをハミングバードがもたらす」といった主旨の記事が出回ってしまいましたが、全くもってそういう類のものではありません。これはかなり勘違いされている方が多いです。

(おそらく)主に音声検索の普及を見越した、従来型の単語やフレーズでの検索語入力だけでなく「会話型の検索語」に対しても、「単語」ではなく「意味」をより高い精度で解釈して検索結果を提示できるようにした、大規模なアルゴリズムアップデートとなります。しかし、普段ビジネスで定点観測するような商用キーワードに対して大きな影響があったかと言えば、ほとんど影響はありませんでした。

その他:SSL化、オートコンプリートの是非、AppStore内SEO

Googleの検索のデフォルトでのSSL化により検索キーワードデータの取得が非常に困難になったり、Googleオートコンプリート機能などでのネガティブワード表示に起因する訴訟でGoogleが敗訴したり(昨年に引き続き)といった話題や、Googleではありませんが最近はAppStoreでの検索アルゴリズムでも大きく変化があったようです。

「コンテンツマーケティング」の考え方はSEOにも必須です

人為的なリンクソリューションによるSEOが徐々に肩身狭い状態になっている中、本質的にランキング全般を改善するには、如何にコンテンツを軸としたリンク獲得、ひいてはマーケティングを行っていくかは間違いなくSEOにおける必須の課題となります。

「コンテンツマーケティングって難しそうだしハードル高い」という声も多いですが、ここに挙げたような記事はその不安をある程度払拭し、またマーケティングにつながるコンテンツをどのように考えるのか、のヒントになると思います。

不自然リンク/ペナルティ対応等の事情もどんどん変わっています

今やSEOの話題では定期的にでてくる不自然リンク起因のペナルティや順位下落について。細かな話題は事欠かないですが大まかな流れとしては以下のようなトピックが挙げられます。

色んなリンクが次々と「不自然リンク」認定へ

リンク元がいくら信頼あるオーソリティサイトでもそのリンクがSEO目的とみなされればNG判定、リンク購入には有名サイトでも容赦なくペナルティ、プレスリリースや有料ディレクトリもnofollowを、などと、一部若干度が過ぎるのでは?と思うような対応もあり話題になりました。

Google公式ブログから

Googleサーチクオリティチームのスタッフも積極的に情報を公開し、ブログだけではなくセミナーや動画でもこの有料リンク問題については呼びかけを行うようになりました。不自然リンクに対するSEO業者の対応が悪質と見なされた場合についての言及など、少し強めな対応をとる姿勢を見せているように見えます。

再審査リクエスト、対応も色々変わっているようです

この1年で、再審査リクエストに対するGoogleの対応も大きく変わっています。具体的なリンクURLのサンプル提示、様々なタイプの通知テンプレートなど、正直やや不可解な部分もあるように感じていますが、ペナルティ解除に向けた取り組みの基本的なポイントは変わりません。

メジャーなブログサービスもSEOスパム対策を強化

livedoorブログや、最近ではサイバーエージェント社が運営するAmebaブログなどのブログサービスにおいても、検索エンジンスパムへの対応をより強化するような発表がありました。Googleの強めな呼びかけとも相まって、以前よりもリンクを削除できる可能性がかなり向上したというのは実感としてあります。

スマートフォン/モバイルのSEOに関わる大きな変更がありました

スマートフォンでのアクセスを全てスマートフォン版TOPにリダイレクトする、などの設定をしている場合、PCでの検索では上位にあるサイトがスマホ検索で全くヒットしなくなる、などの事象が実際に確認できています。ある意味、細かな技術要件とも言えますが、ユーザー体験を損ねないために正しい実装を心がけるべきポイントと言えます。

国内、国外で行われたサーチ系イベントレポートも充実

海外でのサーチ系イベントは過去から多く開催され一部レポートが出ていましたが、2013年度は国内でも多くのイベントが行われていたように思います。レポートも充実の内容で、今後のSEOの取り組みを踏まえても必読の内容です。

その他SEO情報、SEOの方法論など

その他、SEOの情報収集に役立つ記事や、今後の展望を踏まえてどのような取り組みが求められるか、その参考になりそうな記事をいくつかピックアップしておきました。

まとめ

このように、相変わらず激しく変化する検索エンジン環境の中で、それでもサービス利用者や商品を購入するターゲットユーザーが「検索して探す」ことをやめない以上、常にSEOの改善方法を模索していかなければならないことには変わりません。

検索エンジンは今後も更に改良を進めますが、その方向は「ユーザーの検索に対して、より良い検索結果を返せるようにする」ことであることは変わりなく、具体的には、

  • ユーザーの検索意図を、文字や単語、ではなく意味や文脈でより正確に理解する
  • コンテンツの品質や信頼性をより高い精度で評価する
  • 不正なSEO手法を正しく検出して順位操作を防ぐ
  • 検索意図に応じた、より多様な検索結果を提示する

などの方向性が挙げられると思います。

その上でサイト運営者が何を考えるか?ですが、このような検索エンジン技術の進歩に伴い、「(検索エンジンが未熟だから結果的に有効だったような)余計なことを考えずにサイトを運営する」「アルゴリズムの欠陥を突くような手法を模索するのではなく、本質的にサイトの価値を高めることを考える」といった方向に、嫌でもシフトしていくことが求められます。

2014年もSEO頑張りましょう。それではみなさん良いお年を。

ヴォラーレ株式会社 土居

おすすめの記事

スマートフォン版サイトがないのにスマホとPCで検索順位が全然違う、という事例を調べてみた

6月に、「スマートフォンユーザーにとって著しくユーザーエクスペリエンスを損ねるような実装をしている場合、スマートフォン検索においてのみランキングを下げることがある」というような話題がありました。

※参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: スマートフォン向け検索でのランキングの変更について

先日、うちのメンバーに頼まれてあるクライアント様のサイトを調査してみたところ、それに近い話題で、ただちょっと特殊っぽい事例にあたりましたので紹介しておきます。

結論:スマホでは普通に見れるけどGooglebot-Mobileには不適切な転送設定されていた

ざっくり言いますと、「通常のスマホブラウザでは問題なくレスポンスが返されてサイトが閲覧できるのに、スマートフォンのUAを持ったGooglebot-Mobileに不適切なリダイレクト、具体的には『全てTOPページへ転送』のような設定がされていた」という状態でした。

と言われても何のこっちゃピンと来ないという方も多いと思いますので簡単に解説していきます。

解説

まず状況としては、

  • 少し前からスマホ検索でのみ検索結果に表示されなくなった
  • でもスマホサイトもないし、スマホでの閲覧も問題なく出来る
  • 変なリダイレクトがかかってたりする様子もない
  • PCサイトでは問題なく検索トラフィック伸びてるのにスマホだけ激減してる

という感じで、最初は検索結果のバグかテストか何かかな?とも思ったのですが、それなりの期間そういう状態だったのでそういうわけでもなく、何かしら致命的な問題があるはずと思って改めて調べてみたわけですがしばらくの間は良く分からんという感じでした。

ようやく思い立ってFetch as Googleで投げてみた

ちなみにFetch as Googleって何、という人のために言うと、「Googlebotがどういう風に情報を取得しているのかを確認できる、ウェブマスターツールの機能」です。こんな感じです。

ウェブマスターツール左メニュー「クロール」から「Fetch as Google」の機能を選び、URLを指定してクローラの種類を指定する
こんな風にURLとクローラーを指定すると、

Googlebotが受け取る情報がそのまま表示される
こんな風にクローラーが受け取る情報を表示してくれます。(↑はテストなので気にしないで下さい)

さて話を戻しますが、ChromeでUAとかいじくりながら色んなUAでアクセスしてみても全部通常に見れて、冒頭の記事にあるように「スマホ閲覧に苦しいくらい表示が遅い」なんてこともないし、何だろうなあと思いながら色々見てたのですが、「あ、Googlebotで見てない」とようやく気付いてウェブマスターツールでFetch as Googleで投げたんですね。

そうしたら案の定、スマホUAを持ったGooglebot-Mobileでアクセスすると「リダイレクトループになる」とか「全てのURLがTOPページにリダイレクトされる」的な感じになっていました。Fetch as Googleで取得した情報は以下のようなものでした。

HTTP/1.1 302 Found
Date: Wed, 13 Nov 2013 11:36:07 GMT
Server: Apache
Location: http://www.**********.jp/
Keep-Alive: timeout=15, max=99
Connection: Keep-Alive
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: text/html; charset=iso-8859-1

<!DOCTYPE HTML PUBLIC “-//IETF//DTD HTML 2.0//EN”>
<HTML><HEAD>
<TITLE>302 Found</TITLE>
</HEAD><BODY>
<H1>Found</H1>
The document has moved <A HREF=”http://www.***********.jp/”>here</A>.<P>
</BODY></HTML>

※この辺りの見方についてはHTTPステータスコードについての記事を参考にしていただければと。

まとめ

「スマホ版のサイトを持ってないなら、変な仕様になってスマホ検索結果で変な結果になることはないはずなんだけどなあ」というところでちょっと先入観ありましたがあくまで情報を取得してるのはGoogleのクローラーなのですからそちらでチェックしないといけないですね。

あまり汎用的ではない話題だと思いますが、ここ最近だけでも数回、スマートフォン検索での検索結果が下がった、などの相談を頂きましたが、どれも不適切なリダイレクトなどの初歩的な設計ミスが何かしら発生しているという状態でした。

そもそも冒頭にあるような話題をキャッチアップしていなかった人は必ず知っておくべき事項ですし、こういう細かな設定ミスでもトラフィックに重大な影響を与える可能性もあるということで、きちんと予備知識として再確認をしておけると良いですね。

ヴォラーレ株式会社 土居

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今の時代リンクペナルティ絡みの話題は無難に広くコンテンツとして需要がありそうなのと、社内的にも結構同じような質問を色んな方から頂くのでまとめておく価値はありそうねということで、特に目新しい話題はないと思いますがある程度網羅しておきます。

  • 1.リンク調査のツールは何を使えばいいの?
  • 2.リンクが全部外れないと解除できないの?
  • 3.不自然リンクとして外す必要があるリンクの見分け方は?
  • 4.「質の良いリンク」であっても外す必要がある?
  • 5.有料ディレクトリからのリンクってどうなの?
  • 6.明らかに不自然なリンクばかりで固められたようなサイトが今でも人気キーワードで上位に表示されている理由は?
  • 7.ペナルティを受けているサイトからリンク受けることって問題ある?
  • 8.nofollowでついてるリンクが怪しいと思う場合どうしたらいいの?
  • 9.リンク死ぬほど大量にありますけど、全部確認して削除しなきゃいけない?
  • 10.リンクを貼った人が剥がしてくれない場合、それ以上何も出来ない?
  • 11.リンク否認ツールってイマイチ実感ないんだけど使う意味あるの?
  • 12.ウェブマスターツールからダウンロードしたリンク全部まとめて否認しちゃダメですか?
  • 13.特に順位は下がってないんだけど本当に放置してたらダメなの?
  • 14.さっさと再審査リクエスト出したいんだけど問題ありますか?
  • 15.再審査リクエストってやりすぎたら解除されにくくなるとかある?
  • 16.内部的な問題で警告メッセージが来ることってあります?
  • 17.本当にGoogleの中の人が人的にチェックしてるの?
  • 18.警告メッセージきてたから再審査送ったのに、「手動での対応は行なっておりません」って返事きたんだけどどうすればいいの?
  • 19.ペナルティは自動解除されるって聞いたんですけど、わざわざリンク外す意味あるんですか?
  • 20.ペナルティ解除したらどれくらいで順位が戻りますか?
  • あくまで現時点(2013/07/30)情報であるということと、一部は数少ない事例を元に書いている内容も含まれますので、長期に渡って正確さを保証するものではありませんのでご了承下さい。

    リンクの分別・削除に関するQ&A

    不自然なリンクとはどういうものかを正しく理解し、削除できる不自然リンクは基本的には全て即座に外すことが求められます。

    1.リンク調査のツールは何を使えばいいの?

    自サイトに向けられている被リンクのデータを取得するには、主にはウェブマスターツールの「サイトへのリンク」から取得します。しかし、実際にはそれで全てのリンクデータが抽出できるわけではなく、特にリンク数が膨大な場合には、外部ツールを用いて初めて検出されるリンクがそれなりの割合で発生します。

    従ってウェブマスターツールに加え、いくつかの外部ツールを併用することで、なるべく多くのリンクデータを抽出し、再審査リクエストに望むべきと言えます。外部ツールとしては主に以下の3ツールが代表的です。

    1.Open Site Explorer ( http://www.opensiteexplorer.org/ )
    2.Majestic SEO ( http://www.majesticseo.com/ )
    3.ahrefs ( http://ahrefs.com/ )

    それぞれ無料プランでは取得リンク数に制限がありますので有料プランを申し込むか、或いはこうしたツールのアカウントを保有している外部の協力者に依頼すると良いでしょう。

    2.リンクが全部外れないと解除できないの?

    基本的には、不自然なリンクは全部外すことを前提としてリンクの精査を行う必要がありますが、過去数年間に渡り様々なSEO会社と取引があったり、自社でリンク対策(当時流行ったディレクトリ登録や相互リンク、ブログ投稿系のリンクサービス等)を行なっていた場合には、現実問題としてほとんどの場合で全てのリンクを削除することができません。

    そうした場合でも、出来る限りのリンク削除の努力と、削除出来ないものの否認申請やその経緯報告をGoogleに行うことで、仮に1回で削除出来なかった場合でも、粘り強く継続してチャレンジし続ければ解除できることは珍しくありません。

    最近では、最終的に7割程度のリンクが残っていながら、6ヶ月程度かけて複数回に渡りチャレンジした結果手動ペナルティが解除されたというような事例もあります。

    3.不自然リンクとして外す必要があるリンクの見分け方は?

    次の質問とも関連しますが、一言で言えば、「SEOのみを目的として設置されたリンク」は大方NGなものとして扱って良いです。

    内容によってはSEOを意図したリンクであっても一概にNGと扱われない場合もあると思いますが、素直にペナルティ解除を目指すのであればSEO目的のリンクは内容によらず削除する必要があります。

    4.「質の良いリンク」であっても外す必要がある?

    意外に多い質問だったりしますが、この「質の良い」という言葉もそもそも人によって定義や意味するものが全然違います。Googleが指定するところの「質の良い」というのは自然なリンクであることが前提にありますが、SEOの話題の中で「質の良い」というのは「1本あたりのSEO効力が高い」というような文脈で使われることが大半です。

    先ほどの質問の回答の中でも書きましたが、後者のような意味で使われている「質の高いリンク」であれば、手動ペナルティ発動後には基本的にはそのリンクは外すことが求められます。

    5.有料ディレクトリからのリンクってどうなの?

    名前を挙げるとしたら、Yahoo!カテゴリのような主要ディレクトリは一向に問題ありません。ただし有料ディレクトリについては、「登録は避けるべきで、現在ついているなら外した方が良い」というものも多くあるということは言及しておきます。具体的な事例はここでは控えさせて下さい。

    6.明らかに不自然なリンクばかりで固められたようなサイトが今でも人気キーワードで上位に表示されている理由は?

    色々と理由はありますが、まず「今の順位が良い=何も問題がない」ということではない、ということが前提にあります。ペナルティに起因して順位を大きく落としているようなサイト達も、時を遡れば「順位が落ちるまでは問題を抱えながらも悠々と上位に掲載されていた」わけですね。

    問題がある=必ずペナルティを受ける、ではありませんし、ペナルティを受けていない=何も問題がない、でもありません。Googleのスパム検知フィルタがまだ検知しきれていないのかもしれませんし、ひょっとしたら単純に手動対応が遅れているのかもしれません。手動対応が行われているのに、順位にまだ反映されていないだけかもしれません。

    現時点の順位を最優先と置くのか、その先のリスク等々まで含め総合的に考慮するのか、サイトや状況によって様々と思いますが、諸々のリスクまで含め判断があまりつかないようでしたら、すくなくとも「今」だけを軸に施策を講じるのはやや怖いかなと思います。

    ちなみに、「スパム検知されにくい不自然リンク」と「ペナルティの際に外さなくても良いリンク」も別ものです。これも混同されている方は多いので念のため。不自然リンクである以上は基本的には外す対象として考えておく必要があります。

    7.ペナルティを受けているサイトからリンク受けることって問題ある?

    一般的に言えばそれ自体に問題はありません。が、自分のサイトが密接につながっているサイト群の中にペナルティを受けているようなサイトが多くあるのであれば、そのサイト群との関わりを薄くするなどの考慮はあっても良いかもしれません。

    理屈としては、「悪い連中ばっかりとつるんでる奴は大概悪いやつだろう」というような感じで、一方的にペナルティを受けたサイトからリンクを受けるわけではなく、自サイトの周辺にそういうサイトが多くいてリンク構造として近しい位置にあるのであれば、リンクを制限するとかそういう対応はしたほうが良いかもしれないです。

    8.nofollowでついてるリンクが怪しいと思う場合どうしたらいいの?

    nofollowが最初から付与されているリンクについてはその内容如何によらず問題はありません。もともとクロール対象でもなければSEO上ではページランクも受け渡しませんのでランキングを操作するような要因とはなっていません。

    9.リンク死ぬほど大量にありますけど、全部確認して削除しなきゃいけない?

    先ほどの質問でも回答しましたが、死ぬほどリンクがついていようが何だろうが、再審査リクエストに求められるのは「問題となるリンクを削除すること」です。

    しかし現実的にそれが出来るケースは圧倒的に稀であり、ほとんどの場合はそれが出来ません。できませんが、基本的にはそれをやることでペナルティ解除の確率は高まりますし、やらなければその分ペナルティが遠のきます。

    昨年秋にはリンク否認ツールがリリースされ、そうした状況でもペナルティ解除に向けて前進はしやすくなっていますので、必ずしも全部が外れる必要はないかもしれませんが、全て確認し、削除しようとし、ダメであればそれが何故削除できないのか記録に残す、といった地道な作業はどちらにせよある程度は必要となります。

    10.リンクを貼った人が剥がしてくれない場合、それ以上何も出来ない?

    何もできないわけではありません。例えばリンクが掲載されているサイトの管理者に直接連絡することで個別にリンクを削除してもらえるケースや、例えばlivedoorブログなどでは最近SEOスパム報告フォームができ、こちらから申請すれば記事を削除してもらえる可能性もあります。

    参考:検索エンジンスパムへの対応について - livedoor ブログ ヘルプセンター

    基本的には粘り強く色々やってみると、何かしら好転することもあります。もちろん全部が全部対応してくれるわけではない、というよりも対応されることの方が少ないです。

    個人的にとある無料ブログサービスの運営担当者の方とお話したことがあるのですが、スパムリンクの削除依頼は鬼のように来るようで、仮に対応しようとしても、正直1つ1つチェックして対応するなんてのは現実的に不可能、なんていうお話をされていました。まあ、それはそうですよね。

    リンク否認ツールに関するQ&A

    2012年10月にリリースしたリンク否認ツールについてのご質問。具体的なレスポンスがGoogleから得られる類のツール・申請ではないので、ちょっと未知数なところがあることは否めません。

    11.リンク否認ツールってイマイチ実感ないんだけど使う意味あるの?

    正直、否認ツールを使用したからこうなった!的なものがそこまであるわけではありませんので確証はないのですが、もともとは「削除し切れなかったリンクは否認申請を出した上で再審査リクエストを送る」というような用途で作られたもので、そういう意味では少なからず意味はあるだろうと感じています。どちらにせよ削除できなかったリンクについては否認申請する、というのは標準で行うべき施策と思います。

    12.ウェブマスターツールからダウンロードしたリンク全部まとめて否認しちゃダメですか?

    ペナルティ解除、という意味では問題はないのかもしれませんが、非承認する必要のない価値あるリンクまで含めてリンクの価値を放棄するという行為ですので一般的に推奨されるものでは全然ありません。きちんとリンクを精査した上で、不自然なリンクに限定して否認申請します。数によってはとても大変ですが。

    再審査リクエストに関するQ&A

    再審査リクエストについても、基本的には問題が解消している状態で送るものであり、そうでない場合にはそうできない原因とどのように問題を解決しようとしたかを伝えなければなりません。

    参考:不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編) - SEO HACKS公式ブログ

    13.特に順位は下がってないんだけど本当に放置してたらダメなの?

    ある意味非常に難しい問題なんですけど、今の順位の優先度と後の順位下落リスクを天秤にかけて、前者が圧倒的に高いようであれば、場合によっては放置という選択肢が出るのかもしれないですが、少なくとも企業が管理するサイトがその選択をすることはほとんどないでしょう。

    不自然リンクに関する警告を受け取ったあともしばらく順位が下がらないとか、TOPページの主要キーワードでは下落したがロングテールの流入にはほとんど影響がないとか、そういうケースも中にはありますが、それでも中期的には下落傾向になることが多いです。
    少なくとも最終的には何かしらの悪影響が出るんだろう、と考えていて問題ありませんし、個人的には企業サイトに対して放置を推奨することはありません。

    14.さっさと再審査リクエスト出したいんだけど問題ありますか?

    再審査リクエストを送信すること自体に問題はありませんが、何も問題が解消せず、状況が改善していない状況で再審査リクエストを乱発しても「リクエスト待ち」の時間を無駄に要することになりますのであまりよろしくはないと思います。

    15.再審査リクエストってやりすぎたら解除されにくくなるとかある?

    再審査リクエストを処理しているのが機械ではなく人間ですので、そのあたりのオペレーションについては何とも確証がないし実際色々試行錯誤されているところなのでしょうが、少なくとも単に再審査を乱発することが良い印象を与えることはないでしょう。

    何回やるとかそういうことではなく、再審査リクエストとは、問題の解消、及び問題を解消するために行ったプロセスの共有を行い、手動対応を解除する旨の申請をするための人的なコミュニケーションである、と捉えておけば良いのではないでしょうか。

    16.内部的な問題で警告メッセージが来ることってあります?

    ありますが、不自然なリンクに起因するものとは無関係です。警告というわけではなくアラートとしてよくあるのが重複コンテンツ問題やソフト404の検出などです。

    17.本当にGoogleの中の人が人的にチェックしてるの?

    実際のところどの程度のものなのかはわかりませんが、少なくとも人的な対応はされていますね。最近ではウェブマスターツールを通したやり取りだけではなく、実際に内部の担当者からメールで連絡が来ることも増えて来ました。その中では、具体的にどのようなリンクが問題になっているかのサンプルを提示してもらえたりします。

    リクエスト実施後によくあるQ&A

    再審査リクエストに対するGoogleのレスポンスも時とともに変化してきています。返信メッセージも以前より大分柔軟な対応をとってくれるようになってはいるなと感じます。

    18.警告メッセージきてたから再審査送ったのに、「手動での対応は行なっておりません」って返事きたんだけどどうすればいいの?

    うーん、どうなんでしょうね。こういうケースがちらほら散見されるのですが、手動での対応が行われておりませんということは状態としてはペナルティを受けていない、ということになります。

    そう言われている以上、追加で再審査リクエストを送信したとしても「手動対応は行なっていません」のメッセージが来るだけですので、繰り返して行う必要はありません。

    しかし、再審査リクエストを送信している以上サイトに何かしらの問題があるわけで、それを解消できているのであればそれで問題ないんでしょうが、問題が残っているなら引き続きその解消にあたるべきと思います。

    19.ペナルティは自動解除されるって聞いたんですけど、わざわざリンク外す意味あるんですか?

    自動的に自然解除される、ということは実際にもGoogleが公式にアナウンスしていることですので特に疑う余地はないのでしょうが、自動的に手動対応が解除されるのであれば問題ない、とするのは少し違うと思います。

    問題を抱えたままにしておくのであれば仮に一定期間の後にペナルティが解除されたとしても、おそらく(同じ問題が要因となって)同様の処理を受けると考えておけば良いと思います。これについてはそれといった事例があるわけでもなく、断言は割けておきます。

    20.ペナルティ解除したらどれくらいで順位が戻りますか?

    これも状況によってまちまちですが、目安としては、手動対応の処置を取り消しました、というメッセージを受け取ってからおよそ1~3週間程度かなという印象があります。

    1週間程度で順位回復
    ↑1週間程度で回復しているものもあれば、


    ↑のように3~4週間程度かかるものもあります。どのみち、ある程度分かりやすい形で順位が回復するだろう、ということは分かりますね。

    ただし、難しいのは、必ずしも「ペナルティが解除=ペナルティを受ける前の順位に戻る」ではないということですね。特に不自然リンクに依存度の高いSEOを行なっていた場合、それらのリンクを外して再審査リクエストを行うわけですから、ペナルテイが解除されたとしてもその恩恵で得られていたランキングに戻ることはまずないと思います。

    まとめ

    以上、とりあえず汎用的な回答となります。ここ最近はGoogle側での再審査リクエスト対応も順次改善(?)され、少なくとも過去に比べれば解除難易度も徐々に緩和されてきたように思います。

    もちろん個別具体的な事例に関しては、それぞれで言えることは少しずつ変わります。警告後の順位推移やトラフィック推移も状況によって様々ですし、サイトを複数持っている場合にペナルティを受けているサイトの重要度もさまざまでしょうし、判断も色々ですね。

    ここではあくまで一般的な話題として、もし「最優先でペナルティを解除したい」となれば、上記のようなスタンスで解除に向けて地道にリンク精査と削除、リクエストを行えば最終的には解除される方向に向かいます。状況によっては結構大変なんですけども創意工夫というよりも泥臭い作業ですね。

    結構ボリュームありますが、何かの時にお役立て下さい。

    ヴォラーレ株式会社 土居

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    Googleからウェブマスターツール経由で「手動ペナルティでの処置を変更したよ」のような珍しい通知が来た

    普段あまりこういう時事ネタは書かないんですが、本日Googleからなんだか興味深い、新しい対応(のような気がする)通知を受け取りましたのでこちらに書いておこうと思います。

    http://******* の再審査リクエストを処理しました2013年7月21日
    http://******* のウェブマスター様から再審査リクエストを受け取りました。

    貴サイトはこれまで、Google の品質に関するガイドラインに違反しているとの判断に基づき、Google が対策を適用していました。今回、お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この対策を変更いたしました。これによるサイトの状態の変更が、Google 検索結果に反映されるには、時間がかかることがあります。

    なお、サイトの一部またはサイトへのリンクが現在も品質に関するガイドラインに違反しています。品質に関するガイドラインへの違反がサイトにないことを確認したうえ、Google 検索結果に表示するためのサイトの再審査をリクエストしてください。

    他にご不明な点がある場合は、ウェブマスター ヘルプフォーラムをご利用ください。

    文面はいつもと同じテイストなのですが、これまでの通知と内容が大きく異なる点としては

    お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この対策を変更いたしました。

    なお、サイトの一部またはサイトへのリンクが現在も品質に関するガイドラインに違反しています。

    の部分ですね。再審査リクエストによって、ペナルティで課せられていた処置が変更されたが、未だにガイドライン違反は解消されないためペナルティの根本的な解除はされない、という内容のようです。

    これまではウェブマスターツール上で受け取る通知としては大きくは「処置を取り消しました」という解除通知か、「ガイドラインに違反しています」という差し戻し、しかなかったと思いますが、今回は「処置を変更したよ」です。この通知を受け取った事例を他に見ていませんのでだからどうこう、ということは言えないわけですが、何と言いますかGoogleも色々試行錯誤しているんだろうなということは伺えます。

    少なくとも今回の通知を素直に解釈すれば、「ある程度解消されていることが分かれば、その分だけレベルは緩和してあげるよ」というメッセージと前向きに受け取れないこともありません。もちろん、今まで内部的には普通に行なっていた対応を、ご親切にアウトプットしてくれるようになった、というだけかもしれませんけれども。

    個人的にはあんまりこういうのにイチイチ何かを期待することはないのですが、引き続き何か新しいものがあればお知らせします。

    ヴォラーレ株式会社 土居

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    2013.3.27 SEOセミナー開催レポート:「ペナルティ解除はやるべきことを着実に、ただひたすらに泥臭く」

    先の3月27日に”事例から見る被リンクペナルティの対処法とその結果“というテーマでのSEOセミナーを開催致しました。今回は、実際のセミナー内容をtwitterにて一部実況しておりましたものをTogetterでまとめておきましたので合わせてご覧頂けると良いかと思います。

    まとめ:リンクペナルティに関する無料SEOセミナー 実況中継セルフまとめ - Togetter
    ※何と言いますかこの記事と空気感に結構な差がありますが、ある程度ご了承下さいませ。

    セミナー風景

    今回は数多くのペナルティ解除実績を持っているスピーカーが、理屈や技術論というよりも主に事例を交えて実際の作業内容や解除までに必要となるフローなど具体的にお伝えさせて頂くといった内容になりました。以下に概要を改めてまとめさせて頂きます。

      セミナーでお伝えした内容(概要)

      当日の話題としましては、

      • 不自然なリンクがペナルティを受ける理由とその背景、予備知識など
      • 順位下落のパターンや影響範囲
      • ウェブマスターツールの設置方法や使い方
      • 手動ペナルティを受けた際の対処法、具体的な手順
      • 事例紹介

      といった内容でした。中間で質問が色んな方から様々飛び交い、比較的アクティブな感じの2時間だったとは思います。

      中盤までは基本的な不自然リンクやそのリスクの話、基本的なペナルティ解除の作業内容などをお話させて頂きました。基本的な部分は以下の記事に書いてあるような、一般的な流れ作業の詳細解説になりますので割愛します。
      ※参考:不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編)

      事例はそれなりにいろいろご紹介させて頂きました。流石に社名等は一切情報出せませんが、具体的にどういったシーンで、どのような形でペナルティが解除されたのか、結構詳細までお話させて頂きました。

      いろんな事例紹介。例えばリンクペナルティ受けてる関連サイトからのリンク。外す、という選択肢は基本的には取れないです。→ そういう場合nofollowが有効かもしれないですね

      警告来てないけど再審査送ったら「手動対応を解除しました」として解除されることももちろんあり。通常の被リンク警告来てたけど何度か再審査送ったら「手動対応とってませんよ」とか。

      再審査リクエストNG後の個別対応メール(具体的な不自然リンクの指摘を含むメール)の実例。具体例はさすがに伏せてますが。

      などなど。で、人がやっているとか人がやっていないとかに関わらず、100%決まりきった対応が常にされているわけではない、というのは変わらないと思っています。ですので、ある程度割り切って、再審査の内側の事情がどうであれ、考えても分からないようなことを考えていても仕方がなく、取り敢えずやらなきゃダメ、やった方が良い、と言われていることを素直に進めていくことが重要です。というような論旨ではありました。

      また、補足としまして今回はリンクの否認ツールについてはそこまで触れませんでしたが(何とも確証が得られない曖昧な情報が多かったという背景もあり)、否認ツールがあろうとなかろ再審査リクエストのフローにおいては主役とはなりにくいものですのであくまで補助的なツールとして認識して頂ければと思います。

      ペナルティに関する質疑応答

      セミナー中、話題の合間で参加者の方々から質問を頂くことがありましたので、そのうちの一部をご紹介しつつ、改めてまとめて回答しておきます。

      こういう場所では書きづらい、具体的な固有名詞が出るような内容、或いは情報としてあまりに不確かな内容のものについては割愛させて頂きます。

      質問1: 全体のうちどれくらいの不自然リンクが外れれば解除される?

      あくまで実際にあった事例を元に、という前提ですが、それなりの数(数百以上)確認できた不自然リンクのうち、6割強ほどの削除しかできなかった(それでもそれまでには相当な時間と労力を要した)ようなケースで、再審査に合格したケースはありますが、稀な部類です。全体の7~8割とかが削除できるとやや成功率は上がりますが、それでもNGな場合も多くあります。出来れば9割程度は削除しておきたい、というのを目安にしていただくと良いと思います。

      手動ペナルティを受けるようなケースで、100%全てのリンクが外れることは逆に珍しいですが、ただほとんど全部削除できましたよ、という状況まで持っていくことができればほぼ100%再審査は合格する、とお考え下さい。

      質問2: 向けられている被リンクの内容を把握するために使用するツールは?

      基本的にはウェブマスターツール(WMT)のリンクデータを利用します。
      ウェブマスターツール

      しかし、実際にはデータ量が多い場合にはこれだけではあまり網羅出来ないケースも多く、外部の有料ツールなども使用した方が漏れ無く調査することが出来ます。

      一般的に使われるリンク調査ツールでは以下のようなものが代表的です。

      ahrefs
      ahrefs

      Open Site Explorer(通称:OSE)
      ose

      MAJESTIC SEO
      majestic_seo

      こうしたツールを用いて抽出したリンクデータのうち、不自然なリンク(=SEO以外で価値を持たないリンク)を洗い出してどんなパターンのリンクを獲得していたのかを把握していきます。(自分のウェブサイトにどんなリンクが向けられているのか、ということは、ペナルティ云々に関わらず定期的にチェックされることをおすすめします。)

      質問3: Twitter等から一気に大量のリンクが得られることは問題になるか?

      いくら得られてもプラスにはなっても問題にはなり得ませんので存分に拡散されて下さい。という回答になります。

      twitterに限らず、一気に大量のリンクが集まること自体には何も問題はありません。一気に話題になればtwitterやはてなブックマークを始めとして様々なウェブ上の媒体で取り上げられ、一度に数千規模のリンクを獲得するようなことも日常的に起きています。こういうものは全て自然に発生したもので、少なくともSEOを意図して獲得したものではありませんので、マイナスとなるような要素は無いと思ってもらって大丈夫です。

      結局、非常に無機質で機械的なものであったり、特定のパターンの決まりきったリンクばかりを一度に大量に集めた場合などは、思い切り不自然なリンク増加パターンとして引っかかってしまい何かしら悪影響を受ける、ということだと思っています。

      さてここで少し補足しておくと、「質の高いリンク」という表現を良く聞くと思いますが、「リスクのないリンク」と「SEO効果の高いリンク」というのは全くの別ものですので注意が必要です。

      再審査がうまくいかない、と相談頂くケースでも、全くのSEO用の不自然リンクが外れていない、外そうともしていない状況で再審査を何度も送っているような場合があります。「これはSEO会社から質が高いリンクだから安全だと言われている」などという声もありました。

      基本的には、SEO目的で設置されているというよりも、「SEO以外に目的を持たないリンク」については、再審査リクエストの際には、全てとは言いませんが高確率で不自然リンクに分類して削除対象にしなければならない、と思っていて構いません。冒頭で紹介したまとめから引用しますが、

      ざっくりまとめると「SEOに効くリンク ≠ 本来Googleが良しとするリンク」と「今効果が出ているもの ≠ 今後も効果が出続けるもの」なので、それに対してどう捉えるか、という問題。

      ということだと思って色々と判断して頂ければと思います。

      質問4: 有料ディレクトリ登録サービスはNGなのか?OKなのか?

      具体的な名前は差し控えますが、一般に名の知れているディレクトリサービスにもOKなものとNGなもの、現状ちょっと不明なものがあります。誤解なきようにお伝えしておくと、本当に多くのサイトが申請を出すような一部の有料ディレクトリ登録は問題ない、としておきます。

      実際に、Googleから送られてきた再審査リクエストNGのメールで「不自然リンクの具体例ってこういうものです」として具体的なURLがいくつか羅列されていたケースがありましたが、その中身は思いっきり有料ディレクトリからのリンクでした。この時点で、「有料の審査を経たディレクトリ登録なら全て安全」ではない、ということですね。

      このライン引き、判断材料としましては、あまり断定することは避けたいとは思っていますが、事実ベースでお伝えしますとGoogleは基本的には金銭のやり取りに基づく「リンクの販売」をガイドラインで明確に禁止しています。

      厳密に「これはディレクトリ登録サービス、これは結果的にはリンク販売です」っていう明確なラインを引くことができるかどうかは別として、少なくとも、「高いSEO効果がある被リンクを獲得」「ページランク○○の良質な被リンクを獲得」といった宣伝文句は、少しこのご時世では慎重に捉えた方が良いんじゃないでしょうか。

      無料でも有料でも、それがディレクトリサイトとしてきちんと機能してたり、意味のあるディレクトリだったり、「適正な審査」の上での登録、ということであれば問題は全然ないと思うのですよ。まあ、どこまでのラインをそこで問題ないとするかは、ちょっと微妙なんですけども。

      少しふわっとした表現になりますが、この程度の表現に留めておきます。

      質問5: 再審査リクエストは人的なチェックを本当に挟んでいると思うか?

      基本的には、人的なチェックは普通にされていると思います。ただ、純粋に人的に全てチェック、というのは現実的に厳しいでしょうから、(それ以前に何かしらシステム的なチェックも入ると思いますが)一部を抜き取りチェックという形式なんじゃないでしょうか。と思います。

      ただ、こういう疑問を持つことは興味としてはもちろん有り得るとは思うのですが、「仮に人的なチェックじゃない、実は再審査の内容など誰も見ていなかった」ということだったとしても、特にやるべきことというのは変わらないんじゃないでしょうか、とは思っているわけです。

      全体の一連の作業の中でドキュメントにまとめるとかそういった作業というのはごく一部でしかなく、それ以外は問題が解消されたのか(リンクが外れてるのか、外れていないのか)というところのシンプルな判断だと思っています。大半外れていないのであれば再審査をどのように工夫したところでほぼNGですし、100%全ての問題が解消されたのであれば再審査リクエストをかなり簡易に記載してもペナルティは解除されます。

      ただ多くの場合、「外せるリンクは外せたが、本当にどうしても外せないものも残ってしまっている」からペナルティが解除されないわけで、その状況で解除の可能性を1%でも高くするためには、できることは全てやっておきましょうよ、というのは今まで色んなペナルティ解除対応を見てきて思ったところです。

      基本的には、ペナルティ解除は、決して何か高尚なテクニックが云々、ではなく、非常に地味で、そこに創造性を挟む余地のないような、泥臭い作業をひたすらやりきれるかどうか、というところなんじゃないかなと思っています。

      まとめ(とお知らせ)

      手動ペナルティの解除って、言ってしまえば基本的には生産的なものではなくマイナスをゼロに戻すだけの作業ですし、それなのに解除に向かうにあたっての時間と労力は相当にかかりますし、その上でずっと解除できないケースもそれなりにあります。

      ですので基本的には、今後は、特に外部リンクに関しての派手なリスクテイクは割けた方が良いと思います、ということと、万が一ペナルティ受けてしまった場合には、とりあえず諦めずにやれること全部やってみましょう、という結論になります。必要があればご相談下さい。

      最後にお知らせなのですが、弊社では2013年度の取り組みとして、1ヶ月に1回はこうしたSEOセミナーを(だいたい)無料にて開催させて頂く予定です。中には過去と重複した内容になることもありますが、出来るだけ毎回異なるテーマで開催できるようにしたいと考えています。

      次回は久々にが講師を努めさせて頂く予定で”Web制作・開発に関わる方向けのSEO設計基礎セミナー”といういかにもよく有りそうなテーマでの開催となりますのでご興味ある方はご参加頂ければと思います。
      ※詳細:2013年4月26日(水) Web制作・開発に関わる方向けのSEO設計基礎セミナー

      最後に、3月は僕の怠慢によりあまり記事の更新がありませんでしたので4月は更新頑張ります。(個人のSEOブログもやっていますが書いていません。)引き続きよろしくお願い致します。

      文責:ヴォラーレ株式会社 土居

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      2013.2.26 SEOセミナー開催レポート:「基礎と累積の2軸で考え、まずはスタートラインに立つ」

      先の2月26日、弊社主催の無料SEOセミナーを開催させて頂きました。スピーカーの實川自身は今回が初となるセミナーでしたが、アンケートではなかなかの高評価を頂いておりました。ご参加頂いた皆様、大変お忙しい中ご足労下さり、誠に有難うございました。

      セミナー風景、写真

      今回のセミナーでは、SEOの基本である内部対策、外部対策やその考え方について、基本的な部分を中心に90分弱お話させて頂きました。概要を以下にレポートとしてまとめます。

      1.SEOをとりまく環境の変化とその背景
      2.SEOの考え方と取り組み方
      3.具体的に何をすれば良いの
      4.まとめ

      SEOをとりまく環境の変化とその背景

      SEOをとりまく環境

      ここ最近の低品質外部リンクの淘汰や各種アルゴリズムアップデートを経て、これまで多くの企業(SEO会社を)がSEOの中で目指してきたベクトルと、検索エンジンが向かうベクトルに差異があることが結果として露呈するようになりました。

      ・企業の目標
      色んなキーワードで上位表示して、自然検索経由の流入を増やしたい。

      ・検索エンジンの目標
      検索サービスとしての価値を向上し、検索ユーザー数を維持、拡大したい。

      企業としては最終的には売上・業績を伸ばすことを目的に、ウェブサイトへのトラフィックを増やす一つの手段としてSEOに取り組み、ゴールを見据えた目標設定をします。

      しかし検索エンジンとしては、ユーザーの「検索して情報を見つける」という一連の行為の満足度を向上させることができるような検索結果を返せるようにする、ことがまず前提としてあり、この視点が欠落した施策が逆効果、裏目に出たり効果が薄れてきたりしている、という背景があります。

      検索エンジンの変化

      例えば外部リンクが検索順位に大きく影響するため「リンクを購入する」という考え方があります。しかし検索エンジンは昔よりもはるかに精度が向上していますので、リンクを貼れば順位が上がる時代から、少し間違えばそうしたリンクが原因となってサイトへの評価が思い切り下げられるような時代へと変化しました。

      Googleが不正リンクを使ったランキング操作の抑制や、低品質なウェブサイト(中身がない、コピーサイト、重複するコンテンツなど)を検索結果から除外するための動きが、最近では過去に比べより活発になり、そうした施策に対するSEOのリスク、特にそうした施策にばかり依存したSEOを行うことのリスクが顕在化してきています。

      ※筆者補足※
      一方で仮に有料リンク、人工リンクだったとしてもその累積によりウェブサイトへのアクセスや売上が一定量担保出来ている場合だと、すぐにその状況から脱却する(つまりそうした恩恵を破棄して、やり方を一新する)、といった選択肢を取ることも企業的な諸事情により難しいケースが多いのもまた事実と思います。

      つまり「わかっちゃいるんだけど、さあどうしたもんかね」という状態にある方が比較的多いのではないかな、ということですね。

      そうした中、今後は、一気には難しいけど徐々にそういう方向にシフトしていく流れが今後も加速していくでしょう、ということと、問題提起されている人工リンク施策については次第に衰えていくもののしばらくは健在で、リンク提供型のSEOサービスに対しても一定量の需要が引き続き残るでしょう、とは思っていますし、多分これが多くのSEO関係者の共通認識だと思います。そのことの是非については特に触れませんが、基本的にはそういうことだと思っています。

      SEOの考え方と取り組み方

      このような状況において、今後どうやってサイト運営に取り組めば良いのでしょうか。「人工的なリンク施策に頼るは怖いからコンテンツをとにかく増やそう」というような考え方はもちろん良いのですが、そうは言っても時間や労力、場合によってはお金がかかるお話ですのですぐ行動!とする前に一旦落ち着いて考えてみる必要があるのではないでしょうか。

      SEOを2つの軸で考える

      今回のセミナーでは、SEOを行う上で考えるべき軸を大まかに以下の2軸として解説していました。

      縦軸にリンクやコンテンツ(累積資産)、横軸にサイト設計(基礎)、のグラフ

      ①累積する資産:コンテンツやリンク

      • ユーザーがサイトを訪れる理由になる(コンテンツ)
      • 独自の資産となり、競合優位性を築く
      • 結果が出るまでには大抵それなりの時間がかかるしその覚悟が必要
      • 成功すれば、無料の検索トラフィックが安定して獲得できる
      • 基本的には終わりがない取り組み

      ②基礎となる土台:サイト設計

      • 累積したコンテンツやリンクを適切に認識、評価させる
      • 初歩的なWeb/SEO知識でもある程度改善できる
      • ちょっとした改善で大きな効果があることもある。(逆も然り。)
      • 応用的な改善は非常に難しいし高い専門知識が必要

      以上を踏まえ、少しばかり乱暴な分類ではあるかもしれませんが、以下のようなマトリックスでウェブサイトのSEOを考えてみると整理しやすいのではないでしょうか。(セミナーの前後の細かい文脈は割愛しますのでセミナー時資料とは若干修正入れています)

      先ほどのグラフを用いて 左上:コンテンツやリンクはあるが設計に難あり、 右上:コンテンツやリンクが十分で設計もよく出来ている、 右下:設計に問題はないがコンテンツやリンクは乏しい、左下:コンテンツもリンクも設計もダメダメ の分類をしているマトリックス図

      縦軸をコンテンツやリンクの軸、横軸をサイト設計の軸として、右上に行けば行くほどSEOとしては優れていて、左下のような状態(基本的な最適化も出来ていなければコンテンツもリンクも乏しい)は当然優れたSEOには程遠い、というイメージです。

      SEOに優れたサイトにするためには縦軸、横軸どちらか一方だけ優れていれば良い、というわけではなく、どちらも基本的なことはしっかり出来ていなければ継続的にSEOに取り組んだとて、十分な結果を得ることは難しいということですね。

      ですので次の図のように自社のサイトがマトリックスの右下枠に該当するのであれば、細かなチューニングにこだわるのではなく、コンテンツを見直したり増やしながらリンクを獲得していく必要がありますし、左上枠に該当する場合は、闇雲にそのまま突っ走るのではなく、改めてSEO設計を見直すことでコンテンツやリンクの評価を正しく受けることができるようになります。

      先ほどの図でマトリックスの左下から左上枠に向かって改善を図ろうとしている図:「適切に評価されるための土台が整っていないのにひたすらコンテンツやリンクを増やす」

      マトリックスの左下から右下枠に向かって改善を図ろうとする図:「コンテンツやリンクが乏しいのに細かなサイトチューニングばかりこだわろうとする」

      優れたサイトとして検索結果での露出アップを目指すために、何もないところからいきなり完璧を目指すのではなく、まずはスタートラインを目指す、ひとまず「損をしない」ところまでを見据えてSEOに取り組む、というのが今回の一つの主なテーマになります。

      マトリックスの中心をスタート地点として、コンテンツやリンクもまずは必要十分なものを揃え、基礎的なSEOを踏まえた実装が出来ているという状態を目指しましょう、という図

      具体的に何をすれば良いの

      ここから先は、ごく基本的なSEOの内容について概要を説明させて頂きました。このブログの読者の多くの方には改めて解説するようなことではないことも含まれるかもしれませんが、

      • 検索キーワードの考え方や探し方
      • 目標とするSEOキーワード選定の基準
      • コンテンツマップや主要なキーワード
      • キーワードチューニングの考え方と方法
      • クロールやインデックスの仕組み、その制御について
      • 内部リンクのSEO上で考慮するポイント

      等について、事例も含めながら少し駆け足で解説しました。今回のセミナーではいずれもごく基本的な事柄でしたので記事ボリュームの関係から詳細についてはここでは割愛させて頂きます。

      ※筆者補足※
      基本的なこととは言っても、本来これら一つ一つの項目でも最低1時間ずつくらいはかけてお話しないといけないくらい、考えることや知らなければいけないことは多いと感じているのですが、一つのセミナーでまとめて語ることはやっぱり難しいです(昔一度トライしましたが2時間半の予定が4時間くらいかかってなお、全然話しきれなかったです)

      まとめ

      基本的なこと、一般的にこうした方が良い、と言われていることをとにかくやってみる、ということが出来れば、度合いはともあれ基本的にSEOとは一定以上の効果が得られるものです。見る限り、世の中に公開されているウェブサイトの大半は、SEOの基本的なことがキチンと実践できているとは言い難い状態である、というのが現実だと思います。

      何か素晴らしいSEOの事例、素晴らしい技術、最新の動向などを知ることもとても大切と思いますが、まずは走り出しの段階で、当たり前にやった方が良いことを当たり前に実践できているか、ということがその後のSEOの成否を大きく左右することにつながると思います。

      情報収集される際の注意として、主にリンク関連の話題、「上位表示対策」についての話題などでインターネット上にある情報は玉石混交、かつ内訳は石が大半という印象ですので、情報の取捨選択に自信がない方や相応のリスクを負えない方、そもそもどういうリスクがあるかがよく分からないという方は、何かしらの根拠がない限りはあまり参考にされないほうが今は無難だと思います(SEO関連の書籍につきましても良著とそうでないものは同様に分かれる、という印象です)。

      最後に、今後も定期的にSEOセミナーは開催します(直近では3月に別テーマで開催させて頂く予定です)。基本的にはこうした基礎的なセミナーは無料で開催するスタンスですが、夏あたりに少し突っ込んだテーマで有料のセミナーも開催させて頂く予定ですので、その際には改めて告知させて頂きます。

      と、今回の記事は比較的堅苦しい感じで終わらせて頂きます。このブログにつきましても、基本的には若いメンバーを中心に(今度こそ)継続的に更新していく予定ですので、引き続きよろしくお願い致します。

      文責:ヴォラーレ株式会社 土居

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      リンク否認ツールの使い方・注意点・使用事例などまとめ

      昨年10月にリンク否認ツールが公開されてから早4ヶ月が経ちまして、リンク否認ツールを使用した後に再審査リクエストに成功する事例なども見受けられるようになってきました。今回のブログでは、改めて否認ツールについての簡単なおさらいや、いくつかの事例のご紹介を致します。

      リンクの否認ツールとは

      何のためのツールか

      googleのウェブマスター向け公式ブログでは否認ツールについての記事が2つあります。昨年10月17日の記事には

      この新しいツールは、サイトへの不自然なリンクを理由に手動によるスパム対策が実施されているというメッセージが Google から届いた際に、ウェブマスター向けガイドライン違反となる箇所の違反状態を解消するためにお使いいただけます。サイトへの不自然なリンクに関するメッセージが届いていない場合は、このツールを使う必要はありません。

      というように書かれており、手動ペナルティに対する再審査リクエストのためのツールと説明されています。しかし10月26日の記事のQ&Aの中では、

      質問: 「サイトへの不自然なリンク」の通知を受け取っていなくても、予防策としてリンク ファイルを作成すべきですか?

      回答: 通称 “Penguin” アップデートの影響がサイトに及んでおり、スパムの疑いのあるリンクや低品質なリンクを設定したことが原因ではないかと思う場合は、サイトへのリンクを調査し、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反するリンク プログラム などによるリンクを否認することをおすすめします。

      というQ&Aが記載されており、手動ペナルティを受けた状態でなくとも、粗悪なリンクによる悪影響を取り除くためにも使用したほうが良い、としています。

      後ほどの注意点にも書いてある内容になりますが、Googleは否認ツールについて、「本当に必要な時にしか使用すべきでない」と何度も解説しています。前者の記事で手動ペナルティを受けた状態で使用するツールであると説明しているのは、「なぜ貼られているのか不明で大した恩恵もなさそうなリンクはとりあえず全部否認してしまおう」というような使い方を防止するためのものでしょう。したがって、手動ペナルティ時に限らず粗悪なリンクによる影響やリスクを取り除きたいときに、やむなく使用するツールといえます。

      否認ツールの使い方

      否認前後のフロー

      否認するリンクを1行1URLずつ、プレーンテキスト(.txtのファイル)に記載します。ドメイン単位で否認することも可能で、その場合「domain:www.example.com」というように書きます。なお否認するリンクについては、WMTから確認できる被リンクの他、Majestic SEOOpen Site Explorer等のツールから検出できるリンクも合わせて精査することで、より多くのリンクをチェックすることができます。
      否認リンクリスト

      ファイルを準備したら、WMT上の設定画面より、下図のようにファイルをアップロードできます。
      リンク否認フロー
      なお、リンク否認が正しく行われると、以下のようなメッセージが届きます。
      否認確認メール
      また、否認ツール使用後はリンク登録画面が下図のようになります。否認したリンクの確認や、否認の解除を行うことができます。もちろん新たにリンクを否認することも可能です。
      否認編集

      使用上の注意点

      あまり安易に使わないことがまず重要です。Google公式ブログなどでも度々言及されていますが、まず粗悪なリンクについては削除を試みることです。削除を試みた上で、どうしてもできないものに限り否認を使う、というようにするのがよいでしょう。

      また、上図でも度々使用を確認されていますが、使用に当たっては慎重になる必要があります。間違って否認をしてしまった場合、内容を差し替えることはできますが、それが反映されるまで更に数週間かかると言われているからです。また、ドメイン単位で否認する際はそのドメインから正当なリンクを受けていないか確認した方がよいでしょう。

      リンク否認後の順位推移

      順位推移事例1

      否認ツールを使用した事例です。もともと上位を維持していたキーワードでしたが徐々に順位が下がってきており、特に昨年12月頃から下降のペースが上がってきていました。SEO目的の粗悪なリンクが設置されており、前々から削除を試みてはいましたが、削除しきれないものも多くありました。具体的には無料なディレクトリ型検索サイトからのリンクや、昔ながらのワードサラダで生成したテキストからのキーワードリンクがその大半を占めていました。そのような中で、12月中旬より大きく順位が下がったためリンクの否認を行う運びとなりました。

      リンクの否認後もしばらくは下がっていましたが、2週間ほど経った頃から順位が回復していき、1か月後には下がる前の水準まで戻りました。googleの公式ブログでも、否認後効果が出るまで数週間の期間を要することもあると書かれていますが、ちょうどそれに該当する時期での回復となります。

      順位推移事例2

      こちらも同様の事例で、どうしても粗悪なリンクが削除できていなかったため、順位の下降後リンクの否認を行いました。約2週間後に順位がある程度回復しています。これだけで否認の効果があるとは全く断定できませんが、このような事例はけっこうあるため、使う価値はあるでしょう。

      まとめ

      仮に粗悪でリスクを伴う不自然なリンクであっても、上位表示という恩恵を受けているケースは今でもまだまだあります。しかし、ペナルティなど明らかな下落は起きておらずとも、粗悪な被リンクにより順位が安定しないことや、伸び悩んでしまうことも現実には多くあります。

      そのような場合、どうしても問題の解消が不可能な場合は、リンク否認ツールの使用により改善が見込める可能性はありそうです。しかし、実際に否認ツールを使っても再審査リクエストに合格できない事例や、特に何の変化が見られないというような事例も多くあります。

      どちらにせよ問題を解決してくれる万能ツール、というわけではないことは間違いなさそうですので、不自然なリンクが多く残っている場合には、まずはそれらのリンクの削除を試みた上で、否認ツールはどうしても削除が難しい場合の「最終手段」として使用する、くらいが現時点ではちょうど良さそうです。

      文責 : 志水

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      不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編)

      ここ1年で、ペナルティを受けてサイトの検索順位が下落したというケースが急増しましたが、2013年に入ってもペナルティにお悩みの方はまだまだ多くいらっしゃるのが現状です。弊社におきましても、未だにペナルティ解除に関するご相談のお問い合わせを数多く頂きます。そこで今回は、改めて初心者の方向けに基本的なペナルティ解除方法とペナルティ解除に成功した事例に関してご紹介させて頂きます。

      ペナルティ解除までの大まかな流れ

      1. 自サイトに向けられている外部リンクの調査・精査
      2. 不自然なリンクに該当すると思われるリンクの削除
      3. 何かの事情でどうしても削除できないリンクの否認
      4. 改善の経緯をドキュメント化し、再審査リクエストの送信

      基本的な流れは上記4項目です。あとは解除されるまで粘り強く上記の繰り返しです。

      ペナルティ解除の一例

      以下、ペナルティ解除に成功した事例についてのご紹介です。

      ・ご契約に至るまで
      クライアント様が自社サイトの順位下落を不安に思い、ペナルティを受けていると判断されて弊社にご依頼頂きました。
      (この時点でウェブマスターツールに警告メッセージは来ておりませんでした。)

      ・ペナルティ解除フロー
      下図は、解除に至るまでの順位推移とその期間の対応です。
      flow1

      解除のために、先ずはクライアント様が過去にご依頼していたSEO会社に、残っていたリンク削除依頼を出し、6月中旬に1回目の再審査リクエストを送信したところ、7月中旬にウェブマスターツール上で「ガイドラインに違反しています」のメッセージが確認されました。

      この時点で手動ペナルティを受けていることが確定しました。初回で解除に失敗したのは、削除依頼したリンクが少し残ってしまっていたことが理由と考えられます。(この時ガイドライン違反と思われるリンクがおよそ90リンク残っていました。)

      解除に失敗した際の返答メッセージです。
      miss

      そこで再度リンクを精査し、過去のSEO会社に改めて削除依頼を行い、SEO会社が管理していないリンクに関してはブログサービスなどのサービス会社に直接削除依頼を行い、9月初旬に2回目の再審査リクエストを送信しました。

      その際、どうしても削除できなかったリンクに関しては、その理由と削除努力を記載しました。その結果、9月中旬にウェブマスターツールに「Webspamチームによる手動の対応が取り消されました」との返答メッセージがきてペナルティ解除に成功しました。

      解除に成功した際の返答メッセージです。
      success

      ペナルティを解除するために必要なこと

      「ペナルティの要因となっていたリンクをしっかりと削除すること」これに尽きるでしょう。上記の事例では、そのためにクライアント様にも迅速に対応頂き、過去のSEO会社にも削除に対応してもらえました。

      当時はまだリンクの否認ツールも公開されておらず、とにかくペナルティの原因と考えられるリンクを削除する以外に方法がありませんでした。また、どうしても削除できないリンクに関しては、削除できない理由と削除するためにどのような努力をしたのかをしっかりとドキュメント化し、再審査リクエストに盛り込みました。

      このように順調にリンクの削除とその他の対応が進められれば、ほとんどのケースでペナルティ解除に成功しています。また、裏を返せばそれ以外のケースはいつまでたってもペナルティを解除できないということが大半です。

      1. リンクを削除できない、過去のSEO会社が削除対応してくれない。
      2. 削除努力をせずに再審査リクエスト、否認ツールを利用する。
      3. 削除のためにとった行動の詳細を再審査リクエストに記載しない。

      といった場合です。ご相談いただくお問い合わせの中には、リンクを削除する前に再審査リクエストを送っていたり、否認ツールを利用している方もまだまだ多いようです。それだけではペナルティを解除するのは難しいでしょう。
      (再審査リクエストに記載すべき内容はGoogleも公式に発表しています。)

      まとめ

      一にも二にも、問題となっているリンクが削除され問題が解消されることがペナルティ解除のための最大の近道であり、かつ唯一の手段であると言えます。特にペナルティを受けていてもある程度の順位がついていたり、ロングテールのキーワードでの流入が残っていたりすると、「アクセスがなくなったわけでもなし、リンクを削除してしまうとこれが更に減ってしまう可能性があるのではないか」との思いからリンク削除に躊躇しがちになってしまうこともあるかと思います。

      しかし、サイトのSEOに関してもしも長期的な視座に立てる状況であれば、その場しのぎの対応をとるのではなく、しっかりと問題を解消してペナルティを解除した上で改めてSEOを行っていく、ということが、結果的にサイト全体のパフォーマンスを高めることにも繋がるでしょう。

      文責:ヴォラーレ株式会社 渡邉

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