Adobeは、データを収集して顧客を理解するための分析と顧客体験のプラットフォームに力を入れている。米国時間9月10日、同社はカスタマージャーニーのデータを直接扱い、よりよい顧客体験を実現する新しい分析ツールを発表した。
カスタマージャーニーには、企業のデータレイクからCRM、POSまで、多くのシステムが関係している。7月に発表されていたように、このツールは複数のシステムやさまざまなチャネルにわたるデータをすべてまとめて、データ分析のワークスペースに取り込む。
Adobe Analyticsのプロダクトマーケティングでグループマネージャーを務めるNate Smith(ネイト・スミス)氏は、データサイエンティストやSQLのスキルを有するアナリストも、そしてインサイトを得ることが目的のマーケティング専門家も、組織全体が標準的な方法でデータにアクセスできるようにしたと語る。
同氏は「オムニチャネル分析や新しいデータチャネルの導入をしようとする組織のためのプラットフォームをリリースする。このプラットフォームに入ってきたデータを、学術的なモデルで標準化する」と説明する。その後、この機能を階層化し、継続してデータを視覚的に照会して、これまで見えなかったようなインサイトを得られるという。
Adobeはプロセスのすべてのステップをできるだけ柔軟にするように開発し、オープンであることを原則にしてきたとスミス氏は言う。これは、あらゆるソースから取り入れたデータを、Adobeのツール、あるいはTableauやLookerといった外部ツールで視覚化するという意味だ。さらに、必要に応じてデータを取り入れたり取り出したり、ユーザー独自のモデルを使ったりすることもできるという。
同氏は「皆さんにAdobeスタックに参加してもらいたいと思っているが、同時に、すでに多額の投資をしたほかの技術との統合や相互運用の必要が発生することも理解している」と語る。
最終的な目的は、マーケティング担当者が顧客のデータの全体像にアクセスし、顧客についてわかったことをもとに最も望ましい体験を提供することだ。スミス氏は「我々がこのツールで本当に目指しているのは、重要な瞬間に役立つインサイトとエンゲージメントポイントを得て、優れた体験を提供できるようにすることだ」と語った。
この製品は、一般には10月から利用できるようになる。
画像:sesame / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)