Premiere Rush CCはパソコンでもモバイルでもビデオ編集可能――AdobeからYouTuber向けツール登場

今年初頭、Adobeはマルチプラットフォームのビデオ編集プロダクトのプレビュー版をProject Rushとして発表した。今日(米国時間10/15)開幕したAdobe MaxカンファレンスではProjectが外れ、Premiere Rush CCとしてCreative Cloudの一員となったことが発表された

Rushの狙いは非常にストレートで、オールインワンの効率的なビデオ編集ツールの提供を目指している。これはパソコンであれモバイルであれ、あらゆるプラットフォームですばやくビデオを編集し、YouTubeなどのソーシャルメディアにアップしたいという現代のビデオ・クリエーターのニーズに合わせたプロダクトだ。実際、紹介ビデオを見るとYouTube世代がターゲットであることがよく分かる。

RushはAdobeのオーディオ、ビデオ編集ツールのコア部分を抽出し、モバイル、デスクトップの双方をサポートする単一ツールにまとめたプロダクトだ。たとえばモーション・グラフィックスにはテンプレートが用意されおり、文字や画像にアニメーション効果を加えることができる。これによりRushのユーザーは目を引くタイトルの作成が簡単にできる。また色味の調整はフル機能のビデオソフト、Premiere Proに用いられているテクノロジーと基本的に同じものだ。オーディオ編集には既存のAuditionで用いられたの同じダッキング機能がサポートされており、ユーザーがナレーションを録音するとき他の音量が自動的に絞られる。

編集はすべてのプラットフォームで同期されるので、ビデオブロガーはスマートフォンで録画し編集を始めた後、ノートパソコンで仕上げで公開するなどができる。

製品版のRushの機能は数ヶ月前にAdobeが予告していたとおりだが、今日のカンファレンスでの発表では今後予定されているアップグレードのプレビューも紹介された。近々(Adobeによれ来年)、RushはAndroidでも利用できるようになる。またスピード調整機能がサポートされ、再生速度を増減できる(この機能はYouTubeでやたらに使われることになりうそうだが)。またプラットフォーム別に数種のビデオファイルを簡単に出力できるようになる。また当然、処理速度も改善される。

Premiere Rush はCreative Cloudのフルバージョンの契約者の場合、自動的に利用可能となる。単一アプり版、学生版の契約も用意されており、個人の場合月額9.99ドル、チームの場合月額19.99ドルだ。スターター・プランは無料でアプリの全機能が利用できるが、エクスポートは3プロジェクトまでとなっている。

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滑川海彦@Facebook Google+

Adobe、AR構築ツールとiPadアプリを発表――MAXカンファレンス開幕

今日(米国時間10/15)、ロサンゼルスで開幕したAdobe MaxカンファレンスではCreative Cloud(CC)ベースの新しいツールがいくつも発表された。中でも注目されたのはAR体験を構築するProject AeroとiPad上でラスターとベクター双方の作画ができるProject Geminiだ。

Projectというのは初期段階のバージョンで、まだ一般ユーザー向け安定版プロダクトではないことを示すAdobe流の用語だ。しかし近くProjectが外れてCCの正式な一員となるだろう。

AdobeがARツールを発表することは十分に予想された展開だった。ARテクノロジーが業界にこれだけ大きなバズを巻き起こしているというのにAdobeがじっと傍観していることはあり得ない(VRの場合もdobeはパイオニアの一社だった)。Project AeroはAdobe DimensionやPhotoshopと統合されており、作成された資産は簡単にインポートできる。現在はプライベート・ベータだが、年明けには公開範囲がさらに拡大されるはずだ。

Project GeminiはiPad向けのスタンドアローンのグラフィックス・ツールで、Photoshopのペイント・エンジンを利用している。このアプリはPhotoshop SketchやIllustrator Drawなど既存のモバイル・アプリのテクノロジーも使っている。タイムラプス効果やPhotoshopブラシのサポートはこれらのアプリから採用されたものだ。しかし選択やマスクのツール、グリッド、ガイドなどが含まれ、ラスターとベクターの双方で画像を作成できる新しいパッケージに再構成されている。

興味深い点は、このプロジェクトにおけるKyle T. Websterの存在だ。AdobeはWebsterのPhotoshopに多数のブラシを提供するサービスをちょうど1年前に買収している。

Adobeは今日発表されたリリースにこう書いている。

あらゆるスキルレベルのアーティストを対象とした厳しいテストの結果、われわれはドローイング・ツールが効果的に働く仕組みについて理解を深めた。Project Geminiのすべての機能は ドローイングとペインティングのワークフローを効率化することを目的としている。ユーザーは水彩風、油絵風などKyle
Websterが制作した自然なタッチのデジタルブラシを全面的に利用できる。また選択、マスク、変形もサポートされている他、Adobeのリサーチ・チームが開発した買う↑アズのテクノロジーが統合sれている。

Geminiではダイナミック・ブラシを含めPhotoshopがサポートしているブラシがすべて利用できる。また作成したファイルは両プロダクトの間で自由にやり取りできるという。

Adobe Maxで発表された他のプロダクト同様、Project Geminiもまだプライベート・ベータだ。また当面、デバイスはiPadがサポートされる。ただしAdobeでは他のプラットフォームにもサポートを拡大する計画だ。AdobeとMicrosoftの緊密な関係やAndroidにはこれというほどの魅力的なタブレットが存在しないことを考えると、サポートの拡大というのはWindowsベースのタブレットを指すのだろうと思う。

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Adobe、Photoshop CCのiPad版を発表

Adobeが同社の Creative Cloudアプリを近代化して、あらゆるプラットフォームに持ち込もうとしていることは周知の事実だ。本日(米国時間10/15))同社は、ロサンゼルスで行われたMaxカンファレンスで、Photoshop CCのiPad版を正式にアナウンスした。

残念ながら今すぐ試すことはできないが、2019年になったら、あらゆる画像をiPadでレタッチできるようになる。そして、当初はデスクトップ版の全機能を使うことはできないが、今後追加していく予定だとメーカーは言っている。

あらゆるAdobe製品がそうであるように、Photoshop for iPadは他のあらゆるバージョンのPhotoshopと互換があり、PSDに加えた変更はデバイスを横断してすべて同期される。ユーザー体験が一から再構築され、タッチ用にデザイン変更されているのも驚きではない。標準Photoshopの画像編集ツールとレイヤーパネルのほとんどが実装される。もちろん、デジタルスタイラスにも対応している。

iPadバージョンはデスクトップ版Photoshopとコードベースを共有しているため、「機能やパフォーマンスや編集結果に妥協は一切ない」とAdobeは言っている。

しかし現時点でPhotoshop CC iPad版についてわかっていることは、これくらいだ。これ以上は2019年まで待つしかない。もっとも、知っておくべきことはおそらくこれだけだ。Adobeはずっと以前から、ユーザーがどこにいても作業ができるようにしたい、と言ってきた。当初それは、大きなCreative Cloudエコシステムと同期する、機能に特化した数多くの小さなアプリ群のことを意味していたが、今はPhotoshopのような巨大アプリのフルバージョンをモバイルで動かす方向にシフトしているようだ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook