法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

GVA TECHは9月23日、エンタープライズ向けAI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」(アイコンプロ)に、基準に則さない契約条件をAIが瞬時に検知する「リスク検知機能」を新たに搭載したと発表した。一般的な基準だけでなく、企業が独自に定めた基準に対応するリスク検知機能の提供は日本初という。

今回の新機能は、設定したリスクワードと完全に一致するワードが検知の対象。今後「その他一切の」「その他全ての」「その他すべての」など、類義語も同一リスクとして検知する機能の追加を予定している(2020年10月頃予定)。

AI-CON Proは、企業が自社ノウハウとして持っている契約書ひな型や法務知識をセットすることで、「自社の法務基準」に則した契約書レビュー業務を支援するサービス。

AI-CON Proの管理画面から自社の契約条件に則さないリスクワードを登録すると、レビュー対象の契約書に含まれるリスクワードを検知し、Word上の該当箇所を太字で示す体裁でアラートを表示。

法人向けAI契約書レビュー支援の「AI-CON Pro」が自社基準でリスクを検知する機能を日本初採用

また、11類型48種類の契約書については、GVA TECHに所属する弁護士が監修した一般的な基準でリスク検知を行うことも可能。対応類型は、NDA、システム開発契約、コンサルティング・アドバイザリー契約、一般業務委託契約、売買契約、人材紹介契約、販売代理店契約、販売店契約、ライセンス契約、情報システム運用保守契約、利用規約となっている。

ノウハウが属人化しやすく、経験豊富な社員に業務が偏りがちな契約書レビュー業務において、AI-CON Proが部員間のノウハウの共有を可能にし、属人化の解消およびクオリティの平準化を実現するとしている。

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GVA TECHがエンタープライズ向け“自社の法務基準に合った”契約書レビュー「AI-CON Pro」β版をリリース

AI契約書レビュー「AI-CON」や法人登記支援サービスの「AI-CON 登記」を提供するGVA TECHは11月15日、TechCrunch Japanが運営するイベントTechCrunch Tokyo 2019にてエンタープライズ向け“⾃社専⽤”のAI契約法務サービス「AI-CON Pro」β版のリリースを発表した。同社は9月2日、同サービスのα版を発表していた。

従来のAI-CONはスタートアップや中小企業向け、そしてGVA TECHはAI-CON Proはエンタープライズ向け。今後のGVA TECHは幅広い規模の企業の「法務格差を解消すること」を目指す。

GVA TECHはTechCrunch Tokyo 2018にて開催されたピッチバトル、スタートアップバトルのファイナリストだ。同社の代表取締役、山本俊氏が当時のピッチで紹介したのはAI-CON。そして山本氏は今年、AI-CON Proと共に再び壇上に登り「プロダクトアップデート」を発表した。

山本氏は「AI-CONを提供する中で、様々な企業の法務の課題が見えてきた。それらを解決ために作った」と、AI-CON Pro開発に至った経緯を説明。

山本氏いわく、AI-CON Proの最大の特徴は“カスタマイズ性”。大手企業からの問い合わせでは「自社の基準を反映させたいという要望が非常に多かった」ため、AI-CON Proは「企業が使用している契約書のひな型や法務基準」を利用し、それぞれの環境に則した契約書レビュー支援を行うサービスとなっている。

機能としては、自社のひな型と比較し不足している項目をAIが見つける「不足項目」機能、事前にセットした削除するべき項目をAIが見つけアラートを出す「削除項目」機能、ボタンをクリックすると事前にセットしたひな型と同様の項目が書いてある条文を見つけカーソルを当てることができる「フォーカス」機能、法務担当者の法務知識をセットアップし法務部員間で知識を共有することができる「解説」機能を備えている。

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    「不足項目」機能
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    「削除項目」機能
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    「フォーカス」機能
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    「解説」機能

AI-CON Proは現在、ウイングアーク1stがβ版を本導入しており、セガサミーホールディングス、東急不動産、そしてDBJキャピタルがβ版をトライアル導入している。

ウイングアーク1stが「企業の法務業務、とりわけ契約関連業務におけるノウハウ共有、属人化および効率化は喫緊の課題」、東急不動産が「働き方改革の取り組みが進む昨今、専門的なスキルが必要とされる法務業務の属人化は大きな課題の一つ」と言及するなど、寄せられたコメントには“属人化”というキーワードが目立つ。

山本氏いわく、今後AI-CON Proは英文や中文へ対応し、事業部が契約書のレビューをできるようになっていく。また、デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリーも同サービスをβ版トライアル導入する予定だ。

GVA TECHの次の一手は「エンタープライズ向け」、大手の“法務格差解消”目指し「AI-CON Pro」α版リリース

AI契約書レビュー「AI-CON」や法人登記支援サービスの「AI-CON 登記」を提供するGVA TECH。2017年1月設立のLegalTech(リーガルテック)スタートアップである同社の次の一手は「エンタープライズ向け」。GVA TECHは9月2日、エンタープライズ向け“⾃社専⽤”のAI契約法務サービス 「AI-CON Pro」のα版をリリースした。

開発の背景に関して、GVA TECH代表取締役の山本俊氏は「AI-CONはスタートアップ、中小企業向けに提供を想定していたものの、エンタープライズからの問い合わせも非常に多かった」と話す。GVA TECHの理念は「法務格差を解消すること」。今後はスタートアップや中小だけでなく、エンタープライズにおける「法律業務の民主化」もGVA TECHのミッションとなった。

「エンタープライズにおいても法務部と事業部間での法務格差はもちろんのこと、法務部内でも知識や経験の差があるため、法務格差が生じていることがわかった。そこで、大手企業の中でのノウハウや方針を生かしてエンタープライズ企業内での法務格差の解消を行うことにより、法務を企業の中に浸透させることができればと考えている」(山本氏)

山本氏いわく、大手企業からの問い合わせでは「自社の基準を反映させたいという要望が非常に多かった」という。そのため、従来のAI-CONでは「GVA TECHの設定による法務基準」でリスク判定をしていたが、AI-CON Proでは「自社の法務基準で契約書レビューがしたい」という大手企業からの要望に応えた。「顧客企業が使用している契約書の雛形や法務知識をGVA TECHのAIにセットアップすることで、導入企業の法務基準に則した契約書レビューを実現した」そうだ。

「スタートアップや中小企業と違い、内部にノウハウがあるエンタープライズ企業は内部に法務知見があるため、知見を集約して法務部間の法務格差を解消することを当初の目標とし、その後は経営や事業部に一部法務機能を移管することを目指している。また、法務部の時間も効率化や移管によって増加するため、アメリカのように経営や事業に密着した創造的な法務を生み出すことができるようにしたい」(山本氏)

GVA TECHいわく、AI-CON Proでは以下の付加価値を提供することが可能になるという。

  1. 法務担当者の業務効率化および契約書レビュー期間を短縮することができる
  2. 法務担当者の知識をAIにセットアップして自社の法務部門へ共有することで、契約書レビューの精度を標準化し、属人化を防止することができる
  3. 法務部門だけではなく、法務知識が浅い各部門も「AI-CON Pro」を使用することで、契約書をレビューする際の観点がわかる

GVA TECHは年内にはAI-CON Proの正式版をリリースする予定だ。山本氏はこれまでにリリースしてきたプロダクトに関し、次のようにコメントしている。「AI-CONについては多様な企業の利用が増えている。今後はよりスタートアップや中小企業のニーズにマッチするような機能や価格帯により特化していく予定。 AI-CON登記は評判が非常に良く、毎月利用が伸びている。本日も商号変更対応機能が追加されたが、今後も登記事項を随時増加していく予定だ」(山本氏)

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