Pavlokの「リストショック」ウェアラブル目覚しで起きてみた

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この明るいオレンジ色のシリコン製品を手首に巻いた時、私は電気ショック首輪のことを思い出さずにいられなかった。あれはかなり残酷だといつも思っていた。そして今、私はこうして自分で着用している ― 吠えるからでも庭の外に出るからでもなく、午前6時にベッドから出られない罪のために。

私の方がこの件に関して主体性があるとはいえ、この比較は必ずしも不適切ではない。そもそも、その名称“Pavlok”[バブロフ]からして、エサを期待して涎をたらす犬たちを思い起こさせる。この名前が想起させようとしているのは一種の条件づけだ。このハードウェアのフルバージョンは、あらゆる悪癖を抑制するために作られたもので、悪い考えが頭に浮かんだ時に押す「マニュアルショック」ボタンまで付いている。

今春Indiegogoで公開されたShock Clockバージョンは、主として人が朝ベッドから出るのを助けることに焦点を絞っている。会社はこれを「生涯唯一必要なアラーム」と呼んでいる。もちろん、話はそう単純ではない。まず言っておくと、このリストバンドはスマート端末と接続しておく必要がある。つまり、スマートフォンかタブレットをベッドの近くに置いておかなければならない ― そしてもう一つの理由については次に説明する。

対応するPavlokAlarmアプリは単機能だ。デバイスとペアリングするためのボタンと時刻の設定、およびどれほど乱暴に起こすかを切り替える機能がある ― 触覚ブザー、サウンド、またはショック。設定して手首に巻いたら、そう、あとは寝るだけだ。

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電気ショックを与えている時以外、Shock Clockはそこそこ快適に着用していられる。フィットネストラッカーを着けて寝たことのある人なら、おおよそ想像できるだろう。シリコン製バンドに挿入するモジュールは、フィットネスバンドのものよりやや大きいが、睡眠の邪魔になるほどではない。

アラーム機能については、ほぼ宣伝通りに働く。アラームをセットして、起床方法を選ぶ ― 止めるためにはスマートフォンを探さなくてはならない(あるいは、時々私がやったように、リストバンドを外す)。

バイブレーションが、中では最も快適だ。スマートフォンの通知を手首で受けているような感じだ。特別寝起きが悪い人でない限り、これで十分だろう。一方、サウンドオプションは、スマホのアラーム以上に優れたことは殆ど提供しないが、予備として他の方法とセットで使うにはよいかもしれない。。

そして「ショック」。これは…強烈だ。正確には、痛みはないが、予想していたものより少々激しかった。正直なところ、朝ベッドから出る方法とし私の好みではないが、それでも、スマートアラームを組み込んだ小犬が、私を起きるまで舐め続けるよりはましだ。ちなみに、これがいわゆるパブロフの条件づけだ。

Pavlok

Shock Clockには「エビデンス」書類が添付されていて、「Pavlokは医療機器ではなくその効果について医学的試験は実施されていない」と書かれているが、電気ショックによる行動変化への効果については、科学的に研究されている。冊子にはいくつかの研究結果が紹介されており、1970年代にある被験者のヘロイン使用を抑止したと思われる事例もある。それを考えると、時間通りに起きることは、実に控え目な要求だ。

私は適切に条件づけされるほどには、まだ十分な時間Pavlokを使っていない。今でも目覚しが必要で、実を言うと、着けて寝るのをやめている。眠い時のウェアラブルとしては、今使っているフィットネストラッカーだけで十分だ ― おそらく多くの人にとっても。しかし、このしくみをもっと多機能なウェアラブルに組み込む可能性はあるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Androidの目覚しアプリ、Warmlyはやさしく起こしてくれる

概してわれわれは、突然起こされることに満足しているようだ。手荒いアラームや耳元のベルは寝続けることを不可能にする。新しいAndroidアプリのWarmlyは、シアトル拠点のChaos Collectiveが、アラームアプリは異質で恐ろしい音ではなく、心安らぐ親しみのある音を徐々に高めていく方が良いのではないかと考えて作った。

これは、共同ファウンダーのAdam Kumpfによると、Chaos Collectiveが成し遂げたいと考えている特色を表すプロジェクトだという。本誌では以前この会社の別のプロジェクトを紹介したことがある。手動焦点合わせができればどんなカメラでもLytroと同じ可変ピント写真が撮れるというハックだ。Kumpfは、Warmlyもあのカメラハックも、The Chaos Collectiveが手本としている大まかな製品戦略と一致していると言う。

「The Chaos Collectiveの信条は、自分たちがワクワクするプロジェクトに取り組み、そのワクワク感を世界とシェアすること」だと彼は言う。「正直なところ、これはかなり型破りなビジネスプランだが、大好きなものを仕事にすることが、ただのガラクタでない物を作る最良の方法だとわれわれは信じている。世界は広大な場所だが、インターネットが全員を一つにする。それぞれのプロジェクトやハックや実験に対するわれわれの熱意が、他の同好の人々に伝えられることを願っている」

「Warmlyは多くの実験から生まれた製品だ」とKumpは説明する。「われわれは多くの協調システムやリアルタイムシステムを扱ってきたが、スタートを切るということが生産性の大きな障壁になり得ることに気付いた」

Warmlyのコンセプトは、心地良い音は人の目を覚さす上で不快な音と同様に効果があるというものであり、Collectiveはいくつかの音の組み合わせを試した後、アプリに組み込んだ。朝食を料理している音もある。ベータテスターやCollectiveのメンバーでのテスト成功を受け、アプリは実験から正式な商品となった。これが同社の製品が世に出るまでのやり方だとKumpfは言う。

Warmlyの価格は1.99ドルで、Kumpfはこれを正当だと信じている、なぜなら「もしこれにコーヒー1杯の価値がないなら、その人は仕事をしていないから」。Collectiveの全体方針は、できる限りオープンソースを維持しつつ、ある時点でプロジェクトをプロダクトに変えて収益を生みさらに取り組みを進めることだ。WarmlyがまずAndroidでデビューしたのは実験のしやすさが主な理由だが、もちろん反応がよければiOS版も計画されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)