オーストラリアの顧客に対する門前払いをAmazonが撤回、税制への抗議よりも年末商戦が重要

Amazonは、同社が6か月前に行った、オーストラリアのユーザーにアメリカのamazon.comサイトで買い物させないという決定を、覆(くつがえ)した。ロイターはこのUターンを、顧客の反発によるもの、と報じている。

7月以降オーストラリアの買い物客は、amazon.comで買い物をしようとすると地元のサイトAmazon.com.auへリダイレクトされた。

同じ時期に、amazon.comからオーストラリアへの配送も停止された。そこで買い物客は、地元の店からしか商品を買えなくなった。

でも今日(米国時間11/22)から、そのブロックはない。

amazon.comの、特定地域に対するこのブロックは、オーストラリアの税制の変更への対抗策だ。その新しい税制では、年商75000オーストラリアドルを超える企業は消費者が輸入する低価格商品に対し10%の商品サービス税(Goods and Services Tax, GST)が課せられる。

このいわゆる‘Amazon税’は、すべての販売品目に対しGSTを払わなくてはならない地元の小売企業にとってAmazonなど海外の大きなeコマース企業が大打撃になる、という懸念に対応したものだ。

この新税制の前までは、海外のリテイラーに関しては1000オーストラリアドル〔11月下旬現在約82000円〕以上の買い物に対してのみGSTが課せられていたので、地元商業者は、それはAmazonやeBayなど海外のコンペティターに対する不当な優遇策だ、主張していた。

GSTの一般化という新税制に対してAmazonは、amazon.comの海外買い物客の締め出しで応じた。でも2017年12月にローンチされたばかりのAmazonオーストラリアのサイトは、品揃えが希薄なので顧客から敬遠された。そのことは、地元企業にとっても打撃になった。顧客はほかのリテールサイトを探すようになり、あるいは、わずかしか買い物をしなくなった。

Guardianによると、Amazonオーストラリアの品目数約8000万に対して、アメリカのサイトには5億種類の品目がある。

6か月後にAmazonは方針を変えた。10%の税金を払うことに決めたようだ。

本誌は今、同社にコメントを求めている。

Amazonのスポークスパーソンはロイターに、顧客からのフィードバックに対応して方針を変えた、と述べている。そして、同社は“低価格商品をオーストラリアに輸出できてなおかつ、地元の法律にも従えるだけの、複雑なインフラストラクチャ”を構築した、とも言っている。

今のところオーストラリアの人がamazon.comから買えるのはAmazon自身が売っている品目だけで、サードパーティの販売者は未対応だ。

このUターンのタイミングに注目しよう。明日(米国時間11/23)はブラックフライデーなのだ。

その日リテイラーたちは、その年のホリデーシーズンの買い物フィーバーに点火するために大規模な安売りを開始する。そして今ではネット上でも、派手なバーゲンが展開される。Amazonも、この爆発的な売上の機会をみすみす見逃すわけにはいかない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa