アメックスがResyのレストラン予約をモバイルアプリで提供

今年初め、American Express(アメリカン・エキスプレス)は米国ニューヨーク拠点のレストラン予約プラットフォームであるResyの買収を発表した。Resyのソフトウェアは10カ国の4000店余りのレストランをカバーする。そして今週、アメックスはResyのシステムをアメックスのモバイルアプリに統合する次なるステップに移った。新しいレストラン予約機能では、アメックスのグローバルダイニングコレクションや、BookATable、SevenRoomsといった他のパートナーのサービスにResyのレストラン一覧が加わり、アメックスカードを持つ人は世界にあるレストラン1万店の予約ができる。

差し当たっては、このレストラン予約機能はアメックスのプラチナ会員に限定して提供される。しかし将来的には、より多くのカード保持者が利用できるようにする計画だ。こうしたサービス提供は消費者の行動を鑑みてのことだという。カード利用の中で外食は最も支出が多いカテゴリーで、レストラン予約はプラチナコンシェルジュサービスへの依頼が多い。このコンシェルジュサービスでは外食の予約のほかに、旅行の下調べや贈り物の検討などを行っている。


Resyのプラットフォームは、人気のレストランの予約をとるのに活用できるほか、カード保持者にユニークなサービスを提供しようというアメックスの大きな目標にも合致する

レストランオーナー向けの高度なテーブル管理ソリューションのおかげで、買収の前にResyのソフトウェアはOpenTableからマーケットシェアをなんとか奪っていた。このソリューションには、最適化エンジン、ビジネスインテリジェンス機能、そして異なるスケジュール調整戦略を組み合わせる機能などが含まれている。もしアメックスの会員でなくても、このシステムと消費者向けの予約機能は引き続きResyから直接利用できる。

Resyはアメックスのグローバルダイニングプログラムの拡大を目的とした一連の買収における最新の事例となる。Resyのほかにアメックスは日本拠点のレストラン予約サービスであるPocket Conciergeを1月に買収し、またレストランでの支払いをより簡単に済ませられるようにする英国のフィンテックスタートアップのCake Technologiesも買収した。

より広い意味では、こうした買収はアメックスが顧客の生活の中心にくるようにするためのものだ、とResy買収の際にアメックスはコメントしている。それはポイントプログラムと同じくらい重要なものだ。

加えて、アプリ内により多くのデジタルサービスを構築することで、モバイル端末とテックを使いこなすようになっているユーザーに対応するのが狙いだ。「カード会員の84%はアメックスのサービスを利用するのにウェブサイトやアプリを使っていて、アメックスのモバイルアプリの全世界のデイリーアクティブユーザー数は前年比で35%増えている」と話す。

アプリ内での新しいレストラン予約ツールは、対象者を限定して今週提供され、その後2020年までにプラチナカードとセンチュリオン・カード(ブラックカード)会員が利用できるようになる。

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(翻訳:Mizoguchi)

American Expressが日本のレストラン予約サービスPocket Conciergeを買収

American Express(‘アメックス’)が日本で買収を行い、レストラン予約サービスPocket Conciergeを手に入れた。その価額は公表されていない。

買収は日本語で発表され、日本で最初の投資先としてPocket Concierge等を選んだ500 Startups JapanのトップJames Rineyによる英語の発表記事もある。

2013年にローンチしたこのサービスは、ミシュラン星付きや数か月の予約待ちとなるような特別のレストランのみを対象とする。今では800店のレストランを扱い、日本語と英語と中国語で利用できる。コンペティターはOpenTableや、日本のTableAllなどだ。

American Expressによると、Pocket Conciergeは完全子会社として操業を続ける。そして、同社のカード会員サービスとの統合も計画している。

Pocket Conciergeを経営しているPocket Menuは、シードラウンドで60万ドルを調達した。投資家は、500 Startupsおよびその他大勢だ。さらにその後額面非公開のシリーズAやそのほかの投資も、ものにしてきた。ファウンダーのKei Tokado(戸門慶)はシェフ出身で、2015年には協同ファウンダーでCFOのTatsuro Koyama(小山達郎)が加わった。

Rineyはこう書いている: “日本で始めたときは、日本における、国境をまたぐM&Aについて話をしていた。外国企業が日本の企業を買収する形は、この国で価値を解き放つ有効な方法である。しかし疑う人が多いのも当然であり、したがって数も少ない。Pocket Conciergeは、それができることを実証しただけでなく、世界でもっともよく尊敬されている企業群を事業運営のホームグラウンドにしている”。

American Expressは昨年、トラベルアシスタントMeziイギリスのフィンテックCakeなども買収している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカンエクスプレス、TripAdvisorと提携。旅行レビュー投稿者に特典

American Expressは、様々な消費者テクノロジー企業と組み、カードメンバーがアカウントを統合できるようにすることによって新たな消費方法を提供してきた。例えば、この金融サービスの巨人は、今年新たにTwitterと提携し、メンバーがハッシュタグを使って買い物できるようにした。今日(米国時間10/8)AmExは、オンライントラベル分野での存在をさらに拡大すべく、旅行レビューおよび予約サイト大手のTripAdvisorとの協力を発表した。

基本的に、米国、英国およびオーストラリアのAmExカードホルダーは、自分のカードをTripAdvisorプロフィールと結び付けることによって、認定AmExカードメンバーとしてレビューを投稿したり、限定情報をアクセスしたり、特別な割引販売を利用できるようになる。TripAdvisorのユーザーから見ると、カードを統合したメンバーには “Amex Traveler” バッジが付いている。さらに、統合したカードで支払いその場所についてレビューを書くと、その横に「Amex カードメンバーレビュー」と表示される。AmExは、カードホルダー情報はTipAdviorに一切渡らない、と本誌に言った。

カードホルダーがTripAdvisorと統合し、レビューを書くことを喚起するために、AmExはレビュー1件につき米国およびオーストラリアでは5ドル、英国では5ポンドのクレジットを明細書に付加する。

この統合は、American ExpressのSpend Graphも活用する。これはカードメンバーの支払いと場所のデータを示す匿名の集合マップで、旅行者の食事、宿泊、エンターテイメントのトレンドを見ることができる。つまりメンバーは、ロンドンでビジネス旅行者が最も多く食事をした店や泊ったホテル、あるいはパリで「グルメ」たちが食べる店等のリストを利用できる。AmExによると、同社はカードメンバーのためのペルソナ(「世界旅行家」、「厳密に仕事のみ」等)を作っており、こうした匿名のペルソナ毎に、レストランやホテルに関連する消費パターンやトレンドを深くデータ分析していると言っている。

TripAdvisorに統合したカードメンバーには、数々のユニークな特典を利用できる。この特典の適用を受けるには、TripAdvisorの画面上で特典をクリックして、統合されたAmerican Expressカードに保存すればよい。割引は自動的に適用される。このSyncテクノロジーは、Facebook、Foursquare、Twitter、およびXboxのクーポンレス特典にも利用されている。

今年に入ってから何十万人ものAmExユーザーが自分のアカウントをTwitterやFacebook等に結び付けた。旅行が多くの人にとって大きな消費であることを踏まえると、クレジットその他の特典は、カードホルダーたちがアカウントを統合する有力なインセンティブになりそうだ。

しかし、この発表でさらに興味深いのは、AmExがペルソナを使って行うデータ分析だ。AmExによると、この消費傾向グラフはこれまで消費者に公開されたことがなかった。AmExがこれを旅行以外にどう広げていくか、私は興味を持って見ている。おそらく、食品、ショッピング等のカテゴリーだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)