日本人起業家がラーメンECで米国市場に挑む、「Ramen Hero」の挑戦

RamenHero創業者でCEOの長谷川浩之氏

近年日本でもスタートアップの支援を行う“アクセラレーター”プログラムが複数立ち上がり、業界を盛り上げるのに一役買っている。それでは「世界的に有名なアクセラレーターと言えば?」と聞かれて何を思い浮かべるだろうか。

日本人だと「Y Combinator」をイメージする人が多いかもしれない。TechCruchでもしばしばこの名前は登場するし、2013年には書籍にもなった。ただ、日本国内での地名度はそこまで高くないかもしれないけれど、米国にはこのY Combinatorに匹敵するほど著名なアクセラレーターがある。

それが先日“全米一と評価されるアクセラレーター”として紹介した「AngelPad」だ。

これまでPostmatesやMopubを始めとする有力スタートアップを輩出してきたこのアクセラレータープログラムは、Seed Accelerator Rankings Projectにおいても常にトップクラスの評価を受けてきた。

先日の記事は、まさにこのプログラムに直近で参加(卒業)したスタートアップ19社を取り上げたものだったのだけれど、実はその中に1社だけ日本人が起業したスタートアップが含まれている。

RamenHero」という社名からも想像がつくように、ラーメンに特化したEC事業を米国で展開しているチームで、創業者兼CEOの長谷川浩之氏によると日本人起業家としてAngelPadを卒業するのは彼らが初めてとのことだ。

今回TechCrunch Japanでは長谷川氏に話を聞くことができたので、彼が米国で起業しラーメン×ITで勝負を挑むことになった背景や、具体的なプロダクトの中身について紹介していきたい。

ラーメン特化のミールキットを米国で展開

そもそもRamenHeroとはどんなプロダクトなのか。簡単に言えばラーメンに特化したミールキットだ。

「Blue Apron」を知っている人であれば、そのラーメン版をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれない。自宅に冷凍の本格的なラーメンキット(麺やスープ、具が同梱)を配達してくれるサービスで、ユーザーは味噌や醤油、豚骨など約10種類のメニューから好きなものを注文できる。

単価は1杯あたり15〜17ドルほど。現地のインスタントラーメンなどに比べると高く、店舗のラーメンとだいたい同じくらいの料金なのだそう。2018年より本格的にサービスをスタートして、同年の合計売上高は約10万ドル、注文数は1900件を突破。直近ではサブスクリプション型のプランも始めた。

日本と米国におけるラーメン事情の違いにチャンス

正直日本でずっと暮らしていると、このサービスがどこまで重要があるのかわからないという人がいても不思議ではない。日本国内ならば、ある程度の規模の町には複数のラーメン屋があって、1000円前後で十分に美味しいラーメンが食べられる。

最近ではカップ麺や冷凍ラーメンのクオリティも上がり、僕がよく購入している某コンビニチェーンの冷凍ラーメンは200〜300円とは思えない味だ(もちろん人それぞれ評価は異なるだろうけれど)。

ただ長谷川氏によると、米国の状況は日本とかなり違うらしい。そもそも米国でラーメンを食べようと思うと、店舗に行くかインスタントの乾麺を買うかの2択が主流。乾麺は安さがウリで大学生が箱買いするようなもののため、基本的にちゃんとしたラーメンを食べようと思うと飲食店に行くことになる。

現在全米ではだいたい2.6万店舗の飲食店がラーメンを提供しているそうで、そのうち専門店は全体の5%ほど。その専門店ですら「正直美味しくないお店が多い」(長谷川氏)状況だ。一部では本格的なラーメンを食べられるお店もあるが、人気店は1〜2時間並ぶのが普通でそこに課題とチャンスがあるという。

「本格的なラーメンをもっと気軽に食べたいというニーズがあることは、去年1年間サービスを運営する中で確信をもった。加えて、現在米国のラーメン市場はちょうどトレンドの変わり目。ニューヨークを中心に本格的なラーメン店が少しずつ増える中で、今まで身近にあったラーメンとは全然クオリティが違うという認識が広がり始めている」(長谷川氏)

RamenHeroではいわゆるD2Cのモデルを採用し、麺は専門の業者、スープとトッピングは自社で製造。今は東京の名店で修行したメンバーがチームに加わりメニューの監修をしているという。

そのようにして出来上がった製品を自社サイトで販売。オンラインのサーベイや販売データを基に“データドリブン”でメニューを調整できるのも、ECならではの特徴だ。

先輩起業家から言われた一言が米国で創業するきっかけに

もともと長谷川氏は東京大学在学中に仲間と共同でスタートアップを創業。ところが卒業のタイミングでクローズすることが決まり、挫折を経験した。

「以前からゆくゆくはアメリカで挑戦したいという気持ちはあったので、一旦ゼロになったこともありアメリカに行ってみようと渡米を決めた。当初は長期滞在するなんて全く考えてなくて、東京で3年ほど修業した後でエンジニアとして戻って来れたらいいなと思っていた」(長谷川氏)

そんな長谷川氏の転機となったのが、米国滞在中に以前TechCrunchでも取り上げたAnyplaceの内藤聡氏の紹介で小林清剛氏(ノボット創業者)に出会ったこと。当時小林氏から言われた言葉に大きな影響を受けたそうだ。

「『従業員と起業家では使う筋肉が全く違うし、起業するにしても日本と米国ではやはり使う筋肉が違う。もし本当に米国で起業家として挑戦したいなら、すぐにでもその筋肉を鍛えた方がいいよ』と言われて。最初は驚いたし、覚悟も決まっておらず迷いもあった。それでも小林さんは日本でエグジットを経験し、米国市場の理解もある起業家。その考え方には納得できたので、覚悟を決めた」(長谷川氏)

こうして長谷川氏は米国に留まることになった。当時の様子は彼のブログに詳しく書かれているので詳細はそちらに譲るが、その後は内藤氏らと日本人×スタートアップをコンセプトにしたシェアハウスなどを運営。並行して自身でも会社を立ち上げ、試行錯誤を続けることになる。

「ラーメン好きの自分が、米国ではほとんど食べていない」

いくつものアイデアを試しては壊す。起業後しばらくはそんな日々を繰り返したという長谷川氏。その過程で生まれた「海外旅行者向けのチャットコンシェルジュアプリ」ではIncubate Campに参加し、出資をしてくれるという投資家にも出会った。

しかしながら、そのアイデアもシビアに見ればGoogleやFacebookなどデータを握るプレイヤーの方が上手くやれる余地が大きく「この領域で本気で一番を目指すのは難しい。自分でやる意義もないのではないか」という結論に至り、最終的には方向転換を決める。

「その経験を通じて学んだのが、自分が欲しいものであることに加えて、『なぜ自分がやるのか』という問いに対して明確に答えられる事業をやるべきだということ。他の企業と戦うことになっても勝てる確信が持てる領域じゃないと、長く続けられないのではないかと考えた」(長谷川)

そんな考えのもと、ゼロベースで次の事業アイデアを探していた時に行き着いたのが、子供の頃から大好きな「ラーメン」だったという。

「子供の時から家族で外食する際は毎週のようにラーメンを希望し、学生時代には毎日のようにラーメンを食べ歩いていた。そんな自分が、米国に行ってからはラーメンを食べる機会がほとんどなくなっていることに気づいて。結局のところ、行きたいと思えるような美味しいお店が少なく、あったとしてもたくさんの人が並んでいるのが原因。もっと気軽に食べれるようにできないかと思ったのがきっかけだった」(長谷川氏)

ラーメンの事業を本気でやるなら、そもそも自分がラーメンを作れないことには始まらない。長谷川氏は香川県のラーメン専門学校に通い、ラーメンに関する基礎スキルを磨くことに時間を注いだ。自分で作れるようになってからは米国に戻り、少しずつ検証を始めたという。

最初は知人のホームパーティなどで振る舞うところからスタート。思っていた以上に反響がよく、この体験をなるべく多くの人に届ける方法を考え、ECで展開することを決めた。

試験的に立ち上げた「Kickstarter」のプロジェクトは、小規模ではあるもののすぐに支援が集まり成功。本格的に事業化して以降の実績については、上述した通りだ。

AngelPadを卒業、今後はB2Bの展開も視野

長谷川氏も参加した、第12回目となるAngelPadのスタートアップアクセラレーラーコース

ラーメン版ミールキットのポテンシャルは、今回参加していたAngelPadからも評価された。

「印象的だったのは、最初の面談でラーメン市場の伸びや事業の特徴を必死で伝えようとした際に『いずれラーメンが、次の寿司やピザのような存在になることはわかっているから心配するな』と言われたこと。ニューヨークにもほんの数年前には全然ラーメン屋がなかったのに、ここ5年ほどで一気に増えた。彼らはその変化を体験していたので、市場や事業の可能性をわかってくれていた」(長谷川氏)

今後もプロダクトを改良しつつ多くの顧客にキットを届けることを目指しながらも、次の展望としてBtoBビジネスの展開も見据えている。

「全米でラーメンを提供している店舗に対して自分たちの商品を販売する。多くの店舗ではノウハウがないので業務用のタレを買ってお湯で薄めて作ったりしているが、流通している商品自体が限られているので味が似通ってしまう。専門店だけでなく、中華料理店などにも広げるチャンスがある」(長谷川氏)

C向けのラーメンキットとB向けの製品展開の両輪で熱狂的なファンを作ることができれば、このモデルを米国以外の国にも拡大していく計画。「ゆくゆくは『好きなラーメンのブランドは?』と尋ねられた時に、多くの人が思い浮かべるようなブランドを作り上げたい」という長谷川氏たちの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

全米一と評価されるアクセラレーターに参加の最新スタートアップ19社

AngelPadがニューヨークで開催した3カ月間スタートアップアクセラレーラーコースの第12回目が修了した。今回は、クライマックスをデモデーで飾るという形式をとらない2回目の実施となった。その代わりに、19の参加スタートアップ企業は、先週末、あらかじめ設定されていたベンチャー投資家たちと1対1で面談した。

AngelPadの共同創設者Thomas Korte氏とCarine Magescas氏は、昨年、同社の10年近い歴史の中で初めて、デモデーの伝統を廃止した。これまでAngelPadが指導したスタートアップには、Postmates、Twitterに買収されたMopub、Pipedrive、Periscope Data、Zum、DroneDeployなどがある。

「デモデーには、アクセラレーターが多くの企業を大勢の投資家に紹介できるといういい面がありますが、私たちはそれが、最高に生産的な方法だとは思っていません」とKorte氏は、昨年TechCrunchに語った。噂によれば、ライバル関係にあるアクセラレーターY Combinatorもデモデーの廃止を検討しているとのことだが、同社に近い情報源はそれを否定している。Y Combinatorはインベスターデー(投資家の日)を省略し、その代わりに「効率性を分析した結果」として、昨年AngelPadと同じように個々のスタートアップに投資家が面談できる機会を設けた。

デモデーを廃止したAngelPadの決断は評判がいい。Krote氏がTechCrunchに話したところによると、スタートアップのCEOたちは、投資が得られる確証もないのに大勢の前で売り込みのスピーチを強いられることがなくなって、ホッとしているという。

AngelPadは、各企業に12万ドル(約1340万円)ずつ投資している。それでは、今回参加した最新スタートアップを紹介しよう。

  • LotSpot
    大学、公園、ショッピングモールなどの駐車場を管理するツール。駐車場の入口と出口にカメラを設置し、車が出入るするごとに駐車場の空き状況を自動的に監視する。LotSoptの創設者はスタンフォード大学のイノベーション・フェロー。工学と営業の経歴がある。
  • Twic
    自由裁量で使える福利厚生管理プラットフォーム。これを使えば、企業は従業員に福利厚生を低コストで提供できる。このツールは、サービス提供業者の選定、利用状況のモニター、デジタルウォレットでの償還金の管理といった人事業務を助ける。Twicの顧客には、TwitchとOscarも含まれる。同社の現在の年間経常収益は26万5000ドル(約2960万円)。
  • Zeal
    企業同士の契約を自動化するプラットフォーム。営業部の人間が、機密保持契約書などの形式的な契約書の文面を、個別に、効率的に変更できるようになる。現在このスタートアップは大手企業で試験運用を行っている。創設者は弁護士や経営コンサルタントで、以前はAXIOMで営業や法務を担当していた。
  • ChargingLedger
    電気自動車のためのインテリジェントな充電技術を使い、送電線網の使用を最適化する試みを送電会社と共に行っている。同社の有料試験プログラムは、今月スタートする。
  • Piio
    検索エンジンの最適化に特化。ユーザーの利用形態、位置、デバイス、プラットフォーム、接続速度に基づいてウェブサイトの速度とパフォーマンスを最適化する技術を使い、企業のウェブプレゼンスを高める。現在、Piioは、JomaShopを始め、電子商取引小売業者との事業を進めている。年間経常収益は9万ドル(約1000万円)。
  • Duality.ai
    自律走行車両のための品質保証プラットフォーム。人間のテスト担当者とシミュレーション環境を支援し、自律走行のための歩道、車、トラックの出荷までの時間を短縮する。創設者は、Caterpillar、Pixar、Appleに在籍していたエンジニアやデザイナーたち。ベータ版の顧客2社から、年間計上収益10万ドル(約1117万円)を上げている。
  • COMUNITYmade
    ロサンゼルスの製造業者と協力し、地元産の高級スニーカーを製造している。この企業はAdidasなどのブランドの目を惹き、コラボを行っている。創設者は、アシックスzやTomsの出身者からなる。
  • Spacey
    ミレニアル世代に焦点を当てたアート購入プラットフォーム。限定印刷されたアート作品を低価格で販売している。また、オフラインでの会員制体験サービスもあり、ブランド大使プログラムには多数のフォロワーがいる。
  • LegalPassage
    法律事務所のための事務処理自動化ソフト。弁護士の時間を節約する。同社はとくに、集団訴訟、人身傷害に重点を置いている。創設者は訴訟弁護士であり、カリフォルニア大学へイスティングス校の法学元非常勤教授。サンフランシスコ弁護士会家族法部門議長の経歴も持つ。
  • Revetize
    評判を高め、推薦を促し、リピーターを増やすことで地方企業の収益を高める手助けをする。本社はユタ州にあり、22万ドル(約2460万円)の年間計上収益がある。
  • House of gigs
    フリーランスや単発の仕事を求めている人たちに「雇われているような」サービスを提供し、ユーザーの近所にある短期の仕事を紹介する。このスタートアップは9万人の会員を擁する。創設者は、サンフランシスコとベルリンの出身者。かつて、ベンチャー投資家の支援を受けた人材スタートアップで一緒に仕事をしていた。
  • MetaRouter
    高速で柔軟で安全なデータルーティングを提供する。クラウドベースの業務用プラットフォーム。年間経常収益は25万ドル(約2790万円)に達し、「Fortune 500に選ばれた2つの小売り企業」も顧客に含まれる。
  • RamenHero
    本格高級ラーメンのキット食品を提供する。2018年に創設され、およそ1700件の顧客を持ち、12万5000ドル(約1400万円)の収益を上げている。創設者は、いくつもの会社を立ち上げた起業家であり、日本のラーメン学校を卒業している。

    RamenHeroは本格高級ラーメンのキット食品を提供する

  • ByteRyde
    特にTesla Model 3sを対象とした自律運転車両のための保険。自律運転車の安全機能を考慮した。
  • Foresite.ai
    商業不動産投資家に、データ解析と位置情報を基にした傾向の視覚化を行うリアルタイムプラットフォームを提供する。
  • PieSlice
    ブロックチェーンをベースにした株式発行と管理のためのプラットフォーム。企業の株式に完全に対応するデジタルトークンの発行を手助けする。創設者は、トレーダー、株式ブローカーからプロのポーカープレイヤーになった人物。
  • Aitivity
    スケーラブルなブロックチェーンのアルゴリズムを開発しているセキュリティー用ハードウエア企業。とくにIoTを導入している企業向け。
  • SmartAlto
    19万ドル(約2117万円)の年間経常収益のある、不動産のリードを強化するSaaSプラットフォーム。デジタル・アシスタントで不動産業者同士をつなぎ、より多くの物件を紹介し合えるようにする。
  • FunnelFox
    企業の営業担当者と協力して、顧客リサーチ、パイプライン管理、報告のための時間を節約する。AIを利用したこのプラットフォームは、年間経常収益75000ドル(約8360万円)に達し、顧客にはBotifyやPaddleも含まれている。

A look at all the companies participating in 500 Startups’ 24th accelerator program


500 Startupの24時間アクセラレーター・プログラムに参加した企業たち(本文は英語)

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

インターネットにも標準ライブラリが必要だ: PolybitのStandard Library(stdlib)は多様なJSビルディングブロックの集積・共有・再利用の場を目指す

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アクセラレータAngelPadを巣立ったPolybitが、同社のプロダクトStandard Library of the Internet(インターネットの標準ライブラリ)の公開ベータを開始した。それは、デベロッパーはもちろん、初心者にとっても、バックエンドのコーディングを楽にする、というリソース集だ。

Standard Library、略して“stdlib”と同社が呼ぶクラウドサービスに、デベロッパーは自分が書いたファンクションをアップロードしてもよいし、またマイクロサービスやロジックをこの上でポータブルにし、再利用可能にする。ユーザーがサーバーの管理をする必要はない。

PolybitのファウンダーでCEOのKeith Horwoodは、かつて、オープンソースのNode.jsフレームワークNodalを作ったことがある。彼曰く、“ぼくは、バックエンドやAPIの世界が長いね。そんなぼくの今の目標は、ソフトウェアのデベロッパーが、インフラストラクチャに関していっさい悩まなくなることだ”。

コードを書いて、それに何百万もの人たちがオンラインでアクセスできるようにするのは、とても複雑な工程だ、とHorwoodは言う。構想しているロジックを、実際に書いて実装しなければならない。さらに、それをネットでどのようにホストするのかを、考えないといけない。そのコードをサーバーに載せなきゃならないし、そしたら今度は、サーバーのことを毎日心配しなければならない。コードを自分で書かずに外注したら、かなりの時間と手間とお金がかかる。そしてしかも、自分が作るWebサービスは、確実に人びとに注目されるものでなければならない。

PolybitのStandard Libraryは、ファンクションと、いろんなアプリケーションのためのビルディングブロック(構築部材)のリポジトリだ。デベロッパーは、自分が書いたファンクションをここで、即座にオンラインでアクセス可能にできる。

Horwoodがstdlibで共有されるファンクションの例として見せてくれたのは、リオデジャネイロ・オリンピックの、国別の金メダル取得者のリストを作るコードの一部だ*。〔*: ここのAPIを利用する。〕

デベロッパーはこの“マイクロサービス”を拾い上げ、国名をCanadaから別の国に書き換えたり、あるいはメダル獲得数のトップ5を作るように書き換えたりできる。ライブラリの共有と再利用の、一例だ。

彼がstdlibで共有できるようにしたいと考えているファンクションの例は、ハードウェアをクラウドに接続するための一連のコードだ。またサードパーティに情報をリレーしたり、データを操作するファンクションも必要だ。

stdlibのデモビデオが、これだ:

Horwoodの考えでは、いろんなファンクションがオンラインで入手できるようになると、企業のITチームにとっても便利なはずである。彼らは企業の中で常時、プライオリティリストに正規に載せることもできない、雑多なリクエストを抱えているからだ。それらに、ライブラリ上の出来合いのファンクションで対応できたら、ありがたいだろう。

たとえば営業はITに、雑多な顧客情報を見込み客の“有望度”順にソートしてくれ、それをスプレッドシートに落としてくれ、とリクエストしているかもしれない。でもそれは、企業にとって重要なメールの処理や福利厚生の問題などと違って、ITのプライオリティリストにはなかなか載らない。しかしStandard Libraryへ行けば、そんなリクエストにぴったりの既製品のソフトウェアパッケージがあって、営業のニーズに対応できるかもしれない。

PolybitのStandard Library(stdlib)は公開ベータに入ってまだ1週間だが、すでに500のファンクションがデプロイされ、登録ユーザーはほぼ1500名いる。さらにstdlibからは、NPMの30万あまりのNode.jsのソフトウェアパッケージのすべてに、アクセスできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))