生活密着型クラウドソーシングのエニタイムズが高野真氏、グリー、DeNAなどから2.3億円の資金調達—リアルでのマーケティングなど強化

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生活密着型のクラウドソーシングサービス「Any+Times(エニタイムズ)」を運営するエニタイムズ は5月21日、元ピムコジャパンリミテッド取締役社長でアトミックスメテディア代表取締役CEOおよびフォーブス ジャパン編集長の高野真氏、グリー、ディー・エヌ・エー(既存投資家)、その他個人投資家を引受先とする、総額2億3000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回調達した資金をもとにシステムの強化を進めるほか、マーケティングや人材の採用・育成を進める。

また、今回の調達とあわせて、高野真氏のほか、既存投資家であるインキュベイトファンドの和田圭祐氏が社外取締役に就任する。さらに、3月から同社のエバンジェリストとして活躍しているジャーナリストの佐々木俊尚氏がメディア顧問に就任する。

Any+Timesは、日常の家事や旅行の間のペットの世話、家具の組み立て、語学レッスンなど、生活に密着した「手伝って欲しいこと」「得意なこと」を提供しあえるクラウドソーシングサービス。同社はこれまで「生活密着型クラウドソーシングサービス」「生活密着型シェアリングエコノミーサービス」銘打ってサービスを展開してきたが、今回の発表にあわせて、Any+Timesを「サービス ECのマーケットプレイス」と再定義したそうだ。最近はスタートアップによる家事代行サービスなども増えているが、クラウドソーシングを使うことで、そういったものよりも柔軟な仕事の依頼ができるというわけだ。

ユーザー数は非公開とのことだったが、スマートフォンアプリのダウンロード数はiOS、Android合わせて13万2000件。現在は東京・多摩地区で慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科などと協力した地域人材活性化のための取り組みも進めるなど、リアルでのマーケティング活動も強化している。

スマートロックとクラウドソーシングが連携するとどうなる?エニタイムズとAKERUNが試験サービス


先日インキュベイトファンドとディー・エヌ・エーからの資金調達を発表した生活密着型クラウドソーシングサービス「Any+Times」運営のエニタイ ムズ。同社がスマートロックシステムの開発を手がけるAKERUN(アケルン:現在法人化準備中)と連携したサービスを9月から試験的に提供することを明らかにした。

Any+Timesは家事代行を中心としたクラウドソーシングサービス。これに、AKERUNが開発するスマートロックシステムを組み合わせることで、家事代行の際のセキュリティの向上や入退室管理、鍵共有の効率化を図るという。

AKERUNが手がけるスマートロックシステムの中核となる「鍵ロボット」は、あらかじめスマートフォンとBluetoothでペアリングしておけば、スマートフォンが扉(というかロック)に近づくだけで自動で鍵を開けることができるというもの。他者のスマートフォンへの開錠権限を付与したり、時間を設定して開錠するといった機能も備える。単三電池1本で1年間利用できるそうだ(電池の残量についてはスマートフォン経由で知らせてくれるらしい)。現時点では詳細を聞けなかったが、特許申請中の新技術でセキュリティも強化しているということだ。

この鍵ロボットを持つAny+Timesユーザーは、家事代行を依頼する際、サポーターズ(Any+Timesで家事代行を請け負うユーザー)のスマートフォンに対して開錠権限を付与できるようになる。これによって、サポーターズは直接依頼人と会う必要なく、スマートフォン1つ持って家事を代行できるようになるというわけだ。以前エニタイムズ代表取締役社長兼CEOの角田千佳氏に聞いたところ、「最近ではAirbnb向けに提供している部屋の掃除などでAny+Timesを利用するユーザーもいる」と話していたのだけれど、そんな場合でもサポーターズ向けに合い鍵を作ることは少しためらわれる。その点、この仕組みがあれば、いらぬトラブルを避けることができる。

AKERUNはハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアなど9人からなるチーム。エニタイムズのウェブディレクターである小林奨氏もそのメンバーだったことから、今回の連携が実現したという。まずは数人のAny+Timesユーザーに鍵ロボットを無料貸与して、Any+Timesのスマートフォンアプリの提供に合わせて試験的にサービスを開始する。年内にも正式に鍵ロボットを販売するよう準備中とのことで、今後はクラウドファンディングなどを通じて資金を集める予定だという。価格は現時点では未定だが、2万円程度での販売を目指すそうだ。また、Any+Timesで利用する場合は割引購入できるプログラムも用意するとのこと。

これまでにも、「Kevo」や「Lockitron」(現在プレオーダーとなっている)、「Goji」といったスマートロックシステムが海外ではあったようだが、日本発のスマートロックはクラウドソーシングと連携してどのようなイノベーションを起こしてくれるのだろうか。


生活密着型クラウドソーシングのエニタイムス、インキュベイトとDeNAから5100万円を調達

先日、クラウドソーシングを利用した家事代行サービス「CaSy」がサービスを本格始動したと紹介した。このサービスは、家事代行の専門スタッフをネットワーク化して、クラウドソーシングで提供するというモノだった。

今回紹介するエニタイムスの「Any+Times(エニタイムス)」は、CaSyとは少しアプローチが違う。クラウドソーシングで仕事を引き受けてくれる人材「サポーターズ」に対して、ハウスクリーニングやペットシッター、害虫駆除といった、生活に密着したさまざまな仕事を依頼できるのだ。

Any+Timesは2013年10月に始まったサービス。現在サポーターズは300人程度と少ないが、東京23区内を中心にしてハウスクリーニングやIKEAで購入した家具の組み立てといった仕事のマッチングがなされているという。Airbnbで貸し出されている部屋のクリーニングといった案件もあるそうだ。エニタイムスが創業間もない頃に聞いた話だと、米国の「TaskRabbit」を意識していたそうだ。

Any+Timesでは、依頼内容と報酬を設定してサポーターズを募集できるほか、サポーターズを検索して直接仕事を依頼できる。報酬は1回平均7000円程度。ただし15%が手数料として引かれる。最近では「認定サポーターズ制度」を開始しているそう。面接に受かったサポーターズに対しては、「認定サポーターズ」であることをサイト上で表示し、信頼性を高めているという。

そのエニタイムスが6月25日、インキュベイトファンドとディー・エヌ・エー(DeNA)を割当先とした5100万円の第三者割当増資を実施した。今後は調達した資金をもとに、システムを改善するほか、サポーターズの拡大を進める。

またあわせて、地方でのマッチング率向上に向けた施策も打ちたいとしている。「ある東北の商店街では、高齢化している住民に買い物代行のニーズがあると聞いた。自治体などとも組んでサービスを展開したい」(代表取締役社長兼CEOの角田千佳氏)