ついにwatchOS 7でApple Watchの文字盤カスタマイズ、共有が可能に

Apple(アップル)はWWDC 2020でカスタムウォッチフェイスの共有など、これまで強く要望されていた機能をApple Watchに追加すると発表した。

Apple WatchのApp Storeには2万以上のApple Watch用のアプリが登録されているが、お気に入りのアプリのデータをすべてWatchのメイン画面に集約する機能が欠けていた。watchOS 7に導入されるサードパーティーのウォッチフェイス(文字盤)をカスタマイズして共有する機能などによってこの状況は変わる。

watchOS 7ではデベロッパーはアプリごとに個別の機能を統合し、これを表示するカスタムウォッチフェイスをデザインできる。例えばサーファー向けウォッチアプリのデベロッパーは、ユーザーがお気に入りのビーチを登録すれば水温や波高、風速などを予測する「サーフィンウォッチ」の文字盤をデザインできる。赤ちゃんの両親向けの専用アプリであれば授乳時間のアラームを設定したり、成長を記録したりできる。Nike(ナイキ)社のNike Run Clubは、前回のランニングのペースや毎週のランニング目標などの情報を表示する。

アップルは「デベロッパーは新しいSwiftUIを利用して複雑な機能をデザインできるようになる」と述べている。

またwatchOS 7では、ユーザーはこうした複合的な機能を持つカスタムアプリを利用したお気に入りのウォッチフェイスを公開、共有できる。

watchOS App Storeでは、キュレーションされたサードパーティのアプリやウォッチフェイスを発見できる。また新しい共有機能を利用して、App Storeその他で発見したウォッチフェイスを家族や友人と共有することができる。

共有は簡単だ。表示されたウォッチフェイスを長押して、送信先を選択するだけでよい。デベロッパーはアプリから直接、事前にカスタマイズされた文字盤を提供することもできる。これは各種のソーシャルメディアに公開できるため、ウォッチフェイスがバイラルで拡散される可能性もある。

iOSなどアップルの他のプラットフォームと比べて、遅れ気味だったwatchOSにとってこうした新機能はエコシステムを活性化するのに役立つだろう。

Appleはまた、タコメーター付きの新しいクロノグラフや更新されたXLフェイスのアップデートなど、今後独自の複合機能の文字盤デザインを提供していくと述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple Watchの心電図機能が早くもその価値を証明した

Appleが心電図(ECG)機能と共に最新のSeries 4 Watchを発表したとき、私の母は安堵の表情を浮かべ、父のために1つ注文することを忘れないようにメモした。昨年、父に心房細動があることが偶然わかったからだ。心房細動は不規則な心拍であり、脳卒中、心不全および他の心臓関連の問題のリスクを高める速い心拍が繰り返される。

心臓のリズムを監視して心房細動を検出できるECG機能は、3日前に利用可能になった。 既に、少なくとも1人がその恩恵を受けている。

昨日(米国時間12月7日)、Redditの利用者の1人が、Apple Watchが異常な心拍数をどのように通知したかについて投稿した。そこで彼らはECGアプリを実行し、それが心房細動であることを知った。彼らは救急に飛び込み、医者に見せたところ、このように言われたそうだ。「あなたはAppleの株を買うべきですね。おそらくあなたの命はこれで救われたのだと思います。この機能のニュースについては昨夜読んでいて、今週は値上がりするんじゃないかと思っていましたよ。それが早速今朝やってくるとは思っていませんでしたけどね」。

患者は、翌日に心臓専門医に行き、診断を行い心房細動であるとの診断が確定したという。

「この原因を調べ始めるために、一週間後にもう一度血液や甲状腺などの検査を受ける予定です」と彼らは書いている。「医者はまた、現象を違った角度からみるために、より電気的な面に通じたパートナーの予約を入れてくれました」。

より多くのひとたちに所有されることになった最初のECGモニターの1つとして、このことは、少なくとも心臓の健康に対するある程度の透明性を持つひとの数を、大幅に増やすことになるだろう。しかし、はっきりさせておかなければならないが、Watchは常に心房細動を見張っている訳ではない。心臓リズムモニタが何か異常があることを見つけると、例えば心拍が飛んだり、心拍が速くなったりした場合、手首に通知を送ってくる。

そこでユーザーはECGアプリを開いて、腕を膝やテーブルの上に置き、30秒間時計のデジタルクラウンに指を当てる。そうすることで、Watchが心房細動の徴候があるかどうかを教えてくれる。

この機能についてもっと知りたい場合は、同僚のBrian Heater記者による下記の記事を見て欲しい。

[原文へ]
(翻訳:sako)

Cardiogramの研究によれば、Apple Watchは糖尿病を85%の精度で検出可能

Cardiogramの創業者Brandon Ballingerによる最新の臨床研究によれば、Apple Watchは既に糖尿病と診断された人が、糖尿病であることを85%の正確性で診断することができた。

この研究は、CardiogramとUCSFによる、より大きなDeepHeart研究の一部である。特に今回の研究では、1万4000人のApple Watchユーザーからのデータを使用し、またAndroid Wearを使う同じタイプのセンサーを搭載したフィットネスバンドも、彼らのシステムに統合された。

2015年には、 Framingham Heart Studyが、安静時心拍数と心拍数の変動によって、糖尿病および高血圧を有意に予測できたことを示した。これにより、Watchの心拍センサーを使用して、糖尿病患者を正確に検出できるかどうかを調べる機運が高まった。

これまでに、Ballingerと彼の同僚たちは、Apple’s WatchをCardiogramのAIベースのアルゴリズムと組み合わせることによって、心拍の異常なリズムを97%の精度で、睡眠時無呼吸は90%の精度で、そして高血圧症は82%の精度で検出することができた。これらの発見の大半は、臨床ジャーナルまたは抄録に掲載されており、Ballingerは今週のAAAI 2018会議で発表した後に、最新の研究結果を出版する予定だ。

糖尿病は増加を続けている、米国内の大問題であり、今では米国の成人の1億人以上が、前糖尿病ならびに糖尿病患者である。アメリカ疾病予防管理センターによれば、そのうちの4分の1以上が診断を受けていないが、この問題の原因の一部は、血糖値をチェックする際の痛みによるものである。患者は毎食後に自分自身に注射を行い、適切な量のインスリンを正しく投与して、自分自身でバランスをとる必要がある。

また早期発見を行うことで、糖尿病の合併症が発症する前に、それらを防ぐことが可能になる。血糖値を測定するための特殊デバイスを作製する試みも、他に続けられて来たが、今回の研究は、通常の心拍センサーが人工知能ベースのアルゴリズムと組み合わせられることで、他のハードウェア無しに糖尿病を同定できることを示した、初の大規模研究である。

さて、では次は何だろう?Ballingerと彼の同僚であるJohns Hsiehは、心臓センサーを通して様々な疾患を検出できるだろうと語る。たとえば妊娠糖尿病などだ。Hsiehはまた、今回のテストは既に糖尿病もしくは前糖尿病であると診断を受けたひとたちに対して行われたものであるため、もし自分が糖尿病ではないかと疑うならば、Watchの結果に頼るのではなく、医師の診察を受けるべきだと注意を促した。

しかし、この結果は有望である。私たちは、Apple Watchや他の心拍センサー内蔵のフィットネスモニターが、私たちに関して次に何を教えてくれるのかを、ただ心待ちにしよう。

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(翻訳:sako)