NASAの惑星探査用の新望遠鏡は気球に乗って大気圏の外縁に浮かぶ

最新の望遠鏡は星からの光を適切に濾過することによって、約4万メートル上空から地球に似た星を見つけることができる。その、マサチューセッツ大学 ローウェル校が作った望遠鏡は米国時間10月1日の朝、ヘリウムガスを積めたフットボール場ほどの大きさの巨大な気球に乗せられてニューメキシコ州フォートサムナーから飛び立った。

「PICTURE-C」と呼ばれるその望遠鏡は重さが800kg近くあり、長さは約4m、幅は1m近い。それを視界が澄明な地球の大気の外縁に定置するためには、それぐらい大きな気球が必要だ。それでも空中に定位できるのはほんの数時間で、その後は分解されてパラシュートで降下する。従って装置そのものは再利用性がある。

NASAが大学に560万ドルを助成した5年におよぶこのプロジェクトは、来年再び望遠鏡を気球に乗せて飛び立ち、研究者のための画像をさらにたくさん撮る予定だ。このプロジェクトで、地球に似た惑星以外のほかのものが発見されるかもしれない。環境光や他の星からの光に邪魔されない、初めてのとてもクリアな観測だから、これまでの観測では見えなかったものが初めて見える可能性がある。

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画像クレジット: NASA

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

World Viewの高高度バルーンから撮影したこのすばらしい画像を見よ

近宇宙企業の草分け、World Viewは、同社の”Stratollite”と呼ばれるバルーンに市販のイメージセンサーを組み合わせて地上20~22 kmの上空から撮影できることを示す画像を披露した。

同社はこの超高空バルーンをリアルタイム画像撮影など様々な商業利用に活用すべく、1 m以内の解像度で地上の写真を提供できる光学イメージセンサーを載せたバルーンを放った。これは低地球軌道から撮影するには難しい解像度であるため、軌道衛星に代わる遠隔撮影の手段を求める顧客に答えられることをWorld Viewは期待している。

World ViewのStratolliteは、近いうちに10~15 cmの解像度を提供することが可能になり、さらに「リアルタイム連続ダウンリンク」によって、商用、官用いずれの応用にも適した画像の転送にも対応する。

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  3. world-view-stratollite_asset-monitoring-2.png

  4. world-view-stratollite_asset-monitoring.png

World Viewはこの高高度バルーンの潜在的使い道についていくつか構想をもっており、僻地への高帯域幅インターネットの提供もその一つだ。このバルーンには長時間一定の領域に停留していられるという独自の能力がある。これまでの成層圏用バルーンには飛行経路については現地の気流しだいという面があった。World Viewは、いずれこの宇宙の入り口まで人間を飛ばすことも願っている。

成層圏バルーン旅行を待つあいだ、この写真は見る価値がある。一般のドローン写真とは一線を画している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

チャット形式でストーリーが展開、スマホ時代のケータイ小説「Balloon」がローンチ

先月の米国TechCrunchの記事でもあったが、「チャットフィクション」と呼ばれるジャンルのアプリが、今ティーンを中心に注目を集めている。

これは言ってみれば「スマホ時代のケータイ小説」。自分の読みたいストーリーを選択すれば、まるでチャット型UIのメッセンジャーを見ているかのごとく、チャット形式で物語を読み進めることができる。サービスにもよるが、プロの投稿したストーリーを読めるだけでなく、ユーザーがストーリーを投稿できるプラットフォームになっているものある。

“ケータイ小説”なんて説明をしたが、実際は「小説」というよりはチャットでの「会話」。一般的な小説のような地の文での情景描写は基本的にはなく、多くは1人、ないし2人程度の登場人物による吹き出し——つまり会話だけで話が進んでいくのだ。小説というよりはライトノベル、いや、脚本の世界を想像してもらったほうが分かりやすいだろう。

冒頭の米国TechCrunchの記事にもあるように、すでに海外では「Hooked」や「Yarn」といった人気アプリが登場している。Hookedは数カ月前に日本語化されていて(ただし当時ほとんどは機械翻訳のようなテキストで、英語のほうがよっぽどか読みやすそうだったが)いくつかのストーリーを読んでみたが、2人の登場人物の会話から徐々にその環境があきらかになっていくあたりは、ホラーやサスペンスもののストーリーを読むのにはピッタリな気がした。

そんなチャットフィクションの領域に挑戦する日本のスタートアップがFOWDだ。同社は7月10日、チャットフィクションアプリ「Balloon」をリリースした。App Storeから無料でダウンロードできる。

「Balloon」のイメージ

Balloonは国内のクリエーターが執筆したストーリーを読めるチャットフィクションアプリ。特徴的なのは連載型を採っていること。連載ストーリーは毎日更新で、常に何かしら新しいコンテンツを読むことができるようになっている。

サービスは無料だが、いわゆるソーシャルゲームの「スタミナ制」のように、一定量のストーリーを読むと読み続けることができなくなり、しばらく時間を待つ必要がある。7月24日までの2週間は期間限定で無制限の読み放題とするが、以後はこのスタミナ制が採られると同時に、月額数百円の読み放題プランを提供する予定だ。

ローンチ時には21作品を掲載。3、4話で完結する短編と、12話完結の長編ストーリーを用意するという。内容は日常系、サスペンス、ファンタジーなど広いジャンルをそろえる。

ちなみに執筆するのはいわゆる小説家よりも、マンガ家や脚本家を本業とする作家が中心なのだそう。要は「小説」でなく、吹き出し(会話)で展開するストーリーを得意とする人達ということだ。ターゲットとするのはティーンから25歳くらいまで。8月にもプラットフォームを開放し、一般ユーザーの投稿も可能にする予定だ。コンテンツやIPを持つ会社との連携なども進めていくという。

ベンチャーキャピタリストから起業家に転向

サービスを手がけるFOWDは2017年6月の設立。代表取締役社長の久保田涼矢氏は学生時代からウェブ制作やウェブマーケティングなどに携わったのち、コロプラおよびコロプラネクストでベンチャーキャピタリストとして投資に携わっていた人物。

起業家がその経験をもとにアドバイスを行う投資家になるという話はたまに聞くが、投資家、しかも1995年生まれという若さで起業家に転向するのは珍しいケースだろう。同社は独立系ベンチャーキャピタルのTLM、East Venturesに加えて、千葉功太郎氏ほか個人投資家数名からシードマネーを調達している。金額は非公開だが数千万円前半程度の額だという。

FOWD代表取締役社長の久保田涼矢氏

「まずはチャットフィクションだが、『チャット』だけでサービスを縛りたくない。時代によってUIも好まれる絵柄も変わってくる。広義でストーリーを提供するプラットフォームに育てたい」(久保田氏)

また今後は、ヒットするストーリーの解析にも力を入れていくという。「日本のエンタメコンテンツは魅力的で、レベルが高い。でも海外の勢いに負けつつある。そこには(エンタメの)解析がされていなかったということがあると思う。(ヒットの)再現性やストーリーの研究をやるべきではないか。ただし他の人の先に行くには、データの解析だけでは難しい。インフルエンサー事務所と組んだり、自社のコンテンツをより研究したり、ダーゲットとする若年層とどれだけ触れているかが重要」(久保田氏)

ちなみに僕が複数の関係者に聞いたところだと、この夏には複数の会社からチャットフィクションアプリのリリースが予定されているという。DMMが1月に買収したピックアップもチャットフィクションアプリ「TELLER」をローンチしている。