【ロボットまとめ】Cyberdogの目をのぞきこめ、フィールド、フード、フルフィルメント

誰かが私にXiaomi(シャオミ)が独自の「ロボット犬」を発売しようとしていると言ったとき、私の脳裏にすぐ浮かんだのはソニーのAibo(アイボ)のことだった。そして正直なところ、その想像はこれ以上ないほどに間違っていた。もうそのニュースが出てから数日経過したので、Xiaomiはすでにあらゆる悪いブラックミラー(NETFLIXのSFドラマ)ばりのジョークを、すべて耳にしていることだろう。もはや気にすることはない。

そして、これまた正直なところ、中国のハードウェアメーカーは、このデザインに対して特に工夫もしていなかった。Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)は、その四足ロボットSpot(スポット)に個性を吹き込むために、デザイン言語やバイラル動画、そしてDirty Dancing (ダーティ・ダンシング)サウンドトラックへ乗せたダンスなどの、たくさんのことを行ってきた。

しかし、今回Xiaomiのデザインチームは、明らかにそのCyberdog(サイバードッグ)を思い切りロボコップに寄せてきた(そしてブレードランナー風のパスティーシュはあまりうまく行ってはいない)。毎回Boston Dynamicsについて何かを投稿するたびに、私には大量のMetalhead(メタルヘッド)のGIFが送られてくる。実際、この記事のアイキャッチ画像としてCyberdogを使用してみるので、それがどんなものかを実際に確認することができるだろう。Twitterのリプライを確認して欲しい。お待ちしている。

画像クレジット:Xiaomi

もちろん、XiaomiはSpotのような四足ロボットをリリースした最初の会社ではなくむしろ遅いくらいだ。ANYmal(エニマル)やGhost Robotics(ゴーストロボティクス)など、その分野で競合している企業は数多くある。Xiaomiの目的の一部は開発者たちにこのカテゴリーで様々な工夫をしてもらうことだ。Miブログによれば:

CyberDogは、Xiaomiによる、世界中のオープンソースコミュニティと開発者向けの初の四足ロボットである。CyberDogに関心のあるロボット愛好家は、志を同じくする他のXiaomiファンと競争したり、共創したりすることで、四足ロボットの開発と可能性を推進することができる。

画像クレジット:Xiaomi

このロボットは、Nvidia(エヌビディア)のJetson Xavier(ジェットソン・ザビエル)NXプラットフォームに、カメラ、タッチ、GPSなどの11個の内蔵センサーを搭載している。同社は1000台のロボットをリリースする予定だ。価格は約1540ドル(約17万円)で、高度なSpotシステムの数分の1だ。またこのロボットのサイズも、Boston Dynamicsの四足ロボットの数分の1である。そして、表面的な類似点はあるものの、プロジェクトそのものの中身は全く異なっている。

Xiaomiのロボットへの参入の目的は、Nvidiaのプラットフォーム用のハードウェアの開発を進めるためのものでもある。これは、人びとがプログラミングや、おそらくロボットのプロトタイプを作成するコツをつかむための(比較的)安価な方法なのだ。おそらく制限されている機能や、リリースされる台数の少なさから、同社がすべての家庭にCyberdogを導入させようとしているのではまだないことは明らかだ。

画像クレジット:Bear Flag Robotics

次は今週行われた大規模買収の話題だ。John Deere(ジョン・ディア)は、Bear Flag Robotics(ベア・ フラッグ・ロボティクス)を、2億5000万ドルで買収する計画を発表した。私たちはBear Flagを、同社がYCクラスのメンバーの頃からフォローしている。この買収は両社にとって良い結果のようだ。Bear Flagは、農業の巨人であるJohn Deereから多くのリソースを獲得し、Deereは、自動運転トラクターのスタートアップと共に最先端テクノロジーの世界に足を踏み入れた。

共同創業者でCEOのIgino Cafiero(イギノ・カフィエロ)氏は次のように述べている。

農家が今日直面している最大の課題の1つは、農作物の収穫に影響を与える「タイミングに影響を受ける作業」を遂行できる、熟練労働者の確保です。自動運転は、その課題に正面から取り組む、安全で生産的な代替手段を提供します。機械の自動化を通じて世界の食糧生産を増やし、作物栽培コストを削減するというBear Flagの使命は、Deereの使命と一致しています。Deereチームに加わることで多くの農場に自動運転をもたらすことができることに興奮しています。

画像クレジット:Kiwibot

Kiwibot(キーウィーボット)は、私たちが初期の頃からフォローしてきた、また別のスタートアップである。現在同社はかなりの数のキャンパスに拡大している。昨年は多くのキャンパスが閉鎖されたが、バークレーに本拠を置く同社は、パンデミックのために実際ブームのようなものに出会っている。COOのDiego Varela Prada(ディエゴ・バレラ・プラダ)氏がTechCrunchに次のように語った:

私たちは注文と注文の間にロボットを消毒する手順を挟んでいます。もし学生で、大勢の人と混ざりたくない場合には、Kiwibotで食べ物を注文し、図書館や寮に届けてもらう方がはるかに安全だと思います。

LiDAR開発企業のAeva(アエバ)については、SPACを介して公開する計画を発表した昨年11月を含め、数回にわたって記事にしてきた。今週同社は、既存の自動車用途以外のために、ニコンとの契約を交わしたことを発表した。同社によれば、チップの生産はおよそ4年後になるものの、潜在的なアプリケーションがたくさんあるという。対象となるフィールドには、たとえば「家電製品、個人のヘルスケア、産業用ロボット、セキュリティ」などが含まれる。

Amazon(アマゾン)の意向によって、たくさんのロボットが来年の終わりにフロリダに向かうことになる。Amazonは今週、次のフルフィルメントセンターの本拠地としてタラハシー(T-ペインの生誕地であり、客観的に最高なMountain Goatsのアルバムも生まれた場所)を選んだことを発表した。同社は、63万平方フィート(約5万8500平方メートル)のスペースに、1000人分の人間の仕事とともに、多数の倉庫ロボットを投入することを計画している。

画像クレジット:Berkshire Grey

一方、FedEx(フェデックス)は、クイーンズ(最高の自治区だ)の配送基地に、 Berkshire Grey(バークシャー・グレイ)のロボットを実装した。システムは主に、ポリバッグ、チューブ、中身の入った封筒などの小さなパッケージを、識別、選択、分類、収集しコンテナにまとめる。システムは、さらにラスベガスやオハイオ州コロンバスなどの場所にもこの先展開できるように設定されている。Berkshire Greyは以下のように発表している:

このテクノロジーは、eコマースの急激な成長へ直接的に対応するために開発され実装されました。いまやeコマースは、サプライチェーンのすべての段階で、信頼性の高い自動化ソリューションの需要を加速しています。FedEx Ground(フェデックス・グラウンド)は、継続的なイノベーションと自動化によって、電子商取引のサプライチェーンを動かし続ける際のチームメンバーの安全性、効率性、生産性が向上すると考えている。

画像クレジット:Hyphen

次に紹介するのは注目に値するフード業界の新会社だ。以前はOno Food Co.(オノ・フード。当時は食品輸送会社だった)という名で知られていたサンフランシスコ拠点のHyphen(ハイフン)が、自動給食プラットフォームMakeline(メイクライン)の発表と共にステルス状態から浮上した。同社によれば、このシステムは1人のスタッフが操作しながら、1時間に最大350食を作ることができるという。

「私たちは本当に自分たちを、Shopifyのようにみなしています」とリリースで述べるのはCEOのStephen Klein(スティーブン・クライン)氏だ。「しかし、私たちは各マーチャントがAmazonのようなものと競争できるようにするのではなく、各レストランがDoorDashと競争したり、(独自の食品ブランドを提供することで自社の顧客と競争することを決定した)サービスやゴーストキッチンと競争できるようにするのです」。

プラットフォームはこの冬、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、フェニックスに300箇所を設置して展開を開始する予定だ。

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画像クレジット:Xiaomi
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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

農業機械大手ジョンディアが自動運転トラクター開発Bear Flag Roboticsを約276億円で買収、労働力不足解決を目指す

ロボット関連のスタートアップ企業の世界では、買収が良い結果を生むことがしばしばある。ロボットトラクターのスタートアップに関して言えば、John Deere(ジョンディア)に買収されるのも悪くないだろう。この大手農業機械メーカーは米国時間8月5日、Bear Flag Robotics(ベア・フラッグ・ロボティクス)を2億5000万ドル(約276億円)で買収すると発表した。

2017年に設立されたこの企業は、サンフランシスコ・ベイエリアに拠点を置き、自動運転型の農業用重機を専門に開発している。同社が初めて我々の注目を浴びたのは、設立から翌年のYC Winter 2018に参加した時のことだ。

「私たちは果樹園を見学し、労働問題がいかに深刻であるかを知りました」と、共同創業者のAubrey Donnellan(オーブリー・ドネラン)氏は当時、TechCrunchに語っていた。「トラクターの座席を埋めるのに苦労しているのです。私たちは、カリフォルニアの他の生産者にも話を聞きました。すると、何度も同じことを言われました。労働力は最も重要な痛点の1つです。質の高い労働力を確保することはとても難しい。労働者の高齢化が進み、地元を離れて他の産業に移っていく人も多いのです」。

その後、John Deereは独自に起ち上げたStartup Collaboratorプログラムで、Bear Flagと提携する。その一方で、このロボット企業はその技術を米国内の非公開の(彼らの表現によれば「限定的な」)拠点で展開も始めていた。

「今日、農家が直面している最大の課題の1つは、農業の成果に影響を与える時間に制約された作業を行うことができる熟練労働者の確保です。自動運転は、この課題に正面から対処することができる、安全で生産性の高い代替手段を提供するものです」と、共同創業者でCEOを務めるIgino Cafiero(イジーノ・カフィエロ)氏はリリースの中で述べている。「機械の自動化によって、世界の食糧生産量を増やし、食糧生産コストを削減するというBear Flagのミッションは、Deereと一致しています。Deereのチームに参加し、より多くの農場に自動化を導入できるようになることに興奮しています」。

農業分野は、以前から問題となっていた労働力不足が、新型コロナウイルスの世界的な大流行によってさらに悪化していることで、2020年から関心が高まっているロボット分野の1つである。もちろん、そのように関心が高まっているからといって、ロボット工学スタートアップを起ち上げることの難しさは変わらない。

2021年7月、リンゴ収穫ロボットをてがけるAbundant(アバンダント)という企業は「プロトタイプのリンゴ収穫機を使った一連の有望な商業試験の後、開発を継続して量産システムを立ち上げるための十分な資金を調達できなかった」として、事業を終了することを認めた

Bear Flagのような企業にとって、買収は納得の行く結果だろう。このスタートアップ企業は巨大な新オーナーから多くのリソースを得ることができ、その新オーナーはポートフォリオに新しい技術を加えることができる。実際、John Deereはここ数年、ロボットやドローンなどの最先端技術への進出をかなり積極的に検討している。

Bear Flagはこれまで通り、ベイエリアで事業運営を続ける予定だという。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:John DeereBear Flag Robotics農業自動運転買収

画像クレジット:Bear Flag Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)