今や周知の事実として、全世界の蜂の生息数は、何かを警報するかのように、急速に減りつつある。しかもわれわれ世間の一般人と違って養蜂家は、彼らの巣箱をつねに注意深く監視しなければならない。でも、何千という巣箱を抱える大規模養蜂家にとっては、巣箱のモニタリングは容易でない仕事だ。そこでカナダの研究者が開発したモニタリングシステムは、蜂たちの羽音を聴いて健康状態などをチェックする。
サイモンフレーザー大学の大学院生Oldooz Pooyanfarが作ったデータ収集デバイスは、今後の改良により、今多くの蜂たちを見舞っている謎のような苦境、蜂のコロニーの崩壊という異状の原因究明に役立つ、と期待されている。
そのデバイスは、マイクロフォンと温度センサーと湿度センサーを使用し、最終的には加速度計も含める予定だ。それを巣箱に取り付けると、コロニーの動態がまるでドローンで遠隔データを収集したときのように、手に取るように分かる。
“このモニタリングシステムでは、蜂たちが今‘何を言っているのか’というデータを、リアルタイムで集めることができる。彼らの、食糧調達の状況や、群飛の様子、女王蜂の存在もしくは不在なども分かる”、Pooyanfarはニュースリリースでこう述べている。
今後デバイスの台数が増えて、大量のデータがリアルタイムで集まるようになれば、ニューラルネットワークを訓練して問題を突き止められるようになるだろう。Pooyanfarが今執筆している学位論文は、研究開発のこの部分を扱っている。
現状では一般市販の部品の寄せ集めなので、必要以上に大きいし、費用も高い。しかし専用のセンサーパッケージを大量に特注できるようになれば、かなり安上がりになるだろう。彼女は今、地元の養蜂家たちと協働してハードウェアとソフトウェアを開発している。養蜂家たちも、かなりの関心を示しているそうだ。
Pooyanfarのこの研究開発は、Mitacs Accelerate事業が資金を提供している。