代替肉のImpossible Foodsが約537億円を調達し製造拡大へ

株式公開会社であるBeyond Meat(ビヨンド・ミート)と競合する代替肉製造の非公開企業Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)は直近のラウンドでおおよそ5億ドル(約537億円)を調達したことを明らかにした。

今回のラウンドで、9年前の創業からこれまでに同社が調達した資金は13億ドル(約1395億円)になる。

本ラウンドはMirae Asset Global Investmentsがリードし、既存投資家であるKhosla VenturesHorizons VenturesそしてTemasekも参加した。

同社の声明によると、調達した資金は製造の拡大、国内外のスーパーや小売店への納入の増加、新たなプロダクトの商業化のスピードアップに使われる。新プロダクトは植物由来のインポッシブル・ソーセージやインポッシブル・ポークだ。

「我々のミッションは、食糧生産で動物を利用するという世界で最も破壊的なテクノロジーを2035年までに代替のものに置き換えることだ」とImpossible Foodsの創業者でCEOのPatrick O. Brown(パトリック・O・ブラウン)博士は声明で述べた。「それを実現するために我々は今後15年間、毎年平均して生産を倍増させる必要があり、研究やイノベーションにも集中的に投資しなければならない。マーケットは流動的だが、世界の食糧需要は常に存在し、早急なミッション達成が求められている。投資家は我々のミッションに信頼を寄せているだけでなく、世界のフードシステムを変えるプラットフォームに投資する類稀な機会だと認識している」

同社はまた、新型コロナウイルス感染拡大に対応するためにオペレーションを変更している、と述べた。

Impossible Foodsは、テレワークが可能な従業員には在宅勤務を義務化した(4月末まで)。また、同社施設や製造パートナーへの外部からの訪問を制限する。加えて衛生・安全基準を維持するために、製造施設は毎日徹底的に清掃・消毒されるとも述べた。

「直近の資金調達でImpossible Foodsは成長を加速させるためのリソースを手に入れる。COVID-19感染拡大を含め、不安定なマクロ経済学的環境においても成長を続ける」と同社のCFOであるDavid Lee(デイビッッド・リー)氏は話した。

「我々の最優先事項は従業員、顧客、消費者の安全だ」とブラウン氏は述べた。「そしてサンフランシスコのベイエリア全体、我々のグローバルサプライヤー、顧客ネットワーク、何百万という顧客、必要とされるものをつくるために食品製造に頼っている数十億の人々を含む、我々のコミュニティの福祉にも責任を持つと認識している」

資金調達の完了時点で、Burger King(バーガー・キング)はインポッシブル・ワッパーを全7000店で販売することを約束している。またDoorDash(ドアダッシュ)もImpossible Foodsのアイテムを提供するレストランだけを集めた「Impossible Cuisine」カテゴリーを立ち上げた。

2019年のBurger Kingでの販売急増により、Impossible Foodsはオークランドにある施設での製造を4倍に増やした、と同社は述べている。

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(翻訳:Mizoguchi

バーガーキングの動物肉不使用バーガーは年内に全米で発売

バーガーキングは、エイプリルフールのジョーク的にデビューさせたインポッシブル・ワッパーを年末までに全米で展開する。4月1日にバーガーキングがセントルイスの58カ所のレストランで提供を開始したインポッシブル・バーガーは、間もなくそれ以外の店舗のメニューにも登場し、年末までに全店舗で提供されるようになる。

バーガーキングはインポッシブル・バーガーを展開することで、主力のワッパー販売を鈍らせることなく新たな客を呼び込むことができる。

これは選択を提供するという話であり、「バーガーを毎日食べたいけれどビーフを毎日食べたいわけではない、という人がバーガーキングの店舗に頻繁に来れるようにすることができる」とバーガーキング北米の会長Chris Finazzo氏はCNN Businessに当初のテストについてこう語った。

バーガーキングはベジタリアンパテをしばらくの間販売していたが、全米ラインアップへのインポッシブル・フーズバーガー追加により、バーガーキングは新たなプロテイン(成長中の消費カテゴリーだ)を取り入れる最大の全国ファーストフードチェーンとなる。

大成功となったセントルイスでのインポッシブル・バーガーデビューのニュースは、バーガーキングの親会社Restaurant Brandsのかなり低調だった決算報告の中では明るい要素だった(Associated Pressの報道によると、第1四半期の純利益は店舗販売の伸び悩みで9%減の1億3500万ドルだった)。

Markets and Marketsのレポートでは、肉の代用品マーケットは2023年までに64億3000万ドルに達すると予想されている。ベンチャー・キャピタリストやコーポレート・インベスター、そしてパブリックマーケットは肉代用品の会社に熱い視線を注いでいる。そしてインポッシブル・フーズバーガーの全米展開は、この産業が成熟しつつあることを示すBeyond Meatの株式公開とつながっている。

どちらの会社も動物由来のプロテインを含む食品に代わるものの実験を行なっている先駆者で、その他のいくつかの企業は傍で待機している。Crunchbaseが最近行った企業投資調査では、コーポレート・インベスターがいかに肉マーケットを意識しているかが明らかになっている。

「食品テックと農業テック1.0はというと、これらは主に生産者のためのものだ」と、アグリフードベンチャー投資プラットフォームのAgFunderの設立パートナーRob Leclerc氏はCrunchbaseに語った。「この新世代の企業は、消費者が何を欲しているのかに本当にフォーカスしている」。

より多くのファーストフード企業が意識している。実際、バーガーキングはインポッシブル・バーガーを数百もの店舗で展開しようとしている初のファーストフードチェーンではない。映えある第1号はWhite Castleだ。

イメージクレジット: Burger King

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(翻訳:Mizoguchi)

バーガーキングとインポッシブル・フードが完全植物性インポッシブル・ワッパーを発売

植物性の代用肉を作っているImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)と、ファストフード大手Burger King(バーガーキング)が、インポッシブル・ワッパー(Impossible Whopper)を発売する。

ニューヨーク・タイムズの記事によると、Burger Kingがインポッシブル・ワッパーを売り出すのはセントルイス界隈のお店で、全国展開はそのあとになる(もちろん日本はまだ)。そしてこれは、手の込んだエイプリルフールのジョークではない。

インポッシブル・バーガーを最初に売ったのはBurger KingではなくてWhite Castle。同店は今でも、米国東北部地区でインポッシブル・スライダーを売っている。

関連記事: 完全植物性のひき肉が大衆的ハンバーガーショップに進出、菜食人口の増大にも対応

でも、肉なしパティのメーカーとパートナーする最大の挽き肉消費企業といえば断然、Burger Kingだろう。

代用肉市場におけるImpossibleの最大の競合相手で、完全植物性のパティを提供している上場企業Beyond Meatも、Carl’s Jr.に独自のビーフレスバーガーを提供している。

シリコンバレー出身のImpossible Foodsは、これまで快調だった。今年のCES(Consumer Electronics Show)では、高級レストランや大手の国際的ファストフードチェーン(複数)とも契約を結んだ

8年前の創業時にKhosla Venturesから700万ドルの支援を受けたImpossible Foods hasは、その後今日まで一部転換社債も含め3億8900万ドルの資金を調達した。最近ではシンガポール政府が支援するグローバルな大手投資企業Temasekや、中国の国有投資ファンドSailing Capital(中国共産党の金融サービス企業Shanghai International Groupが支えている)なども同社に投資している。

これをきっかけにBurger Kingは、代用鶏肉や、Memphis Meatsのような細胞培養肉など、そのほかの代用肉製品にも手を広げていくのか、今後を注目したい。

参考記事

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

オープンソースのデータ管理プラットホームPimcoreが$3.5Mを調達してアメリカ進出を目指す

データとカスタマー体験を管理するオーストリア出身でオープンソースのプラットホームPimcoreが、German Auctus Capital Partners AGがリードするシリーズAの資金調達350万ドルを完了した。その資金は、同社のアメリカ進出に使われる。

Pimcoreは、データとカスタマー体験を管理したいと願っているどんなチャネルやデバイス、あるいは産業でも使える。そんなサービスはほかにもあるが、Pimcoreは、何もかも揃っていてすぐに使えるソリューションであり、唯一のオープンソースであることを主張する。対してSAPやInformaticaなどのプロプライエタリなプロダクトは、ライセンスを売るビジネスモデルだ。

PimcoreのCEO Dietmar Rietschはこう語る: “われわれの第一の目標は、エンタープライズにおけるオープンソースの採用が急増しているという今の時流に乗って、従来型のライセンス供与型のビジネスモデルをディスラプトする(破壊する)ことだ。今回の資金で、SAPやOracleなどレガシーの選手たちと戦えるだけのリソースが得られた。とくに今後は、アメリカでカスタマー体験とデータ管理の分野に変革をもたらしたい”。

Pimcoreは最近、アメリカのPimcore Global Servicesとそのデリーにあるアウトソーシングのためのインフラストラクチャのすべてを買収した。

2013年に創業された同社は、今すでに56か国に82000社の顧客がおり、その中にはAudi、Burger King、Continental、Intersportなどのグローバル企業もいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa