バンクシーの作品を燃やしたBurnt FinanceがDeFi志向のNFTオークションサービスを開始

Burnt Finance(バーント・ファイナンス)は、実物のBanksy(バンクシー)の作品を燃やしてNFT(非代替性トークン)を作成し、それを「通常の」オープンなアート市場価格の2倍に相当する40万ドル(約4600万円)で販売するというスタントをやってのけた暗号資産スタートアップだ。

NFTのオークションはもっと改善できるという考えに基づき、同社は2021年、そのSolana(ソラナ)ブロックチェーン上に構築された分散型オークションプロトコルのために、300万ドル(約3億5000万円)の資金を調達した。このラウンドは、Multicoin(マルチコイン)とAlameda Research(アラメダ・リサーチ)が主導し、マルチチェーンネットワーク「Injective Protocol(インジェクティブ・プロトコル)」の中核的貢献者であるInjective Labs(インジェクティブ・ラボ)がインキュベートした。

現在はより本格的になっている。

Burnt Financeは今回、ブロックチェーンゲームや伝統的なゲームなどの幅広いポートフォリオを開発・販売しているAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)の主導でシリーズAラウンドを実施し、800万ドル(約9億2000万円)を調達した。

このラウンドには他にも、Multicoin Capital(マルチコイン・キャピタル)、Alameda Research、DeFiance(デファイアンス)、Valor Capital Group(ヴァロー・キャピタル・グループ)、Figment(フィグメント)、Spartan Capital(スパルタン・キャピタル)、Tribe Capital(トライブ・キャピタル)、Play Ventures(プレイ・ベンチャーズ)、HashKey(ハッシュキー)、Mechanism Capital(メカニズム・キャピタル)、DeFi Alliance(デファイ・アライアンス)、Terra(テラ)などが参加した。

これらの投資家の中でも、2017年からブロックチェーン分野に投資しているMulticoinは、おそらく最もよく知られている企業の1つだろう。同社はSolanaやNEAR(ニア)、そしてSignal(シグナル)のP2P決済に使われているMobileCoin(モバイルコイン)など、いくつかの重要なプロジェクトに投資してきた。

Burnt Financeは今回、独自のNFTマーケットプレイスを英語とオランダ語で立ち上げ、Buy Now(すぐ買う)オークションを提供し、NFTレンディング、ステーキングインセンティブをともなう流動性マイニング、細分化、GameFi(ゲームファイ)などのDeFi(分散型金融)機能を統合することで、NFTのハブとなることを目指している。

これにより、NFTへのパーミッションレス(自由参加型)なアクセスが可能となり、低い手数料と高速性を実現できると同社は主張しており、すでに「16万人のユーザー」が順番待ちリストに名前を連ねているという。

Burnt Financeによると、同社の「Spark(スパーク)」テストネットでは、7日間で1億ドル以上の取引量を処理したという。

同社では、Terraやその他のEVM互換のレイヤー1プロトコルを含む追加のブロックチェーンに拡大することも計画している。

Animoca Brandsの共同設立者であるYat Siu(ヤット・シウ)氏は、次のようにコメントしている。「パーミッションレスのエコシステムで資産を鋳造・取引することは、オープンなメタバースの経済的基盤にとって非常に重要です」。

DappRadar(ダップレーダー)によると、NFTの世界市場は2021年に約220億ドル(約2兆5000億円)に達したという。伝統的なオークションハウスであるChristie’s(クリスティーズ)やSotheby’s(サザビーズ)もNFTの分野に進出している。

Burnt Financeは開かれたドアを押している。NFTの売上は、2021年12月だけで4億ドル(約460億円)に達した

競合他社には、もちろんレベルはさまざまだが、OpenSea(オープンシー)、SuperRare(スーパーレア)、Rarible(ラリブル)、NiftyGateway(ニフティゲートウェイ)などがある。しかしながら、Burntは明らかにまだ非常に初期の段階ではあるものの、Solanaを使い、DeFiの領域を狙うことで、より大きなプレイヤーたちを追い越そうとしている。

画像クレジット:Burnt Banksy

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)