BuzzFeed Japanとハフポスト日本版が合併、既存ブランドはそれぞれ運営継続

BuzzFeed Japanとハフポスト日本版が合併、既存ブランドはそれぞれ運営継続

BuzzFeed Japanザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン(ハフポスト日本版)は3月31日、合併に合意したと発表した。合併後の名称は「BuzzFeed Japan株式会社」。

同合併は、2020年11月に米BuzzFeedとVerizon Mediaがコンテンツと広告に関する新たな戦略的パートナーシップを構築すると発表し、BuzzFeedがVerizon MediaからHuffPostを買収したことを受けたもの。この取引により、米BuzzFeedは、BuzzFeed Japanとハフポスト日本版の両方の大株主となり、合併により日本市場の2事業体が統合されることとなった。また、その他の株主としてZホールディングスと朝日新聞社が引き続き出資する。

2021年5月1日以降、「ハフポスト日本版」はBuzzFeed傘下で運営される合併会社のバーティカル部門のひとつとなり、既存の「BuzzFeed Japan」「BuzzFeed Japan News」「BuzzFeed Kawaii」「Tasty Japan」の5ブランドは、コンテンツ面ではそれぞれ独立して運営を継続する。「BuzzFeed Japan News」と「ハフポスト日本版」の報道部門は、独立した報道機関として運営を継続する。

両社を合わせたオーディエンスの規模は、BuzzFeed Japanの月間ユニークビジター(UV)数が3500万人以上(2020年12月時点)、HuffPost日本版が2400万人(2020年4月時点)となる。BuzzFeed Japanのオーディエンスは、Z世代とミレニアル世代が中心であるのに対し、ハフポスト日本版は若年層に加え30代から40代の世代が中心という。

今後、既存チームの強みを活かすためバーティカルブランド間でのコラボレーションを行い、国内最大級のデジタルクリエイティブカンパニーとして新しいコンテンツを生み出すとしている。さらに、メディアの枠を超えて、新たなコンテンツフォーマットやデジタルコンテンツによる収益を追求するという。広告パートナーに対しては、今回の統合により、これまでにない幅広いリーチへの機会を提供可能としている。

BuzzFeed Japanは、ヤフー(現Zホールディングス)との合弁により2015年に設立、2016年1月にBuzzFeed日本版を創刊。社会にポジティブなインパクトを生み出すことをめざし、記事や動画、特集など独自のスタイルで、ニュース、カルチャー、エンターテインメントの情報を発信している。

ハフポスト日本版は、朝日新聞社をパートナー企業として2013年5月にスタート。「会話を生み出すメディア」として、SDGs、働き方、ジェンダー平等、ダイバーシティ、育児、中国経済ニュース、アート&カルチャーなどの重点テーマを掲げて記事を発信している。Facebookのフォロワーが32万、Twitterが35万人、SDGs専門のTwitterアカウントのフォロワーが3700人。

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BuzzFeedがバレンタインデーに合わせてAI利用「理想の恋人診断」を公開

大手オンラインメディアのBuzzFeedは「診断・クイズ」にバレンタインデーに合わせた新しい機能を追加した。プロダクト担当バイスプレジデントのChris Johanesen(クリス・ヨハネセン)氏は「2021年に予定しているちょっと目立つ企画」の第1弾になることを期待していると語った。

この企画は「AIテクノロジーを使用して完璧な恋人のタイプを発見する」ことを約束する。ヨハネセン氏は「やむを得ない状況を受け入れて(現在のパンデミック)オンラインデートのおかしな世界を楽しもうという機能です」と述べた。

この機能を利用するには、簡単な質問に答えるだけでよい。一連の選択肢からこれだと思うものを選んでいくと「理想的な恋愛パートナーに何を求めているか」あるいは「自分がどんなタイプのパートナーであるか」がわかる。

質問自体は、BuzzFeedや他のサイトでこの種の診断を試したことがある人なら見慣れたものだ。しかしBuzzFeedの診断はひと味違う。ヨハネセン氏は「他のオンラインクイズでは、あらかじめ設定された1ダースからせいぜい20とおりほどの結果しか得られません」と指摘する。しかしBuzzFeedのクイズでは「何十回試しても決して同じ結果にはならない」という。

ヨハネセン氏によれば、開発チームはStyleGAN(敵対的生成ネットワーク)テクノロジーを使って大量の選択肢画像を生成したという。最後の結果はクイズから得られた性格、趣味に引用や「怪しげな要素」をアルゴリズムで組み合わせたものを人間のスタッフが編集して解説文として提供する。ヨハネセン氏はこういう。

途方もなく不条理な結果が出ることがあります(自分でデモを試してみたところ、「かさぶたのコレクションを披露する」のが趣味の女性を恋人に割り当てられました)。しかし多くの場合、我々は笑って受け入れると思います。しかし結果が完全にランダムでは意味がありませんので、ユーザーの入力から得られた傾向に多少は一致させる必要があります。ただし初期のバージョンはリアルすぎて、逆にあまりおもしろくありませんでした。

将来のビジョンについてヨハンネン氏は「もっと自動生成可能」なクイズや診断を作りたいと述べた。つまりスタッフがコンセプトを考え出すだけでよく、選択肢をいちいち作成する必要がないような仕組みだ。しかし、それが可能になっても最後には人手による相当量の編集作業が必要だろう。同氏はこの点を変えるつもりはないとしてこう説明した。

機械学習によるクイズの作成は間違いなく可能ですが、それではあまりおもしろいものにはならないでしょう。我々は人間ができないことを機械にやらせ、機械ができないことを人間がやるというアプローチを続けていきます。

BuzzFeedではクイズパーティークイズストリークなどの診断・クイズ形式を利用した楽しい仕組みをさらに見つけるために各種のテスト行っているという。

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画像クレジット:BuzzFeed

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(文:Anthony Ha、翻訳:滑川海彦@Facebook