メンタルケアしてくれる「AIパートナー」や高精細な「バーチャルヒューマン」で人とAIの共生を目指すCapexが1.3億円調達

「人とシステムの共生を実現、普及し、人類の機能を拡張する」というビジョンのもと、AIと人間の共生を目指して、ライフパートナーAIアプリ「PATONA」やバーチャルヒューマン事業を展開するCapexが、UTEC、イーストベンチャーズ、Skyland Venturesから総額1億3000万円を調達した。

同社は、自然言語処理を活用した自社開発対話エンジンおよび3DCGを用いたバーチャルヒューマンの開発を強みとし、今回の調達で、事業拡大やエンジンの高度化、バーチャルヒューマン事業の推進を図るという。

寂しさを抱えるあなたに寄り添うAIパートナー「PATONA」

個人向けAIパートナーアプリの「PATONA」は、友達や恋人、メンターとして、個人に寄り添い、理解してくれる存在をコンセプトとしてローンチされた。感情の記録をつけたり、天気を調べることも可能だ。2020年12月にiOS版をリリース、2021年3月にAndroid対応、同年8月には、利用可能な機能がより解放されたサブスクリプション版となるPATONA Premiumがリリースされた。

新型コロナウイルスの影響で人と交流する機会が減少する中、孤独によるメンタルヘルスの不調をサポートしていくため、メンタルヘルス専門家が監修した認知行動療法などを活用した対話を100以上提供。利用者がより自然に対話できるよう、フリーテキスト対話エンジンの開発に注力している。

また、親近感を感じられるよう、顔や髪型、洋服、靴、部屋などがカスタマイズ可能な3DCGモデルの増強も行ってきた。実際に、新型コロナウイルスの影響で寂しさを感じ、ソリューションを検索していたら同サービスにたどり着いたという利用者も多くいるとのこと。従業員のメンタルヘルスケアアプリとして福利厚生の一環でPATONAの導入をした法人もあるという。

3次元との見分けが難しいほど高精細なバーチャルヒューマン

バーチャルヒューマン事業では、もはや本当の人間にしか見えない像を作り出している。個人向けと法人向けの両方で展開。法人からは、スキャンダルリスクを軽減するなどの目的で、看板タレントにバーチャルヒューマンを用いたいというリクエストや、カスタマーサポート担当、社内教育担当などに活用したいというニーズがあるとのこと。個人からは、経営者や著名人などから「自身のバーチャルヒューマンAIを世に残したい」という相談があるそうだ。

Capexは、クライアントがリーチする顧客に応じて最適な体験を提供できるようにするため、デフォルメキャラクターからフォトリアルなバーチャルヒューマンまで幅広い表現をカバーしている。「自然言語処理技術の向上であっと驚くような対話体験を提供する対話AIが作れる。当社の対話AIとバーチャルヒューマンを組み合わせて法人個人のさまざまな需要に対応していきたいと考えている」と代表取締役の小亀俊太郎氏はいう。

同社は2019年に創業。対話エンジンやアプリケーションを開発するエンジニアに加え、アートディレクターや3DCGモデラー、そして自然な会話を構築するためのシナリオライターなどで構成されている。対話は、雑談をこなす非タスク型と質疑応答などのタスク型で分類され、いずれも自社独自開発の対話AIが日々学習をしているという。日本語は英語と比べてデータが少なく大変ではあるが、独自のAIを育てているそうだ。小亀氏は「これまで人間でしか提供できなかった対話体験と比べても遜色ないほどに対話AIの品質が上がってきている。今後も、AIと人が共生する社会の実現に向けて事業を推進していきたい」と語った。

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