GMがカーシェアリング事業から撤退、Mavenを終了

GM(ゼネラル・モーターズ)のカーシェアリング実験は終了する。同社は米国時間4月21日、2016年に立ち上げたカーシェアリングサービスMaven(メイブン)を終了することを明らかにした。

Mavenは新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのためにサービスを一時停止していた。同社は21日、事業やカーシェアリング産業、新型コロナウイルスによる現況を精査した結果、サービスを終了することを決めたとのメールを顧客に送った。このニュースは最初にThe Vergeが報じている。

新型コロナウイルスが「シェアリング」モビリティ部門をノックダウンするずいぶん前から、Mavenは何カ月も不調だった。2019年にMavenは、展開していた北米17都市の約半分でサービスを停止し、規模を縮小した。そしてデトロイト、ロサンゼルス、ワシントンD.C、トロントでサービスを継続した。しかしMavenが提供する消費者向けカーシェアリングとピア・ツー・ピアサービスの2つのプログラムの提供はワシントンD.Cでも停止となり、ギグワーカーに貸し出すプログラムだけが継続された。

GMはTechCrunchに対して、Mavenを終了させる作業を開始したことを認めた。GMの広報担当によると、すべての資産とリソースはGMのグローバルイノベーション組織に引き継がれるという。

同社は、2020年夏までにMaven事業を清算するとしている。Mavenは既に新型コロナウイルスにより消費者向けカーシェアリングとピア・ツー・ピアサービスを一時停止している。これとは別のギグワーカーに貸し出すプログラムは「かなり限定されて事業終了まで継続される」とGMの広報担当は話した。

「我々は自社カーシェアリング事業の運営から極めて価値のある知見を得た」とGMのグローバルイノベーション担当副社長のPamela Fletcher(パメラ・フレッチャー)氏は電子メールで述べている。「Mavenから学習し構築したものはためになり、GMの他の事業の成長を加速させる」

以下が21日朝にMaven顧客に送られた電子メールのスクリーンショットだ。

我々は先月、マーケットの状況や地元当局の指導、我々の会員や従業員の安全を鑑みてサービスを一時停止した。

事業、業界、そして新型コロナウイルスによる現況を詳細に分析した結果、事業を終了させるという困難だが必要な決断をするに至った。

Mavenカーシェアリングは間もなく利用できなくなる。

Mavenコミュニティの一部でいてくれことに感謝する。あなたがメンバーでよかった。

画像クレジット:スクリーンショット / Maven電子メール

同社にはカーシェアリング事業に再参入する計画はない。「我々はMavenから得たすばらしい知見を手元に残し、カーシェアリングの技術を新GM車両サービスの展開や他の新サービス模索に生かす」と同社はTechCrunchに語っている。

MavenはGMブランドの下でGMの既存テストプログラムのいくつかを持ち寄って拡大させることが意図されていた。立ち上げ当初、Mavenには3つのカーシェアリングサービスがあった。アプリを通じてGM車両を時間単位で借りられる都市部を対象にしたサービス、それからシカゴとニューヨークでのアパートメント居住者を対象にしたサービスだ。

Mavenはスマートフォンアプリを開発し、立ち上げた。このアプリは顧客の車両検索・予約、ドア開錠、遠隔からのスタートや車内温度調整に使用された。

GMそして同社会長兼CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏にとって、アプリの立ち上げは重要なものだった。バーラ氏はGMの企業文化やオペレーションを変える彼女の計画を加速させるために、エンジンスイッチ技術面でのスキャンダル後、委託の勉強会を活用した。何十人もの幹部たちがリーダー変革プログラムに参加した。Mavenはそのときにスピンアウトされた成果の1つだ。

イニシアチブと投資が2016年に発表され、GMの関心が型にはまらない輸送事業に向かっていることが明らかになった。型にはまらない輸送事業とは、消費者への車やトラック、SUVの生産、販売、ローンという主幹事業に隣接したものだった。

しかしMavenは決して1つの事業モデルに落ち着くことはなかった。カーシェアリングサービスは都市に参入しては撤退し、特定のプログラムを提供したりといったことを続けた。例えば、同社は2017年にロサンゼルスとサンフランシスコで、顧客が1回の予約で1カ月間GMブランドの車両を借りることができるMaven Reserveを立ち上げた。また、ライドシェアや配達アプリドライバーの増大する需要を取り込もうとMaven Gigもスタートさせた。

その後Mavenは2018年夏にシカゴ、デトロイト、アナーバーで、個人が所有するGMブランドの車両をMavenカーシェアリングプラットフォームを通じて貸し出せるサービスを開始した。ピア・ツー・ピアのカーレンタルサービスはTuroやGetaroundと似たようなやり方で運営されるようになっていた。

サービス終了に向けた動きは、2019年1月にCEOのJulia Steyn(ジュリア・ステイン)氏が社を去った後に始まっていたようだ。その数カ月後にサービス規模を縮小し、新型コロナウイルスパンデミックが事業にさらなるプレッシャーをかける前には、既にいくつかの都市でのみの運営だった。

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(翻訳:Mizoguchi

ソフトバンクが巨額投資したカーシェアリングのGetaroundがユニコーンに

TechCrunch DisruptのNew York 2011で優勝したGetaround(ゲットアラウンド)は、カーシェアリングのプラットホームだ。同社は今年、新株によるほぼ2億ドルの資金を調達し、ユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場スタートアップ)の仲間入りをするだろう。

PitchBookの推計によると、これで2009年創業のGetaroundは評価額が17億ドル(約1820億円)になる。これに対し同社は「資金に関する憶測」にはコメントしないという社則を引用した。

本誌の質問に対する8月29日朝の同社スポークスパーソンは「Getaroundとその投資家たちは密接に協力して成長戦略を進めており、今後の適切な時期により詳しいお話ができるだろう」と語る。

このニュースの前には同社はフランスのカーシェアリングスタートアップであるDrivyを3億ドルで買収した。Drivyはパリに本社があり、ヨーロッパの170の都市で営業している。

Getaroundは昨年3億ドルのシリーズDを完了したが、このラウンドはソフトバンクがリードしてトヨタ自動車が参加した。携帯電話から1時間5ドルで車を借りられる同社のサービスを会員数20万人にまで育てたこれまでの投資家にはMenlo VenturesやSOSVがいる。

近未来に2億ドル(約213億円)の投資があると想定すると、Getaroundのこれまでの調達総額は6億ドル(約640億円)あまりになる。

Getaroundのこの前の資金調達にソフトバンクが参加したかは不明だ。しかし、ソフトバンクはこれまでカーシェアリング市場に積極的に投資しており、代表的な例としては中国のライドシェアDidi Chuxing、Uber、自動運転のCruiseなどが挙げられる。これらについてソフトバンクはコメントをくれなかった。

Getaroundの共同創業者であるSam Zaid(サム・ザイド)氏は昨年の取材で、モビリティへの投資家としてのソフトバンクの能力を強調して「ソフトバンクのいいところは、とても長期的な視野を持っていることだ。だからモビリティの未来に対する考え方もすごくいいし、すべての車が共有車になる、といううちのビジョンを彼らも持っているんだ」と語った。

この前の資金調達でGetaroundは国際進出をすると期待されていた。そして実際に同社は、フランスとドイツ、スペイン、オーストリア、ベルギー、そして英国に「Drivy by Getaround」というブランドで進出した。ただしノルウェーでは「Nabobil」になった。

同社が2011年にカーシェアリングサービスを始めたときは、主にギグワーカーたちに頼り、彼らが自分の車をGetaroundのマーケットプレースに載せて、借りられる頻度により月に500〜1000ドルを稼いでいた。しかしその後は、同じビジネスモデルによる競合他社が続出した。例えば、TuroやMavenは一流のVCたちから資金を得ているカーレンタルサービスだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa