この壁を歩くクモ型ロボットは、カーボンファイバーでハンモックを編む

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家にクモ型ロボットのペアを解き放つというのは、ふつう危険な考えだ。しかし、留守中クモたちが不思議な数学的ハンモックを編んでくれるとしたらどうだろう? 直ちに恐怖は驚きに ― そして昼寝へと変わる。

この「Mobile Robotic Fabrication System for Filament Structures」はドイツ、シュツットガルトの大学、Institute for Computational Designで作られた。基本をなすコンセプトは「群れの構成」。数多くの小さなロボットたちが協力して一つの作品を作り上げる。ここではロボットたちが、壁に密着したルンバのようにカーボンファイバーを編んで安楽の場所を作る。その形はまるでスピログラフから飛び出してきたようだ。このプロジェクトは同大学の大学院生であるMaria Yabloninaの研究に基づいて作られた。

「今はまだこの製作システムを建築に応用する可能性を探り始めたばかりです」と 同大学のAchim Menges理事がDezeenに話した。「しかし、他の方法では実現できない全く新しい構造物を作れるという特徴は、大きな利点だと確信しています」

これは、ごく控え目に言っても、見ていて非常に楽しい。ロボットはカーボンファイバー糸のリールを備え、壁の基点に糸を固定すると、まるであやり取りをするように前後左右に動き回る。

相互にやりとりしながら壁を這い回り、群のように行動することによって、極めてユニークな構造を作り、全く新しい形で空間を活用できるようになる。

Mengesは自然界の経済と創意工夫に触発された。Mengesのチームは昆虫やロブスターの外骨格を参考にして構造を設計した。このロボットがクモ類をはじめとする糸を紡ぐ動物の影響を受けていることは間違いない(BBCの番組、“Life in the Undergrowth” に驚くべき紡績の達人たちの特集があるのでご覧あれ)。

現在の計画はロボットの数を増やし、天井や曲面の壁のような場所でも編物ができるようにすることだ。そうなればもっとユニークな創作が可能になる。ちなみに、黒い糸で編まれた不気味な空間で働いたり生活したりしたいかどうかは、もちろん全く別の問題だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

防弾性のあるトランプカード(ケブラーまたは炭素繊維製)がKickstarterで130ドルから(すでに目標額は突破)

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ディスラプト適期を迎えている古いものは山ほどあるが、トランプのカードもその一つだ。トランプは空港やコンビニやスーパーマーケットで買うが、ネットで買う人はいない。しかしそれは、このKickstarterプロジェクトで変わるかもしれない。こいつは、ケブラー防弾ハンカチ以来の、大発明だ。

ポーカーをしているときに、誰かに銃を向けられたとする。でもこれからは、あわてなくてもよい。”Sly Kly”というグループが、トランプカードをケブラーや炭素繊維で作れば売れる、と発想した。ご存知のように、これらの素材は銃弾を通さない。トランプに防弾性を求めない人は、ぼくだけでなく、世の中に多いと思うが、このプロジェクトはすでに、25000ドルの目標額に対し倍近くの41000ドル余りを集めている。

ぼくはトランプカードの束(たば)を銃で撃ったことはないし、銃はほんまに嫌いやし、もちろん銃は持っていないが、でもふつうのトランプならどのカードにも穴が開(あく)くことは想像できる。ケブラーのは、ビデオで見るかぎり、弾の方がへこむ。

Sly Klyはこれらのカードが命を救う、とは言っていないが、たまたまシャツの胸ポケットに一箱のカードがあって、遠くからの銃弾がそこに命中したら、そのとき命が助かるかもしれない。

これらのカードは、折っても曲がらないし、破ることもできない。だから、長持ちするだろう。

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カードはこんな、しゃれた金属製のケースに入っている。カーボンファイバー製が130ドルから、ケブラー製が135ドルからだ。防弾性のあるトランプのお値段としては、高くない。ふつうならもっと高い、とイメージするけどね、ぼくなんか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MarkForgedで3Dプリントした工具や部品は巨人にも壊せないほど丈夫

ちょっと見ると、MarkForged Mark Oneで3Dプリントしたものは、そんなに強そうには見えない。わりと粗い感じの白とベージュのフィラメントでプリントされたレンチなどの工具は、ファウンダのGreg Markが今年のCESでデモして見せてくれたときには、仕上げがまだ行われていない、壊れやすそうな、普通の3Dプリントオブジェクトに見えた。

 

でもその、3Dプリントでできた工具を壊そうとすると、驚きが訪れる。彼が作ったレンチの3Dモデルは、国際宇宙ステーションに送られたのと同じだが、折ろうとしても折れないし、とてもしっかりしている。カーボンファイバとナイロンを使っているので軽いが、強さはスチール並だ。ぼくは何度か壊そうとしたが、カーボンファイバが一筋入っているだけなのに、ものすごく強い。

CESのステージでMarkの話を聞き、プリントされた製品を見たのは先週だ。次回はもっと本格的なレビューを書こうと思っている。

今のところ、カーボンファイバで強化された物をプリントできる3DプリンタはMark Oneだけだ。ベーシックモデルで5499ドルと高いが、設計家やメーカーがアイデアを素早くテストするための備品としても最適だ。これでYodaの頭部をプリントしたい人はあまりいないと思うが、出来上がった物の強度の点で、3Dプリントは使えないな、と思っていた人は、きっと考えを変えるだろう。

このプリンタは、本物の金属を使う3Dプリントの一歩手前まで来ている。もちろん、十分な力を加えれば壊れるが、人の手で壊すことは無理だろう。プリンセス・ブライドに登場するあの巨人フィージックですら。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))