人事や産業保健スタッフの負担を軽減する健康管理クラウド「Carely」が15億円調達

人事や産業保健スタッフの負担を軽減する健康管理クラウド「Carely」が15億円調達

人事の健康管理業務をクラウドで効率化する「Carely」を開発・運営するiCAREは、シリーズDラウンドにおいて、総額15億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リードとして産業革新投資機構傘下の認可ファンドJIC Venture Growth Investments、三井住友海上キャピタル、SFV・GB投資事業有限責任組合、Salesforce Ventures、SMBCベンチャーキャピタルが運営するそれぞれのファンド。累計資金調達額は24.8億円となった。

調達した資金を活用して、プロダクト開発、セールスマーケティング活動、カスタマーサクセス体制、コーポレート機能をさらに充実させる。

未曾有のコロナ禍に見舞われた2020年、健康管理はこれまで以上に重要視されている。しかしながら、法令遵守にかかる膨大な工数、健康情報の紙管理やFAX対応などのアナログ業務、自社内の基礎疾患者やメンタル不調者を把握しきれない人事体制など、企業の健康管理に関する課題は山積しているという。こういった状況を可及的速やかにアップデートするべく、令和時代における健康管理の旗手として、iCAREは今後も働く人と組織の健康を作っていくとしている。

現役産業医が代表を務めるiCAREは、人事担当者が抱える煩雑で複雑な健康管理をシンプルでカジュアルにする健康管理システム Carelyを提供。

Carelyでは、健康診断・ストレスチェック・長時間労働対策といった企業の健康管理をクラウドで一元化・自動化できるため、人事担当者・産業保健スタッフの業務工数を大幅に削減可能となる。

直近では、1万名を超える大企業から50名を超えるベンチャー企業・スタートアップ企業まで、幅広い企業の健康管理の負担軽減を実現したという。

人事や産業保健スタッフの負担を軽減する健康管理クラウド「Carely」が15億円調達

また今年9月には、Carelyに蓄積する健康ビッグデータを活用して、健康課題の発見から効果検証までを行う健康経営プラットフォーム「Carely Place」を開始。生産性向上に寄与する従業員と組織の健康改善に取り組めるため、企業は手応えのある健康経営を実現することが可能としている。

同社は、2020年度は売上高が昨年対比2倍の成長。2019年度に続いて2年連続の2倍成長であり、安定した売上成長を今回の資金調達で評価されたという。また、2020年12月時点では、導入社数は350社、導入アカウント数は13万IDを突破した。

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健康管理業務をクラウドで効率化する「Carely」運営のiCAREが5.2億円の資金調達
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カテゴリー:ヘルステック
タグ:iCARECarely資金調達(用語)日本(国・地域)

健康管理業務をクラウドで効率化する「Carely」運営のiCareが5.2億円の資金調達

人事の健康管理業務をクラウドで効率化する「Carely」運営のiCareは6月10日、グローバル・ブレイン(SFV・GB投資事業有限責任組合)、インキュベイトファンド、Beyond Next Ventures、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三井住友海上キャピタルからの総額5億2000万円の資金調達を実施したと発表。累計調達額は8億6000万円となった。

2011年設立のiCareのミッションは「カンパニーケアの常識を変える」。同社は健康管理業務をクラウドで効率化するCarelyを2016年3月より提供している。

Carelyを使えば、従業員の健康情報を一元管理できるほか、プランによりサービス内容は異なるが、健康診断の予約、ストレスチェックの実施、残業時間の管理などをCarelyに任せることが可能だ。従業員の健康情報を一元管理すると、不調者の状況が一目でわかり、Carelyの保健師がチャット相談することで健康改善を促進する。iCareいわく、Carelyは「人事が抱える煩雑で複雑な業務を4分の1に効率化する」。

iCareのSales/Marketing部長の中野雄介氏いわく、今年4月に施行された改正労働基準法の影響もあり、2018年度、同社のMRR(Monthly Recurring Revenue:月間経常収益)は前年度対比で2倍に成長。獲得アカウント数も2018年度当初から2.5倍へと増加した。

調達した資金をもとに、iCareは開発やマーケティング活動を加速させ、カスタマーサクセス体制を強化。「Carelyを基盤とした新規事業の研究・開発」にも踏み込む。

医師や看護師にチャットで相談、“健康経営”推進プラットフォームのiCAREが1.5億円調達

従業員の健康管理サービス「Carely」を運営するiCAREは、Beyond Next VenturesインキュベイトファンドみずほキャピタルSMBCベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は1億5000万円だ。

iCAREが提供するCarelyは、従業員の健康状態を管理するための企業向けサービスだ。最近、「健康経営」というワードを耳にする機会が多くなった。これは、健康診断やストレスチェックなど、社員数に応じて義務付けられたものをただ遂行するだけでなく、それ以上に従業員の健康状態を重視することで生産性の向上を目指すという経営手法のことを指す。

「ストレスチェックで“高ストレス”と診断された従業員は、そうではない従業員に比べると2年後の離職リスクが3倍になる」と、iCARE取締役COOの片岡和也氏はいう。

ただ、健康診断結果や産業医との面談内容は紙やエクセルファイルなどでバラバラに保管されていることも多く、情報が横断的に確認できないことから、健康経営を推進するうえでの障害となっているそうだ。

一方のCarelyでは、勤怠データ、健康診断の結果、ストレスチェックの結果、産業医との面談内容などの労務情報を取り込んでオンライン上で一括管理することが可能。それらのデータを元に、どの従業員がどの程度の健康上のリスクを抱えているのかを可視化する。また、企業は法律で定められているストレスチェックをCarelyを通して実施することもできる。

それに加え、従業員がチャット形式で医師や保健師に直接相談できることもCarelyの特徴だ。現在、こういった相談に対応するCarelyのチャットチームは10名ほど。医療系の質問には医師や看護師などの有資格者が対応するが、フィットネス関連の質問には(必ずしも有資格者ではない)トレーナーなどが回答する場合もあるという。その中心メンバーはiCAREの社員であり、チャット対応も同社オフィスから行っている。

片岡氏は、「寄せられる相談の3割は(うつ病などの)メンタル系の内容だ。次に多いのが睡眠に関する相談で、なかには肩こりや腰痛の相談を頂くこともある」と話す。

Carelyの利用料金は従業員1人あたり月額300円。チャット機能はいらないからストレスチェックだけ実施したいという企業向けにはさらに低価格のライトプランもある。また、オプションとして、産業医紹介、健康診断代行、睡眠改善プログラムなども提供している。現在Carelyのユーザー企業数は80社(従業員総数1万5000人)だ。

iCAREは2011年6月の創業で、2016年3月には1億円の資金調達も実施している。