フランスの下院議会は、論争の的となっていた法案を可決した。法案はソーシャルネットワークとオンラインプラットフォームにおけるヘイトスピーチに対抗するものだ。
私が既に2019年に説明したように、これでオンラインプラットフォームは、フラグが立てられた反社会的なコンテンツを24時間以内に削除しなければならなくなる。さもなければ、この法律に違反したとして毎回多額の罰金を支払う必要が生じる。
反社会的なコンテンツとは、どんなものを指すのだろうか? 基本的にオフラインの世界で違反行為あるいは犯罪と見なされるものは、今やオンラインプラットフォームでも、反社会的なコンテンツと見なされることになる。特に殺害予告、差別、ホロコーストの否定といったものは、まっ先に挙げることができる。
最も極端なカテゴリーとして、テロリストによるコンテンツや児童ポルノについては、オンラインプラットフォームは1時間以内に対応しなければならない。
オンラインのヘイトスピーチが手に負えないものになってきている一方で、多くの人は、オンラインプラットフォームによるコンテンツの検閲が、あまりにも性急なのではないかと懸念を抱いている。そうした企業は罰金が科されるリスクを冒したくないので、法律に違反していないコンテンツでも、確信が持てないために削除する可能性がある。
基本的にオンラインプラットフォームは、自分自身を規制する必要がある。その上で政府は、彼らが適切な仕事をしているかどうかをチェックする。「銀行に対する規制機関と同じようなものです。彼らは、銀行が効率的なシステムを施設していることを確認し、そうしたシステムの運営を監査します。これについても同じように考えるべきでしょう」と、フランスのデジタル大臣であるCédric O(セドリック・オー)氏は2019年のインタビューで私に述べていた。
罰金には複数のレベルがある。最初は数十万ユーロ(数千万円)だが、悪質なケースの場合には、上限としてその会社の全世界の年間収益の4%に達する可能性もある。視聴覚最高評議会(CSA、Superior Council of the Audiovisual)が、こうした案件を担当する規制当局となる。
ドイツは既に同様の規制を採択しており、欧州連合レベルでの議論も続いている。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)