お笑いゲーム「Cards Against Humanity」が風刺サイト「ClickHole」を買収、なんと社員が筆頭株主に

Cards Against Humanity(人間性に反するカード)という名前のカードゲームを開発している同名の企業が、G/O Mediaから風刺サイトのClickHoleを買収した。

米国時間2月3日夜のBuzzFeed Newsの速報によると、ClickHoleの社員がサイトの過半数株主になる。Cards Against Humanityの創業者であるMax Temkin(マックス・テムキン)氏はBuzzFeedに「目標はClickHoleのチームに、自分たちが良いと信じたことをできる機会を与えること」と語っている。チームを今の5人よりも増やすためのリソースも与える。

テムキン氏は「彼らには、資金を与える。求められればアドバイザーになってもいい」と述べている。ClickHoleは2014年に風刺紙The Onion(ジ・オニオン)の一部として創刊され、BuzzFeedやUpworthyなどにあるバイラルなコンテンツ(読者のクリックを誘う記事)のパロディーに専念している。例えばUpworthyには、史上最も優れたダイエットガイドがある。

我々の仲間ClickHoleの幸運を祈り連帯を表明したい。これからは社員がメディアのオーナーになるべき時代だ。

The OnionはUnivisionに買収されたが、そこはほかにも、Gawker Mediaの刊行物をいくつか買収していた(Gawker本体を除く)。そしてそれらを、Gizmodo Media Groupというブランドにまとめていた。UnivisionはThe OnionとGizmodo Media Groupの2つのブランドをプライベート・エクイティ企業のGreat Hill Partnersに売り、後者は買収後の2ブランドをG/O Mediaという名前に変えた。GizmodoとOnionの頭字語だろう。

その後はまた波風があり、G/O Mediaの役員たちは政治サイトSplinterを閉鎖した。その前にはDeadspinの編集者とライターたちが大量退社して、サイトの新方針に抗議した。それは、多様な記事で人気のあったDeadspinをスポーツ専門にする、という新方針だった。Deadspinの読者吸引力が落ちたからではない。

現在、G/O MediaとCards Against Humanityの両方にコメントを求めている。昨夜の速報ニュースの前には、ClickHoleはその記事の一つで「うちのコンピューターがコオロギの大群にやられたのでClickHoleはしばらく待機モードに入る」と宣言した。

アップデート:テムキン氏から以下の声明が届いた。

ClickHoleには1つの世代に一度しか現れないようなお笑いの才能がたくさんいる。だから彼らに仕事のやり方を指示するようなことはしない。我々の目標は彼らにうちにあるクリエイティブツールを何でも提供することだ。

関連記事:Deadspin writers quit after being ordered to stick to sports(スポーツ専門への方針変えに抗議して多くのライターがDeadspinを去る、未訳)

画像クレジット: The Washington Post/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アメリカのパロディーニュースの老舗、Onionが釣りネタでトラフィックを集めるClickHoleをローンチ

大げさな釣りタイトルの記事、なんとか診断、トップなんとかのリスト等々で手段を選ばずトラフィックをかき集めたいと考えているなら良い知らせがある。パロディー・ニュース専門サイトのthe OnionがClickHoleという釣りネタでクリックを集めるとBuzzFeedスタイルのサイトをオープンした。ソーシャルメディアのユーザーはこういう記事を拡散することで労せずに大きな反響を得ることができるというわけだ。出だしはなかなか好調のようだ。

現在のトップ記事は「流砂に埋まっていないビヨンセの写真トップ16枚」というものだ。次には「映画の有名シーンはやらせだった・トップ5」(パルプ・フィクションの殺し屋ジュールスは実在しない。サミュエル・L・ジャクソンという俳優が演じていた)とか「誰も聞いたことがない権力者」(それはバラク・オバマという男だ)というような記事が続く。なんとか診断も用意されているが、神がかり的にバカバカしい。

しかしそのうち、「こういう記事をいくら読んでもどこがおかしいのかわからない人々がネットには大勢いる」ということに気づいて暗い気持ちになる。

ClickHoleの運営で最大のハードルはこういうバカバカしい記事を今後も大量に補給できるかどうかという点だろう。願わくばこのサイトが長続きしてFacebookのニュースフィードに笑い(と恥かき)の種を撒き続けんことを。

〔日本版〕the OnionThe Borowitz ReportThe Daily Currantはアメリカ版虚構新聞のトップ3。日本のソーシャル・メディアでもこれらのサイト発のネタ記事を真に受けた読者が拡散しているのを見かける。ご用心。アメリカのパロディーニュースはこちらにリストアップされているので参考になる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+