MicrosoftのSkypeが、企業にとってさらに使いやすくなった。木曜日(米国時間5/19)にMicrosoftが立ち上げた、同社提供のSkype for Business SDKは、iOSやAndroidのデベロッパーが自分のモバイルアプリにSkypeのメッセージングとオーディオ、ビデオ機能を実装できるためのSDKだ。これでアプリが簡単にコミュニケーション機能を持つようになり、デベロッパーはアプリ本来の機能の設計や実装に集中できる。
こういう、どんなアプリでも簡単にメッセージング機能を持てるというAPI的SDK的サービスは、本誌TechCrunch主催のDisruptコンペで優勝したLayerや、もっと最近ではチャットツールのSendbirdなどがある。Microsoftがねらうのは、主に大企業だ。
Skype for Business SDKをアプリに実装した企業は、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineなど、既存のインフラストラクチャを使い続けることができる。ただしその企業が自己サーバーの上にUnified Communicationsをデプロイしていたり、あるいはMicrosoftのクラウドのユーザーであるかぎり、だ。またSkype for Business SDKを採用した企業は、既存のネイティブクライアントを使って彼らの顧客と話すこともできる。
ただしこのSDKのプレビュー期間においては、“リモートアドバイザー”機能の利用に限定される。つまり、モバイルフォンやタブレットを使ってリモートの顧客と対話し、チャットや電話、ビデオチャットなどをやりたい企業、という意味だ。
実はこの機能は、Microsoftの今年のBuild 2016カンファレンスでデモされた。そのとき同社は、MDLIVEが作ったテレヘルス(telehealth, 遠隔医療)アプリを使った。そのアプリの中で医師たちは、ビデオチャットを利用して患者にケアのやり方を教えた。そのほか、診療記録や検査結果の共有、メッセージングを送る、などもデモされた。患者は医師とのチャットを予約し、約束の時間にリアルタイムでチャットできた。
相手がお医者さんなら、文字通り“リモートアドバイザー”だが、医療以外にも用途はある。たとえば金融アドバイザーやカスタマサービスなど、さまざまな企業アプリがありえるだろう。
Microsoftによると、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineのユーザーである企業は、このSDKを無料で利用できる。
SDKのダウンロードはここで。