エンタープライズセキュリティサービスのChronicleがGoogle Cloudに統合へ

米国時間6月27日のGoogle Cloudの発表によると、Googleの親会社Alphabetがそのムーンショットファクトリー(MoonshotFactory、未来的なプロジェクトのインキュベーター)Xで育成したエンタープライズセキュリティ企業であるChronicleがGoogle Cloudへ移行し、Googleのセキュリティ関連プロダクトの仲間に加わる。

Chronicleは2018年1月にXから正式にローンチし、Alphabet傘下の独立企業になった。それまでセキュリティ企業SymantecのCOOだったStephen Gillett氏が同社のCEOになった。

ChronicleをGoogle Cloudに置かずにスピンアウトさせたことは、いつも謎だ。おそらく同社のプロダクト、マルウェアとウィルスをスキャンするVirusTotalや、エンタープライズ向けセキュリティインテリジェンスとアナリティクスのプラットホームが独立企業に向いている、と判断されたのだろう。その時点でChronicleがマーケットでどうだったか、それはよく分からないが、Googleはクラウド事業の成長にフォーカスしているから、ChronicleのGoogle Cloudへの統合も論理的な流れかもしれない。

Google CloudのCEO Thomas Kurian氏はこう書いている。「Chronicleのプロダクトと技術チームはGoogle Cloudの提供物を補完する。ChronicleのマルウェアインテリジェンスサービスVirusTotalは、Google Cloudの提供物に通知される脅威データのプールをより強力に充実する。それにより、われわれのプラットホーム上で動くアプリケーションのサポートを、継続することになるだろう」。

彼によると、ChronicleとGoogle Cloudはすでに両者が同じ種類のソリューションへと収束していく過程にあった、という。ChronicleのセキュリティツールがGoogle Cloudに完全に統合されるのは、今年の秋の予定だ。

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(翻訳:iwatanI、(a.k.a. hiwa

SUSEがエンタープライズサービス好調で再び独立企業に

オープンソースのインフラストラクチャとアプリケーションデリバリサービスをエンタープライズに提供しているSuseは、もっとも初期のLinuxディストリビューションを作っていた企業の一つだ。その同社が3月15日、独立企業に戻ることを発表した。同社は、成長投資家(Growth Unvestor)EQTによる前のオーナーMicro Focusからの25億ドルの買収を完了したことを発表した。Micro Focusは、2014年にSuseを買収していた。

これほど何度もオーナーを変えて、しかも事業は一貫して健全という企業は珍しい。Suseは最初、2004年にNovellが買収し、そのNovellは2010年にAttachmateに買収され、それをMicro Focusが2014年に買収した。その後Micro FocusはSuseを独立の事業部にして、2018年半ばにEQTに売ることを発表した。

その買収の完了までにかなりの時間を要したが、その結果ついに、Suseは2004年以来久しぶりに、自分の足で立つことになった。

Micro Focusによると、同社がAttachmate Groupを23億5000万ドルで買収したときSuseはグループの総売上の20%を稼いでいた。しかしその後Suseは、オープンソースのレパートリーをCloud FoundryやOpenStack、そしてKubernetesなどにも広げ、オープンソースのインフラストラクチャやアプリケーションデリバリという、より有利なサービスを提供することにより、事業を拡大していった。

SuseのCEO Nils Brauckmann氏はトップの座に留まるが、一部の役員も刷新された。例えば、Suseの新たなCFOとして、Enrica Angelone氏が指名された。そしてCOOはSander Huyts氏、SuseのCTOだったThomas Di Giacomo氏はエンジニアリングとプロダクトとイノベーションを統轄する社長職になった。この三名の直属の上司がBrauckmann氏である。

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Brauckmann氏は今日の発表声明で次のように述べている。「弊社の本当にオープンなオープンソースソリューションと自由度の大きいビジネス実践方式、強制的なベンダーロックインがないこと、そして非凡で独特なサービスは、顧客とパートナーの企業にとってより重要であり、このたびの弊社の独立は、企業にとって最良のものを提供していく弊社の献身的なフォーカスをさらに研ぎ澄ますものである。弊社の、市場の需要に一貫して対応できる能力は、成功と勢いと成長のサイクルを作り出し、それによりSUSEは、顧客がデジタルトランスフォーメーションの目標を達成するために必要とするイノベーションを提供し続けることができ、顧客が自分自身の継続的イノベーションと競争力と成長のために必要とする、ハイブリッドとマルチクラウドのワークロード管理を実現する」。

IBMが最近340億ドルでRed Hat(レッドハット)を買収して以来、Suseの独立も今後どれぐらい長く続くのか疑問符もつく。オープンソースの市場は近年ますます、過熱する一方だから。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

森川社長が目指すT層/F1層特化型メディア「C CHANNEL」の未来とは?

LINEで代表取締役社長を務めていた森川 亮氏(写真右)が、2015年3月に同職を離れ、元日本テレビの三枝孝臣氏とともに同年4月から始めた女性向けの動画メディア「C CHANNEL」。スマホの縦型動画にいち早く目を付けたメディアで、現在では世界で600万ダウンロードを記録している。

C CHANNELの特徴は分散型のSNSになっている点。C CHANNELのコンテンツは同メディア上だけでなく、InstagramやLINE、YouTube、TikTok、Twitter、Facebookなどに発信することで合計2600万人以上のユーザーへリーチしているそうだ。C CHANNELのコアユーザーは18~34歳までの女性。現在は日本だけでなく、アジアを中心とした世界10カ国にサービスを展開している。

インフルエンサー(クリッパー)を自社で育成しているのも特徴。Instagramで100万人以上のフォロワーがいる韓国出身のテリも、同社所属のインフルエンサーだ。C CHANNELに動画を投稿できるクリッパーは1400人超が在籍しており、月間1500本以上の動画を投稿しているという。国内ではクリッパーと資生堂が組んでヘアチョークパレットを共同企画したり、同社がオンワードと組んで「TwoFaces」というアパレルブランドを展開したりとコマース事業にも進出している。海外では、タイの化粧品会社と共同で現地で人気のインフルエンサーを使ったコラボコスメを限定販売した実績もある。

さらにC CHANNELでは、コスメやファッション、ヘア、ネイルなど女性の関心が強いと思われる動画を、自社で月間500本以上を作成している。YouTube制作専門のチームが社内にあり、YouTube上のC CHANNELのチャンネル登録者数は39万人。同社が育成したインフルエンサーである「ひよん」「元美容部員 和田さん。」は、それぞれYouTube上で8.6万人、50万人を超えるチャンネル登録者数がいる。

森川社長が若年層の女性をメインターゲットに据える理由として「女子高生から社会人になりたての時期は、メイクやファッション、対人関係などに悩む時期。それぞれの方向性が固まっていないことが多いので、アドバイスや悩み相談などのコンテンツが必要なんです」とのこと。

同社が立ち上げたママ向けメディアの「mama+」も同様で「社会人にとしてキャリアを積んでいても女性は出産を機に新たに経験することが増え、さまざまな悩みが発生してくる。こういった需要に応えられるようにmama+を立ち上げた」そうだ。

C CHANNELはオンラインだけでなくオフラインのリアルイベントにも力を入れている。10月7日、8日の2日間、東京国際フォーラム(ホールE2)で開催された体験型フェス「Super! C CHANNEL 2018」には1万2000人が来場したほか、オンラインで25万人が視聴したという。「リアルイベントを開催することで、InstagramやTikTok、LINEなどを入り口としてC CHANNELのコンテンツに触れていたユーザーに、C CHANNELの認知度をさらに高めていきたい」と森川氏。

このフェスでは、同社所属のクリッパーが100均のコスメを使ったメイク方法や、DIYアクセサリーの作り方を披露。会場内に設営された、C CHANNELアプリ上でリアルタイムにショッピングできる「コマーススタジオ」でも、同社所属の人気クリッパーが商品を紹介した。オンラインとリアルイベントを活用し、広告・コマースの事業を拡大していく狙いだ。

そしてC Channel(サービス名はC CHANNEL)は10月30日、新COOとして渡邉康司氏(写真左)を迎えることになった。渡邉氏は大学卒業後に読売広告社に入社。2004年にZenithOptimediaへ移り、中国・北京オフィスでグループプランニングディレクターを務めた。2006年にはグループエム・ジャパン(旧名称・マイドシェア・ジャパン)に籍を移して、2009年には同社の代表取締役に就任した人物。「中国での事業や広告業界で得た知見を生かして、海外展開に力を入れるC Channelをさらにスケールさせたい」と渡邉氏。同氏は今後、広告・コマース事業を中心にC Channelの舵取りを担っていく予定だ。