新型コロナ後、スタートアップはどうやって職場復帰するかを米国で調査開始

世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの中で、スタートアップの働き方が将来どうなっていくかに関する総合的な調査を、英国の非営利団体であるFounders Forum(ファウンダーズ・フォーラム)が実施する。この研究は、多くの企業が長期にわたるオフィス閉鎖や「Work From Home(WFH、在宅勤務)」の方針を打ち出していることを受けて行われる。

同グループは、COVID-19 Workplace Survey(COVID-19職場調査)がスタートアップコミュニティーの今後の行動に役立つデータを提供することで、経営者は職場復帰戦略の重要な決定を下し、サービス提供者(アクセラレーター、コワーキングスペース、投資家など)は、「ポスト新型コロナ」世界のスタートアップを最大限支援できるために役立てることを期待している。

このプロジェクトはFounders Forum(ファウンダーズ・フォーラム)、Founders Factory(ファウンダーズ・ファクトリー)、およびfirstminute capital(ファーストミニット・キャピタル)の共同ファウンダー・エグゼクティブ・チェアマンであるBrent Hoberman(ブレント・ホバーマン)氏が設立した。

ホバーマン氏はTechCrunchのインタビューに対して「ファウンダーは職場復帰に関わる重要な決定を孤独に下さなくてはならない」と語っている。研究の目的は「早期ステージのスタートアップが、オフィススペースやリモートワークに関する戦略について現在実施している方策」を調査することだとホバーマン氏はいう。そしてこの調査結果は「ファウンダーと支援サービスを提供する人たちの両方に関して、スタートアップやその社員たちの置かれた状況を改善するために何ができるかを導いていく」と述べている。

COVID-19 Workplace Surveyでは、回答者が以下のような基本的質問に匿名で回答する。

  • スタートアップはオフィスを再開するのか?
  • しない場合は、いつ再開する予定か?
  • 英国政府が安全であることを通知したらすぐに?
  • 今年? 来年?
  • そのために講じる安全施策は?
  • それ以外に、COVID-19によってリモートワークポリシーに対する考え方がどう変わったか?

「ファウンダーには『他のファウンダーは職場戦略をどう変えているのか』の回答を知って欲しいと思っている」とホバーマン氏は説明した。

さらに同氏は、社員各個人のリモートワーク環境が今後のリモートワークポリシーに対する意見に影響を与えることをファウンダーは理解する必要がある、なぜなら万人向けのソリューションはないからだ、と付け加えた。「さまざまな層がどんなリモートワーク環境を望んでいるかを考えるべきだ」。

コワーキングスペースなどのサービス提供者も、ポストロックダウン環境でスタートアップがどんな作業場所を求めているか(フレキシブルなデスクスペース、共用ミーティングルームなど)を、研究結果から知ることができる

調査は10日間実施され、結果はTechCrunchで公表される。

画像クレジット:Amy Galbraith

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WeWork、Alexa for Businessのスタートに向けてビッグプランを準備中

Amazonは間もなくAlexa for Businessを発表する。コワーキングスペースの有力スタートアップ、WeWorkはAlexa for Businessプラットフォームの最初のパートナーの一つとなる。

WeWorkのビジョンは、新しいテクノロジーを最大限に活用して物理的な空間を共有して仕事をするコワーキングの生産性を全体として高めながら、利用者個々のニーズにも応えて容易に環境をカスタマイズできるようしていくというものだ。

コワーキングの巨人は1月ほど前からAlexa for Businessのベータ版をテストしてきた。チェルシーの会議スペースにはEchoが導入され、Alexa for Businessの各種のユースケースについてテストが行われている(現在このテストはWeWork自身の社員に限定されており、登録メンバーは利用できない)。

WeWorkのユーザーは‘ask WeWork’という新たなスキルが利用できる。これには会議スペースの予約、空室状況の確認、あるいは次の会議がいつから始まるか尋ねる、等の機能が含まれる。またスライドやビデオを投影するために照明をオン・オフしたりすることもAlexaに頼めるという。

WeWorkはまたAlexa for Businessをカスタマー・サポート・サービスのZendeskと統合している。ユーザーは会議室から音声で各種の問題をZendeskに報告することができる。

WeWorkのR&Dの責任者、Josh Emigによれば、「いちばん難しかったのはネットワーキングの処理や建物への物理的なインテグレーションよりも発言者が誰なのか特定することだったという。「今のところ、Alexaはここの部屋に関連づけられており、個人ではない。しかしAlexaが確実に個人を識別できるようになったら便利だろう。これを実現するためにわれわれは従来とは異なるアプローチを考えている」とEmigは述べている。

Alexa for BusinessとWeWorkの相性は非常に良さそうだ。WeWorkお本質は人々と物理的な場所の関係を調整しするために適切なインターフェイスを提供することだ。Alexaは現在そのインターフェイスとして最適なツールだろう。しかしもっと重要な点は、WeWorkはコワーキングスペースをメンバーにとって自宅のように親しみやすい場所にしたいと考えているところにある。

このビジョンでは、ロンドンであれロサンゼルスであれ、ユーザーがWeWorkのデスクの前に座ったときに、スマートフォンを軽くスワイプするだけで、自分の好みにカスタマイズした環境をすべて再現できるようにすることだ。これにはたとえばデスクや椅子の高さ、室温、照明といった物理的要素も含まれる。AlexaのiPhoneアプリを使えば、WeWorkはAlexa for Businessのインフラをスマートフォンから利用できる。つまりユーザーはデスクの上にEchoがなくてもスマートフォンからAlexaへの各種のリクエストができるようになるはずだ。【略】

現在Alexa for businessはChelsea HQのWeWork社員のみが利用できるが、間もなく各地域の本部ビルにも拡張される。その後、WeWorkのメンバー向けサービスがスタートする。

〔日本版〕WeWorkの日本進出についてのTechCrunch Japan記事。WeWorkがソフトバンクと合弁会社を設立、東京初のコワーキングスペースは2018年初めに開設予定

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+