HTCの「ブロックチェーン端末」は本物。年内発売へ

HTCはまだ消えていない。とはいうものの、今はこれまでになくそれに近い状態で、従業員数は全世界で5000人を切っている——2013年には1万9000人だった。しかし、こうした「市場競争や製品の多様化、価格、棚卸評価損」といったマイナス材料にもかかわらず、同社は前進を続けている。

同社の掲げる「スマートフォン端末のイノベーションのリーダー」いう主張には議論の余地があるとしても、この台湾メーカーは魅力的ギミックを作ることは避けて通ることがない。今年発表されたExodusがその期待に答えている。「世界初の本格的ブロックチェーン電話」は未だ謎に包まれているが、今週香港で行われたRISEカンファレンスで同社が重要の詳細を披露した。製品の最終調整をしながらも、人々の興味を引き続けなくてはならないからだ。

発表のなかでも目立ったのは、今年のQ3、といういかにも曖昧な発売日だ。とても具体的とは言えないが、それでもこの電話機を少しだけ現実のものにした。画像は上記の記者発表時のものからかわってない。

同社の最高暗号製品責任者による次の発言が、「本当に存在する」という立場を物語っている。

ニューインターネットエイジの人たちは、概して自分のデータに関してこれまで以上に敏感なので、今はユーザーにデジタルアイデンティティーの取得を推奨する絶好の機会だ。Exodusは良い出発点だと思う。なぜなら、携帯電話は最もパーソルなデバイスであるとともに、ユーザーのすべてのデータの源だからだ。このツールがインターネットを分散化して、現代人向けに再構成する機会をもたらすことを期待している。

今回の発表に先立ち、同社は人気ブロックチェーンゲームのCryptoKittesと提携している。このゲームはU12+をはじめとする同社のごく一部の端末で利用できる。「これはユニークなデジタルグッズを作るクリエイターたちのためのプラットフォームと配信チャンネルを作る大きな一歩だ」と同社がリリースに書いた。「モバイルは人類の歴史上もっとも普及した端末であり、デジタル資産やアプリを届けるためにもモバイルが配信の中心となる必要がある。Cryptokittiesとの提携は、代替の効かない収集物のマーケットプレースと、暗号ゲームアプリストアの始まりだ」。

もしHTCが、会社を立て直すための次期主力製品を探しているのであれば、これは断じてそれとは違う。それでも、暗号通貨分野に大きく投資をした人たちが興味をもつだけの魅力はあるだろう。

HTCは「数ヶ月以内に」端末の詳細情報を提供すると約束した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CryptoKitties、1200万ドルを調達してスピンアウト―Andreessen Horowitz他が大人気の暗号化ゲームに投資

バーチャル世界でブロックチェーン・テクノロジーを用いてネコを集めるゲーム、CryptoKittiesがバイラルな旋風を巻き起こしていることを報じたが、同社が1200万ドルの資金調達に成功していることが判明した。これによりCryptoKittiesはAxiom Zenからスピンアウトして独自の企業となる。ゲームを開発したAxiom Zenはバンクーバーとサンフランシスコにオフィスを持つデザインスタジオだ。

資金調達ラウンドはAndreessen HorowitzとUnion Square Venturesがリードした。両社はCoinbaseのような急速に成長しつつある暗号通貨スタートアップを支援することで注目をあつめている。またラウンドにはNaval Ravikant(AngelListのCEO、ファウンダー)、Mark Pincus(Zyngaのファウンダー)、Fred Ehrsam(Coinbaseのファウンダー)など多数の著名なエンジェル投資家が参加している。

簡単にいえば、CryptoKittiesとはポケモンカードのような仕組みでネコを集めるゲームだ。Ethereumブロックチェーンを利用しているため、それぞれのネコは「世界でそれ一匹」というユニークさを備える。いわばビーニーベイビーズのデジタル版だ。ユーザーはバーチャル・ネコを購入するために大金を投じている。もっとも人気の高いネコは10万ドルを集めたという。

同社は将来の計画について明らかにすることを避けているため、調達した資金を何に使うのかも今のところ不明だが、プロダクトをバーチャル・ネコ以外のグッズの収集に拡大するつもりなのは間違いない。この場合にもEthereum ERC-721コレクティブル規格が利用されるだろう。同社のゲームは暗号通貨に詳しくない一般ユーザーでもプレイしやすいことが特長だ。

Union Square VenturesのFred WilsonはCryptokittiesに投資した狙いを説明し「ブロックチェーン・テクノロジーの各種の応用の中でもデジタル・コレクティブル・ゲームはきわめて重要な分野だと考えている。このテクノロジーが普及しつつあることで以前は不可能だった数々の機能が実現した。われわれはデジタル・コレクティブル・ゲームは、ブロックチェーンのマスマーケットへの適用として、唯一ではないにせよ最初の大型プロダクトの一つになると考えている」と述べた

CryptoKittiesについては冒頭のリンク先のTechCrunchのこの記事が詳しく紹介している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+