企業の財務計画と分析業務に特化したツールを開発するCubeが総額5億円超を調達

米国時間8月13日朝、Cubeは総額500万ドル(約5億3300万円)強のシードラウンドを終えたことを発表した。同社は財務計画と分析(FP&A)業務に特化したツールを開発しているスタートアップで、先日380万ドルを調達し、残りの125万ドルは以前のプレシードラウンドで調達した。

CubeのCEO兼創業者であるChristina Ross(クリスティーナ・ロス)氏はTechCrunchに「最新の資金調達を3月に開始し、数週間以内にタームシート(融資金額、金利等、前提条件、期限前弁済、表明保証などが記載された書類)を数枚作成した」と語った。最終的にはBonfire VenturesのBrett Queener(ブレット・クイーン)氏を投資ラウンドのリーダーとなり、Operator Collective、Clocktower Technology Ventures、Alumni Ventures Group、Techstarsなどが参加した。

FP&Aとは何か、そしてなぜCubeはこれほどまでに多くの関心を持つ投資家を引きつけているのか。その両方について解説していこう。

スプレッドシートを攻める

古くからのスタートアップの名言がある。起業の種を見つけるなら大企業に行くべきだ。企業内をくまなく歩き回ってどの部署がまだスプレッドシートを使っているかを調べ、それに代わるものを構築すればいい。ロス氏はCubeで同様のことを実践している。

ロス氏はインタビューの中で、GE、Deloitte(デロイト)で財務の仕事をしていたこと、アパレルレンタルのRent The Runwayでは従業員34人で最初の財務部長を務めたこと、デジタル広告のCriteoでは北米の財務部長を務めたこと。そして最後にビデオ広告会社のEyeviewではCFOを務めたことなど職務経験を詳しく語っている。同氏は、成長する企業の資金源を管理・追跡し、将来の計画を立てるのを支援してきた。

業界用語で言えば、FP&Aというビジネスプロセスに多くの時間を費やしてきた同氏は「FP&Aは旧式のスプレッドシートでの業務がまだ多すぎるというビジネス」とのこと。

そこでCubeの出番となる。ロス氏は、CFOの業務の多くはCarta、Bill.com、Expensify、その他のツールで自動化されつつあるが、FP&Aはまだそのような恩恵を受けていないと説明する。

Cubeが提供するのは、Quickbooksのような総勘定元帳、SalesforceのようなCRM、ADPなど人事管理システムからの情報を1つのリポジトリに収集することだ。そこから企業のFP&A担当者は、Cube独自の可視化ツール、スプレッドシート、またはウェブインタフェースを使用して、データを管理できるほか、ソートして表示方法を変えられる。

自分好みの方法で情報を参照できるようになれば、FP&Aの本当の仕事、つまり未来のスケッチに取り掛かることができる。そのスケッチは何に役立つのか?具体的には、企業のリーダーに損益予測やその他の業務内容を提供できるようになる。ロス氏の考えではFP&Aは非常にシンプルだ。数字させ片付ければ、過去の物語を語り、与えられた企業の未来の物語を書くことができる。

このようなFP&Aの問題を解決する同社のサービスの料金は月額850ドル(約9万円)からで、スタートアップ企業向けの割引も予定している。Cubeは、優れたメモ作成アプリを作ろうとしているのではなく、企業の財務面を支援するツールを提供したいと考えている。同社のサービスは企業の支出と資金に密接にかかわることになる。ミッションクリティカルではないSaaS製品よりもランニングコストはかかるが、サービス内容を考えると妥当な価格設定だ。

ビジネス上の重要性とその価格設定が、Cubeが新型コロナウイルスの感染蔓延の最中でも資金調達に苦労しなかった理由の1つだと推測される。ニューヨーク市を拠点とする同社は資金調達サイクルを終了したため、来年にはスタッフの規模を3倍にする予定だ。

Cubeのソフトウェアはいまの私が使うものではない、しかし、私が会計・財務機能が成熟し始めた頃にスタートアップで働いていたころは、数字を並べていくだけでも大変だし、決算書を完璧にそろえて、細かい活字から目を上げて地平線を少し眺めるだけでも大変だった記憶がある。もしCubeが多くの企業のFP&A業務を助けることができれば、かなりの効率化が図れるだろう。

今後、Cubeが成長していけば追って記事を書くつもりだ。

画像クレジット:Jackie Niam / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

この立方体ロボットは、バネ仕掛けの「舌」を使って坂を登る

自分が弱々しい立方体になったところを想像してほしい。そして坂を登らなくてはならなくなったら。どうするか? もちろん、舌を使う。

MITのCSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)の研究者たちは、金属製の舌を使って地面を這い回って進むことのできる小さな立方体ロボットを作った。舌は軸に沿って回転して短時間突き出し、瞬間的にロボットを宇宙空間へ飛ばして障害物を乗り越える。彼らはこれを“A Soft Cube Capable of Controllable Continuous Jumping”[制御可能な連続跳躍能力を有する柔軟立方体]と呼んでいるが、私はむしろ“Little Tongue Softy”[ベロ出しやわらか小憎]と呼びたい。

立方体にはカメラやセンサー等の興味深い装備が可能で、部屋に入ってひとっ走りしてからさほど苦労もなく戻ってこられる。楽しい小さなシステムで、円筒形や球体でなく立方体というのが実にユニークだ。

via Spectrum

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook