グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

グローバル・ブレイン三菱電機は1月13日、運用総額50億円のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」(MEイノベーション投資事業有限責任組合)を設立したと発表した。ファンド規模は50億円。投資対象は、デジタルおよびグリーンイノベーション領域を中心に同社との協業の可能性を有する国内外のスタートアップ。

グローバル・ブレインと三菱電機は、同ファンドを通じて、革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外の有望なスタートアップ企業の成長支援を行うとともに、三菱電機とのオープンイノベーションも加速させることで、事業モデルの変革や新規事業の創出を目指す。

またグローバル・ブレインは、同ファンドの運営において、有望なスタートアップ企業の発掘や投資判断、投資先スタートアップ企業に対する多面的な経営支援、IPO支援などを行う。これにより、投資先である有望なスタートアップ企業の飛躍的成長の実現を目指す。グローバル・ブレインと三菱電機が共同で50億円規模のCVCファンド「MEイノベーションファンド」設立

スタートアップ向け株主総会電子化ツールや投資家向け未上場株式管理クラウドのケップルが約4.7億円を調達

スタートアップ向け株主総会電子化ツールや投資家向け未上場株式管理クラウドのケップルが約4.7億円を調達

起業家と投資家を支援し「世界に新たな産業を創造する」を理念に、VC・事業会社向け未上場株式管理クラウド「FUNDBOARD」、スタートアップ・中小企業向け株主総会電子化ツール「株主総会クラウド」などを提供するケップルは7月14日、第三者割当増資による約4億7000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先には、SuMi TRUSTイノベーションファンド(三井住友信託銀行CVC)をリード投資家に、SBIインベストメント、SMBCベンチャーキャピタル、ストライク、辻・本郷ビジネスコンサルティングが参加している。

ケップルは、FUNDBOARD、株主総会クラウドの他に、スタートアップの適正な企業価値の算定やファンドの決算を支援するサービス、CVCの立ち上げ・運営の支援なども行っている。2018年12月には日本経済新聞社と資本業務提携を結び、共同でスタートアップのデータベースを運営。2021年1月には、三井住友信託銀行と資本業務提携を結び、同行のノウハウやネットワークを活かした企業のオープンイノベーション支援を行ってきた。

今回調達した資金は、既存事業の拡大と新規事業の創出に使われる。

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学研が30億円規模のCVC投資プロジェクト発表、EdTech・Care Techスタートアップとの協創目指す

学研が30億円規模のCVC投資プロジェクト発表、EdTech・Care Techスタートアップとの協創目指す

学研ホールディングスは1月13日、EdTech/Care Tech領域を中心に、国内外の教育・介護市場のイノベーションを目的とした投資活動、「Gakken Innovation-Tech Fund(Gakken Capital)」プロジェクト(仮称)を開始すると発表した。

同投資プロジェクトは、同社グループの「新規事業の創出」「協業・オープンイノベーション」「既存事業の成長・変革」が主たる狙い。投資対象の中心は、EdTech/Care Tech領域で事業展開をしている国内外のスタートアップ企業。2025年までに総額30億円規模の投資実行を予定している。

  • 名称:「Gakken Innovation-Tech Fund(Gakken Capital)」プロジェクト(仮称)
  • プロジェクト主体:学研ホールディングス 投資検討チーム。会計財務、経営戦略、デジタルを主管する社内戦略部門とCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)関連の知見・経験を有する外部専門家で構成
  • 投資対象:Ed-Tech/Care-Tech領域の魅力あるサービス・顧客基盤・技術などの特徴を有するスタートアップ企業。「学研グループ」および「学研グループが提携・協業する企業」との技術・販売・人材などの事業/経営シナジーが期待されるスタートアップ企業。学研グループの事業拡張において重要となるDX推進に関連するITサービス・システムの企画・開発力などを有するスタートアップ企業
  • 投資の形態・投資方針:ミドルステージからレイターステージを中心としつつ、高い事業シナジーが見込まれる場合はシードステージからプレシリーズAも想定。案件の発掘、投資対象の企業価値・リスク調査、投資先の決定、投資先のモニタリング・バリューアップ、エグジットなど一連の投資プロセスを外部専門家との協働体制で推進しつつ、投資形態としては同社からの直接投資を想定。マイナー投資を中心に想定しつつも、事業戦略上の必要性に応じて過半数以上のマジョリティ投資も検討。

学研グループは、創業者・古岡秀人の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」という信念のもと、1946年の創業以来70余年にわたり、日本の教育を支えてきた。そして、これまで培った知見をもとに、現在「教育」と「医療福祉」の2事業を中心に、顧客が主役のモノづくり、コトづくりを推進している。

近年、「教育」「医療福祉」を含めた様々な業界において、IoT、ロボテックス、AI、VR/ARなどのデジタルテクノロジーの発展によって、既存業界の常識を根底から覆すような「破壊的イノベーション」が頻発していると指摘。さらに新型コロナウイルスによって、世界中の人々の働き方・生き方などの大変革が急加速したとしている。

これら急激かつ非連続的な顧客・市場の変化に対しては、迅速に「変化対応」(継続的イノベーション)するだけでなく、自らの意思で「変化創出」(破壊的イノベーション)をしかけなければならないという。

変化を迅速に事業機会に転じるには、同社グループ自体が顧客・市場の変化に合わせた変革を進めなければならないものの、同社単独で対応するだけでは十分ではないとしている。

そこで同社は、異なる顧客・技術・サービス・人材などの資産を有するスタートアップ企業との(資本を絡めた)深い協働によって、様々なシナジーを貪欲に追求。波及効果として、同社グループの組織・人事・企業風土をより時代にあったものにアップデートすることも狙う。

有望なスタートアップ企業に対する一連の投資(検討)プロセスを通じて、イノベーティブな各企業の資産と、同社が強みを有する資産とを融合させ、教育と医療福祉における国内外の社会課題の解決に貢献していく。

先行きの見えない環境下においても、危機を機会に転じ、さらなる顧客価値を創出し続けて、同社グループが掲げるグループビジョン「想像の先を、創造する」を体現する。

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スタートアップ経営者のためのCVCタイプ別アプローチ・交渉ガイド

編集部注:本稿はスコット・オーン氏とビル・グローニー氏による寄稿記事である。スコット・オーン氏は、スタートアップCFOへのコンサルティングサービスで急成長を遂げているKruze Consulting(クルズコンサルティング)のCOO。ビル・グローニー氏は、Goodwin’s Technology & Life Sciences(グッドウィンテクノロジーアンドライフサイエンス)グループのパートナーだ。

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いま、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が熱い。CVCによる投資額は2018年だけで500億ドル(約5兆4000億円)を上回った。Corporate Venturing Research Data(コーポレートベンチャーリングリサーチデータ)によると、CVCによる投資額は2013年から2018年の間に400%増という驚異的な拡大を記録した。現在、アクティブなCVC投資会社が100件以上あるが、一部の情報筋によると、ベンチャー企業への投資ラウンド全体の約半分に戦略的投資家が関わっているという。

CVCが急拡大した背景には2つの要素がある。1つ目は、テクノロジー業界の発展スピードが加速しており、市場ニーズに応えるにはより迅速なイノベーションが必要だと大企業が考えていること、2つ目は、従来型のVCファンド投資による事業拡大以上の価値を求めてCVCによる投資を希望するスタートアップ創業者の数が増えていることである。

Kruze Consulting(クルズコンサルティング)Goodwin(グッドウィン)は、CVCからの出資を含め、数百社のスタートアップの資金調達を支援してきた。両社およびそのトップには、資金調達時およびその後の段階にいる創業者へのコンサルティング業務において数十年の実績がある。

スタートアップがCVCとの取引を首尾よく行うための一助になればと、ここに「CVCアプローチ・交渉ガイド」を作成した。この記事では、CVCのタイプと、タイプ別の最適なアプローチ方法、交渉初期の段階で創業者が留意すべき点について紹介する。

3タイプのCVC

CVCは大きく3つのカテゴリに分けられる:

1. ベンチャー機関投資プラットフォームの大企業版。この「機関型(Institutional)」CVCは、親会社の戦略的資産を活用してポートフォリオと実利益を拡大することを目的とする。Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)を親会社とするCVC、SE Ventures(SEベンチャーズ)のジェネラルパートナーであるGran Allen(グラン・アレン)氏は「このタイプのCVCは財務リターンを第一に追求するVCとよく似ているが、異なる点は、大企業が親会社としてバックにいることと、実際のチャネル収益獲得へのチャンスが開かれることだ」と語る。

2. 「戦略型(Strategic)」CVCは財務リターンだけではなく、価値あるイノベーションの実現を目指す。このタイプのCVCは、外部に投資することによって、最先端の情報を収集し、親会社に利益をもたらす可能性がある新たなテクノロジーについて学びたいと考えている。もちろん財務リターンを重視する場合もあるが、ROIに対する考え方は従来の投資家とは少し異なる。

3. いわゆる「ツーリスト型(Tourist)」CVCは、設立されたばかりで比較的経験が浅いCVC。ベンチャー投資の経験はほとんどなく、プロセスや投資案件フロー戦略が確立されていない。

CVCの世界では、専門化が進むにつれて1つ目の「機関型」に当てはまるCVCが増えている。CVCからの資金調達を検討している起業家にとって、「機関型」あるいは「戦略型」のCVCは多大な価値を提供してくれる可能性がある投資家である。ただし、スタートアップは、アプローチするCVCがどのタイプであるかを認識し、CVCの目指すものや強みに沿った明確な目的を持ってCVCとの面会に臨むことが重要だ。

アプローチするCVCがどのタイプかを見きわめる

CVCとの関係を築き始める前、さらに言えば、見込み投資家と接触する前はいつでも、最も重要なステップとなるのは事前リサーチである。面会するCVC側担当者は誰か。相手の背景や現在所属するCVCでの投資実績はどのようなものか。こうした点は、CVCとの最初の面会に臨む前に必ず押さえておきたい。

交渉の初期段階に入ったら、CVC側担当者に、出資金を親会社の指示の下に運用しているのか、それともCVCとして自律的に投資決定ができるのかを尋ねてみよう。その答えによって、機関型CVCであるか戦略型CVCであるかが判断できる。

前述のアレン氏は「大企業がバックにいるベンチャーファンドの場合、どのようなファンドであるかを事前に確認しておくことは非常に需要だ。いわゆるCVCと呼ばれる非従来型の投資家であればどこでもやみくもにアプローチするのは危険だ。他と比べてはるかに厳密な財務リターンを求めるところもある。ほとんどのCVCはある程度の戦略リターン目標を設定しているが、財務リターンを目的とする投資を増やしているCVCも多い」と語る。

次に、アプローチするCVCが「財務リターンを第一とするCVCか、戦略リターンを第一とするCVCか」という点を考える必要がある。創業者として、面会しているCVCが、「優秀な人材、巨大なマーケット、わが社の投資資金と人脈を駆使する機会を発掘して、ビジネスを最大限に発展させたい」という目線で案件を見る投資家なのか、それとも「親会社が活用できる、あるいは親会社が新たな市場やテクノロジーに参入するのを助けるような、ソリューション、プロダクト、プラットフォームを探している」という目線で案件を見る投資家なのかを見きわめる必要がある。

ここでも、アプローチしているCVCのタイプを判別するには、的確な質問をすることが必要だ。最初の面会では、投資プロセスや実際の投資方法、さらに、投資審査案件について戦略的事業部門の賛同が必要かどうかを尋ねる。その答えから、CVCがグループ1の機関型かグループ2の戦略型かを判断でき、そのCVCが出資者として適切かどうかについて、より優れた決定ができる。

「創業者のビジネスを理解してくれる人、創業者に実際に会って、単に出資すること以上の価値を見いだして関係を築こうとしてくれる投資家を探すことだ。現在のベンチャー市場を見ると、創業者は資金と価値の両方を求める傾向がある。貴重な経験をシェアしてくれるCVC、同様の事業領域で実際に投資案件を扱ったことがあるCVC、または価値ある知見や経験を提供してくれるCVCを選ぶとよい」とComcast Ventures(コムキャストベンチャーズ)のマネージングディレクターRick Prostko(リック・プロストコ)氏は言う。

CVCとの取引を進める前に留意すべきこと

創業者として最初の段階ですべきことを終え、CVCとの関係を築き、自社のビジネスに最適な投資者となるCVCを決めたら、次の段階に進む前に留意しておくべき重要な事柄がある。次にその点について説明しよう。

プロダクトや技術面に関するより詳細な審査に対する用意をする。CVCは技術、プロダクト、マーケットに関する社内の専門家と一緒にこのデューデリジェンスを行うことがある。そのため、プロダクトに関する審査は、従来のVCよりも厳しくなる傾向が強い。その道のプロによる鋭い指摘を受けることを覚悟しておこう。裏を返せば、この審査プロセスのおかげで、CVCの親会社内に顧客やパートナーが見つかる可能性がある。ぜひ自社にとってプラスになるようにこの機会を活用しよう。

自社の機密情報を大企業に開示するという点に留意する。「どのCVCも、評判の重要性を理解している。そのため、機密情報を悪用するCVCはめったにない。そんなことをすれば、たちまち悪い評判が広まってしまうからだ」とTouchdown Ventures(タッチダウンベンチャーズ)のEric Budin(エリック・ブディン)氏は語る。

とはいえ、創業者としては、何を開示するかについて慎重かつ戦略的に熟考すべきであり、財務・技術に関する情報や競争力のある情報をCVCに提供する前に、CVCが自社への投資に本当に関心を持っているかを見きわめなければならない。CVCの親会社内の事業部門が、創業者がCVCに開示した情報を見て不当に利益を得る可能性もあれば、CVCを利用して競争に有利な情報を得ようとする可能性もある。

一方で、自社の情報を開示することで、CVCの親会社内のチームとつながるまたとない機会が開かれるかもしれない。重要なのは、開示を求められている情報は何か、誰に開示するのかという点を注意深く検討し、デューデリジェンス開始前に、開示情報に関する基本ルールをCVCとの間で決めておくことだ。

「CVCの組織構造と開示情報の扱い方を理解しておくことは重要だ。創業者のビジネスについて知ることから恩恵を受けるCVC親会社内の事業部門とつながることが、創業者にとっても有利に働く場合がある。裏を返せば、CVCが競合他社となる可能性がある場合は、慎重に情報開示をする必要があるということだ」とプロストコ氏は語る。

CVC側の組織変更によるリスクが存在する。大企業には、何というか、大企業ならではの動き方がある。人は去り、役員は変わり、会社としての優先順位も変化する。投資案件を担当する事業マネージャーがその職を去った場合は誰が同案件をサポートするのか、CVCのトップが解雇された場合にCVC自体はどうなるのか、投資案件を進める担当者が離職した場合、CVCはそれまでと同様の割合で出資を継続してくれるのか、進行中の営利取引案件がある場合はどうなるのか、といった点については最初に確認しておこう。CVCと取引を始める前に、CVC社内のダイナミクスについて詳しく理解しておくことが重要だ。

「一般的に、成功している企業ほど、そのCVCも息が長い。CVC側担当者の会社における経歴、勤続年数、ファンドからファンドへ渡り歩いた経験があるかどうかを必ず確認すること。もし投資担当者が親会社という『母艦』から出向してきたような人で、ベンチャー投資に関する信頼できる実績がないなら、創業者は用心すべきだ」とアレン氏は言う。

CVCには順守すべき規制があることが多い。業界にもよるが、政府が定める規制が投資案件の仕組みに影響を及ぼす場合がある。例えば銀行は、所有できる議決権株式の割合を制限する規制に従わなければならない。外国資本の投資家は、対象となるテクノロジーを提供している企業に投資する場合、CFIUS規制を順守する必要がある。一般的に、どのCVCも順守すべき規制が何かは理解しているが、プロセスがだいぶ進んだところではじめてその話題を持ち出すことがあり、その後の進行を遅らせる原因となる場合がある。

親会社の投資部門であるCVCとの営利取引は交渉を遅らせる原因になる場合がある。純粋に戦略型(グループ2)のCVCは、ベンチャー投資取引の成立と同時に営利取引も成立させたがることが多い。そのような取引は資金調達プロセスより長い時間がかかる傾向があり、そのラウンドにおいてCVCが(単独ではない)メイン投資家である場合に問題になることがある。グループ2の戦略型CVCと取引する際は、投資取引と営利取引を切り離して、営利取引の前に投資取引を締結させることができるかどうか、CVCと事前に協議しておこう。

CVC投資に対する相応しいマインドセットとは

CVCはスタートアップに豊富な資金、人材、企業間のパートナー関係を提供してくれる。しかし、創業者は、CVCから出資を受けるかどうかに関わりなく、同じ領域あるいは少しでも関係がある領域の事業を運営しているCVCにアプローチしてみるだけでもメリットが得られる。CVCとの最初の面会では、創業者は自社のビジネスを宣伝できるし、CVCはプロダクトやチームを吟味でき、その案件に関するいくらかの知見も得られる。これは創業者にとって、またとない最高の営業チャンスとなる。CVCにアプローチしなければ、このような機会にこぎつけるまでに数か月あるいは数年かかるだろう。

「CVCから『投資はできない』と言われたとしても、この最初の面会がきっかけで良好なビジネス関係が構築され、それが近い将来に商機へと変わる可能性もある」とプロストコ氏は語る。

一方で、CVC投資会社へのアプローチについて「財務リターンを追求するVCからは資金を調達できなかったから、次の選択肢としてCVCを試してみよう。CVCの方が『イエス』と言ってくれる、あるいは、より好条件を提供してくれるだろうから」と考えているなら、それは間違っている。このような態度ではチャンスの扉は閉ざされ、ビジネスの戦略的な成長に必要な価値あるパートナー、資本、機会から切り離されてしまうだろう。

パートナーを選ぶ過程で何よりも重要なのは継続的な情報収集である。結局のところ、創業者として自社のビジネスに最適な投資パートナーを選ぶ責任は創業者自身にある。

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Category:VC / エンジェル

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(翻訳:Dragonfly)