TechCrunch Disrupt:Siriの共同ファウンダーが音声認識で会話する次世代AI、Vivアプリをデモ

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自然言語の音声認識をベースにした人工知能インターフェイスの有用性はコンピューティングにおける新たなパラダイムシフトを起こしつつある。

今日(米国時間5/9)、ブルックリンで開幕したTechCrunch Disrupt NYのステージで、Siriの共同ファウンダー、元CEOのDag Kittlausが新しい人工知能プラットフォーム、Vivで開発されたアプリを初めて公開デモした。Kittlausによれば、Vivは「すべてに対応する知的インターフェイス( intelligent interface for everything)」だという。

VivのデモでKittlausは事実、「パラダイム」という言葉を少なくとも10回は使った。Kittlausは次世代のコンピューティングについても触れ、Vivが「さまざまな対象にいわば命を吹き込み、人間との会話を可能にするだろう」というビジョンを述べた。

目を皿のようにした大観衆の前だったにもかかわらず、ライブのデモは目立った齟齬もなくスームズに進んだ。

Kittlausはまず「今日の天気はどうなるだろう?」という質問からデモを始めた。そこから話題はVivがいかに複雑な問題に取り組まねばならなかったが説明された。

「ゴールデンゲートブリッジ付近で、明後日の午後5時以降、華氏70度(21℃)以上になるだろうか?」とKittlausはステージ上でVivに尋ねた。

Vivはこの質問に難なく答え、これに続く奇妙なほど詳細な質問にも適切に対応した。

Dag Kittlaus of Viv

このレクチャーで明らかになったVivの強みの一つはサードパーティーを歓迎するオープンな姿勢だ。Vivはデベロッパーがアプリを開発する際に組み込まれるバーチャル・アシスタントのプラットフォームだ。デモでKittlausはVivに友達に20ドル支払うよう命じた。するとVivは提携アプリのVenmoを立ち上げ、「支払」ボタンが表示された。あとは1回タップするばかりとなった。

Kittlausは「サードパーティーのエコシステム」がVivにとって決定的に重要であることを強調した。KittlausはVivが将来、「ユーザーにとって普遍的なリソース」となることを期待している。

Vivの特長の一つは「質問の積み重ねが可能」な点だ。Siriは一つ質問に答えられても、その後は何を質問されたか忘れてしまう。これに対してVivはある質問に答えた後でも何を質問されたか覚えており、最初の質問をフォローする質問を受けた場合もよどみなく適切に反応する。

TechCrunchの編集長、Matthew Panzarinoの壇上での質問に答えてKittlausは他のAIアシスタントとVivとの差異を詳しく語った。

それによると、Vivの強みの秘密は「ダイナミックなプログラム生成」にあるという。固定したプログラムにもとづいて固定した反応を返すのではなく、VivのAIは質問を理解するとそれに適切に答えるためのプログラムを動的に生成する。

Kittlauは「プログラマー側で処理コードを1行ずつ書く必要なしに、Vivは尋ねられたことに答えるための処理を行うプログラムを自ら書く。Vivの最大のメリリットはアプリのプログラマーが〔AIの詳細に立ち入らずに〕どんな反応が必要かさえわかっていればいいという点だ」と述べた。

デモを見ているうちに、必然的にSiriとの比較が頭に浮かんだ。Siriはデビュー当初、画期的な進歩だと賞賛されたものの、次第に欠点も浮き彫りになっていった。現在、Siriについて「日常の情報源として利用するには信頼性が不足している」という批判が強まっている。

この状況は、SRIで開発された人工知能テクノロジーを2007年にSiriとして実用化したのがほかならぬKittlausのチームだったという点で皮肉だ。Siriが発表されたとき、Kttlausが用いた表現は、Vivの将来を描写した表現とよく似ている。Siriは当初オープン・コンピューティングをサポートするとしており、リリース時点で45種類のサードパーティーのサービスをサポートしていた。しかしSiriはその後すぐ、2010年に2億ドルでAppleに買収され、iOS専用のアシスタントとなり、サードパーティーのサポートはすべて打ち切られた。

Vivの開発はこの4年間、どちらかというとステルス的に行われてきた。Vivは昨年、Iconiq Capitalから1250万ドルを調達したが、Forbesの記事によれば、それ以外にもFacebookのマーク・ザッカーバーグやダスティン・モスコヴィッツ、シェリル・サンドバーグ、Twitterのジャック・ドーシー、LinkedInのリード・ホフマンらに支援されているという。

Q&Aセッションでは聴衆からWashington Postが報じたようなFacebookやGoogleによるVivの買収の可能性に関する質問が出た。これに対してKittlausは「そういう噂があるようだ。誰でも記事を読むことはできる」と受け流した。

この質問はVivにしたほうがよかったかもしれない。

聴衆からはVivが広く利用可能になるのはいつかという質問が多数出たが、Kittlausは特定の日時を明かすことを避けた。ただし「最初の提携アプリは今年後半には登場するだろう」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Siriの共同ファウンダー、Dag Kittlaus、次世代AIのVivアプリを来週のTechCrunch Disruptでデモ

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Siriは世界中の何億というAppleユーザーに使われているが、この遍在的ソフトウェアを開発したのはほんの小人数のチームだということはあまり知られていない。Siriの共同ファウンダー、元CEOのDag Kittlausはその1人だ。

現在Dagのチームは新しい人工知能プラットフォームVivを開発中で、Dagは来週のTechCrunch DisruptでVivを利用して開発されたアプリをデモする。

Dagは同じく元SiriのAdam Cheyer、Chris Brighamと共にVivの共同ファウンダーであり、現在同社のCEOを務めている。Siriのテクノロジーは最初にSRIで開発され、2007年にDagらがこのテクノロジーを利用するビジネスをスタートさせた。

Siriは当初App Storeに登録されたアプリだった。2010年にAppleはSiriを買収し、DagはiPhoneアプリ担当副社長としてSiri及び音声認識テクノロジーの開発チームを指揮した。2012年にDagはAppleを去り、さらに高度な人工知能プラットフォームを目指すVivを起業した。

Dagは来週ニューヨークで開催されるDisrupt NY 2016で人工知能の将来について講演すると同時に世界最初のVivアプリをデモしてくれることになった。

Vivプラットフォームはまだ正式にリリースされていないが、その目的は「どんなことについても自然に会話できる」ような人工知能をデベロッパーがアプリに簡単に組み込めるようにするプラットフォームの開発だ。 DagはAppleを離れた直後に、TechCrunchにSiriはほんの手始めにすぎないという記事を書いて Vivを予告した。Dagは人工に知能についてカンブリア期の生物進化の爆発のテクノロジー版が起きるという記事も寄稿している。

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Dagはモバイル・ビジネスに長い経験がある。VivとSiri以前にはTelenor MobileとMotorolaで幹部を務め、Motorolaでは人工知能インターフェイスを開発するInteractive Media Groupを創立した。VivはAIシステムが新しいタスクを実行するためには自らコードを書く機能、いわゆるプログラム合成テクノロジーの大幅な進歩をベースにしている。

Siriは単独のアプリだが、VivはデベロッパーがAIによる会話的能力をアプリに組み込めるようにするためのインフラ開発を目指している。Dagによれば、現在あらゆるアプリに搭載されている「検索ボタン」と同じくらい、Vivによる会話機能を普遍的なものにしたいという。TechCrunch DisruptではVivプラットフォームを使って開発されたアプリがデモされるというので、プラットフォームの能力の一端が明らかになるだろう(Disrupt NY 5月9日から11日にかけてブルックリンのレッドフックで開催される。チケットはこちら)。

Dagの他に、KikのTed Livingston、Starfish MediaのSoledad O’Brien、Amazon Echoの副社長Mike Georgeなども講演する予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+