Apple、iPhoneを落としたときにネコのように空中で姿勢を変える特許を取得

今日(米国時間12/2)、アメリカ特許商標局はAppleに新しい特許を認めた(AppleInsider)。このシステムは、自由落下中にiPhoneの姿勢を変化させ、地面に衝突するときの角度を最適化することによって衝撃によるダメージを最小限に止めようとするものだという。

この特許にはヘッドホンケーブルの切り離し装置や落下中に姿勢を変えるための格納式の羽といったさらにファンタスティックなアイディアも含まれている。イーロン・マスクはSpace Xの再利用可能な衛星打ち上げブースターの姿勢制御に空力的な翼を実験中だが、なんとAppleはこれをiPhoneに組み込もうというのだ。

特許の核心部分は、かなり現実的で、すでに存在している要素を巧みに利用している。姿勢制御に用いられるのはiPhoneのバイブレーション用モーターだ。といっても、実はバイブレーション用モーターはiPhone6/6 Plus以前のモデルにしか搭載されていないので、すぐに実用化されるとは考えにくい。6/6 Plusは振動を起こすためにこの特許に含まれているようなモーターを利用していない。

またこのシステムは落下軌道と着地角度を判定するために加速度計、GPS、ジャイロという既存のセンサーの他に超音波発振器を必要とする。これらのセンサーからの情報をリアルタイムで処理し、バイブレーションモーターを駆動してその反作用によって姿勢を制御するわけだ。これは文字通り宇宙工学レベルの処理で、そうとうなリソースを消費するだろう。落下によるダメージをわずかに軽減するためにしてはいささか大げさではある。

そうはいっても、落としてディスプレイにヒビを入らせてしまうというのがスマートフォン・ユーザーにとって最大の悩みの一つであるのは事実だ。読者も身の回りでクモの巣のようにひび割れたiPhoneをよく見かけてきたことと思う。この点について多少なりと意味のある改善ができれば大きなセールスポイントになる。どれほどとっぴに見えるアイディアでも、将来なんらかの形で実用化されないとはいえないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


iPhoneを落としたときのダメージを最小化する未来的技術をAppleが特許出願

Appleは、iPhoneを落としたときのダメージを少なくするために講ずる巧妙な仕組みの数々を、最近の特許出願書類の中で説明している。AppleInsiderが見つけたそのUSPTO(合衆国特許局)出願書類には、たとえば、落下時のiPhoneの向きを変える回転の仕組みや、オンデバイスのスラスター*、落下が検出されたときに挿入されていたケーブルを固着する方法(後述)、などが載っている。〔*: thruster, 制御ロケット(圧縮空気利用か?)…下のパラグラフでは“ガス利用”とある。〕

その特許は、落下中にデバイスの方向を変える方法が複数説明されている。最終的には、いちばん衝撃に強い面が下になるのだ。たとえば、内部のガジェットは質量をiPhoneの一方の端へとシフトする、“ガス容器”すらある“スラストのメカニズム”、自由落下時にアクチベートされるエーロフォイル*、外部の出っ張りをケース内でスイッチのように縮めて保護する方法、ヘッドフォンなどのケーブルを一瞬抜けないようにして、iPhoneが落ちないようにする仕組み、などなどだ。〔*: air foil,翼,プロペラなど。〕

落下時に落下と衝撃のデータを集めて保存するブラックボックスを、iPhoneの基板上に置く。そのデータを見るとデバイスの落ち方が分かるので、メーカーは今後の設計の参考にできる、とAppleは言っている。もちろんそのような基板上のツールは、修理保証内容との合致を調べる技士たちも利用する。

この特許出願書類の内容は相当濃密で、イノベーションに充ち満ちており、しかも内容の多くが市場で前例のないものだ。だから一般市販の製品にこれらが実装されるのは、遠い先だとぼくは思う。でも、モバイルデバイスをうっかり落としたときのダメージ、という、よくある問題をAppleがここまで真剣に考えているのは、見事だ。将来、一般市販製品に実装されることはない、とは決して言えない。位置制御のできるスラスターを搭載したiPhone、なんて、欲しくない?

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))