Apple Watchの心電図機能が早くもその価値を証明した

Appleが心電図(ECG)機能と共に最新のSeries 4 Watchを発表したとき、私の母は安堵の表情を浮かべ、父のために1つ注文することを忘れないようにメモした。昨年、父に心房細動があることが偶然わかったからだ。心房細動は不規則な心拍であり、脳卒中、心不全および他の心臓関連の問題のリスクを高める速い心拍が繰り返される。

心臓のリズムを監視して心房細動を検出できるECG機能は、3日前に利用可能になった。 既に、少なくとも1人がその恩恵を受けている。

昨日(米国時間12月7日)、Redditの利用者の1人が、Apple Watchが異常な心拍数をどのように通知したかについて投稿した。そこで彼らはECGアプリを実行し、それが心房細動であることを知った。彼らは救急に飛び込み、医者に見せたところ、このように言われたそうだ。「あなたはAppleの株を買うべきですね。おそらくあなたの命はこれで救われたのだと思います。この機能のニュースについては昨夜読んでいて、今週は値上がりするんじゃないかと思っていましたよ。それが早速今朝やってくるとは思っていませんでしたけどね」。

患者は、翌日に心臓専門医に行き、診断を行い心房細動であるとの診断が確定したという。

「この原因を調べ始めるために、一週間後にもう一度血液や甲状腺などの検査を受ける予定です」と彼らは書いている。「医者はまた、現象を違った角度からみるために、より電気的な面に通じたパートナーの予約を入れてくれました」。

より多くのひとたちに所有されることになった最初のECGモニターの1つとして、このことは、少なくとも心臓の健康に対するある程度の透明性を持つひとの数を、大幅に増やすことになるだろう。しかし、はっきりさせておかなければならないが、Watchは常に心房細動を見張っている訳ではない。心臓リズムモニタが何か異常があることを見つけると、例えば心拍が飛んだり、心拍が速くなったりした場合、手首に通知を送ってくる。

そこでユーザーはECGアプリを開いて、腕を膝やテーブルの上に置き、30秒間時計のデジタルクラウンに指を当てる。そうすることで、Watchが心房細動の徴候があるかどうかを教えてくれる。

この機能についてもっと知りたい場合は、同僚のBrian Heater記者による下記の記事を見て欲しい。

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(翻訳:sako)

心拍認証のBionymが早くもシリーズAで$14Mの大金を獲得…パスワード離れが一大産業に?

トロントのBionymがシリーズAで1400万ドルの資金を獲得した。主な投資家はIgnition Partners、Relay Ventures、MasterCard、そしてSalesforce Venturesだ。このラウンドはほかにいわゆる戦略的投資も多くて、たとえばExport Development Canadaはこのプロダクトの、企業向けのセキュリティ機能に着目している。

Bionymの技術は、高度な心電図(electrocardiogram, ECG)センサをNymiと呼ばれるリストバンド(腕輪)に組み込む。そのリストバンドは装着者のECGを自分が保存しているプロフィールと比較して彼/彼女の本人性を確かめる。そして本人がそのリストバンドを着けている間はずっと、無線通信でそのほかのデバイスを認証する。いったん外したら、再度ECGによる再認証が必要だ。

Nymiは同社の最初の製品にすぎないが、すでにデベロッパたちの手に渡って、この秋の終わりごろを予定している消費者向けローンチの準備が進められている。Nymiの予約キャンペーンでは、これまで1万を超えるオーダーが来ている。今回の資金で生産と発売を確実にするとともに、新たな雇用も行う。2011年に創業したBionymは現在社員数が約40名に増えており、最近トロント都心部の大きなオフィスに引っ越したばかりだ。

Bionymの最初の資金調達は2013年8月に終了した140万ドルのシードラウンドで、そのときはRelay VenturesやDaniel Debow、およびそのほかのエンジェルたちが投資した。今回はMasterCardやSalesforce、EDCなどが参加したことにより、戦略的パートナーシップの色彩も濃くなっている。Nymiは商業方面のアプリケーションに多大なる可能性があり、ほかにも、ホスピタリティー産業や、さまざまなエンタプライズアプリケーションで機会がありそうだ。

Appleは同社のTouch ID技術のAPIを公開することにより、これを、さまざまなアプリケーションやサードパーティサービスにおける中核的な認証方式にしたいらしい。しかしBionym社はNymiのようなバイオメトリックな方法の将来性に賭けており、そのセキュリティは指紋を使う方法にまさる、と考えている。また応用製品はリストバンド以外にもいろいろありえるので、今後の製品の多様化にも着目したい。

Bionymという特定の技術の行く末はともかくとして、パスワードの時代は明らかに去りつつあるようだ。ハードウェアとデバイスに基づく技術が台頭しており、今回のBionymへの投資も、パスワード無用化に向けての関心が大きくなっていることの表れだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))