自律走行の電動貨物車両を開発するスウェーデン拠点のEinrideが約10億円調達

スウェーデンのスタートアップであるEinride(アインライド)はここ4年間、周囲の関心や投資を集め、そして不思議な外観をしたポッドでいくつかの企業との契約を獲得してきた。このポッドは電動かつ自律的に走行する車両で、貨物運搬用だ。しかし開発、テスト、自律走行車両認証の促進は費用がかかり、時間を要する。特に運転席すらなく、遠隔操作に頼るタイプではそうだ。

同社はT-Pod車両でいくらかの進展をみせた。現在4台が公道を走行し、顧客のスウェーデン食品生産企業Oatlyの貨物を運搬している。2500万ドル(約26億円)を調達してから1年がたったいま、Einrideは既存の投資家から追加で1000万ドル(約10億円)を調達した。

今回の資金調達発表は同社が10月8日に行う新車両の公開に先立つものだ。車両について多くは明らかにされておらず、短く曖昧なティーザービデオの提供にとどまっている。

Einrideは、1000万ドルの調達ラウンドはNorrsken VCがリードし、EQT Ventures fund、Nordic Ninja VC、Ericsson Venturesが参加したと述べた。Nordic Ninja VCはEinrideの顧問会議にも加わる。

調達した資金はEinride Podsの公式展開の促進に向けて使われる、とEinrideは述べた。同社は、新型コロナウイルスパンデミックの初期にAIとロボティクスのスタートアップがめちゃくちゃな状態になり、閉鎖したところもあることを認識していた。そして、コンタクトレスの配達オプションに対する需要が新型コロナの影響で増大していることは偶然の一致ではないとしている。現在のOatlyやスーパーマーケットチェーンLidlとの提携、そして顧客に出荷量や輸送距離、それに伴うガス排出量に関する情報を提供するための貨物モビリティプラットフォームの立ち上げを含めた「新たな提携の強い引き合い」を維持してきたた、と述べた。

「自律走行トラックに関しては多くの期待と不確定要素が入り混じっています。しかしわかっていることは、歴史において最大のビジネスチャンスの1つであるということです」とEinrideのCEO、Robert Falck(ロバート・ファルク)氏は声明で述べた 。同氏は、自律輸送産業が数年のうちに、特にグローバルパンデミックを受けて拡大する可能性があると見込んでいる、と付け加えた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:資金調達、自動運転、Einride、スウェーデン

画像クレジット:Einride

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Einrideがスウェーデンでコカコーラ関連会社と無人電動トラックの商用テストを実施へ

自動運転トラックのスタートアップであるEinrideは、スウェーデンの路上で商用テストを行う新たなパートナーと契約した。これは、同社の自動運転トラックのための有意義なテストになるだろう。EinrideはCoca-Cola European Partnersへとサービスを提供する予定で、同社はスウェーデンにおけるCoca-Cola(コカ・コーラ)ブランド製品の正規ボトラー、ディストリビューター、販売およびマーケティング会社である。

この提携によりEinrideは、Coca-Cola European Partnersのストックホルム郊外のJordbroにある倉庫と、Axfoodの流通ハブの間で自社の輸送システムを商業的に運用し、コカコーラブランドの商品がスウェーデンの地元店舗に発送される前段階として、それらをリテーラーに輸送することになる。

Coca-Cola European Partnersは、現在使用されているソリューションと比較して、EinrideのシステムによりCO2排出量を90%も削減できる可能性があることから、この提携をCO2排出量削減の継続という目標の一環として検討している。両社によると、この試験は今後数年のうちに実施される予定で、またEinrideの公道での試験は当局の承認を得て、早ければ来年中にも実施されることが期待されている。

Einrideは昨年10月に新たに2500万ドル(約27億円)の資金を調達したと発表しており、今年5月からは、同社が開発した電気トラックのEinride Podの公道走行試験を開始している。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Einrideの自動運転トラックはNvidiaを搭載、今秋出荷を開始

EinrideのT-pod電動自動運転運搬車はNvidiaのDrive AIプラットフォームを利用し自律運転を実現する。スウェーデンのテクノロジー企業が本日(米国時間3月28日)発表を行った。Einrideはまた、量産型T-podトラックの、顧客に対する最初の出荷はこの秋になることも明かした。意外に早い出荷となるようだ。

Nvidia Drive AIプラットフォームにより、EinrideのT-podは、経路立案とインテリジェントな環境検知によって、最大124マイルの距離を自律的に走行する。T-podは遠隔操作向けにもデザインされており、当初はスウェーデンの街であるGothenburgとHelsingborgの間が結ばれる計画だ。合計200台の車両がその間を往復する。

上のビデオでは、本当に完全に自律的な走行をしているTポッドの車両を見ることができる。それらは、比較的小さな物理的底面積の中に、なるべく多くの貨物スペースを確保できるように、機能的にデザインされている(それぞれが15個の標準的なパレットを運送できる)。このことでバッテリーの効率が上がる。一緒に走る車両群はお互いに連携し、現代の大きくて石油で動く運送トラックに比べて、かなりの量の貨物をクリーンにそして効率的に運搬することができる。

複雑ではない高速経路(すなわち物流倉庫から物流倉庫までなど)の場合、T-podはおそらく完璧な解である。しかし自動運転機能が安全にかつ意図通りに動くことを保証することが、消費者へのさらなる広がりに対する鍵となる。

[ 原文へ ]
(翻訳:sako)

Einrideが自動運転EVトラックを開発――スウェーデンからT-Podのプロトタイプ登場

スウェーデンのテクノロジー・スタートアップ、EinrideはT-Podのフルスケールのプロトタイプを発表した。これは自動運転の電気自動車で、Einrideでは小型のパレットを運送するトラックの役割を果たすことを狙っている。エネルギー容量は200kWhで航続距離は200km、遠隔操作で積荷の処理が可能だ。

T-Podは写真でわかるとおりたいへんユニークなデザインだ。Einrideでは自動運転と積荷の遠隔操作のためにゼロからデザインしたという。つまり荷物を取扱うためのクルーが乗車する必要はない。この車両は積荷を無人で効率的に運送するために最適化されている。T-Podは2020年までにスウェーデンの2都市、イエテボリ〔ヨーテボリ〕とヘルシンボリを結ぶルートに200台のT-Podを投入する考えだ。同時に充電ステーションも建設される。

  1. tpod_material10.jpg

  2. tpod_material9.jpg

  3. tpod_material6.jpg

  4. tpod_material5.jpg

  5. tpod_material4.jpg

  6. tpod_material3.jpg

  7. tpod_material1.jpg

  8. tpod_material2.jpg

T-Podのネットワークは年間で200万個の荷物パレットを運送することを目指している。Einrideによれば、これはCO2の排出に換算して40万台の自家用車が同じ距離を走った場合に相当するという。Einrideでは需要さえあればネットワークを予定より早く拡大することは可能だとしている。

現在、トラックに関しては既存のセミトレーラーに自動運転機能を後付する方法が主流だが、T-Podのように自動運転電気トラックをゼロから開発するというのは興味ある方向だ。積荷のリモコン処理について、Einrideでは「人間の柔軟な判断力が自動運転を補う」としている。一人のオペレーターが複数のT-Podを同時にコントロールできるという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+