TechCrunch Disrupt NY 2016にも、特別参加したGeoOrbitalは、ちょっと変わった仕組みの電動自転車を世の中に送り出そうとしている。自転車本体にモーターを搭載するのではなく、ホイールにモーターを積むのだ。このアイデアは、ファンダーのMichael Burtovが映画のTronを見ているときに思いついたのだそうだ。隙間だらけに見えるホイールの空間をうまく活用できないのかと考えたそうなのだ。そこからGeoOrbitalというホイールが生まれることとなった。
用意されているサイズは2つだ。サイズさえあえば、どのような自転車にも1分以内で装着できるのだとのこと。交換するのは前輪側だ。
バッテリーにはPanasonic 36Vリチウムイオンリサイクルバッテリーを用いており、26インチホイールで最大で50マイルの距離を走行できる。また500WのブラシレスDCモーターを搭載していて、6秒で時速20マイルに到達することがかのうなのだとのこと。もちろん、自力でペダリングすることにより、より速い速度で走行することもできる。
用意した2つのサイズで、世の中に存在する大人用自転車の95%をカバーすることになるとのこと。使っている自転車のホイールサイズが26インチないし700cであり、かつブレーキがリムブレーキなのであれば、GeoOrbitalに付け替えることができる。詳細についてはこちらのKickstarterキャンペーンページページをご覧頂きたい。28インチないし29インチを使っている自転車でも利用できるとのことだ。
ホイールへの充電はUSBにて行う。バッテリーは搭載されているスピーカーでもつかうし、またスマートフォンの充電にも利用できるようになっている。バッテリーを取り外してモバイルバッテリーとして利用することも可能で、たとえば日がなビーチで過ごすようなときにも便利に使えることだろう。
Kickstarterキャンペーンも好調で、最初の目標であった7万5000ドルは、わずか78分で達成することができた。本稿執筆時点ですでに63万3000ドルを集めている。
装着するタイヤは充填剤を封入したフラットレス(パンク防止)タイヤだ。これは自転車レーサーなどには嫌われる要因となるだろうが、そういう人はそもそも対象とはなっていないのだ。
「特殊な目的でなく、自転車に乗る人を対象にプロダクト開発を行ったつもりです」と、Burtovは言っている。自分の力のみで頑張りつくそうとする人でなく、アシストがあれば便利なのにと考えるような人を対象としているわけだ。自転車は好きだが、汗はかきたくないというような人も念頭においている。
ちなみにこれはBurtovの最初のプロダクトというわけではない。SaaSベースのソフトウェアサービスを志したこともあった。しかしこの数年は、アシスト自転車の開発に注力している。
プロトタイプを製作して、パートナーを探しているときにSpaceXのエンジニアであるDakota Deckerdに出会った。
結局、1年半前にDeckerdはSpeceXを辞し、GeoOrbitalのCTOに就任することとなった。
2人でGeoOrbitalに集中し、今ではホームタウンおよびケンブリッジで、20人以上がGeoOrbitalのテストを行うようにもなった。
Kickstarterキャンペーンは1週間ほど前に開始したが、なかなかの人気を集めて、すぐにも実際の開発に取り組める段階だ。プロダクトのパーツおよびアクセサリーを手がけるマニュファクチャラーと作業に入っているところであるらしい。
話がすすむにつれ、外部からの資金も得られるようになった。1ヶ月ほど前に、何人かのエンジェル投資家から15万ドルの資金を調達している。
秋にはホイールの出荷を開始する予定だ。価格は700ドル程度を予定しているが、Kickstarterキャンペーンで出資する場合には499ドルとなっている。
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(翻訳:Maeda, H)