衝突も検知するプレミアム電動自転車開発のCowboyが約28億円を調達

Cowboy(カウボーイ)は、Exor Seeds、HCV、Isomer Capital、Future Positive Capital、Index VenturesからシリーズBラウンドで2300万ユーロ(約29億円)を調達した。このスタートアップはプレミアム電動自転車を製造し、ヨーロッパの消費者に直接販売している。

同社は最近、フラッグシップ電動自転車の第3世代モデルを発表したが、これは既存製品の改良にとどまっている。製品は三角形のアルミフレームに、円筒形のライトが組み込まれているのが特徴だ。

車体はシンプルさを重視し、モーターアシストを制御するギアやボタンは搭載されない。ペダルをこぎ始めると、モーターが自動的に作動する。主要な特徴は、カーボンベルト、パンク防止層を備えたカスタムタイヤ、取り外し可能なバッテリーだ。

さらに同製品はコネクテッドバイクに相当し、自転車を使っていないときには車体をロックできる。同社は現在、Bluetooth Low Energyを利用してスマートフォンを検知したときの自動アンロック機能をテストしている。さらに加速度計や自転車の速度、ペダルの踏力からのデータを組み合わせることで衝突を自動的に検知し、緊急連絡先を知らせることもできる。

Cowboyは自転車のデザインだけでなく、サービスも提供する。同社は修理パートナーのネットワークを構築し、潜在的な顧客に試乗体験を提供している。これは現在、ヨーロッパの数十都市で利用できる。

同社はQoverとの提携により、保険商品も提供している。盗難保険に加入していれば、月額8ユーロ(約1000円)で誰かが自転車を盗もうとしているときにリアルタイムで通知を受け取ることができる。月額10ユーロ(約1200円)なら、損害保険にも加入できる。

本日の資金調達ラウンドで、同社は今後6カ月間に30人以上を雇用しつつ試乗会のネットワークを拡大し、Flexにより生産オペレーションをスケールアップする計画だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが電動SUVのModel Yを値下げ、長距離四輪駆動バリエーションが5万ドルを切る

Tesla(テスラ)がさらに車両価格を下げた。今回は同社が2020年3月に出荷を開始した電動SUVの「Model Y」だ(未訳記事)。同モデルの長距離四輪駆動バリエーションは現在、購入価格が4万9990ドル(約540万円)となっており、以前より3000ドル(約32万円)安くなっている。この値下げは先週末にElectrekが最初にレポートしている

2020年5月にテスラは、セダンのModel SやSUVのModel Xなどの高級車を含むいくつかの車両価格を引き下げた。新しい価格設定は米国の自動車メーカーが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより経済的な影響を受け、消費者を引き付けようとしていることに由来している。

関連記事:テスラが主要製品を大幅値下げ、Model SとModel Xの無料充電は廃止に

Ford(フォード)やGM、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)といった伝統的な米国の3大自動車メーカーは、ローンの据え置きまたは長期の支払いオプションに加えて金利0%のプランを提供しているが、他の自動車メーカーも新規購入者へのアピールとして、既存の所有者がローンを滞納しないようにするためのインセンティブや支払いプランを発表している。

2020年7月初め、テスラは第2四半期(4月〜6月)に9万650台の車両を出荷したと発表したが、新型コロナウイルスと米国の主要工場の生産が数週間停止したため4.8%の減少となったものの、アナリストの予想を上回っていた。納入台数の大部分(8万50台)はModel 3とModel Yで、残りの1万600台は高級車のModel SとModel Xだった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

電動トラックのCharge、カーレースに挑戦

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英国オックスフォード拠点の電気自動車メーカー、Chargeは、最も伝統的なやり方でプロトタイプをテストしている。カーレースだ。

自動車時代の夜明け以来、発明家や製造メーカーは自分たちの作った車の能力を試すためにコースへ繰り出した。ただしこのトラックはレースで走るのではない。電気自動車のレースシリーズFormula Eの、公式サポート車両として参加する。Formula Eは、Chargeにとってとりわけ都合が良い。このシリーズでは専用コースではなく公道を使用する。Chargeが市場に出た時に走るのと全く同じ環境だ。

Chargeは小型の配達用車両と、大型のフルサイズトラックを製造して様々なニーズに答えようとしている。車の説明にはプラグインハイブリッドと思われる記載がある。このトラックは最初の100マイルを完全排出ゼロで走るが、エンジンでバッテリーを再充電する「デュアルモード」で最長500マイルまで距離を延ばせる。

トラックはモジュラー設計で作られているので、1台を組み立てるのに1人で4時間しかからないとChargeは言っている。同社の計算によれば、10人が1日2シフトで働けば年間1万台のトラックを作れる。これはChargeにとって、製造・運用のスケーリングが容易であることを意味する。英国のハブで生産して世界に配送するのではなく、販売場所に近い現地の小さな設備で組み立てられるからだ。同じアイデアは、Local MotorsOXも探っている。

Chargeのレースへの関りは、レースコース周辺に物を運ぶことだけでは終らない。同社は来シーズンから本格的に始まる自立サポートレース、Roboraceにも関与する。ChargeはRobocarの電源回路やモーターの開発全般に協力している。

Chargeの最初の工場は2017年に本社近くに竣工の予定で、電動(あるいはハイブリッド)トラックを「一般的トラックと同等の」価格で作ることを目標に置いている。

下のビデオで、ChargeのDHL配達トラックがFormula Eのレーシングカーを載せているところが見られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook