イベントや最新ニュースに関するデータ〔主に画像データ〕をリアルタイムで分析するBanjoが、SoftbankがリードするシリーズCのラウンドで、1億ドルを調達した。以前の投資家BlueRun Venturesも、このラウンドに参加した。
これはBanjoにとって圧倒的に最大のラウンドで、これで同社の総調達額は1億2100万ドルになった。同社のシリーズBは2014年3月の1600万ドル、シリーズAは2010年8月の500万ドルだ(どちらもBlueRun Venturesが参加した)。
同社のプレスリリースによると、新たな資金の一部でデータサイエンティストとエンジニアの増員を行う。同社はソーシャルディスカバリーアプリとしてスタートしたが、その後、ニュースのパブリッシャーなどのためのデータ分析に方向転換をした。
1年前のシリーズBは、消費者向けのプロダクトからイベント分析プラットホームに方向変えするための資金として使われた。Banjoは後者のサービスのことを、クリスタルボール(crystal ball, 水晶球)と呼んでいる*。〔*: ホームページでは“神の目の視野”、と豪語している。〕
ニュース企業のNBCやFox、BBCなどは、最新ニュースをTwitterやFacebookなどで騒がれる前に報じるためにBanjoを利用している。同社が提供するインサイトを、救急機関や交通安全のための道路規制当局なども利用している。
Wall Street Journalのインタビューで、ファウンダでCEOのDamien Pattonは、Banjoの“クリスタルボール”を開発しようと思ったのは、2013年のボストン・マラソンのテロ事件が契機だった、と述べている。そのときは、多くの見物人たちが、何が起こったのか分からずに右往左往していた。そこでPattonは、目撃者がアップロードしたビデオや写真を迅速に配信できれば、警察などよりも早く重要な情報を画像で知ることができるはずだ、と考えた。
日本のSoftbankにとって今回は、合衆国における最大の投資だ。アジアではSoftbankは、SnapdealやAlibabaなどのeコマース企業、それにKuadi DacheやOlaのようなタクシーサービスに大きな投資をしている。