FacebookのARやVRそしてニュースフィードに3Dオブジェクトをポストできる…3Dが第一級メディアに昇格

たとえば上図のようなデジタルの3Dオブジェクトを作って、それをFacebookでシェアしたり、仮想現実の中で遊んだり、実際の世界に拡張現実として挿入できるとしたら、かなりすてきじゃないかな? Facebookは10月に、ニュースフィードに対話的3Dモデルをポストできるようにして、ユーザーがそれを動かしたり回転できるようになったが、今日(米国時間2/20)はそれを一歩も二歩も前進させた。

これからは、Facebookの3Dポストは業界標準のglTF 2.0ファイル形式をサポートするので、オブジェクトの質感や光の方向、オブジェクトのざらざら感やつるつる感などを表現できる。そして新しいGraph APIを使ってデベロッパーは、3Dモデルを作るアプリや、それどころかオブジェクトをニュースフィードで直接シェアできる3Dカメラ、3Dのポストを見せるWebサイトなどを作ったりできる。3Dオブジェクトは、ユーザーがドラッグ&ドロップでフィードに入れられる。またユーザーの3Dポストは、VRの出会いの場であるFacebook Spacesに持ち込める。

[指やマウスで動かせる3Dモデル]

たとえば、あなた独自のデザインでメタリックなチェスのピースを3Dモデルづくりのアプリで作り、ニュースフィードでシェアし、さらにFacebook Spacesに持ち込めば、そこで出会った人とチェスをプレイできるだろう。すでにLEGO, Jurassic World, Clash of Clans, Wayfairなどのブランドが3Dポストの実験をやっているから、ここでプレイしたり、あるいはこの記事の上でもプレイできる。

FacebookのソーシャルVRのクリエイティブ・ディレクターOcean Quigleyは、“3DをFacebookのエコシステムのネイティブな部分(基盤的な部分)にしたいんだ。今そのための基礎工事をしているところだけど、これからはFacebookとユーザーはVRやARの3D世界に自由に行き来できるようになるね”、と語っている。彼によると、ソーシャルネットワークが単純なテキストや写真やビデオなどから没入的なメディア(immersive media)に進化していくのは当然の歩みなのだ。

さて、3Dポストをシェアしたら、今度は背景色とか質感などを自由に選びたいだろう。Quigleyによると、そういったアップロード過程をなるべく簡単にして、高度なスキルのない者でもハイテクなポストを共有できるようにしたい。彼はglTF 2.0を“3DのJPEG”と呼び、GoogleやMicrosoftによるサポートを賞賛する。また別の形式の3Dオブジェクトを持っている人のためには、Facebookはコンバーター(変換ソフト)をGitHub上でオープンソースで提供しているから、ファイル形式を変換してFacebookへのポストも可能だ。

これがうまく行けば、Facebookにとって大きな強みになる。まずそれは、もっとも未来的なシェア方法だから、そのほかのソーシャルネットワークがずっと後方に置き去りにされてしまうだろう。Facebookのプロフィールが“3Dの自撮り”になったり、友だちから集めたオブジェクトでみんなと遊んだりできる。そして、サードパーティなども参加して優れた3Dのアバター制作ソフトを作れば、あなたの写真から作られたあなた自身の仮想バージョンがFacebook上を動き回る。おともだちもびっくり! FacebookがSnapchatのBitmojiアバターの競合製品を作るのも、時間の問題だ。

そして消費者であるFacebookユーザーが、単なる写真よりは拡張現実を試すようになれば、マーケターや広告主にとっても(魅力や説得力の点で)ありがたい。すでにSonyなどは、そんな拡張現実コマースをやり始めている。またWayfairでは、ユーザーが自分の家の写真に、買ってみたい家具の3Dの拡張現実を、‘試着’ならぬ‘試設’できるようにしている。

Facebookはこれまでも、360度写真など新しい形式のコンテンツを積極的に採用してきた。すでに14歳を過ぎたFacebookが、ティーンの心を捉えようとして、ライブのビデオやGIFも導入した。FacebookのプロダクトマネージャーAykud Gönenがこう書いている: “人びとがVRやAR、Facebookのニユースフィードなどで、そのような没入的な体験やオブジェクトをシェアできる、シームレスなデジタル世界を目指したい”。

もちろん現実世界のすべてを拡張現実でカバーするほどの大量の3Dオブジェクトは、Facebookだけで作れるものではない。サードパーティのデベロッパーと一般ユーザーの協力が不可欠だ。Quigley曰く、Facebookの中でオブジェクトを作れるような“3Dエディティングツール”を提供するつもりはない、と。でも外部のクリエイターがそんなものを比較的簡単に作ってインポートできるなら、スマートフォンやヘッドセットや、未来のARグラス(めがね)からのARVRの没入的体験が、とってもすばらしいものになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

F8:Facebook、SpacesでVRに最初の一歩―アバターを操作する愉快なプラットフォーム

FacebookがOculusを買収してから3年経ち、VR〔仮想現実〕はますますわれわれのオンライン生活に浸透してきた。今日(米国時間4/18)、サンノゼで開催されたF8デベロッパー・カンファレンスでFacebookはソーシャルVRの実現に向けて重要な一歩を踏み出した。

ベータ版として公開されたFacebook Spacesは簡単にいえばOculus Rift + Touchだ。これはFacebookが対話的3DソーシャルVRをサービスの中心に据えようとする野心的な試みだ。

SpacesではOculus環境を持つユーザーはFacebookアカウントを使ってVR環境で友達とコミュニケーションできるようになる。単なるチャットではなく、音声とアバターのボディ・ランゲージを使うことができる。

Spacesアプリでは、最大4人のFacebook友達が「スペース」と呼ばれる仮想空間にログインすることができる。ここではチャット、お絵描き、360度ビデオ視聴、Messengerによるビデオ通話、漫画のVRセルフィー(最近タグづけされたユーザー写真をベースに作られる)などを利用できる。機能としては基本的なものだが、明るく気軽に楽しめる愉快なサービスを目指しているようだ。Oculusのハードウェア自体がまだかさばり、冷たい印象を与えるのとは対照的だ。

初期のデモで私は短時間だがSpacesを試してみたが、このサービスは一般ユーザー向けにデザインされているという印象を受けた。 もっとも一般ユーザーの大部分はまだOculus Riftを持っていないのだが。Spaceはあまり真面目くさってコミュニケーションを追求してはいない。とっぴで楽しく少々混乱した場所だ。

Spacesのリリースでいちばん注目すべき点は、 今回はOculus Riftがターゲットだったが、すぐに他のVRプラットフォームにも拡張されることが明らかになったことだろう。Facebookのプロダクト・マネージャーのMike Boothは私にインタビューに対して、「われわれは最終的にはVRプラットフォームとなることを目指している」と語った。ここでカギとなるのは、Facebookが―Oculusをを傘下に持つとはいえVRのAppleのようなメーカーではなく、Googleのようなプラットフォームを目指していることだ。

ただしSpacesは現行のスマートフォンをベースにしたVRをサポートすることはない。SamsungやOculus GearのVRは固定視点の360度映像をベースにしており、これは自分のアバターをVR空間で操作すのに向いていない。Gear VRに関してはFacebook 360が用意されている。これは360度写真やビデオを見るためのアプリだ。

Boothによれば、「FacebookのビジョンはソーシャルVRであり、今回のSpacesはわれわれが目指すVRの最初の0.1%」だという。つまりFacebookは遠大な計画のもとに今回のリリースを行ったようだ。

先日の決算報告の電話カンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは「VRが潜在的可能性をフルに発揮できるようになるには10年はかかるだろう」と述べた。現在FacebookでソーシャルVRを担当しているエンジニアは30人から50人程度だという。しかしVRとARは次第にFacebookのプロダクトで中心的地位を占めるようになっている。消費者の間でVRヘッドセットがポピュラーになるにつれてFacebookのVRエンジニアの数も急増することになるはずだ。

モバイルの世界で次の10年を支配するカギはAR〔拡張現実〕かもしれない。しかしFacebookはVRに関しても驚くほど前向きだ。VRに接するユーザー心理や反応をよく研究している。Spacesは最初の一歩かもしれないが、きわめて重要な一歩だ。

SpacesはOculus StoreのEarly Accessセクションから無料でダウンロードできる。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+