eブックの余白に注釈などを書いて友だちとソーシャルに共有できるGloseが$3.4Mを調達

フランスのGloseが、そのiPhone、iPad、Android用の読書アプリのために340万ドルの資金を調達した。同社の基本的な姿勢は、本を読むことをもっとソーシャルにしたい、ということにある。

熱心な読書家はたいてい、片手に鉛筆を持って本を読み、気がついたことを余白にメモする。あるいは、小さな手帳に気に入った文や発言を覚え書きするだろう。でも、eブックではそれができない。

たしかに、Kindleなどのeリーダーではテキストを高輝度表示にできる。でも紙の本と違って読みながら何かをすることができない。Gloseは、今読んでるeブックにスマホを使って何かができるようにする。

今回の投資に参加した投資家は、OneRagTime, Expon Capital, Kima Ventures, そしてBpifrance。さらにエンジェルのSébastien Breteau, Patrick Bertrand, Julien Codorniouらも参加した。

Gloseにはe書店があり、DRMと無縁なeブックを提供している。そのアプリは、速読競争などのゲーム的な要素でユーザーのモチベーションを維持しようとするが、ぼくが気に入ったのはテキストの高輝度表示と、注釈の記入、それらを友だちとシェアする機能などだ。

友だちが半年後に同じ本を読むと、余白にあなたが書いた注釈を見つけるだろう。あるいは、ブックリストをフォローしたり、非公開の読書グループを作ったり、友だちがどこまで読んだか知ったりできる。このアプリはすでに、60万人がダウンロードしている。

次の段階としてGloseは、Glose Educationという別のサービスをリリースする気だ。これは、大学や高校向けのGloseだ。教師が読書グループを作ったり、宿題を課したり、クラス全体のための注釈を書いたりできる。こうやって学校に絞るのも、ソーシャルな読書アプリの自然なユースケースだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「読書」を「ソーシャル化」する新たな電子書籍リーダーのGlose

スマートフォンやタブレット、あるいはノートPCなどでも利用できる電子書籍リーダーのGloseをご存知だろうか。これまでの電子書籍リーダー(Kindleなど)にソーシャル要素を加えたものだ。書籍の内容を友だちや、他のGlose利用者と話し合ったり、あるいは簡単にメモを共有したりすることもできる。友だちの書いた注釈メモなどを眺めて、その本を読む前からいったいどのような内容なのかを理解することもできる。ある本に興味を持った人たちを、ソーシャルに繋ぐサービスを展開しようとしているわけだ。

それに加えて、電子書籍ストアとしてのサービスも展開している。サービス開始時点で、Penguin Random House、HarperCollins、HachetteおよびMacmillanなど、5大出版社中の4社などの、30万冊を扱っている。価格はKindleストアやiBookストアと同程度だ。他の電子書籍販売サービスと同様に、一度購入すれば対応しているさまざまなデバイスで本を読むことができる。

最初に登録すると、Gloseはいくつかの本をレコメンドしてくるようになっている。レコメンドされた本には、より多くの注釈などが登録されていて、サービスの機能をよりわかりやすく楽しめるようになっている。

当方ではBen HorowitzのThe Hard Things About Hard Thingsを試してみた。ベータサービス段階で多くの人がこの本を読み、そしてたくさんのメモを残している。興味深いメモも多く、ぜひとも続きを読んでみたいという気持ちになった。どうやらGloseはノンフィクションとの親和性が高いようにも感じる。このTha Hard Things About Hard Thingsの場合、テック業界で働いていて、本書の内容を実際に体験した人の話なども掲載されていた。

「本を読むときはメモを手元において、後で暗唱したい言葉などを抜き書きしていたものでした」と共同ファウンダー兼CEOのNicolas Princenが電話インタビューに応えて言っていた。「そして、そのノートはなくしてしまったのです」だそうだ。

そんなことがあってPrincenは、デジタルツールを探し始めた。もちろんEvernoteなども試してみたそうだが、どうにもしっくりくるものが見つけられなかったそうだ。そのような中、共同ファウンダー兼CTOであるJulien Chaumondと共に、複数の人で同じ本を読みながら意見をやりとりするようなプラットフォームを作ろうと考えたのだそうだ。

もちろん、全く新しいサービスであるというわけでもない。たとえば本を読む人に向けたソーシャルサービスとしてはGoodreadsが有名だ。しかし、たとえばこのGoodreadはモバイルでは使いにくいし、またインタラクティブなサービスとは言えない。言うならばIMDbの書籍版といった感じで、本を読む前ないし読んだ後に参考にするようなページだと言えよう。本を読みながら利用するといったサービスではないわけだ。

現在のところ、電子書籍の楽しみ方は、従来の印刷された本を読むのとさほど変わらない状況にある。インタラクティブなコンテンツやサウンドトラックなどを求めているわけではないので、従来と変わらないというのが悪いわけでもないだろう。しかしGloseはそこに「違い」をもたらすサービスであると言えるかもしれない。紙の本を読むのと同じようなスタイルで読書しつつ、同時に他の読者からの情報などを同時に咀嚼していくことができるわけだ。

アプリケーションは現在iOS用がリリースされていて、Android版も間もなく登場予定なのだそうだ。アプリケーションを起動するとプロフィールページが開かれ、そこには最近ハイライトした部分や、メモなどが表示される。また、他の人がコメントしていたり、お気に入り登録していれば、やはりこのページに表示されるようになっている。画面下にタブが用意されていて、タブを切り替えることで本棚を確認したり、電子書籍ストアを見て回ったり、さらには友だちのハイライト内容などを見ることができる(訳注:ハイライトのフィードは友だちからのものと、全員からのものを見ることができ、同じアプリケーションを使う友だちが少ない状態でも十分楽しむことができそうです)。

本を読んでいくための機能は、とくに充実しているというわけでもないようだ。フォントの変更もできないし、フォントサイズも2種類しか選べない。他の機能といえば、背景を白くするか黒くするか程度のものだ。テキストの横に、ハイライト数やコメント数を示す数字が表示されるようになっている。

数字をつけているのは、大量のメモなどを電子書籍の中に表示して、本文を読みにくくすることを防ぐためだろう。それでも邪魔に感じるようであれば、表示される数字を友だちからだけのものに制限したり、あるいは自分自身のものだけにすることもできる。このようなフィルタリングができる点で、Kindleなどとは違っているわけだ。

「他の電子書籍リーダーでは、ハイライト動作が難しく感じることも気になりました」とPrincenは言っている。「私たちが最初に実現したのは、ワンタップでのハイライト機能です。テキストをセンテンスないし短いパラグラフ毎に区切って、ハイライトする範囲を確認しているのです」。

最初はあまり良い方式に思えないかもしれない。するつもりがないところをハイライトしてしまうことも多い。画面を触るたびにハイライトされてしまうのもうるさく感じてしまう。しかし、操作になれてくると、このワンタップ式のハイライトがとても便利に思えてくる。ハイライトするのが簡単なあまり、少しでも気になったところを簡単にハイライトしておくようにもなる。Instagramの写真をお気に入りに登録するのと同じくらいの意識でハイライトしておくようになるのだ。

「ワンタップでのハイライト機能を搭載してから、利用率が3倍ないし4倍となったのです」とChaumondは言っている。「よりインタラクティブに使ってもらえるようになったおかげで、アプリケーション内で過ごす時間が大いに伸びたのです」とのこと。

ハイライトした部分は、すべてプロフィールページに表示される。すなわち、自分のためのノートとしても活用できるわけだ。自分用とソーシャルでの活用という、双方のいいとこ取りを狙ったアプリケーションだと言えよう。

本文にメモをつけようと思った場合、メモはテキスト、写真、およびビデオでも付けることができる。投稿したメモについては、他の利用者がプラス評価したり、あるいはマイナス評価したりすることもできるようになっている。メモを閲覧する立場からすると、人気の高いメモを簡単に見つけることができるわけだ。

ちなみに、最近はOysterやScribdのように「読み放題」オプションを提供するところも多いが、Gloseはそうしたメニューを提供していない。書籍の販売に関してはトラディショナルなモデルを採用しているわけだ。すなわち、GloseはOysterやScribdとは違うところを目指しているということなのだろう。販売スタイルについてはAmazonと直接競合するようなところで勝負しようとしているとも言える。

Gloseの提供するコミュニティ機能のために、他の電子書籍リーダーの利用者が移ってくるような事態になるのかどうかは今後を見守りたい。とりあえず、大手出版社ときちんと繋がっているところが、新たな機能を試みていることを評価しておきたい。新たな読書体験を見出そうと努力しているアプリケーションが、新たなコミュニティを築くことを期待していたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H