Googleが身元確認義務を広告主全員に拡大

米国時間4月23日、Google(グーグル)のプロダクトマネジメント、広告および遵法担当ディレクターのJohn Canfield(ジョン・キャンフィールド)氏は、「Googleは利用約款を改定し、身元確認を(政治広告以外の)すべての広告主にもとめていく」と発表した

2018年に広告約款に追加された条項では一部の国々への政治的広告の掲載に際して出広者の身元確認が必要とされており、これは広告そのものにも表示される。

前回の大統領選挙の前後から政治広告に対して「実際の広告主はみかけと)違うのではないのか?」という不信感が高まり、身元確認は透明性を高めることを目的としていた。 今回、Googleはこれを一歩進め、トピックに関係なく本人確認を広告購入プロセスの必須の部分とする。

Googleネットワークで広告を購入しようとする場合、個人、法人ともに身元を証明できる書類が必要となる。この夏以降、身元情報がGoogle広告の一部として表示されるようになり、ユーザーがクリックすると広告を購入者の名前や所在地を場所を含む情報が表示される。

キャンフィールド氏はブログ記事で「この広告プロセスの変更により、オーディエンスはGoogle広告の購入者が誰であるかを簡単に知ることができるようになり、広告による情報を利用する際によりよい意思決定を行えるようになる。また、悪質な出広者を検出し、偽装の試みを制限することにも役立つ。これはデジタル広告のエコシステムの健全性を維持するために役立つ」と説明している。

政治広告の身元確認の義務化は現在30か国で実施されている。政治以外の広告への拡大はまずアメリカで実施され、逐次その他の国や地域が対象となる。Googleでは、広告ネットワークが巨大であるため新プロセスを世界に拡大するには「数年かかる」としている。広告主に身元確認を提出するよう求める通知があったら30日以内にフォームに記入しなければならない。その後提出書類はGoogle社員によって審査される。

実在の人物、企業と広告を結び付けるには膨大な作業が必要だが、さらに悪意ある行為者を特定するとなればその道のりは長いものとなることが予想される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

超ターゲティング広告で突飛なアプローチでVCと連絡をとったスタートアップ

スタートアップはVC(ベンチャーキャピタル)の注意を引くために、かなり突飛な手を使ってきた。たとえばInstacartの創業者であるApoorva Mehta(アプールヴァ・メタ)氏は、当時Y CombinatorのパートナーだったのGarry Tan(ギャリー・タン)氏に、自社のサービス使ってビールを6パックを届けた。Y Combinatorの締め切りを2カ月過ぎた時だった。

米国時間3月14日も、あるスタートアップの創造性が発揮された。大企業にノーコードで仕事を自動化するツールを提供しているTadabase.ioが掲載した広告、それは超ターゲティングされていた。

ProductHuntの創業者で、WeekendFundの投資家でもあるRyan Hoover(ライアン・フーバー)氏がその広告を見つけてTwitterでシェアした。

フーバー氏は、自身が投資している会社を紹介するためにベンチャーキャピタリストのMark Suster(マーク・サスター)氏をGoogleで検索していた。しかし、代わりに彼が見つけたのはサスター氏を真正面から直接ターゲティングしたTadabase.ioのGoogle広告だった。

「マーク・サスターさん、あなたはまだノーコードに投資していませんね」とその有料広告には書かれていた。「だからあなたの注意を引くためにこの広告を出しました。私たちの節約のため、これをクリックしないようお願いいたします」。

私は、UpFront Venturesのマネージング・パートナーであるサスター氏に接触し、あの広告をどう思ったかを聞いてみた。「すごく気に入った」と彼は答え、すでにCEOと連絡を取り、来週の電話ミーティングを設定していた。

果たしてこの巧妙なGoogle広告が実際の投資につながるかどうかはこれからの話だ。もう1つ気になるのは、果たしてフーバー氏は取引に絡んでくるのだろうかということだ。

私はTadabaseの創業者でCEOのMoe Levine(モー・レヴァイン)氏にメールを書き、あの広告について、どうやってターゲティングしたのか、来週の電話をどう思っているのかを質問した。まだ返信はない。連絡があったら記事を更新するつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook