Google Cloud Storage, アップデートでAmazon S3と肩を並べる–Object Lifecycle Managementの導入など

Googleが今日(米国時間7/22)、同社のCloud Storageサービスの新たな機能を3つ発表してAmazonのWeb Services(AWS)に機能的に接近してきた。AWSのS3と同じく、GoogleのCloud StorageもこれからはObject Lifecycle Management(オブジェクトライフサイクル管理)を提供してオブジェクトを削除するタイミングを指定できるようになり、またストレージとCompute Engineの間のレイテンシを減らすためにファイルをどのリージョンに保存するかをデベロッパが指定できるようにした。

以上の機能はまだ実験段階だとGoogleは言っているから、Google Cloud Storageの通常のSLA(サービスレベルアグリーメント)は適用されない。

Googleは曰く、ユーザがDurable Reduced AvailabilityのCloud StorageバケットとCompute Engineのインスタンスを同じリージョンに置くことは、両者が同じ“ネットワークファブリック”を共有することを意味する。これによってレイテンシが減り、きわめてデータ集約的なアプリケーションのための帯域が増大する。Googleが合衆国で提供しているリージョンは複数あり、ユーザは任意に選べる(East 1-3、Central 1、2、West 1)。

しかしながら、Googleによれば、ユーザはこれからもデータを合衆国でホストするかEUでホストするかを任意に指定でき、またデータを複数のリージョンに分けて置くこともできる。ユーザのアプリケーションが、コンテンツの配布が主で、コンピューティングが少ないなら、このやり方のほうが良い、とGoogleは言っている。

Object Lifecycle ManagementによってGoogleは、AWSのユーザにとっては長年おなじみだった機能を提供する。すなわち、デベロッパはファイルの期限切れルールを指定でき、期限切れになったら自動的に削除させられる。これらのルールはGoogleでもAWSの場合と同じく、簡単なXMLドキュメントで管理し、全体的な機能もAmazonのサービスと趣を一にしている。

さて、第三の新機能は、複数の大きなオブジェクトを並列でアップロードするGsutil 3.4により、ファイルのアップロードが速くなったことだ。今回のアップデートでは、複数の大きなファイルを自動的に複数の接続上でアップロードすることにより、TCPのスループットを上げる。この機能は自動的に有効になるので、デベロッパが自分のワークフローをあれこれいじる必要はない。また、並列アップロードでも不十分なぐらいデータが多すぎるときには、ハードディスクをGoogleに送れることを、忘れないようにしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、Cloud Playgroundを公開―デベロッパーがクラウドでの開発を体験できるブラウザ・ベースのプラットホーム

GoogleのCloud Platformは複雑なウェブ・アプリを走らせるためのフル機能の環境に成長してきた。しかしちょっと試してみるのには敷居が高いのも事実だ。まずSDKと各種のツールをローカルのマシンにインストールする必要がある。

しかし今日(米国時間6/24)、Googleはブラウザ・ベースのCloud Playgroundをリリースした。これによってデベロッパーは開発環境をそっくりインストールする必要なしに各種のサンプル・コードが実際のAPIでどのように動作するのか手軽にテストしたり、コードを同僚と共有したりできるようになった。

Googleによれば、Cloud PlaygroundはGoogle Cloud Platformで提供されるサービスを体験して遊ぶことができる環境だという。 これにはGoogle App EngineGoogle Cloud StorageGoogle Cloud SQLが”含まれる。

現在のところ、Cloud PlaygroundはPython 2.7のApp Engineアプリだけをサポートしている。ただし実験的サービスなので、突然終了となる可能性もあることに注意。

試してみるには単にCloud Playgroundのページを訪問するだけでよい。先に説明を見たければはじめにを見るとよいだろう。ここにはRun/Modifyという大きなボタンが表示されており、ここで提供されているサンプル・コードをそのまま、あるいは編集してから実行することができる。Cloud Playgroundそのものには膨大なサンプル・アプリがアップされており、オープンソースのApp Engineのテンプレートをクローンして自分のプロジェクトをすぐにスタートさせることができる(GitHub Python2.7)。〔登録にあたっては携帯電話に認証コードを送ってもらう必要がある。メールあるいは音声のいずれかを選べる。音声はたいへん聞き取りやすく、2度繰り返される。〕

このサービスで作成されるのはすべてオープン・ソース・プロジェクトであり、ブラウザ・ベースの基本的なコード・エディタとデベロプメント・サーバーの役割を果たすmimicという Python App Engineアプリが提供される。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google App Engineがバージョンアップ, いよいよクラウドサービスに本腰

GoogleのGoogle App Engineが今日(米国時間6/12)から1.8.1となり、たくさんの新しい機能が盛り込まれた。中でもとくに注目すべきは、待望の検索APIとプッシュツーデプロイ機能だ。後者はGitのpushコマンドのようにコードをリポジトリにプッシュする。

これらの新しい機能は、Googleがクラウドサービス市場にいよいよ本格的に参入すると暗黙裡に宣言したような、多忙なGoogle I/Oからの必然的な流れだ。今回の発表までGoogleは、Google Cloud Platformについて沈黙していた。しかし一般公開した今では、毎週のように新機能を発表し、これまでバラバラに存在していた各種Web機能の新たな統一を推進している。

今日はGoogle App Engineに関しても、同様の趣旨のアップデートが行われた:

検索 API: リリースから約1年になる検索APIをGoogleはプレビュー段階へ移し、一般公開に備えている。この検索APIを使ってデベロッパは、プレーンテキスト、HTML、アトム、数値、日付、地理的な位置など、各種の構造化データを、自分のアプリケーションの中でGoogle的に検索できる。本誌が先週報じたように、Googleはその操作とストレージに対する課金を開始する。料金表は、ここにある。料金は、一般公開に向けて変わるかもしれない。

ソースのプッシュツーデプロイ(Push-to-Deploy): App Engine は新たにPythonとPHPのアプリケーションの展開をGitのツールを使ってサポートする。したがってデベロッパはアプリケーションの展開をGitのリポジトリにプッシュするときと同様に、容易に行える。

Google Cloud Storageのクライアントライブラリ: App EngineからGoogle Cloud Storageへのアクセスが、Cloud Storage Client Libraryのプレビューリリースにより改良される。Googleのブログ記事によると、そのクライアントライブラリにはFiles APIの機能性の多くが含まれ、それらがなお一層ブラッシュアップされてデベロッパの良質な利用体験を保証する。将来的には、重複を防ぐためにFiles APIは非推奨となる。Cloud Storage Client Libraryは、今後もアップグレードされる。

タスクキュー: この、要望の多かった機能により、デベロッパはタスクを迅速に任意のTask Queueに入れてしまえる。アプリケーションの本流がブロックしないので、リクエストの処理がより効率的になる。

データストア: Googleによると、Google Cloud Datastoreには二つの重要な変更が行われた。まず、デフォルトの自動IDのポリシーが散在型になった。またNDBライブラリが’DISTINCT’クェリをサポートする。

1.8.1の新機能とバグフィクスの完全なリストは、Googleのリリースノートにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Cloud PlatformはAWSなどとどこが違うのか

先週のGoogle I/Oで一般公開が発表されたGoogle Cloud Platformをめぐって、誤解があるようだ。しかしそれは、今度できた新しいプラットホームではない。むしろそれは、Googleがこれまで何年も使ってきたものだ。それは、Googleの基盤だ。それは、GoogleをGoogleたらしめているものだ。そしてそれが今初めて、デベロッパや企業に公開されようとしている。

Google Platformは、誰もがそれを利用できるようになったという点が新しい。これまでは、限られた人たちしかアクセスできなかった。

Google Cloud Platformが公式にローンチしたのは、昨年のGoogle I/Oでだ。だからまだ、Google I/OのようなイベントではGoogleの新しいサービスであるかのように騒がれる。しかしその機能集合は、Amazon Web Services(AWS)に比べると見劣りがする。サービスレベルアグリーメント(service level agreement, SLA)の深さでは、Windows Azureにかなわない。PaaSを導入しようとしている顧客には、ほかにも、Openshift、Red Hatといった選択肢があり、自社でオープンクラウドを構築したければOpenStackがある。ほかにも、IBM、HPなど、選択肢は数多い。

では何がGCPの強みか?

しかしGoogle Cloud Platformには、他にない強みが一つある。それは、企業が自分のデータセンターをそこに接続すれば質問の答が数ミリ秒で得られるネットワークだ。Googleが、3D地図や翻訳APIやGoogle Glassなどを提供できるのも、そんなネットワークがすでにあるからだ。

Google I/Oの分散データベースセッションのパネルでMongoLabの協同ファウンダWill Shulmanは、“それは猛烈に速い”、と言った。“顧客企業はインターネットに直接接続するのではなく、データセンターをGoogleのプライベートな分散バックボーンに接続するのだ”。

ネットワークが高速であることは、いくつかの重要な違いをもたらす。Google Compute Engineでは計算処理とストレージがそれぞれ別だが、ネットワークの速度が速いためにユーザは一つのもののように感じる。一台の、巨大なスーパーコンピュータを自分のプログラムから使っているような感覚だが、実はそれは数千台ものサーバに分散しているコンピューティング&ストレージサービスなのだ。

また、ネットワークが速ければ、一定時間内に処理できるデータ量も多くなるから、コストに関しても有利だ。

Googleの料金体系には、このようなネットワーキング効果が織り込み済みだ。そのやり方はクラウドプロバイダProfitBricksに似ており、ProfitBricksはInfniBandを使ってGoogleの10GBネットワークよりさらに大きな帯域を提供している。しかしそれでもGoogleのファイバネットワークとデータセンター最適化構成は、時間単位ではなく分単位の料金体系を可能にしている。

つまりGoogleのプラットホームでは、顧客がコアを倍にして、それまで1時間を要していたデータジョブを、同じ費用で30分で終えることができる。

Googleは、データセンターを生き物のように見ている。それらは孤立した島ではなく、接続されている。そのほかのデバイスやサーバや、ほかのデータセンターに、接続されているのだ。

サービスの実体がサーバではなくネットワークだとの認識から、Googleはネットワークに力を入れざるをえない。今や、世界はデータの群ではなく、データの織物(ファブリック)だ。しかし、ネットワーキングは高くつく。計算(CPU)コストとストレージコストがますます低下していく中で、ネットワーク費用はそれほど劇的に低下しない。昨年6月に行われたOpen Network SummitでGoogleのプロダクトマネージャAmit Argawalが、プレゼンでそう語った。

上のビデオでArgawalは、同じ10GBの接続パイプでも、合衆国国内の二地域間と、市場が急速に発展しているアジアの二か国間ではコストが大きく異なる、と言っている。デバイスは至るところにあり、今や使い捨て状態だ。スマートフォンを紛失しても、新たに買ってバックアップするのに30分もかからない。しかしデータはデバイスではなくクラウドにある。データに対するサービスはネットワーク上に住まう。だから、高速で対話的でなければならないのは、今やネットワークだ。ネットワークが速くないと、ユーザのエンゲージメントも滞る。高可用性が、このスタックのあらゆるレイヤに組み込まれていなければならない。

Googleではデベロッパの役割が大きい理由

ネットワーキングやそのほかの費用を抑えるために、Googleはオペレーションの最適化に絶えず努めている。インターネットのビジネスモデルは、無料または低額を要求する。したがってGoogleは、そのサービス上でデベロッパがアプリケーションを作る場合、それがGoogleの広告プロダクトの拡大に貢献し、Google Appsのようなローコストのサブスクリプションサービス(定額会費制サービス)であることを求める。

そしてそのためにGoogleがデベロッパを集める「場」が、Google Cloud Platformであり、そしてデベロッパたちはGoogleの明日の経営にも貢献するのだ。

Google I/OでGoogleは、デベロッパがGoogleのバックエンドを利用するために提供しているツールについて説明した。Google Mapsにも、Chromeにも、AndroidにもBigQueryにも、それらが組み込まれている。Google Glassも、いずれそうなる。

AWSにはリッチなデベロッパのエコシステムがあり、提供しているサービスもきわめて多様かつ深い。しかしAmazonにはGoogleのような自己同一性がなく、Google的なサービスのプロバイダでもない。AmazonになくGoogleにあるものは、デベロッパに提供できる豊富なデータ(とそれらを取り出すAPI)だ。それが、多くのデベロッパを抱える企業に対してもGCPの強力なセールスポイントになる。

たとえば分散データベース企業Cloudantなどにとっては、Google Cloud PlatformはAWSと並ぶ重要なコミュニティだ。“Google上のデベロッパは数が多いだけでなくどんどん増えている”、分散データベースパネルに同席した同社の協同ファウンダでチーフサイエンティストのMike Millerはそう語った。

Google App Engineは、デベロッパにとってのGoogleの魅力を象徴している。GoogleはGoogle I/Oで、Google App EngineでPHPをサポートする、と発表した。PHPを使ってWebサイトを構築している大量のデベロッパたちが、これからはGoogleを利用できることになる。3月にGoogleがTaleriaを買収したのも、動的(ダイナミック)プログラミング言語のサポートを拡大し、システムのスケールアウト(==分散化)のニーズに効率的に対応していくためだ。本誌のFrederic Lardinoisは、この買収についてこう書いている:

同社のサーバを使うと、アプリケーションのコードはそのままで、“より少ない台数でより多くのユーザを扱える”、という。また、“自分の好きな生産性の高い言語を使えるが、スケーラビリティとパフォーマンスはコンパイル言語並になる”、という。

そしてさらにGoogleは、Google App Engineの使いやすさの増大に努めている。たとえばバックエンドをサービスツールとして提供し(上述)、また管理機能の充実により、デベロッパがバックエンドのことを忘れてアプリケーションのコードに集中できるようにしている。

デベロッパでない人でもアプリを構築できるという“ヴィジュアルPaaS”サービスOrangeScapeなどにとっては、とくにこの点が重要だ。デベロッパから見ての、Google App Engineの利用インタフェイスの単純化、それにより同社はITチームの肥大を防げている、とCEOのSuresh Sambandamは言う。

Googleのネットワークは、一社が持つものとしてはおそらく世界最大だ。しかし同社の今後の最大の課題は、そのデータセンターの費用低減である。いわばGoogleは、同社のインフラストラクチャを公開してその分散ネットワークをより効率的に拡大し、しかもそれと同時に、多くのデベロッパを惹きつけてそのビジネスモデルをスケールしていかなければならないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleが新料金、新ツールとともにCloud Platformを一般公開―いよいよAmzon AWSと激突へ

今日(米国時間5/15)、 Googleは開催中のGoogle I/Oカンファレンスで Google Cloud Platformを一般公開したと発表した。これでいよいよ従量制クラウド・コンピューティング市場でAmazon Web Services (AWS)と本格的に競争できる巨大プレイヤーが登場したことになる。

現在Cloud Platformはあらゆるデベロッパー、企業に対して公開ずみだ。さらにGoogleは料金、利用できるインスタンスの種類などに改定を行った。

  • 分単位課金 インスタンスに対する課金は10分を最低時間として1分単位で計算される。これによりデベロッパーは実際の利用時間分だけに支払いを行えばよく、無駄がなくなった。
  • 共有コアインスタンス 低速、小規模な処理のために小型のインスタンスが提供される。
  • 高度なルーティング デベロッパーがオンプレミスのネットワークとGoogleのクラウドを直結するゲートウェイとVPNサーバーを構築するのを助ける高度なルーティングが提供される。
  • 大型パーシステント・ディスク 1基10TBの大型ディスクを提供する。Googleは「業界標準の10倍の容量」と表現している。

Googleはまた非リレーショナルなデータのための新しいDBMS、PHPのランタイムも新たに提供する。

昨年Googleはデベロッパーが自分のアプリをGoogleのインフラ上のLINUXバーチャル・マシンで走らせることができるというクラウド・コンピューティングのベータテストを実施した。これに参加するには招待を受けるか、Googleの営業チーム経由で申し込んで承認される必要があった。

続いて今年4月から、Compute Engineの月額400ドルのゴールド・サポート・プランに加入しているユーザーは招待や承認を受けなくてもベータテストに参加できるようになった。

Googleはまたインスタンスの利用料金を4%下げた(ストレージ料金は昨年11月に20%下げている)。

今年、GoogleはCloud Platformの普及に本腰を入れる構えだ。Google I/OではCloud Platform関連が25セッションも用意されている。これよりセッションの数が多いのはChromeとAndroidだけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+