H2O.aiのミッションは、AIを誰でも使えるようにすることだ。そのために同社は企業に一連のツールを提供して、データサイエンティストのチームが要らないようにする。同社は米国時間8月20日、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とPing An Global Voyager FundがリードするシリーズDのラウンドで7250万ドル(約77億円)を調達したことを発表した。
これまでの投資家Wells FargoとNvidia、およびNexus Venture Partnersも参加した。Goldman SachsからはJade Mandel(ジェイド・マンデル)氏がH2O.aiの取締役会に加わる。これで同社の調達総額は1億4700万ドル(約157億円)になる。
なお、Goldman Sachsは投資家であるだけでなく同社の顧客だ。H2O.aiのCEOで共同創業者のSri Ambati(スリ・アンバティ)氏によると、顧客であるWells FargoとGoldman Sachsが前2回のラウンドをリードしたことは、彼とその企業に対する信任の証だ。彼は曰く、「二度の連続的なラウンドでは顧客が投資家になっている。前回のシリーズCはWells Fargoがリードしたが、彼らは弊社を選んで使っていた。今日のラウンドはGoldman Sachsがリードし、彼らは前からうちの強力な顧客であり強力なサポーターだ」。
同社のメインのプロダクトであるH2O Driverless AIは2017年に登場し、Driverless、つまり運転手がいないという名前は、AIのエキスパートでない人たちでも、データサイエンティストのチームなしでAIを利用できる、という意味で命名された。アンバティ氏は「Driverless AIは機械学習の自動化だ。これによってワールドクラスのデータサイエンティストたちの能力を万人が手にする。ありとあらゆる機械学習のアルゴリズムを使って、モデルを自動的に作る」と説明する。
同社は同日に、レシピと呼ばれる新しいコンセプトも導入した。それは、ビジネスの多様な要件に合わせてモデルを構築するための、AIのあらゆる原料とインストラクションの組み合わせレシピ集だ。同社のデータサイエンティストたちのチームは、約100種のレシピを作ってそれらをオープンソース化。具体的には、クレジットリスクの評価、異常事態検出、資産額の査定などのためのレシピがある。
H2O.aiは2017年のシリーズCのころに比べると大きく成長した。今同社の社員は175名だが、それはシリーズCのときのほぼ3倍だ。同社はオープンソースがルーツなので、今でも2万名のユーザーが同社のオープンソースプロダクトを使っている。
アンバティ氏は会社の評価額や上場については話を避けようとするが、今はAIの初期の時代であり、長期的な視野に立って会社を育てていきたい、と言った。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)