Boston Dynamicsが恐竜的2輪ロボットで倉庫業務をデモ

Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)がHandleロボットの最初のバージョンをデビューさせたのは2年前になる。しかしその後は横置き2輪で移動できるHandleは脇に置かれ、同社はもっと華々しい2脚、ないし4脚で移動するロボットの開発に力を入れる方向に向かった。

エンジニアリングの見地からはHandleleは同社の他のロボットに決して見劣りするものではなかったが、同社が発表するビデオはほとんどがAtlasとSpotないしSpot Miniだった。

しかし米国時間3月28日、Handleのバージョン2が活躍するビデオが公開された。もっとも、環境はやや地味だ。このビデオでは倉庫の設定でHandleロボットのパッケージ処理能力がデモされている。当初のビデオでHandleは45キログラムの荷物を運ぶことができたが、新しいバージョンは現実のロジスティクスに応用した場合が検討されている。

アップデートされたHandleは一見してオリジナルと大きく異なる。まずオリジナルよりずっと小型化され、2本のアームの代わりに先端に吸引カップを装備したグリッパーが恐竜の首のように延びている。今回のモデルでは持ち上げられる最大重量は14キロ程度で、ビデオで扱っている箱は5.5キロほどだという。それでもこのロボットの器用さ、作動範囲、自立性の高さは驚くべきものだ。

Boston Dynamicsによれば、「HandleはSKU(販売商品単位の箱)をパレットからピックアップし、移動して別のパレットに積み上げるなどの動作を自立的に遂行する。Handleにはカメラが搭載され、人工知能によるコンピュータービジョンでパレットのマーキングを読み取って箱を適切な場所に移動することができる」という。

去年TechCrunchがバークレーで開催したロボティスクス・イベントで、Boston DynamicsはSpot Miniロボットを商用化する計画があることを発表した。これによれば、同社のロボットは今年後半には一般に購入可能になるという。これは親会社がGoogleからソフトバンクに変わったこともあり、ロボットのビジネス化に力を入れていくという努力の一環なのだろう。

Handleのようなハイスペックなロボットの価格は一般的な倉庫で働かせるためには高価すぎるだろうし、このビデオはBoston Dynamicsがプロダクトの商用化を目指す動きとはいちおう別に考えたほうがいいだろう。そうではあっても、現在、倉庫で利用されているロボットはルンバのような動く台車にすぎないのに比べて、倉庫の棚から荷物をピックアップし、自分で所定の位置に運んでいくHandleの能力は驚くべきものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

TechCrunch Disrupt NY 2013の優勝が決定…パブリックデータマイニングのEnigmaだ

レディーズ、アンド、ジェントルメン! それでは、優勝作品を発表いたします。

今年のDisrupt NY(Disrupt NY 2013)では、Battlefieldの出場者たちがみな強者(つわもの)揃いだったが、30社中7社が決勝に残った: HealthyOut、Enigma、Floored、Glide、HAN:DLE、SupplyShift、Zenefitsの面々だ。

彼らは決勝のステージでもう一度プレゼンをしなければならない。より厳しい審査員たちの面前で: Sequoia CapitalのパートナーRoelof Botha、Allen & Co.の常務取締役Nancy Peretsman、SV Angelの常勤役員David Lee、KPCBのパートナーChi-Hua Chien、CrunchFundのパートナー(でTechCrunchのファウンダ)Michael Arrington、そしてTechCrunchの編集長Eric Eldonだ。

そして、Manhattan Centerの楽屋裏にしばらく引きこもった彼らは、ついに同意に達した。

Disrupt NY Battlefieldの優勝は: Enigmaである

Enigmaは、Marc DaCosta、Hicham Oudghiri、Jeremy Bronfmann、Raphaël Guilleminotらにより創業され、Webサービスとしてのデータマイニングを提供する。その対象データは一般に公開されている(が取得が難しい)ものだけで、すでに同社は10万あまりのデータソースを確保している。そして、これら大量のデータをふるいにかける処理が、一見すると、とてもシンプルだ。たとえば人名や社名で検索すると、瞬時にして複数の表が出力される。そしてよく見るとそれが、十分な思慮に基づくデータ処理であることが分かる。

Wolfram Alphaが公開データだけを扱ったらEnigmaになる、と考えるとほぼ当たっているかもしれない。しかしEnigmaは、一見関係のないような複数のデータ間の関係を見つけ出すのがうまい。Enigmaがこれまでに獲得したシード資金は145万ドルで、すでにHarvard Business Schoolや、調査会社Gerson Lehrman Group、S&P Capital IQ、それに最近ではThe New York Timesともパートナーしている。

Enigmaを紹介している本誌の記事はこれだ。


   
   

そして準優勝は: Handleだ

Shawn CarolanとJonathan McCoyが共同で立ち上げたHandle (ないしHAN:DLE)は、いわゆる“プライオリティエンジン”だ。それはWebアプリケーションおよびiOSアプリとして提供され、ユーザの仕事の生産性を高める。で、一体何をやるのかというと、メールクライアントとタスクマネージャが合体したような機能で、ユーザのメールをそれらの優先度で分類し、あとでざっと見れるように保存する。また、タスクとスケジュールを作り、その完了の日までの通信を…ほかのメールにまぎれないように…追跡管理する。

便利なキーボードショートカットが提供されていて(’A'を押すと保存、’R'を押すと今すぐ返事を書く、など)、しかも、毎日忙しい人が、「その日に何と何をすべきか」が明確に分かるようになっている。Handleはこれまで、Menlo Venturesから400万ドルを調達している(CarolanはMenloの常務取締役だ)。

Handleに関する本誌の記事は、ここにある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))