HarvestXが1.5億円調達、植物工場での実証実験に向け開発加速―実証結果踏まえた製品バージョンのベータリリースも計画

HarvestXが1.5億円調達、植物工場での実証実験に向け開発加速―実証結果踏まえた製品バージョンのベータリリースも計画

農業用ロボットを手がけるHarvestXは3月30日、総額1億5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ANRI 4号投資事業有限責任組合(ANRI)、オープンイノベーション推進 1号投資事業有限責任組合(東京大学協創プラットフォーム。東大IPC)、DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合(ディープコア)。

レタスなどの葉物類の植物工場が展開を広げる一方、イチゴのような果実類の生産にはハチ・ハエを媒介とした虫媒受粉または人の手による授粉が必要で、収量の不安定さ、高コスト、ハチの短いサイクルでの使い捨てが課題となっているという。そこでHarvestXは、ハチに代わるロボットを活用した授粉技術の開発に取り組み、世界で初めてロボットによるイチゴの授粉の実証に成功した。社内の研究施設「HarvestX Lab」内で実証試験機「XV-1」「XV-2」による授粉の実証実験を実施しており、ハチや人間を超える精度での授粉を行えるそうだ。

また現在は、HarvestX Labに植物工場と同等の栽培設備を導入し、植物工場事業会社での授粉ロボットおよびソフトウェアシステムの実証実験に向けたプロトタイプの開発を進めているという。

調達した資金により、パートナーである植物工場事業会社との実証実験に向けたハードウェア・ソフトウェアの開発、および実際の植物工場での実証実験を通じてオペレーションの検証やさらなる授粉精度の向上を進める。さらに、その実証実験の結果を踏まえた製品バージョンのベータリリースを計画している。

さらに、日本初の取り組みとして徳山工業高等専門学校提携。高専内に事業所を開設し、授粉・収穫用ロボットの共同研究を行う。

HarvestXがイチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」開設

HarvestXがイチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」開設

ロボットによる受粉と収穫で植物工場での果菜類の完全自動栽培を目指す農業機器開発スタートアップHarvestX(ハーベストエックス)は6月21日、イチゴの完全自動栽培ロボットシステムの研究開発施設「HarvestX Lab」を、東京大学本郷キャンパス内のアントレプレナーラボに開設したと発表した。

イチゴ農園などとの協力で受粉と収穫のための技術の検証を続け、すでに要素技術の概念実証を完了したHarvestXは、次にロボットシステムの検証、評価項目の追加、試験サイクルを加速する目的で、年間を通じて実験が可能なこの施設を開設した。植物工場事業者と同等の栽培設備を使うことで、開発環境と運用環境を効率化し、製品の機能や品質を向上させ、2021年夏ごろ、「植物工場に特化した機能拡充に向けて」新たなロボットを発表する予定とのこと。

HarvestXは、「ロボットによる完全自動栽培で農業人材不足・食料の安定生産に貢献する」をミッションに、未踏やロボコンの出身者が集まって2020年8月に創設された。おもに「ミツバチを媒介とした虫媒受粉」という不安定で手間のかかる受粉方法に依存している果物類を、ロボットで自動化する研究を重ねている。

HarvestX Lab設立に伴い、「検出や制御システムを担う人材」の採用を進めてゆくという。

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カテゴリー:ロボティクス
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